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第2回「DMM亀山会長、メタップスCEO佐藤氏とお金2.0について語る!」(全8記事)

「お金を儲けようとすると儲からない?」DMM亀山会長と考える、AI時代の生き残り方

DMM亀山会長がバーチャルおやじユーチューバーを目指す「かめっちTV」が遂にスタート。第2回目のゲストは、メタップス株式会社社長の佐藤航陽さん。今回は佐藤氏の著書『お金2.0 新しい経済のルールと生き方』の内容を踏まえて、来たるべきAI時代への備えについて語り合いました。

『お金2.0』をもっと軽く言うと

亀山敬司氏(以下、亀山):もうちょっと軽く言うと『お金2.0』はなんなのよ?

佐藤航陽氏(以下、佐藤):軽……でも今、軽く言いましたよね?(笑)。

亀山:いやいや、ぜんぜん軽くないから。みんな着いていくのにもう必死だからね。物理とか何とかいろんなこと言われてもわかんないからさ(笑)。

佐藤:軽く言うとですか。何だろうなぁ……。一番とっつきやすい話で言うと、お金儲けをしようとすればするほど儲けられなくなってきてると。

逆に言うと、自分が情熱が持てて熱中できることをやっていると、結果的に儲かってくるって世の中になってきてますよっていうのが一番わかりやすいですね。

亀山:あー、なるほど。それなんか若い奴が好きそうな言葉だね。

佐藤:実際に、YouTuberってまさにそうですよね。めちゃくちゃ儲かりそうなテーマを深堀してるというよりかは、自分がおもしろいからやってますよね。それを見てみんな喜んでますよね。それで結果的にPVが伸びるっていう繰り返しなんですよ。

ただそれは全員月7万円全員貰える前提のときの、もうちょっと先の話なんですよね。ベーシックインカムが本当に整ってきた後にはそうなりますよと。ただ、今だとハイブリット型でちゃんとお金を儲ける生活してくっていうのと情熱を追うっていうのは、両方行かなきゃいけないんで。ただ、20歳前後だと気にせず突っ走るのが一番良いと思いますけどね。

亀山:アプリとか作ってて「どうやってマネタイズするの?」とか「どうやって稼ぐの?」って言ったら「考えてません」とかっていうのけっこういたのよ。

佐藤:意外にそういう人たちがうまくいったりしますよね 。

亀山:昔は「お前ら仕事舐めてんのか」とか言ってたわけよ。「どうやって稼ぐかもわかんないで何やってんだ」みたいな(笑)。

けっこうスタートアップがいろいろお金集めてやってるじゃない。でも結局、おもしろいモノを作って、人が集まって、そこから広告モデルになったり。結果としてそれでうまくやってる奴もいるのを見たときに、俺もちょっと考えさせられたんだよね。

佐藤:逆に全部分解して「こうやって回していったらいいんですよ」っていうふうに式化しちゃうと、世の中が変わったときに対応できなくなってくるっていうのがあるんですよね。

式自体が通用しないにも関わらず、全員それを信じてオペレーションを作っちゃってるんで、世の中と噛み合わなくなってどんどん数字が減っていくと。ただそれが成功体験なのでなかなか抜けれないっていうのがある。なので、ある種人間の直感に頼ったほうが生き残るのかもしれないですね。

亀山:なるほど。

佐藤:ゲームとか見てて思いましたね。昔のソーシャルゲームとかってワンパターンだったじゃないですか。そこから『パズドラ』が出たりとか『モンスト』が出たりとか『ポケモンGO』が出たりとか、ルールを変えてきてるので。あれも何か計算式があってやってるわけじゃないような気がするんですよね。

来たるAI時代に備えて

亀山:『お金2.0』をみんな読んでたら、だんだんみんなそんなとこにばっか行っちゃいそうな感じがするよね。今のバランス的に見れば、そういったのを読んで、そういう感覚の奴が増えたほうがおもしろいかもしれないね。少なくとも今からAIとか増えてくれば、そんな発想がないとやってけないよ。

佐藤:やってけないですよ本当に。「俺の価値ってなんだっけ?」とかなっちゃうとね。Excelがうまいとかなると、絶望的じゃないですか。「どうすんだこれ?」って。

亀山:たしかにそうだね(笑)。

佐藤:ただその上の世代から「そこ(Excel)をちゃんとやれよ」って言われると思うんですけど、葛藤みたいなのがあるような気がするんですよね。「これなくなっちゃうんじゃないかな?」と。

亀山:とりあえず子どもの頃からちゃんとそういったことをできるようにしなさいって教育を受けてきてるんだから、今の『お金2.0』ぐらい読んどいたほうがいいかもしれないね。

佐藤:若干違う方向性があるよっていうことを全員少し気付けるかもしれないですね。それで成功してる人たちもいるよねっていう事例が出てきているので。

亀山:なるほどね。たしかに。

経営者は人格破綻者が多い!?

