2024.12.10
“放置系”なのにサイバー攻撃を監視・検知、「統合ログ管理ツール」とは 最先端のログ管理体制を実現する方法
提供:グーグル合同会社
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小島英揮氏(以下、小島):みなさん、こんばんは。なんだかとても堅い雰囲気で前のほうも緊張してしまうので、もう少しにこやかにいきますね。よろしくお願いします。では、お座りください。
ここから40分ほど、対話形式で「日本でのキャッシュレスの流れは不可避なのか」についてお話ししていきたいと思います。
先ほどハッシュタグの話をしましたが、おそらくみなさんスマートフォンをお持ちかと思います。世の中にはTwitterという非常に便利なサービスがありまして、そこで「#inevitableja」というハッシュタグをサーチしていただくと、今のところ登壇者だけが一生懸命つぶやいていますので、ぜひ「来てるよ」などつぶやいていただけたらうれしいです。
できるだけコメントや質問を拾っていこうと思っておりますが、すべてお答えできないかもしれません。ですので、ハッシュタグのほうにコメントいただければ、懇談会で拾えるかと思います。
ということで、今日は2人で話をしてまいります。進行自体は、私、小島のほうでさせていただきますね。
私は直近はクラウドベンダーに勤めておりましたが、去年からいわゆる「パラレルキャリア」をしております。複数の会社でマーケティングのお仕事をやらせてもらいながらのパラレルキャリアです。今は、6種類ほどの名刺を持っています。
いま勤めている企業には「クラウド上のサービスでビジネスが回っている」という共通点がごさいます。本日は私も実感している「クラウドとモバイルが新しい潮流のベースになっている」というお話をさせていただきます。
まさに今の私が働いている複数の企業は、クラウドがなかったら存在していなかったと思うんですね。「クラウドやモバイルの潮流が来ている」というのは、私自身の働き方を見ていくと「間違いないのではないか」と思っております。
小島:本日は「これからキャッシュレスがどう来るのか」という話をワンファイナンシャルのCEOの山内さんにお聞きします。山内さんをご紹介したいのですが、山内さん、今年で何歳でしたっけ?
山内奏人氏(以下、山内):16歳です。
小島:今日、山内さんより年下の方、どれくらいいらっしゃいますか?
(会場笑)
小島:この「16歳」がどれほど衝撃的だったのかといいますと、私の息子とまったく同じ歳なんです。昨日、息子は誕生日を迎え17歳になりました。
山内:おめでとうございます。
小島:「同い年でこんな人がいるんだ」という衝撃と、あと息子に山内さんの話をしたら「比べられたくない」と機嫌が悪くなりました。それほど「規格外」といった感じですね。簡単に自己紹介お願いしてもよろしいでしょうか?
山内:7歳のとき家にあった古いパソコンに触れ、10歳ぐらいでプログラミングを始めました。それから、11歳のときにRubyという言語のプログラミングコンテストで国際的な賞をいただいてから、さまざまなベンチャーに入るようになりました。
そのなかで「決済などの金融という領域で戦ってみたいな」という思いがあり、15歳で起業し、今にいたります。
小島:つまり、今の「ONEPAY」というのは1個目のサービスではない、ということですよね?
山内:はい、まったく違います。
小島:いくつ目ですか?
山内:あ、もう数えられない。
小島:わぁ、すごいですね。
さらっと「12歳からいろいろなスタートアップに参加」と書いていらっしゃいますが、どのようにして12歳でいろいろなスタートアップに参加できたのでしょうか? その環境について教えてください。
山内:ビジネスプランコンテストに出場していた当時、あるVCさんのシェアオフィスに出入りさせていただいていました。あるとき、隣の席にいらっしゃった現在50億ぐらい調達しているスタートアップの某社長に誘われて参加するようになりました。
小島:若いというのは1つのユニークネスだと思いますが、覚えられやすいというのはアドバンテージでしたか?
山内:そう思います。
小島:なるほどね。11歳から12歳、ジャンプがすごいですね。
小島:現在「ONEPAY」というサービスを展開していらっしゃいますが、どのようなサービスかお話していただけますか?
山内:みなさんスマホを持っていらっしゃる方がほとんどだと思いますが、そのスマホに「ONEPAY」というアプリをダウンロードするだけでクレジットカードでのキャッシュレス決済を受けることができる、というプロダクトです。
つまり、誰でも「今日思い立って、10分後には、お店を開けるような状態になっている」というサービスです。
小島:では論理的に考えれば、「ここに座っていらっしゃる方の全員が商店主になって、クレジットカード課金できるようになる」というイメージでしょうか。
山内:そうです。
小島:どのような利用者が多いのでしょうか? 「自分のスマホがレジになるといっても、どんなシーンが多いの?」という疑問は、みなさんのなかにもあると思います。
山内:本当にバラバラです。今まで普通にクレジットカード決済を受けていなかった方が受けるようになった例としては「田舎の八百屋さん」ですが、そこそこ使っていただけています。
小島:八百屋さん?
