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第2回「DMM亀山会長、メタップスCEO佐藤氏とお金2.0について語る!」(全8記事)

経営者には“心のサビ取り”が必要? DMM亀山会長×メタップス佐藤航陽の新たな挑戦

DMM亀山会長がバーチャルおやじユーチューバーを目指す「かめっちTV」が遂にスタート。第2回目のゲストは、メタップス株式会社社長の佐藤航陽さん。最近「自分らしくないこと」に少しずつ挑戦している亀山氏と佐藤氏は、年を取れば取るほど気づきにくい“心のサビ”について語り合いました。議論の中でたどり着いた、今、2人にとって一番チャレンジな挑戦とは!?

たまには“自分らしくないこと”をやるべき

スタッフ:佐藤さんが「心の錆び」を取り除くために意識されていることはなんですか?

亀山敬司氏(以下、亀山):心の錆び?

佐藤航陽氏(以下、佐藤):う〜ん、あれですね。亀山さんでいうと旅しないとダメな状態だと思います。

亀山:俺がときどき自分を見失いそうなとき、ひとりになるために錆びを落としに海外行ってきまーすみたいなやつ?

佐藤:そうですね。これってすごく難しくて、普通に生きていると錆びていっちゃうんですよね。

自分らしくないことをすると錆びは落ちますよね。絶対、普段の自分だったらやらないことをたまにやってみると、「あーなるほどな」と。「自分に違う側面ってあるよね」ということに気づけるので、僕はそれをけっこう意識的にやりますかね。

らしくないことの範囲をちょっとずつ広げていかないと、ずーっと同じことをして、ずーっと同じパターンの中にもぐり込んじゃいますね。しかも、自分が同じパターンに陥っていることに気づけなくなるので、そうするともう軌道修正できないです。これがすごく恐いですね。

亀山:自分らしくないこと、まだまだある?

佐藤:ぜんぜんあると思います。僕がやらないこと、やらないだろうこと。

亀山:どっかで踊ってみるとか。

佐藤:歌うたってみるとか、絵を描いてみるとか、「かめっちTV」出てみるとかね。

亀山:これ、らしくないこと?

佐藤:らしくないことです(笑)。

亀山:今日の撮影がきっかけで、佐藤も明日からYouTuberになっちゃうとか言うかもしれないよ。

佐藤:ですよね。あるかもしれないです。

亀山:俺と視聴数を張り合うかも知れないな。

佐藤:僕のほうが伸びてるみたいな。

心の錆びが取れた状態とは

佐藤:でも、このYouTube、亀山さんにとってもらしくないことですよね? 人前に出るっていうのもらしくないことですよね。

亀山:そうだね。ここ 3、4年前から人前に出始めたけど、これもこれでまったく違う発見があったよね。

佐藤:まさに、錆びを取っているんですよ。

亀山:年取るとね、錆び取るのもまた大変なのよ。ギコギコ音がしてさ(笑)。

佐藤:しかも、年を取ると感動の数が減っていくじゃないですか。全部だいたい予定調和で、こうなるだろうと予測がついちゃうんで。それを取っていくのはすごく大変ですよね。

亀山:だから錆びって何かっていうと、自分の日常を遠くから見たときに、「お前この良さわかってないよね」とか「悪さわかってないよね」っていう、両方あるんじゃないかな。

佐藤:空間的というよりかは精神的に、今いる日常から1回出るというのが、錆びを取るってことなのかもしれないですね。別に遠くに行く必要はないですもんね。

亀山:ずっとトイレにこもっててもいいもんね。

佐藤:いつも着ている服のブランドが変わるとか。

亀山:チェーンをジャラジャラ着けたりしてくるとおもしろいかもね。

佐藤:え? 僕ですか? 僕はいいですけど……。

亀山:いやいやいやいや(笑)。だって錆び取りたいんだろ?

佐藤:まだ時期じゃないかな。

亀山:まだ時期じゃない? そんなこと言ってるやつは取らないからね。ちょっと自分を超えてみたら?

佐藤:錆びが取れた状態っていうのは、今、自分に貼られているレッテルだったり、憑き物みたいなものが落ちた瞬間なんじゃないですかね。旅もそうですしね。「亀山会長」である必要もないわけじゃないですか、旅先のアフリカでは。「よくわかんない人いるぞ」ってアフリカ人に言われて。別に素晴らしい人間のふりをする必要がないわけじゃないですか。

亀山:「ジャスト亀山」だね(笑)。旅に出ようかな、そろそろ。ちょっと垢が溜まってきたような気がしてきた。

北朝鮮の国民の幸福度

佐藤:YouTuberとかやってる場合じゃないですよ。

亀山:YouTuberもアフリカロケにしようかな。カメラ持って行って。

佐藤:とか、北朝鮮ロケとか。

亀山:いいね〜帰ってこれないかな(笑)。でもなんか新しい発見がありそうだね。

佐藤:北朝鮮はめちゃくちゃおもしろいって誰かが言ってましたよ。すごい発見があると。誰だったかな? ひろゆきさんが言ってたのかな。

亀山:あれって簡単に行けるもんなの?