佐藤:意外にアントレプレナー(起業家)とかめちゃくちゃな人が多いじゃないですか。ただ好き放題やってるっていう。

亀山:人格破綻してる奴いっぱいいるよね(笑)。昔の経営者ってそれなりに良識があってバランスがあったじゃない。最近なんか見てたら、ゲームをやってる奴もなんかアプリをやってる奴も人間失格みたいな奴いるじゃない。でも社長やってるとかね。

佐藤:たしかに。まあまあうまく成り立っている人もいますしね。

亀山:どっちかっていうと佐藤も人間失格のほうじゃない?(笑)。

佐藤:いやいや(笑)。俺はしっかりしてます。

亀山:いやいや、俺だったら投資しないよね(笑)。思想がそういう感じだったら、株主からしたら怖いからね。

佐藤:まあたしかにそうっすよね。

亀山:投資して「こうやって稼ごう」と思ってるのに、いきなり「稼ぐのに何の意味があるんだ」とかって株主総会で言い出したら「どうなったんだ俺の投資は?」みたいになるんじゃない。

佐藤:たしかにそうですね。今回は「それは違う道があるな」ってことをようやく気づきましたね。会社という1つの箱の中で、いろいろやりすぎだよねと。

亀山:うんうん。じゃあ同時並行で今は会社で頑張ってそこはちゃんと収益あげるっていうのをやりながらも、自分の意義とか価値みたいなのは違うところでやるってことか。

佐藤:そうですね、実現できればいいんじゃないのと思ってはいますね。それは別に儲からなくてもいいですしね。

亀山:今回『お金2.0』を出したのは、それを1回文章にして出してみようってことか。

佐藤:そうですね。自分なりの整理をつけたっていう感じですかね。昔からあの文章ってもともと用意してたロジックだったんですけども、いつ出そうかなってずっと迷ってたんで。タイミング的には2017年だろうなぁって思って。

次に来るのは「何2.0」?

亀山:最近その話ばっかり聞かれてちょっと飽き飽きしてるんだろうけど、次は何が2.0にいくの?

佐藤:次はたぶん、10年でいうと国家でしょうね。20年でいうとリアリティ・現実でしょうね。

亀山:『国家2.0』と『リアリティ2.0』出る予定なの?

佐藤:生きてれば出ます。『国家2.0』あたりで止まらなければ(笑)。

亀山:来年あたり出す予定ないの?

佐藤:タイミング的にはオリンピックあたりじゃないかなと思いますね。たぶん「オリンピック後ってどうなるんだっけ?」って全員不安なんで、そのパラダイムがみなさん欲しがってるんじゃないかなと。それがタイミングですね。

亀山:そうだね、みんなほしいよね。「オリンピックどうなるんだ?」みたいな。

佐藤:「この後、俺らどうなるんだっけ?」と。「中国とかインドにやられまくってるけどどうなんだっけ?」っていうときに必要なロジックだと思うんです。

今回の『お金2.0』は逆に言うと、仮想通貨とかFinTechとかが盛り上がってるときに、「俺らどう考えればいいの?」ってときの一応1つの答えを出してるだけなんですよね。

亀山:ちゃんとトレンドに乗っかってんだ。

佐藤:タイミングタイミングで。

亀山:なんかいろいろしたたかに考えてんじゃん(笑)。

佐藤:読まれなかったら悲しいじゃないですか(笑)。せっかく書いたのに。

亀山:なるほどね。やっぱりちゃんとそこは、自分で書いたものをちゃんとシェアするみたいな発想はあるわけだ。

佐藤:はい。一番のタイミングはどこなのかと思って、去年の末ぐらいが 一番のタイミングだなと思ったんで、間に合ってよかったっすね。

亀山:今、仮想通貨事件とか起きてるけども、そういったのもちょっと乗っかってる感じなの?

