言っちゃいけないこと、また言います

青山繁晴氏(以下、青山):ちょっとまた言っちゃいけないこというとね(笑)。

山本一太氏(以下、山本):どうぞどうぞ。言って、なんでも!

青山:今日でこの番組潰れるかもしれませんけど。

山本:(笑)。

青山:それは冗談ですよ!(笑)。スタッフもいっぱいいらっしゃるし。どっちかと言うと一太さんは小学校のときに「一太、お前学者になるだろう」って言われたことないでしょう?

山本:ない。

青山:ないでしょ。あるわけないよな(笑)。

山本:見てわかるでしょ(笑)。

青山:学者になる人ってやっぱり大人しくて、いい意味でちょっと人見知りでという人が。

山本:学究肌のね。どっちかと言うとね。

青山:学究肌というか、もっとはっきり言うと同じ勉強をするにしても模範解答があったらそれに自分をきれいに合わせていくタイプの人が1番受験勉強でいい成績を取って、東大で1番いい成績で学者になるでしょ? 

でも本当は常に懐疑的で、先生がこう言ったらああ言う。自分で虫捕まえてきて虫いじってたら先生の言ってた虫と違うと。という人が海外では山のように学者になってるわけですよ。

山本:そういえばフランス人の学者の友達、すげぇひねくれてました。

青山:ひねくれろという意味じゃなくてね(笑)。それもわかるんだけど。フランス人はとくにそうなんですけど……いやいやいや(笑)。

山本:これはこれで味があったんですけどね。そいつはなんでも文句言ってました。そういえば。

知的好奇心というもの

青山:例えばアインシュタインはベー(舌を出すジェスチャー)でわかるようにね、人の言うことなんてもともと聞かないじゃないですか。

山本:数学できなかったらしいですもんね。

青山:それは数学者より上だから。その先生より。要するに優等生は学者にならないんですよ。本来は。

山本:なるほど。その青山説おもしろい。

青山:知的好奇心というのは常に今までのものを勝手に打倒してしまって、一太さんが群馬県連から始まって自由民主党をぶち壊していったようにね。

山本:ぶち壊してないですけど(笑)。

青山:このごろちょっと丸くなられました(笑)。そういう学者が集まるのが国際学会で、僕はたまたまメタンハイドレートのおかげでアメリカ地球物理学連合という地球物理学の学会に出るようになって。「あ~学者ってこういう人間か」と思ったんですよ。

口八丁手八丁でさっきのひねったりなでたりを飯食いながらやるわけです。学者が。アメリカ人もドイツ人もイギリス人もフランス人もインド人も中国人も。日本の学者だけがこうしてるでしょ?

山本:そういえばなんかわかるな。すごく。

青山:一太さんは元気な小学生だったに決まってるんだけど。決まってるって申し訳ない(笑)。

山本:そうです。いたずらして毎日先生に怒られてましたから。

青山:「一太はきっと学者になるよ」みたいな世界でないと本当は太刀打ちできない。

山本:いやいや、なかった(笑)。うちの旅館の上からロケット花火をバンバン飛ばして、洗濯物を干してるお母さんとか狙って。もう怒られて大変な目に。

青山:一太さんがそうだったの?

山本:そう。

青山:知ってます? ロケットの父ゴダード博士はちっちゃいころそういう子供だったの。

山本:本当? ロケット花火あったじゃないですか。それをうちの旅館の屋上で板立てて、そこから発射してたの。そしたらバレちゃったんですよ。なぜか。子供心にバレないと思ったら(笑)。やっぱりだいたい誰がやったかわかっちゃって。

青山:それは一太さんが日本国群馬県に育ってなかったら、ロケットの父。ゴダード博士は立派な学者だから。

山本:ロケットの父になってたかもしれませんね。なるほど。

日本の学者は現場体験が足りない

青山:ちょっと話がそれたかもしれないけど、なんの話でしたっけ? 日中関係の?

