嫌いなことは成果が出ない
日本人が教わらない「目標設定能力」の大切さ

楠木建氏×赤羽博行氏 対談 #2/2

2018年2月21日、株式会社あしたのチームが主催する「あしたの人事クラブ発足記念パーティ」&『あしたの履歴書』出版記念イベントの一環として、特別講演が催されました。一橋大学大学院国際企業戦略研究科の楠木氏と、株式会社あしたのチームの赤羽氏が好き嫌いとマネジメントについて対談を行いました。本パートでは、働き方改革の問題点と、好き嫌いを盛り込んだ目標設定の大切さについて語ります。

枡田アナの成功の根底にも「好き嫌い」がある

赤羽博行氏(以下、赤羽):ありがとうございます。やっぱり努力は嘘をつかないとすごく感じますね、ありがとうございます。

一方で、楠木先生の著書に、目標を持たないということを明確に書かれている本があったのですが、楠木先生は目標とか……。

楠木建氏(以下、楠木):まあ、目標は持ちますけど。僕の仕事の場合、明確な数量的な目標というものは、持ってもいいけど、あんまり持てない。僕は大きな方向性だけは自分で決めるんですけど、あとは、例えば日付をそこに入れたりしないですね。仕事にもよりますが、わりと流れに身を任せます。

だから先ほどアナウンサーとしての努力の話も、僕に言わせると、結局ご自身がそれがお好きだからできたんですよね。

枡田絵理奈氏(以下、枡田):やはり好きなものというのは苦ではないですよね。

楠木:だからそれも、結果的に報われないようなことでも、ご本人としては十分にプロセスで報われているからこそ、そういうことができたのだと思います。

それから、もともとスポーツの分野がやりたかったとおっしゃっていましたけれども、それが政治だったら同じことができたか、「1時間つないでください」と言われていろんな政治家の話ができたかというと、これは好きではないのでできないんです、やらないですし。だから僕は根底に好き嫌いがあると思うんです。

「働き方改革」は、いかに生産性を上げるかが焦点

枡田:おっしゃる通りだと思います。

さあ、そして、まだまだお話をおうかがいしたいので、次のテーマに移らせていただきます。続いては、「働き方改革」についてです。最近では、新聞でもこの言葉が出ない日はないというくらいですが、楠木先生のお考えを改めてお聞かせ願えますでしょうか?

楠木:分子・分母を分けて考える必要があると思っています。生産性を上げるという話で、これは典型的なバランス指導というか。分母に「投入」があって、分子に「算出」とか「成果」などがあって、だいたいの方が、無意識かもしれませんけど、分母を小さくすることを考えています。

「6時だよ全員退社!」とか、「在宅勤務をすれば通勤時間が無駄にならなくていい」とか。それはその通りです。ただ、僕は優先順位は常に分子に置かれるべきだと思っています。

これはウイスキーと同じなので、ウイスキーがおいしければ、水で割っても、ソーダで割っても、ロックで飲んでも、もちろんそのままストレートで飲んでもおいしいわけです。なのでウイスキーが分子なんです。まずはその人の成果が一番出るやり方を考えて、同じ成果を出せるんだったら、この分の分母は小さくできるのではないかと考えるのが、正しい順番だと僕は思っています。

ところが、肝心のウイスキーの味は別にして、今は「この水で割るといいのではないか」といった考え方で、そのへんに僕は少しフラストレーションを感じます。

生産性向上には、評価制度の整備が必要

楠木:それはなぜかというと、政治家と議論すると、あの人たちは完全に分母が関係なくて。好きなだけ寝ないで、それこそ好きな人は(仕事を)やっているわけです。お盆に必ず地元に帰って盆踊りをしたりとか。どんなに金積まれたって僕はやりたくないですけどね。

それを好きでやっているので、もともと分母フリーの人たちが寄ってたかって議論しているので、あんまりリアリティないなと思います。どこまで本当に(働き方改革をしようと)思っているのか……。

ところが、分母操作の方が政策にしやすいんです。労働時間とか測れますので。僕はそのへんは少し気を付けた方がいいのではないかと思っています。まずは分子の極大化というのが先に来るべきだと思っています。

枡田:赤羽さん、いかがでしょうか?

赤羽:まさにおっしゃるとおりだと思います。分母は時間ですよね。時間に関しては、これから法律で決まってくるので致し方ないというところで。長時間労働をしてはいけませんというなかで、いかに生産性を上げていくかという分子の話だと我々も思っております。

いかに生産性を高くやっていくかというところで、生産性を測るものさしの必要性だとか。あとは、我々がまさにやっている評価の仕組み……目標を立ててそこに対してどうだったのかというところが、分子を最大化させていく仕組みとして、今、一番必要なのではないかと思います。

先ほどの厚生労働省の話は、最たる例だと思うのですけれど。実際に、今は生産性を上げていくために、人事評価制度を入れていきましょうということで、国家予算100億円の助成金があるみたいなんです。生産性を上げていく仕組みとして、国が認めた公式的なやり方ではあるんですけど。そうしたことを用いて、いかに分子を上げていくのかというところで、我々は働き方改革の一部を担っていると考えております。

目標を達成できる人、できない人の違い

枡田:ありがとうございます。

改めて、本日のお話をお聞きしまして、目標の大切さがわかりました。素朴な疑問とはなりますが、お二人は、目標を達成できる人とできない人の違いはどのあたりにあるとお考えでしょうか? 楠木先生、いかがでしょうか?

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