2024.12.10
“放置系”なのにサイバー攻撃を監視・検知、「統合ログ管理ツール」とは 最先端のログ管理体制を実現する方法
Science for Getting Swole: An Exercise Compilation(全1記事)
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ステファン・チン(以下、ステファン):運動しなければいけないと思いながら、言い訳をしてやらないことが多いですね。しかし、そんな言い訳が本当に通用するか考えたことはあるでしょうか。
多くの人が運動を習慣化しようと思う時、ランニングを考えます。しかしランニングを始めるにはいくつか考慮しなければならないことがあります。とくに膝の状態は心配かもしれません。しかし、本当にランニングは膝にとって悪いのでしょうか。
誰かに「走るのは膝に良くないよ」と言われたことがあるのではないでしょうか。走る時には、膝関節にある、柔軟性がありタフな軟骨が衝撃を吸収してくれます。長い間それが続くと次第に軟骨は磨り減ってしまいます。骨同士が擦れるようになり、骨関節炎の痛みや凝り、腫れなどを引き起こします。
しかし、それは本当なのでしょうか。過去に、ランニングをしている人とそうでない人とのデータを20~30年にわたって比較した研究を引用します。結果的に、膝に骨関節炎のリスクがあるランナーのグループが見つかりました。それは50歳以下の男性で、1週間に32キロメートル以上走るグループでした。
多くの論文は、長期間ランニングや水泳をしている人たちと、運動の習慣がない人や座っていることが多い人たちを比較しています。その結果、ランニングは関節炎の悲劇を引き起こさないことがわかりました。ランナーの方が関節炎になりにくい可能性もあることも報告されています。
ステファン:ではランニングをすれば関節を守れるのか。2016年、ある研究が行われました。人間が走っている時、膝の内部で何が起こっているのか調べられました。科学者たちは膝に問題がない30歳以下の男女のグループを集め、2日間以上にわたって2つの実験に参加してもらいました。
いずれの実験の際も、はじめに血液サンプルと少量の滑液、つまり膝関節にある自然の潤滑油が採取されました。1日目は被験者をランニングマシーンで30分走らせ、2日目は30分座ってもらいました。
その実験が終わるとさらにサンプルを集めました。十分な量の滑液を健康な膝から集めるのはかなり難しかったですが、研究者たちは最終的に被験者の6人から完全なデータを集めることに成功しました。その結果は興味深いものでした。
余分な炎症が関節炎の発症に関係しているため、科学者たちは炎症に関連する分子を探しました。また、軟骨オリゴマー基質タンパク質、カーテリッジオリゴメトリックマトリックスプロテインと呼ばれる混合物も測定しました。潤滑液の中にこれらがたくさん含まれていると関節炎の目印となります。
ランニングをした後、被験者たちの膝からはそれらの構成物が少なくなっていました。血液中に多く含まれ身体中に広がっていたためです。対照的に、座っていた人たちは膝のCOMPの濃度と他の炎症性分子が増えたのです。
これが実際はっきりと何を意味しているのかを証明するのは難しいですが、ランニングをすることにより膝から炎症の原因となる混合物質が押し出され、それにより軟骨のダメージや関節炎が減少するのかもしれません。
しかし、この研究のサンプル数が小さいため、確定事項とはいえません。しかし、もしあなたが走ることが好きで、健康的になったと感じていて、誰かが「走ると膝に悪い」などと言ってきた場合、相手にする必要はないかもしれません。
ですからランニングは悪いことではないかもしれません。かえって、それにより気分が良くなるかもしれません。実際、ランニングをすることによりハイな気分になれると言う人もいます。しかもその説を科学的に裏付けることができるのです。マイケルがランナーズハイと呼ばれる現象の裏にある科学についてお話しします。
マイケル・アランダ氏(以下、マイケル):走っている最中に幸福感、落ち着き、痛みの緩和といったことを感じる、いわゆる「ランナーズハイ」を経験した人もいるのではないでしょうか。1980年代から、「ランナーズハイ」は「エンドルフィン」という化学物質から引き起こされると考えられてきました。
映画『キューティ・ブロンド』の有名な台詞は知っていますか? 「エクササイズはエンドルフィンを生み出し、エンドルフィンは幸福感を生み出すのです!」。