山内:八百屋さんや個人タクシーの運転手さんが使っていますね。
それと最近は「シェアハウスの家賃の回収をクレジットカードで行なう」というおもしろい使い方です。「現金を下ろしてきて手渡すのがめんどうくさい」のですが、借りている人が「ONEPAY」をインストールして、クレジットカードでお金を回収していくという使い方もあります。
小島:あとでビジネスの伸びについても聞かせていただきたいのですが、想定内のユースケースが多いんですか? それともリリース後に「こんなところにも使うんだ」というイメージのほうが多いですか?
山内:どちらかというと最初は「シェアオフィスの家賃」といった比較的新しい使い方が多いのかなと思って設計していました。
小島:でも八百屋が来たみたいな?
山内:八百屋が来たというところなど、自分たちで作っていても本当におもしろいなと。
小島:なるほどね。ちなみに、この中で「ONEPAY」を入れたことがある人はどれぐらいいらっしゃいますか? 私、今入れてますけども。
(会場挙手)
小島:今日の山内のゴールは、「最後には全員の手が挙がる」なので、ぜひ。
山内:ぜひ入れてください。
小島:すぐインストールできるのでやってみてください。
小島:今日のテーマ「キャッシュレス」の、とくに「日本での流れは不可避か?」ですが、みなさんを取り巻いている状況、世の中の動きを簡単にサマリーして情報を擦り合わせた上で、次のお話にいきたいなと思っています。
すこし拾ってみると、これほどのトレンドがあります。キャッシュレスに関する世界の流れ、ということですね。左の「クレジットカードやデジタルキャッシュがどうか」という前に、「紙幣やコインの廃止」が世界中に流れとしてあるんですよね。
例えば、最近「インドで急に高額紙幣が廃止された」という話をニュースで見た記憶がある方もいらっしゃるかと思いますが、旅行中の方がこれに当たってしまい非常に大変だったようです。
一方で「コインも廃止になる」と。理由がいろいろと書いてありますが、大きく考えると高額紙幣というのは……マネーロンダリング?
山内:そうですね。
小島:確かにデジタルだと跡がつきますが、1万円を持っていても「誰の」1万円なのかわかりませんよね。ですから、現金は非常にロンダリングしやすく、政府側は嫌がっているという状況ですね。
コインは単純にコストの話だと聞いています。「1円を作るのにいくらかかってますか?」という話ですよね。なので、これもけっこう厳しいですね。
このあたり、今まさにトレンドで思うところはありますか? 高額紙幣はどんどんなくなっていくのでしょうか?
山内:そうですね。あとは税金の問題があります。
小島:税金?
山内:収入が見えないので国側も厳しい状況で、あとはコストの問題でいうと、けっこう前からカナダも実は小さい硬貨がすでにありません。
小島:なるほどね。
山内:世の中の流れとしてはけっこう前からあるトレンドだと思っています。
小島:なので、今年あたりすごくニュースでキャッシュレス、つまりクレカや電子マネーを使うといった話があって、そもそも流通してる紙幣とかコインを抑えたいのは政府のほうであるということですよね。
小島:今「キャッシュレス」というと必ず取り上げられる先進国といえば中国ですが、実際AlipayやWeChat Payを使ったことあります?
山内:あります。WeChat Payはあります。
小島:おお。どんな体験になるんですか?
山内:僕は送金でしか使ったことはありませんが、WeChat Payはエンタメといいますか、「楽しさ」みたいなところでUI設計されているように思います。
小島:へえ。
山内:Alipayはどちらかというと、もう本当に金融機関という感じの(サービスですね)。
小島:もともとEコマースから来ていますからね。他人に聞いた話ですが、Alipayはまとまったお金をみんなで払うときに、WeChat Payは個人で払うときに使うそうです。割り勘とかですね。どうしてかはわかりませんが、UIがそうなってるのかもしれません。使い分けがなされていると聞きます。
おもしろいのは、政府についていうと、別に中国政府は「紙幣の流通が減っている」とか言ってないですよね。ただ「便利だとあっという間に広がる」という意味では、これおもしろい状況かなと思います。
テクノロジースタックでいうと、モバイルで決済できる仕組みはいろいろとあるんですよね。このあとGoogleさんがお話をしてくれますが、Google Payや、もちろんiOSのApple Payもあります。もうお手持ちの端末が決済の基盤になるようなものが、はじめからビルドインされているというのは多く感じます。
ちなみに、普通のクレカと、Google PayやApple Payの違いをどのように見ていますか?
