LINEのエンターメインメントプラットホームとしての可能性

舛田淳氏(以下、舛田):みなさん、こんにちは。LINEで戦略とマーケティングを担当しております舛田と申します。本日、第1部でLIFEというテーマでLINE payやLINE TAXIなどを発表させていただきましたが、私のほうからLINEのエンターメインメントプラットホームとしての可能性についてお話をさせていただきます。

皆様お気づきでしょうか? コンテンツには音楽や映画、漫画その他いろんなものがございます。今そのコンテンツの流通の形が変わろうとしています。その時代、時代によってコンテンツデリバリーはシフトしてきています。

例えば、以前であれば漫画や雑誌、レコード、CDはテレビ、ラジオ、雑誌などで知って店頭に行って購入をしていた。そしてデジタル化によりその流れは変わってきます。デジタル化によって次にコンテンツデリバリーの主役になったのは、トータルサイトやGoogleなどの検索サイトです。そしてまた変化がありました。

TwitterやFacebookのようなSNSの登場により、リツイートやいいね、シェアなど人と人がシェアをしてコンテンツが行きかうようになっています。そして今、その流れはLINEをはじめとしたモバイルメッセンジャーにシフトしようとしています。

キーワードはコミュニケーションとエモーションです。モバイルメッセンジャーだけが持つコミュニケーションとエモーショナルの力がコンテンツデリバリーを変えようとしています。

それでは本日は、LINEがどのようにコンテンツデリバリーを行おうとしているのか。エンターテインメントプラットホームとしてどのような展開をしようとしているのか。ゲーム、漫画、そしてもうひとつの大きく3つに分けてお話をさせていただこうと思います。

タイのスマートフォン市場を変えた「クッキーラン」

まずひとつ目は、ゲームです。少しおさらいをしてみましょう。LINEというメッセンジャーを通じてデリバリーされたLINEゲームはこの数年で、4億4000万ダウンロードという規模に成長いたしました。これは世界トップレベルの規模になっております。

この1年でリリースした個別のタイトルを見ても、LINEディズニーツムツムは2800万ダウンロードを記録し、一足先にリリースしたLINEポコパンも3700万ダウンロードされ、このふたつのタイトルはある時期、電車に乗り車両を見渡すと、このLINEツムツムかLINEポコパンをやっているという光景を目にしたかと思います。

さらにクッキーランは日本だけではなくタイのスマートフォン市場を変えたと言われるほどのタイトルに成長いたしました。LINEレンジャーはパズルゲームが多いLINEゲームの中で、タワーディフェンスゲームという少しコアなゲームにLINEキャラクターを足すことによってタイや台湾などで人気を得ています。

更に最近リリースしたタイトルの中にも、対戦型ボードゲームのゲットリッチ、ポコパンの第2弾となるパズルゲームLINEポコポコ、そして先ほどCMも流れていましたけれどもLINE初の音楽ゲームLINEステージ、そして1番新しいスリーマッチパズルゲームLINEスイーツ。

コアゲームへの今後の展開

これらのゲームも今まさにお手元のスマートフォン開いていただいて、アプリストアのランキングを見ていただくと、これらのタイトルがランキングを賑わせ始めています。これはカジュアルゲーム×LINEゲームというひとつのヒットの法則ができたと言えるでしょう。

しかしながらこれでLINEゲームは終わりません。もっと様々なユーザーにもっと多彩なジャンルのゲームをもっと世界に。LINEゲームは今までの得意なカジュアルゲームに加え、ミドルユーザー、ヘビーユーザーに向けたコアゲームも積極的に展開して参ります。

すでにカジュアル+コアの戦略は開始しております。先日レバナントゲームという本格的RPGゲームをリリースいたしました。今まで「LINEゲーム=カジュアルゲーム」、「LINEゲーム=ソフト」という印象を持っていたユーザーが、Twitterやいろいろなメディアを見るとようやく自分たちも遊べるゲームができたというような声を頂いております。