しかし、今、その幸福感の源は「エンドルフィン」だけによるものではないかもしれないと科学者たちは考えています。原因となるのは「内在性カンナビノイド」という、体内の化学物質のグループの可能性があります。それはマリファナの中に含まれる、ハイにさせる化合物のような働きをします。
「エンドルフィン」は「オピオイド受容体」として知られる、身体中の神経にある物質と結合し、脳が痛みとして処理する他の化学信号に影響を与えます。「エンドルフィン」は筋肉に生じる痛みを和らげることができるため、「ランナーズハイ」によって生じる気持ちの良さの原因は「エンドルフィン」であると思われてきたのです。
しかし「エンドルフィン」は実際、「血液脳関門」という、血管の中にある有害な可能性のある物質から脳を守る、非常に繊細な皮膜を通り抜けるには大きすぎることがわかりました。ですから「エンドルフィン」は脳細胞との関わりがありませんから、「ランナーズハイ」からくる幸福感の原因ではないと考えられます。
その代わりに、科学者たちはその原因となっているのが「内在性カンナビノイド」ではないかと考えています。「内在性カンナビノイド」は脳内のシステムに対して、マリファナの中に含まれるTHCと同様の働きをしますが、体は自然にそれを生み出すようにできています。それは不安を抑えたり、痛みを抑えたりすることができます。
マイケル:2015年、ある研究者グループによると、ネズミが車輪の中で約6キロを走った後に「アナンダミド」と呼ばれる「内在性カンナビノイド」を作り出したという研究結果を発表しました。「ランナーズハイ」からくる痛みの抑制実験のために、走るネズミ・走っていないネズミがそれぞれホットプレートの上に置かれました。
走ったネズミの方は血中に「アナンダミド」を多く持っていたので、ホットプレートを熱がるようになるまでには、そうでない方よりも時間がかかりました。そして研究者たちはさらなる研究を行いました。次は、走ったネズミたちのうちのいくつかに、「エンドルフィン」をブロックする薬品を与え、それからの影響を受けられないようにしました。
それでもそのネズミは同じように、ホットプレートの上に置かれた時、そうでない方より落ち着いていたのです。
それから研究者は他の走るネズミのグループに「アナンダミド」を受容体と結合するのをブロックする薬品を与えました。それらのネズミの方がホットプレートに対してもっと過敏に感応したのです。それは走っていないネズミの反応と同様でした。
この研究により、「アナンダミド」こそが「ランナーズハイ」で起こる、痛みや不安を抑制する原因となっていて、「エンドルフィン」はそれほどでもないということがわかりました。少なくともネズミにとってはそのようです。
では、人間ではどうなのでしょう? 2012年、ある研究で人間、犬、フェレットをルームランナーで30分間走らせた後、人間と犬の血液中で「内在性カンナビノイド」の量が上昇したことがわかりました。人間と犬の両方が走ることに適合していました。
そして2011年の研究では、11人の健康な男性のサイクリストを被験者として研究した結果、エクササイズによって生じる「アナンダミド」は「ニューロトロフィン」のレベルを上昇させるかもしれないということがわかりました。
これは神経間の繋がりを調整するプロテインの一種で、抗鬱作用があります。サンプルのサイズが小さいため、これらの研究結果が私たちすべてに当てはまるとは言いがたいです。しかし「内在性カンナビノイド」が「ランナーズハイ」と関係がある可能性は高いと言えます。それにしても私たちは自分の体に関して知らないことがまだたくさんあるものですね。
ステファン:ですからエンドルフィンは私たちが思っていた、運動から得られる快感の原因物質ではなかったようですね。しかし、良いエクセサイズをし終わった後、何らかの化学物質が私たちのテンションを盛り上げているのは確かなようです。
ランニングをしている時やウエイトリフティングをしている時、最高の気分にさせてくれているのは確かですが、同時に多くのエネルギーが必要となります。アスリートの中には訓練中に特定の食べ物が助けになっていると主張する人もいますが、その食物の中には少し変わったものが含まれる場合があります。本当に効果があるのでしょうか。
ハンク・グリーン(以下、ハンク):アスリートはおかしなことをしたり、少なくとも外から見ると奇妙に見えることをする場合があります。マラソンランナーがディルピクルスの汁をレースの前にがぶ飲みしていたり、朝食にバナナ10本ぶんのスムージーを飲んでいたりするのを見ることがあるかもしれません。