山内:単純にセキュリティが向上することはありますが、どちらかというとUXですね。スマホ以外を持ち歩かなくていい世界観がこれからどんどんできていくので、それが非常に重要なファクターではあると思います。
小島:なるほど。確かにお財布を持っていなくてもスマホは持っているから、それで決済できてしまうのは非常にいいということですね。
それから無人レジや現金お断りレストラン。現金お断りレストランにはまだ行っていませんが、ロイヤルホストさんがあるお店で今「カードしか受けない」としているそうです。記事を読む限り、バックエンドの作業やレジ周りが非常に大変なので、オペレーションコストが下がるんじゃないかということでやっているようです。
ある元スーパー経営者に聞いたことですが、現金レジがあるとおつりの準備金を1レジあたり数十万円ほど用意しないといけないそうです。
損益で見ればお金は手元にあるのでマイナスにならないような気がしますが、経営のご経験がある方ならおわかりの通り、手元に数百万のお金がありながらも動かせないというのは非常につらいことですよね。そのため経営では、キャッシュフローの観点からもキャッシュレスのほうがいいのではないかと言われております。
小島:もう1つ、無人レジといいますか、レジなしという点で「Amazon Go」が注目だと思います。ちなみにAmazon Goでお買い物された方どれぐらいいらしゃいますか? いないですよね。
私は、先週末に2日ぐらいしか余裕がなかったのですが行ってきました。シアトルまで飛んで、夜と朝の2回だけですが、買い物を体験してきましたね。結論からいくと、非常にいいです。とくにUXが非常によかったです。なにがいいって、物を取って出るだけでいいんです。
無人レジは日本のスーパーにもありますが、私は1回も使ったことがないんですよ。なぜかというと、リテラシーを要求されている雰囲気があるんですね。バーコードを自分で読み込んで、合っているかどうかというところ。無人レジに行くとみんな急いでいる方なので、あそこでもたもたしてしまうと後ろの視線が厳しいみたいなこともあります。
そういう意味で、Amazon Goは本当に商品を棚から取って、外に出ていくだけなので、非常にいいと思います。この画像は僕のスマホのスクリーンショットなんですが、お店を出るとしばらくして「あなたが買ったもの、これだよ!」と表示され、きちんと明細が見られるんですね。
おもしろいのは「リファンドできる」という点です。私が買ったものと100パーセント間違いなかったです。もし間違っていたら「これ買ってませんよ」というのをUXで簡単に伝えられるようになっています。逆にいうと、はじめに商品を「リファンドしますか?」と聞かれるようになっています。
山内:へえ。
小島:ですが、調子に乗って買ったはずものをリファンドすると、おそらくアカウントがBANされて入れなくなりますね。
山内:なるほど。
小島:Amazon Goは会員に紐づいているからできるのではないかなと思います。ですから絶対そんなことしませんよね。自分の評価が落ちてしまうと嫌なので。
それと事前決済ですね。アメリカですと、Airbnb、Uber、この写真はLyftですが、こういうC2Cでやりとりするときの事前決済はいいUXだと思っております。山内さんはどう思いますか?
山内:いや、本当にいい。
小島:いいですよね。タクシーに乗って私が嫌なのは、降りるときにもたもたお金を払うところなんです。現金であっても、カードであっても一緒です。UberやLyftは乗る前から支払いが済んでいて、そのあとのやりとりがなくて非常に気持ちいいんですよね。
こういうのを見ると、キャッシュレスは合理性だけではなくて、おそらくUXは「お客様のエンゲージメント」を高めるときにも非常に良いんじゃないかなと思います。Amazon GoとLyftの両方を体験している自分としては、「全部こうなってほしいな」という感じですね。
小島:「ONEPAY」ではUXがキーになっているんですか?
