リクルートは新陳代謝を大事にしている

質問者1:社長の就任期間や、ご自身のリーダーシップ。これから先、どういくか。

峰岸真澄氏(以下、峰岸):上場企業や株式会社が全部そうだと思うんですけど、基本、取締役は株主総会で決まりますよね。そのなかで、社長の候補は、企業のなかで出していけるわけですよね。

一般論として、企業の構造としては、CEOが次のCEOを考えて、推薦を取締役会にかけていきます。そのCEOが取締役会に、次のCEO候補をはかっていく時に、よほどのことがないかぎり、もめることはあんまりないですよね。

派閥争いだったりとか、よほど業績が不振になっているとか、そういうことでもないかぎりは、ほとんど提案は受け入れられてしまう構造になっていると思うんですね。そういう意味で言うと、一般論としてCEOを引くタイミングは、CEO自身でしか決めれないというふうに思うんですね。

リクルートグループは、さっき言ったように、進化、変化していかなきゃいけないので、企業文化として大事にしていることは新陳代謝だと思います。やはりCEOが変わっていく時には、ここが変われば徐々に必ず執行のキーマンとなっていく人たちは、卒業していくわけですよね。

なので、この新陳代謝がCEOが決めきれるかどうかって、大きな組織にとってはすごく大事です。それが「俺がいなきゃ」とかってずっと思っていると、その人に進言する人って誰もいないので(笑)。進言する人いませんから、とても難しい状況に陥ると思いますね。いつまでやるかは、なかなかお話しできませんけど、リクルートグループは新陳代謝をすごく大事にしている企業だと思っています。

質問者1:ありがとうございました。

グローバルな人材のマネジメントについて

質問者2:すばらしいお話ありがとうございました。人や企業文化を中心としたマネジメントで、ご質問させてください。

峰岸さんに変わられて、今、M&AやIndeedを中心に、海外の売上が3パーセントから非常に上がってきました。売上の比率や、日本人でない人材の比率が非常に上がってきたと思います。

そのなかで、リクルート社として、グローバルな人材のマネジメントや企業文化において、共通化している部分と分けている部分をそれぞれを教えてください。また、リーダーシップやチーム、経営陣において、ノンジャパニーズの登用をどう行うかを教えてください。

峰岸:ありがとうございました。基本的に海外展開はM&Aでやっています。M&Aといっても2種類あって、比較的スタートアップのような企業を100パーセント買収するパターンと、IPOにいくか、どこかの大きな組織にイグジットする直前のところ。あるいは、TOBという、すでにできあがっている企業を買収して、展開していっています。

グロスに効いてくるのは、IPO寸前やイグジットをする。あるいは、もうすでに上場している企業ですから、基本的にはそこのマネジメントチームにマネジメントをやっていただく方針です。リクルートからマネジメントチームにディレクションしていくチェアマンを送るんですけども。

なぜチェアマンを送って、そのチェアマンがマネジメントできるか。先ほどお話したように、インターネットの我々の対象とする領域では、わりと売上がすごくでかいですし、そこは、マネタイズする力ってけっこうあるんですよね。これは日本でも海外でも、「マネタイズする力、変わんねーな」みたいな感じに思うんですね。

買収する場合は、会社のいい文化は残す

峰岸:それと人材派遣においても、営業利益率を上げていく力は、日本でも海外でも「変わんないな」というのはあります。結局、その買った会社の能力を上げる力があるか・ないかがポイントなんですよね。

マネタイズする力もないのに買収しても、その会社をよくできないですし、収益力を上げる力がないのに買収しても、収益力が上がらないということです。その腕を持っている人間がちらほらいて、その人間を送って、その人間が買った会社のマネジメントチームをうまく運営していくかが、我々のポイントになっています。なので、なにか統一的な人事制度をぶち込むとか、インストールするとか、そういうのは一切やってないです。買った会社そのままで、その買った会社の文化も(大事にします)。

我々、実はダイエーさんの傘下に入っていまして、ある種、傘下入りした、買われた立場の会社でもあって。あの時、すごくインディペンデントな経営をさせていただいたおかげで、先ほど言ったように、リクルートが過去に無借金に持ってきたのもあります。

いい企業を買うんであれば、そのいい企業の文化は絶対残して、そのいい企業のマネジメントチームは絶対残して、リテンションで、やっていただくしかないと思っています。ただ、そこの企業をもっとよくするために私たちができることは、「提供できる人を送っていく」と言うと、結果的にパフォーマンスが上がればリスペクトされていくと、そういう考え方で臨んでおりますので、基本、インディペンデントな経営をしています。

小野裕史氏(以下、小野):2つ目の、ボードメンバーに海外の人を入れるかという話も、なにかありましたら。ボードメンバーに外国人も入れるかどうかと、そういった趣旨の質問もありましたよね?

質問者2:はい。

峰岸:そうですね。マネジメントチームとか、ボードを含めて、外国人が入っていくというのは、もちろんこれからあると思いますし。今回も、こないだアナウンスしましたけど、常務クラスに1人ジョインしましたし。これからもどんどん適材適所で、そういう機会があるとは思います。

質問者2:ありがとうございます。

アントレプレナーシップと専門性

質問者3:大変ためになるお話ありがとうございます。ぜひお聞きしたいのが、戦略じゃなくて人に懸けるというお話された時に、おそらく峰岸さんも、チームで経営されるみたいな考え方でやってらっしゃると思うんですけども。

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