佐藤:いや、行けないですけど。

亀山:行きたいって言っても行けないもんなの?

佐藤:なんかけっこう制限されているらしいですね、人数とかも。

亀山:でも、なんとかなるんだ。

佐藤:なんとかなります。

亀山:一応まあ、見張りは付くんだろうけど。

佐藤:でも、人々がすごい幸福そうだったって言ってましたね。それは国民への情報が制限されているから。つまり、情報が増えて選択肢があって比較できるってなると、人は不幸になっていくと。あそこは情報がすごい制限されているから、すごい幸せなんだと。

亀山:さっきからさ、錆びは取ったほうがいいとか言うけど、錆びを取るのって大変で、別に幸せなことじゃないからね。俺、別に旅に行きたくて行ってないからね。修行みたいなもんだよ。

佐藤:幸福度とはぜんぜん関係ないですよね。

亀山:お金も幸福度と比例しないけど、自分を見つめたり、錆びを取ったり、進化することも幸福とはまた別じゃん。それで言うと、さっきの話でVRとかっていうのは幸福かは別としても、そういった中で人が惹かれてしまうからそっちに行っちゃうってだけ。

佐藤:そうですね。人の欲望ですね。

人は幸せのために生きるのか

亀山:そうだね……幸せってなんだろうね〜。

佐藤:脳の電気信号じゃないですかね。

亀山:またまた! 味もそっけもないこと言いやがって(笑)。でも、人は幸せのために生きるのかっていうと、哲学者ってだいたい不幸じゃない? 今しゃべってることもある意味哲学みたいな話だから、要は幸せのためにやってるわけじゃないよね。じゃあ、幸せじゃなく何を求めてるんだ。

佐藤:なんでしょうね?

亀山:真理ってやつかい?

佐藤:真理もそうですけど、刺激的なものじゃないですかね。

亀山:刺激的なものか。真理じゃなくて刺激なのか。

佐藤:真理が刺激なんじゃないですかね。

亀山:真理が刺激で、電気信号がぶわーっときて。「これだー! ハッピーー!」ってなるの?

佐藤:近いです(笑)。「なるほど、世界はこうなってたんだー」っていう。

亀山:でもそのとき、「俺はなんて酷い人間だ! だめだったんだー」って思って落ち込むかもしれないけど。でも、ちょっと真理に近づいちゃったみたいな。

佐藤:少し見えたなと。

亀山:でも、ちょっとずつでも見えても、真理なんてたぶん 一生たどり着けないものだから。求めながらも「ちょっと近づいたな」って言いながら死んじゃって幸せなんだろうね。

佐藤:「もう少し先があったかもしれないなー」っていうのをちょっと心残りにしてみたいな。

亀山:到達なんてなかなか難しいよね。最後まで到達してる奴ってロクな人いないと思わない?

佐藤:いないんじゃないですかね。

亀山:到達したつもりでいる人いるじゃない。「これが正しいんだ」とか、「これが真理だ」とか。

佐藤:その人たちは諦めたんじゃないですかね。その答えに納得できちゃったんじゃないですかね。たぶん、まだ続けてる人たちって納得できないんじゃないですかね。まだ下にあるよね。なんかいるよねっていう。

亀山:多くの人が納得していく中で幸せを掴むのかな。

佐藤:うーん、かもしれないですね。本人はここがゴールであって欲しかったんじゃないですかね。そろそろ疲れたなと。

死ぬ間際の5秒に後悔したくない

亀山:俺もそれ考えたことがあるんだけど。例えば、宗教でもいいし 自分なりの正しい正義みたいなものを信じてさ。それで、死ぬ間際のわずか5秒のときに「いや違ったかも」って思うとさ、めちゃくちゃ不幸じゃない? 俺はこの最後の5秒がけっこう大事で、そのときになるべく「しまった」って思わないようにしたいと思っているんだよね。

佐藤:その準備なんじゃないですかね。これが結論だっていうのは。

亀山:それには掘り下げないとさ。浅いところで幸せになっちゃうとなんか最期の最期、土壇場でさ、「金儲けやったー! 儲かったー! すっげー俺幸せー!!」って言って死ぬ間際に、「あれ? 誰もいねぇ!」ってなって、「間違えたかー!」って言ってさ、最期5秒で「うっ」となるとさ、むちゃくちゃ人相悪い死に方になると思うんだよね。