山内:そうですね。もちろん事前決済の軸はうちもやっていますね。
小島:「ONEPAY」を使っているんだけど、物を買う……。
山内:買う前に。
小島:にもう決済で使ってる。へえ。
山内:それこそイベントの主催者の方が事前に決済用のURLを1つ発行して、参加者に送っておき、決済を受けて、それが名簿になって表示されるという機能があります。事前決済は僕も大好きなので、そういうところの開発もします。
小島:事前決済がなかったらシェアエコノミーはここまで広がらなかったんじゃないかなと私は思います。お互い信用できない世界なので、シェアはね、事前決済がないと絶対できないと思いますよね。
一方で、日本の決済は……日銀さんのデータなんですけど、わかりやすくいうと、「GDPのわりに現金流通が大きいです」と、驚いたのが最高額面ですね、つまり1万円のことですが「1万円が非常に流通してる」ということです。ほかの国から見ても特殊事例ですよね。
結局これがさきほど言った世の中の世界的な潮流からすると、比率の面からも最高額面がこれだけ流通してるのは流れにあまり乗ってないなと思うんです。つまり日本は経済規模のわりに圧倒的に現金でやりとりするのが多いということなんですが、これは単なる習慣でしょうか?
山内:そうですね。日本は現金がけっこう便利なので、まだそれこそあんまりキャッシュレスにする要因みたいのが今はまだまだぜんぜんデザインできていないのが現状かなと思います。
小島:逆にキャッシュレスにならない理由がUXにあるのではないか、という体感はありますか。
山内:そうですね。
小島:「これでいいよ」と思ってる方がけっこう多いということですよね。
実際、私も覚えがありますが、タクシーに乗ってカードで払うときに「カードでいいですか?」と聞きそうになるんですよね? なぜこちらからお願いしなければならないのかわかりませんが、「カードでいいですか?」と。
あとお店で少額の決済のときにも「カードでいいですか?」。かしこまってしまうんです。現金をよしとするバイアスは日本では非常に強いと思いますし、数字としてもそんな印象を受けます。
しかし一方で、これはけっこうおもしろいなと思っています。セブン銀行さんが、株主向けの書類でしょうか、ドキュメントにあるので読んでみました。将来、クレカ決済や電子マネーがどんどん増えると、セブン銀行さんは「当行の事業リスクになる」と書いてあるんです。
これは私も思い当たる節があって、最近ATMに行った経験があんまりないんですよ。うちはお小遣い制なので、月に1回かみさんが封筒に現金を入れて渡してくれるんですが、その現金でやりくりしてあとは全部カードで極力生きていくようにしてるとATM行かないんです。ATMに行かないと「開いててよかった」とかなくなってしまうんですよ。
ちなみにATMとか使います?
山内:僕はあえていろいろな決済手段を使うようにしてるのでATMで引き出しています。
小島:それは修行の一環としてやってるようなイメージ?
山内:そうですね。
小島:でもこれは大事な情報で、銀行が本当にリスクと思って今見ていらっしゃるというのはファクトなんですよね。現金流通が少なくなるということは引き出す回数が少なくなるので、このトランザクションでビジネスをやっているところは「本当に考えているのかな?」という感じです。
ということでここまでお話してきましたが、日本の現状は、図らずしも現金は非常に便利だということですね。私もカードを出すのに抵抗があるシチュエーションが度々ありますが、先を見てる人はこれだけリスクだと思っているし、世界の潮流で見ると、キャッシュレスはUXの面からも経済合理性の面からもかなりいいのではないかというのが今の流れだと思います。
小島:これは「BUSINESS INSIDER」の山内さんのインタビュー記事ですが、かっこいいですよね。「東京のGDPは世界一で、巨大市場にもかかわらず、キャッシュレス化が遅れている」とあります。これは、さきほどおっしゃっていた、「便利だから」ですか?
山内:そうですね。いろいろなビジネスが、いわゆる「今までの日本」のいろいろなビジネスは最適化されているといいますか、もうすでに市場としてあらゆるものが最適にサービス提供できるようになっていくなかで、現金を中心にそれをデザインしてきたという背景はあるので、そうすると……。
小島:ああ、現金の受け渡しで回るようにデザインされているんですね。
山内:そうですね。それがあるので、こういうふうになってしまっているんです。ですからGDPとしては経済的には成長しますが、ただキャッシュレス化というか……。
この記事には載っていませんが、この背景の一端はキャッシュレス化というのもそうですし、経済といいますか、決済やお金の動きのデータ化というところも含めて話しました。
しっかりお金の動きをトラックする、つまり誰がどこでどれぐらいお金を使っているのかといったことを各事業所がデータとして取っていく、というようなことがまだまだされていないのが現状です。
小島:そうですよね。「ONEPAY」のビジネス的・CEO的にいうと、この膨大なお金が流れのあるパーセンテージを「ONEPAY」が取るといいビジネスになるのではないか、という目論見ですか?
山内:まぁ、そうですね(笑)。
小島:(笑)。しかし、それよりはもっとtrackableな世界を作りたいのでしょうか。
山内:そうです。世界観としては、trackableでデータをしっかり取っていってそれを活用していくような社会を作っていきたいと思っております。
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