佐藤:それも含めて、みんないろいろあれがニュースになってるんで、「仮想通貨ってそもそも何だっけ?」「そもそもブロックチェーンって何だっけ?」ってのをまた考え始めてますよね。

亀山:仮想通貨ってみんなよくわかんないでやってる。

佐藤:よくわかんないでやってるんで。

興味深い読者層の動き

佐藤:あとは本で言うと、いわゆるレイターマジョリティの人たちが、まったくテクノロジーとか興味ないって人たちまで入ってきてるので、読者に増えてきてるので、「これはおもしろいな」と思っていて。

1週間単位ぐらいで若干層がずれてるんですよね。読んでる人の読者層がガーってずれていっているんで。

亀山:1ヶ月ぐらい前にawabarで飲んでたらさ、いつもそこで飲んでる女の子たちが「かめっちとかビットコイン買おうと思ってるのー?」とか言われてさ、「これはそろそろヤバイ時期だな」と(笑)。

Amazonで買ってきたビットコインのメダルを「これやる」って言ったら「やったーーー!」みたいな感じで喜んでたりするし(笑)。

佐藤:偽物ですよね(笑)。

亀山:昔ほら、中国株がバブった頃があったじゃん。あのとき、中国人とかが株を買うときにさ、みんな語呂合わせとか、この会社がどんな業績だとか、何をやってるか分からないでみんな株を買ってたときがあったわけ。

それがニュースでやってて、みんな日本人たちは「もうわかってませんよね~」「ギャンブルですよね~」とか言ってたわけだけど、今の仮想通貨もみんなそうだもんね。

佐藤:まあ近いですよね。

亀山:仮想通貨って何かわかってないけど、みんな「もう入れとけー!」みたいな感じになってる状況だから。

佐藤:昔のITバブルも同じですよね。1999年。

亀山:昔、光通信はITってことになってたからね。光通信って名前だけで(笑)。

ギャンブル性が普及を助けている?

佐藤:逆に言うと、「今、自分が買ってるのが何なのかって知りたい」っていうニーズがすごい出てたっていうのがありますよね。それで、それは自分の中の生活にどう折り込めばいいのかっていう論理がないので、それを一部提供してる本だったっていうのがありましたね。(売上が)伸びたのは。

亀山:実際、今回の投機は、まあ実際はギャンブルみたいな感じなんだけれども。、ビットコインはみんな一応(投機と)認識してるし、みんなも買ってもいるから買ったりとかするから、その中でその周りの業者は増えていくし、そういう過程では一時的にはギャンブルっぽいとこも使いながらも、普及していくもんなのかもしれないね。

佐藤:ソフトバンクが1999年ぐらいに20兆円ぐらいになって、そっから数千万円くらいになるみたいな話があったじゃないですか。あ、数千億円かな?

亀山:数千万円はないよな(笑)。

佐藤:そっから10年とか20年かけて、昔のバリュエーションに追いつくっていうのがあったんで、それくらい時間がかかるもんなんだけれども、今回は投資前のスピードが早すぎたっていうのがありますね。本来じわじわ行くべきだったのに、でもそれはしょうがないですよねサイクルで。

さすがに『お金2.0』は読んだほうがいい

亀山:ちょっと本来とまた違うところから結局テクノロジーに発展するっていうのはあるからね。エロのおかげでVRが普及するとか、そういうのもあるじゃない。昔のVHSとかもそういった中で売れて、一般家庭に普及するっていうのがあったりするじゃない。

佐藤:あとSNSももともと出会いがしたいっていうニーズですもんね。。

亀山:やっぱりみんなのいろんな欲望をもとに、経済の資本主義の欲望というものが持ち上げてはいくんだね。

佐藤:それも書いときました。

亀山:それも書いてあんの!?(笑)。

佐藤:さすがに読んだほうがいいですよ(笑)。

亀山:わかった! 読もうか! でも、もうちょっと小難しい表現するんだろ?なんだかんだわけわかんないこと言ってんじゃないの?

佐藤:めちゃくちゃ柔らかいっすよ。今、高校生とか読んでくれてますもん。

亀山:そうなんだ。

佐藤:大学受験しながら読んでました。でも、それはまず大学入る勉強したほうがいいんじゃないのと(笑)。

亀山:でも大学受験をやめてその本のほうに行くのもおもしろいけどね。

佐藤:それはそれで自己責任なんで何とも思わないので、責任は取れないですけど。

亀山:責任とれないけどさ、「受験やめて『お金2.0』読んできました」って言ったら意外とメタップス通っちゃったりしない? おもしろかったり。

佐藤:いや~、「DMMのほうがいいですよ」って言いますね(笑)。

亀山:あ、ない? こっち振るのかい(笑)。

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