佐藤:でも、そういう人はすごいお金を撒いて、最期にそうならないようにしてるんじゃないですかね。

亀山:お金を撒いても、お金もらったやつが、死ぬ間際に「もう早く死なないかな」ってイライラした顔してるかもしんないじゃない。たぶん、わんわん泣いてはいないよね。そのときにさ、ちょっと「しまった」って思うの辛いじゃない。だからたぶんちょっとでもマシな正しいものがあるなら、少しずつでも進化させていきたいなと思うんじゃない。

佐藤:それもありますけど、疲れちゃうっていうのもあると思うんですよね。これ以上深堀するのはもういいなと。どんだけあんだよ下、ありすぎだよと。ここら辺でもう決着つけようぜっていうのがあると思うんです。

亀山:佐藤もそう思うことある?

佐藤:いや、ありますあります。

亀山:でも、俺が何か言ってたら、「いやいや、それは違うかもしれませんぜ!」とかって、佐藤がうるさく言うじゃない。「俺にまだ掘れって言うのか?」みたいな。

佐藤:それは、もう亀山さんにそういうことを言ってくれる人がいないような気がするんですよね。「いやいや、亀山さん言ってること間違ってますよ」と「おかしいですよ」って人がもういないと思うんですよね。最近はすばらしい人みたいになっちゃってるんで。

亀山:ちょっと勘違いしてるよね、みんな。

「一番チャレンジングな錆び取り」は何か

佐藤:「あいつは悪人だ」っていう人はいなくなってきてるじゃないですか。

亀山:でも、いることはいるよ。「2ちゃんねる」とか見るといっぱい書かれてるよ。「実はヤクザだ」とか「極悪非道だ」とかっていろいろあるんだけど(笑)。

まあ「NewsPicks」とか読んでたらほぼ褒め言葉だし、そこまで言ってもらうほどのもんじゃないんですけどって気はする。

佐藤:口開けば、「いやすばらしい!」っていいねがつくわけじゃないですか。

亀山:たしかに、この間カミさんに言われたわ。「あんた最近いい気になってない?」って。それで言うと、佐藤は社員でもないし同じ船に乗っていないから、俺の錆びを取ろうとできるわけじゃない。俺との距離があるから、「別にどう思われてもいいわ」って言えるじゃない。

佐藤:無責任に言えますからね。

亀山:無責任って大事かもね。無責任だからこそ相手の錆びが取れるっていう。

佐藤:だからまったく関係ない人に聞いてみるのはありですね。「俺どう?」って。「クソだよ」って言ってくれると思うんで。

亀山:そういったのも含めて、やっぱり旅に出ないとダメだね。最近ちょっとチヤホヤされすぎかもしれない。

佐藤:または、顔出しをしてみるとか。

亀山:ゲゲ! それはなんか取り返しがきかないような。

佐藤:結婚と一緒ですよね。取り返しがきかない、取り消せない。一回出ちゃうとね、顔変えるくらいじゃないと。

亀山:その勇気がないというか。しょせん今の俺のちやほやとかっていうのも流行りもんだと思っていて、ちょっと風向きが変わると一気に流れが変わるよね。

今ちやほやされてて街歩いてて「あー、かめっちだ!!」って言われるのも嫌だし、その後に何か悪いことがあって石投げられるのも嫌じゃない。静かにぼーっとしたいときあるじゃない、その辺のベンチ座って。

やっぱり自由に近所のお店に入って牛丼食って「御新香おかわり」とか言ってさ、なんかそういう気楽なほうがなんか楽しいよね。

佐藤:場所ごと変えちゃえばいいんじゃないですかね。アフリカに拠点をメインに移しちゃう。

亀山:俺、日本好きだもん(笑)。近くで牛丼食べながら、その辺のベンチで寝転がったりとかしたい。

佐藤:僕、思うんですけど、やってみるのが怖いことっていうのが、今やるべきことなんじゃないのかなって思っていて。

亀山:ゲゲ……さっきの話に戻る? らしくないこと?

佐藤:普通の人から考えたら別に顔を出すことなんか、そんなに緊張しないじゃないですか。でも、亀山さんにとってはすごい怖いことだと思うんですよね。怖いというか躊躇することだと思うんです。ってことはそれが一番チャレンジングな錆び取りなんじゃないですかね。

亀山:なんか騙されている気がしてきた(笑)。

佐藤:いやいや、あると思うなあ(笑)。

亀山:まあ、ちょっと考えてみるよ。

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