これらの食物は何十年にもわたり40種類の食べ物がより激しい運動中に起こる恐ろしい「こむら返り」や他の筋肉痙攣を予防してくれると言われています。
では科学者がスポーツドリンクやエネルギーゼリーなどを開発してくれているというのに、なぜ普通の食べ物を摂取するのでしょうか。塩辛いピクルスジュースよりはマシな味をしているはずなのに。
ハンク:実際のところ多くのアスリートたちはそのようなエネルギーゼリーやスポーツドリンクを使っていますが、ピクルスの汁やバナナも有効なのです。
ハードな運動をした後の筋肉痛のメカニズムについて、科学者たちは同じ結論へ至っていません。しかし有力なのは、私たちが汗をかく時、筋肉が脱水状態になるという理論です。
するとナトリウムやカリウムなどの電解質が失われます。それら電解質は重要な働きをします。なぜなら電解質は筋肉細胞に、いつリラックスし、いつ収縮するのかという神経信号を伝達する働きをするからです。ですからスポーツドリンクやエネルギーゼリーには電解質がたくさん含まれていて、それに加えてさらなるエネルギーのために炭水化物も入っています。
1切れのピクルスには、8オンス(約236ミリリットル)のゲータレードに含まれるナトリウムの二倍の量が含まれていますし、バナナ1本にも10倍も多くのカリウムが含まれています。そのため、これらの食品はアスリートたちがハードな運動をする前に筋肉に電解質を詰め込もうとする時によく取り入れられるのです。
最近の研究ではこれらの食品は、この他の予想もしない理由でアスリートに有効かもしれないとされています。2010年には10人のブリガムヤング大学の生徒が脱水症状になるまで運動をさせられる実験がありました。ちょっとかわいそうですね。
その後、研究者たちは電力を使って筋肉痛を誘発させ、生徒の一部にはピクルスの汁、もう一部の生徒には水を飲ませ、残りの生徒には全く何も飲ませませんでした。
ピクルスの汁を飲んだアスリートたちは、何も飲まなかった人たちと比べて45パーセント早く、ただの水を飲んだ人より37パーセント早く筋肉痛が解消したのです。
奇妙なことに、ピクルスの汁が効果を出すのにたった85秒しかかかりませんでした。その短時間では汁が胃に吸収されもしませんし、もちろん筋肉にも到達しません。
それ可能性の一つとして言えるのは、ピクルスの汁が喉の奥に当たるとき、なぜか神経が、痙攣している筋肉にリラックスするよう誘発するというものです。しかし被験者はたったの10人ですから、これだけで結論づけることはできませんし、はっきり決めつける前にさらなる研究が必要となります。
バナナもかなり素晴らしい働きをします。2012年に行われたある研究では14人のサイクリストに、75キロのサイクリングの間の15分おきにスポーツドリンクか、バナナ半分が与えられました。
両方のグループのパフォーマンスは似ていましたが、バナナを食べた方のグループは走り終えた時、より多くのドーパミンと抗酸化物質レベルが見られました。ですから、私たちはバナナからももっと多くのことが学べそうです。
ステファン:どうやら食物の中には本当にパフォーマンスを向上させることのできるものもあるようですね。ピクルスの汁でさえも筋肉痛を和らげる働きがあるようですね。では、腹部の横に現れるあの痛みは、筋肉痛なのでしょうか、それとも他の何かなのでしょうか。
ハンク:あなたは今まさにマラソンのラスト10キロを走っています。獣のように走り、あなたはチャンピオンです、素晴らしい。すると突然わき腹に突き刺さるような痛みを感じます。一息一息吸うごとにますます悪化しているように感じます。
これは側腹部痛という症状です。そうなると一旦走るのをしばらくやめなければその痛みは治まりません。しかしこの症状を感じるのはあなただけではありません。2000年に行われたある研究によれば、ランナーのうち69パーセントの人が側腹部痛、2017年に命名された「運動関連の一過性腹痛」の経験があります。
他の方法で運動をした人たち、水泳や自転車に乗る人たちもこの側腹部痛を経験したことがあると報告されています。これはとてもよくある現象なのですが、研究者たちはまだはっきりとその原因について解明できていません。私たちは自分の体のことなのにわかっていないのですから驚きです。
ハンク:横隔膜のせいではないかという推測もあります。横隔膜とはドーム状の形をした筋肉で、胸部と腹部の間にあります。
横隔膜が収縮すると肺が広がり空気で満たされます。また横隔膜が広がれば肺が収縮し、中の空気が押し出されます。
