目黒区と同じくらいの人口がいる丸の内

司会者:村上臣さまより「テクノロジーとビジネスの未来」についてお話ししていただきます。それでは村上さま、どうぞよろしくお願いいたします。

村上臣氏(以下、村上):はい、どうもこんにちは。村上です。よろしくお願いします。私はIT系をずっと渡り歩いているので、六本木とかが多かったのですが、今回初めて丸の内に勤務ということで、丸の内に一生懸命に馴染もうとしているんです。普段着ないジャケットとかを着ているのは、丸の内に馴染もうとしているんです。みなさん、パリッとしてますね。丸の内っぽい感じがします。

先ほどのお話で(丸の内には)28万人のワーカー人口がいるということで、びっくりしました。たぶん、人口でいうと目黒区と同じくらいですね。昼になるとここに目黒区が生まれるとなると、すごい話ですよね。ここでいろんなことができるのではないかと思います。

今日は「テクノロジーとビジネスの未来」についてお話をさせていただきたいと思います。ちょっとお伺いしたいので挙手をお願いします。この中でいわゆる文系という方はどれくらいいますか? すごいですね。80パーセントぐらいですかね。

逆に理系だったという方は? なるほど、8対2ぐらいですかね。ですので、やっぱり(丸の内は)文系の街ですかね。私もそのような感じがしていたんですけれども、あらためて今日参加している方々は文系として来たということですね。

なぜこのような話をするかというと、どうしてもテクノロジーとかサイエンスというと、理系のイメージが強いですよね。これまで私たちには関係ないよと思っていた文系の方、これからはテクノロジーがある程度理解できないと、少しまずいなという話から始めたいと思います。

今日はですね、いわゆる世の中このような事例がありますよとか、こんな新しいサービスがあるといった話はあまりしません。実はビジネスとテクノロジーの関係性に重きをおいてお話をします。なぜなら、テクノロジーとビジネスの未来について話をする時は、「そもそもビジネスとは何なのか」、「テクノロジーとは何なのか」を今一度、本質的なところで理解をしていただく必要があるんです。なので今日はその話をしたいと思います。

社会の課題解決・価値の提供によりビジネスは生まれている

ビジネスとは何かということで。すいません、僕は資料を作る時は、ゆるいんですけれども、いつも“いらすとや”なんです。「ビジネスとは何ですか?」という質問に、答えられる方はいますか? 答えはこうじゃないかと、けっこう(このスライドに)書かれていますけれども。わりと利益という話が出ますよね。売上利益。なのでビジネスとは儲かってなんぼという話です。利益を創出するのがビジネスになる。

松下幸之助さんのようなパナソニック(旧社名、松下電器)を立ち上げられた方は、「社会の公器である」という言い方をされる。ですので、社会の役に立つことで、企業に価値があるのだということです。最近だと、とくにサブプライム以降、(企業が)利潤追求をした結果、かなりいろいろなことが起きた。古くは粉飾事件などがありました。

ということで、それよりかは社会的に意味があることをすべきじゃないのか。CSR(corporate social responsibility)とかやられている方もいると思われますけれど、社会貢献的な事業もあるということですね。

じゃあ、今一度立ち返って、ビジネスの目的とは何ですかと言った場合に、実はこれは会社の外に目的があるんです。要するに、何か社会の課題を解決することによって得られる対価、これが利益という考え方。私はこういうふうに捉えています。

例えば、自動車メーカーさんであれば「車」という便利な道具を作ることによって、みなさんも車に乗られている方にとっても便利ですよね。雨の日に濡れずに移動できたり、もしくはスキーに行ったり、キャンプをしに行くことができたり。

要するに、みなさんの生活が豊かになるようなツールを提供する「車」というものがあるとすると、やはりそれは今まで時間がかかっていたところに行けるようになったり、徒歩では行けないところに行けるようになった。そういったところを解決しているからビジネスがまわっている。

ですので、ビジネスというのはこういうもので、その目的というのは社会の課題を解決する、もしくは価値を提供することによって生まれているということになります。

テクノロジーは生活やビジネスに寄り添う形で存在している

では、もう1つの「テクノロジーとは何ですか?」というお話です。テクノロジーとは何ですかと言って、「これだ!」と言える人はいないと思うんですけれど。やはり、テクノロジーというと「技術」と思い浮かべますよね。なんだか難しそうだと。とくに文系の方はそうだと思います。

なので、今日はたぶん文系の方が過半数を占めるだろうと思って、あまりテック用語を使わないようにして、みなさんに馴染みのある言葉を、経済的視点と社会的視点という言葉で説明をしようかなと思います。

たぶんみなさんは経済学を専攻されていたりとか、文化人類学とかいろんな専攻があったと思うんですけれども。いわゆるテクノロジーというものを経済学のレンズで見てみましょうと言った場合にどうなるかということですね。

つまり、少し大学時代に戻ってしまうんですけれども、資本の収益性と書いていますけれども、要はテクノロジーによって、圧倒的に効率が上がった、生産性が上がった。これは何を意味するかというと、一定の資本を投下することで周りがよくなるということですね。

例えば、農業で捉えると、今まで手で田植えをしていたのをコンバインや田植え機みたいなテクノロジーによってそれを具現化したツールができあがった場合に、圧倒的に生産性が上がりますよね。そういう話です。

それは、昔に手でやっていた農業と比べて、テクノロジーを導入したビジネスというのはより効率がよくなる。つまり儲かる。収益率が上がるというもの。そういった側面でテクノロジーを見るのが1つです。

この記事は無料会員登録で続きをお読み頂けます

既に会員登録がお済みの方はログインして下さい。

登録することで、本サービスにおける利用規約プライバシーポリシーに同意するものとします。

SNSで会員登録

メールアドレスで会員登録

パスワードは6文字以上の文字列である必要があります。