『お金2.0』をもっと軽く言うと

亀山敬司氏(以下、亀山):もうちょっと軽く言うと『お金2.0』はなんなのよ?

佐藤航陽氏(以下、佐藤):軽……でも今、軽く言いましたよね?(笑)。

亀山:いやいや、ぜんぜん軽くないから。みんな着いていくのにもう必死だからね。物理とか何とかいろんなこと言われてもわかんないからさ(笑)。

佐藤:軽く言うとですか。何だろうなぁ……。一番とっつきやすい話で言うと、お金儲けをしようとすればするほど儲けられなくなってきてると。

逆に言うと、自分が情熱が持てて熱中できることをやっていると、結果的に儲かってくるって世の中になってきてますよっていうのが一番わかりやすいですね。

亀山:あー、なるほど。それなんか若い奴が好きそうな言葉だね。

佐藤:実際に、YouTuberってまさにそうですよね。めちゃくちゃ儲かりそうなテーマを深堀してるというよりかは、自分がおもしろいからやってますよね。それを見てみんな喜んでますよね。それで結果的にPVが伸びるっていう繰り返しなんですよ。

ただそれは全員月7万円全員貰える前提のときの、もうちょっと先の話なんですよね。ベーシックインカムが本当に整ってきた後にはそうなりますよと。ただ、今だとハイブリット型でちゃんとお金を儲ける生活してくっていうのと情熱を追うっていうのは、両方行かなきゃいけないんで。ただ、20歳前後だと気にせず突っ走るのが一番良いと思いますけどね。

亀山:アプリとか作ってて「どうやってマネタイズするの?」とか「どうやって稼ぐの?」って言ったら「考えてません」とかっていうのけっこういたのよ。

佐藤:意外にそういう人たちがうまくいったりしますよね 。

亀山:昔は「お前ら仕事舐めてんのか」とか言ってたわけよ。「どうやって稼ぐかもわかんないで何やってんだ」みたいな(笑)。

けっこうスタートアップがいろいろお金集めてやってるじゃない。でも結局、おもしろいモノを作って、人が集まって、そこから広告モデルになったり。結果としてそれでうまくやってる奴もいるのを見たときに、俺もちょっと考えさせられたんだよね。

佐藤:逆に全部分解して「こうやって回していったらいいんですよ」っていうふうに式化しちゃうと、世の中が変わったときに対応できなくなってくるっていうのがあるんですよね。

式自体が通用しないにも関わらず、全員それを信じてオペレーションを作っちゃってるんで、世の中と噛み合わなくなってどんどん数字が減っていくと。ただそれが成功体験なのでなかなか抜けれないっていうのがある。なので、ある種人間の直感に頼ったほうが生き残るのかもしれないですね。

亀山:なるほど。

佐藤:ゲームとか見てて思いましたね。昔のソーシャルゲームとかってワンパターンだったじゃないですか。そこから『パズドラ』が出たりとか『モンスト』が出たりとか『ポケモンGO』が出たりとか、ルールを変えてきてるので。あれも何か計算式があってやってるわけじゃないような気がするんですよね。

来たるAI時代に備えて

亀山:『お金2.0』をみんな読んでたら、だんだんみんなそんなとこにばっか行っちゃいそうな感じがするよね。今のバランス的に見れば、そういったのを読んで、そういう感覚の奴が増えたほうがおもしろいかもしれないね。少なくとも今からAIとか増えてくれば、そんな発想がないとやってけないよ。

佐藤:やってけないですよ本当に。「俺の価値ってなんだっけ?」とかなっちゃうとね。Excelがうまいとかなると、絶望的じゃないですか。「どうすんだこれ?」って。

亀山:たしかにそうだね(笑)。

佐藤:ただその上の世代から「そこ(Excel)をちゃんとやれよ」って言われると思うんですけど、葛藤みたいなのがあるような気がするんですよね。「これなくなっちゃうんじゃないかな?」と。

亀山:とりあえず子どもの頃からちゃんとそういったことをできるようにしなさいって教育を受けてきてるんだから、今の『お金2.0』ぐらい読んどいたほうがいいかもしれないね。

佐藤:若干違う方向性があるよっていうことを全員少し気付けるかもしれないですね。それで成功してる人たちもいるよねっていう事例が出てきているので。

亀山:なるほどね。たしかに。

経営者は人格破綻者が多い!?

佐藤:意外にアントレプレナー(起業家)とかめちゃくちゃな人が多いじゃないですか。ただ好き放題やってるっていう。

亀山:人格破綻してる奴いっぱいいるよね(笑)。昔の経営者ってそれなりに良識があってバランスがあったじゃない。最近なんか見てたら、ゲームをやってる奴もなんかアプリをやってる奴も人間失格みたいな奴いるじゃない。でも社長やってるとかね。

佐藤:たしかに。まあまあうまく成り立っている人もいますしね。

亀山:どっちかっていうと佐藤も人間失格のほうじゃない?(笑)。

佐藤:いやいや(笑)。俺はしっかりしてます。

亀山:いやいや、俺だったら投資しないよね(笑)。思想がそういう感じだったら、株主からしたら怖いからね。

佐藤:まあたしかにそうっすよね。

亀山:投資して「こうやって稼ごう」と思ってるのに、いきなり「稼ぐのに何の意味があるんだ」とかって株主総会で言い出したら「どうなったんだ俺の投資は?」みたいになるんじゃない。

佐藤:たしかにそうですね。今回は「それは違う道があるな」ってことをようやく気づきましたね。会社という1つの箱の中で、いろいろやりすぎだよねと。

亀山:うんうん。じゃあ同時並行で今は会社で頑張ってそこはちゃんと収益あげるっていうのをやりながらも、自分の意義とか価値みたいなのは違うところでやるってことか。

佐藤:そうですね、実現できればいいんじゃないのと思ってはいますね。それは別に儲からなくてもいいですしね。

亀山:今回『お金2.0』を出したのは、それを1回文章にして出してみようってことか。

佐藤:そうですね。自分なりの整理をつけたっていう感じですかね。昔からあの文章ってもともと用意してたロジックだったんですけども、いつ出そうかなってずっと迷ってたんで。タイミング的には2017年だろうなぁって思って。

次に来るのは「何2.0」?

亀山:最近その話ばっかり聞かれてちょっと飽き飽きしてるんだろうけど、次は何が2.0にいくの?

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