しかし運動をしている時、その筋肉を必要以上に広げてしまっているかもしれない。例えば、あなたが走っていて、足がコンスタントに舗装にあたるタイミングと同時に息を吐いたとします。
その時、横隔膜が硬い状態にある時、横隔膜に痙攣を起こさせる場合があります。ランニング時の上下圧のかかる動きが内臓を動かすので、靭帯がそれを抑えるために引っ張られるために生じるという可能性もあります。そう考えると気持ちが悪いですね。
可能性が一番高い説によれば、それは腹膜によるものかもしれません。腹膜とは二層になった膜で腹壁に沿ってあり、内臓を支える助けをしています。
通常はその膜の間には液があるので、互いにあまり擦れないようになっています。なぜなら擦れる時にあの刺さるような痛みを引き起こすからです。あなたが食べすぎた時、胃が内側の膜に向かって突き出し、運動をしてたくさん汗をかき脱水症状になると、膜の間にある液は少なくなってしまいます。体を動かすことによって膜の層が互いに擦れることもありえます。
ではどのようにすれば痛みが治まるのでしょうか。まず、運動をちょっと止めてみましょう。そうすれば次第に痛みが引くでしょう。もし一向に痛みが引かないようでしたら、お医者さんにみてもらってください。私は医者ではありませんから。
再発しないように予防したいのであれば、お母さんが言うように、たくさん食べた後はちょっと休んでからプールに飛び込んだり外に走りに行ったりした方がいいかもしれません。またはコアマッスルを鍛えるのも助けになるかもしれません。
運動をしている間に起きる腹部の動きを抑えることができる、つまり靭帯や膜の伸びを減らすことができるはずだからです。腹部の空間にある内臓など全てが本体あるべき位置に留まることができ、あなたの走る速度を落とすあの側腹部痛の原因となるのを防ぐことができるのです。
ステファン:食事をしてから一度休むと、また運動をしたくなるかもしれません。でも、もし数日前にやったリフティングが原因の筋肉痛にまだ悩まされているとしたら、どうでしょう。
二頭筋を鍛えすぎてしまったということでしょうか。それとも前回からいまだに筋肉が大きくなっているということなのでしょうか。ハンクが良い運動について解説してくれます。
ハンク:この頃になると私たちのうちほとんどの人が新年に決心した目標に飽きてしまっているのではないでしょうか。しかしもしあなたが少数派の、最近になって定期的にジムに通うようになった人だとしたら、きっとワークアウトを始めた数日間は筋肉痛やコリを経験したのではないでしょうか。
それは遅発性筋肉痛として知られていて、それは筋肉中に生じる小さな亀裂に起因するものと思われます。筋肉が増えるとダメージを受けた細胞が修復するのと関係があるのは確かなようですが、痛みが大きければ筋肉がさらに育っているわけではないようです。
通常より激しく筋肉を動かすと、顕微的外傷、または微小外傷が生じます。それはとくに特定の運動をすると生じやすいようです。例えば伸張性収縮と呼ばれる運動をした時もです。その運動をする時、筋肉が同時に伸びたり縮んだりします。
例えば二頭筋カールでダンベルを下ろす時、あなたの二頭筋はゆっくり力を抜いていると同時にウエイトを支えるためにまだ収縮した状態にあります。このような動作は筋肉中のタンパク質に余分な緊張を生じさせ、小さな亀裂を生じさせます。それが炎症の原因となります。
その膨張と亀裂は痛覚受容体という神経細胞で痛みを感じる部位を活発化させます。時間が経てば筋肉は治癒し、痛みはなくなりますが、あなたの筋肉は以前より強くなったということなのでしょうか。もしかしたらそうかもしれません。
筋肉を形成するには少しのダメージと治癒が関係していることは判明しています。しかし、だからといって完全に筋肉痛と筋肉の成長が同じメカニズムではありません。研究者たちは痛みが多いほど筋肉が育っていないことを発見しているためです。
いずれにせよ、あなたが次にワークアウトをするときはやりすぎない方がいいのです。なぜなら「繰り返し効果」という現象があるからです。筋肉痛は主に普段使わない筋肉を動かすことによって生じます。
しばらく使っているとその筋肉は慣れてきて、痛くなくなってきます。あなたの体があなたにジムに戻るように促しているかのように。
ステファン:筋肉痛がひどいからといって、大きな筋肉が手に入るわけではありませんが、次回ジムに行って筋トレをする時には痛みが小さくなっているはずだということですね。1~2日休んでからまたジムに行くようすれば、あなたの体が感謝することでしょう。
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