そして更にカジュアルコアの戦略のもと、近日リリースを予定しているタイトルは、カジュアルゲームとしては、世界4400万ダウンロードを記録し、LINEゲームの最初のヒットとなったLINEポップの第2弾「LINEポップ2」が出ます。同じくLINEキャラクターが登場するパズルゲーム、「LINEトリオ」も予定しております。

ミッドコアゲームとしては、LINE初のシミュレーションRPGとなる、アルビオン戦記を。そしてPCゲームクラスの3Dグラフィックスを実現した本格的MMORPG、「英雄の軍団」などを予定しております。

サイバーエージェントとゲーム開発会社を設立

そしてここからが発表になりますが、この戦略を世界規模で加速させるためにはプラットフォーマーであるLINEと、コンテンツパートナーとの関係が重要になるのは言うまでもございません。

それではここでLINEゲームの新たなパートナーを発表させていただきます。LINEとしてはゲーム分野での初のジョイントベンチャーとなります。

最初のパートナーはサイバーエージェントです。LINEとサイバーエージェントとの共同出資でLINEゲームに特化したゲーム開発会社を新たに設立させていただきます。新会社の代表には、サイバーエージェントグループでスマートフォンゲームを統括されてきた日高副社長が就任予定です。

新会社はゲーム事業の連結子会社9社を保有するサイバーエージェントグループの潤沢な開発力と、ゲームノウハウ、数多くのゲームタイトルをヒットに導いた経験を活かし、様々なゲームを提供して参ります。みなさまどうぞご期待ください。

GREEと提携してのゲーム戦略

そしてここでは終わりません。もうひとつございます。もうひとつのジョイントベンチャーをご紹介します。

LINEとGREEとでジョイントベンチャーを発表させていただきます。LINEとGREEとで世界にチャレンジするゲーム開発会社を設立させていただきます。これもLINEゲームに特化したゲーム会社となります。新会社名はEpic Voyage(エピックボヤージュ)。

新会社の社長にはGREEの荒木取締役執行役員が就任予定です。社名にはLINEとGREEとで新しいゲーム体系を世界中のユーザーに提供するという素晴らしく壮大な航海に出ようというような思いを込めてございます。

新会社は日本、北米、韓国スタジオでの高い開発能力、そして経験を活かしたRPGやシミュレーションゲームといったコアゲームを提供していく予定でございます。

サイバーエージェント、GREEという日本のゲーム市場を牽引し続けてきた2社とLINEとが、ただのパートナーではなくジョイントベンチャーという特別な形で組むことが出来たことを素晴らしいことだと思っております。この場を借りてサイバーエージェント様、GREE様にお礼を申し上げます。

世界にチャレンジするLINEのゲームコンテンツ

そしてもうひとつ。こちらはジョイントベンチャーではなく、先日発表させていただきましたが、世界にチャレンジする日本のゲーム会社を支援しようということを目的に設立しましたLINEゲーム・グローバル・ゲートウェイというファンドを通じたものでございます。

本日、早くもその第1号を発表させていただきます。「トランスリミット」です。ここにいらっしゃるみなさまには説明は不要かもしれません。第1段タイトルとなった対戦型パズルゲーム、ブレインウォーズが早くも300万ダウンロードを突破し、アメリカのアップストアで1位になるなど、各国で目覚ましい成果を出しています。

今まさに世界のポテンシャルを最も感じさせてくれる日本のスタートアップだと言えるでしょう。今回はファンドが出資を行い、トランスリミットの世界へのチャレンジをわたくしどもLINEも積極的に支援させていただきます。

LINEゲームはカジュアルからコアまでさらに多彩に、日本から世界へLINEを通じたゲームコンテンツのデリバリーをこれらのパートナーと共に加速させ、ユーザーへ新たな体験を与えるナンバーワンプラットホームを目指してまいります。