山本:とにかく日本の学者は現場、フィールド体験が足りないと。

青山:足りないから、五百旗頭(真)先生はむしろフィールドワークなさってるほうだと思いますけれども。

中国を読み解くとか、日中関係を読み解くとか、日本の自由民主党も含めて政治家はすぐ学者に聞くけど、厳しいこと言うと、もの知らない人に聞いてるわけですよ。だから聞く相手が違うと思うんですよね。

残念ながら日本の学会はそういう現場だから、国会議員は本当は国会開会中でも自由民主党から共産党に至るまでお互い許しあって、海外のところに行って、共産党の人の目を見て話すことをもっとできるようしたほうがいいと思いますね。総理大臣を縛るなっていうだけじゃなくて。

中国に生殺与奪権は握られていけない

山本:すごくおもしろい話なんですけど、もう1つ。今日、ぜひ青山さんと対中関係でお話したかったのは今回ミサイル防衛をめぐる韓国と中国のやり取りを見ながら、学ぶべきレッスンは1つだと。つまり中国ととにかく付き合っていかなきゃいけない。だけど生殺与奪は絶対に握られてはならないと。

青山:そうです。

山本:青山さんはご存知かもしれませんが、去年韓国で流行った映画で『南漢山城』ってあるんですよ。ナムハンサンソンって韓国語で言うんだけど。

例の1600年代にホンタイジ(注:清の第2代皇帝)が李氏朝鮮に攻めて来て。すぐ逃げて南漢山城に籠城して、すぐ負けて、屈辱的な和議を結ばれると。あそこからなかなか韓国の意思が変わってないから。

だってあまりにも輸出に依存してるから嫌がらせで、GDPが0.5パーセント減るわけでしょ? 化粧品いりません、韓流スター出しません、団体客ダメですと。こうなったらアウトでしょ?

青山:アウト。

山本:まるで属国みたいな扱いじゃないですか。これについてどう思います? 今は日中関係、日本にとって最大の貿易国は中国、中国にとっても2番目の貿易国。日本の技術とかマネジメントを経済を高度化するために欲しがっている。こういうのを決して失ってはいけないと思うんですけど。それはいかがですか?

青山:話が一瞬それて申し訳なかったけど、例えばさっきの五百旗頭さんがおっしゃる日米同盟をさらに強化すると同時に中国とも協商という言葉をお使いになったですよね?

山本:はい、協商と言ってましたね。

青山:協調じゃなくてね。つまり商売を一緒にやりましょうという意味なんですが。

山本:同盟まではいかなくてもって言ってましたね。

青山:それはちゃんとおっしゃいましたが。五百旗頭さんと僕とは対中観は実は違うんですけれども。協商って便利な言葉を使ってもらっちゃ困ると正直思ったんですよ。

今日は資源エネルギー調査会があって遅れていったので、あえてなにも質問しなかったんですけど。本当は協商路線というのはチャイナにとっては非常に都合のいい話なんですよね。全部盗むということになりますよ。ビジネスのつもりが。

中国との商売、まずはルールを作るべき

青山:安倍総理は、僕のこの件はあんまり総理と話したことがないんですけどよくわかっている。とにかく中国と商売をちゃんとやろうと思ったらバーンっと政治で軍事込みで圧力をかけておいて、まず商売じゃない話をゴリゴリでやってからでないとしちゃいけないんですよ。

それをするってことは、これは一太さんの本当に意味で得意な分野でもあるんですけど、ちゃんとルールを作るっていうことなんですよ。政治の力で。どんな商売、どんなディテールでも、全部ルールメイキングをしてしまってからでないと商売しちゃいけないんです。

先に経済人が日本はほとんどルールを作ろうとしないから、それに甘んじてどんどん勝手にチャイナと商売していただくと手のつけようがなくなっていくんですよ。

かなりそういう面は韓国が目立っているけども、日本は全体の経済力が強くてとくに円のクレディビリティ、信頼度が高いから目立たないだけで。相当中国に勝手にルールを作られてしまってますからね。

山本:うんうん。

青山:僕はかつて政治記者でしたが、その前に経済部の記者だったんですね。本当は。僕が経済部の時代に、チャイナに行け行けという、むしろ自由民主党が後押しして行かせたんですよ。日本の企業を。

今とんでもない目に遭ってますからね。もう撤退できないですから。チャイナのルールのテーブルの上に乗っかって行ったから、もし撤退するんだったら何十億円払えとかね。

よく読んでもそれらしいものははっきり書いてないって言ったら、突然人民部警がやって来て。人民武装警察隊がやってきて机や椅子まで勝手に引き剥がして全部売っ払って、工場設備はもちろんのこと。そのお金を労働者に渡してそこから労働者の大ストライキが起きたり。

これは報道されてないけど本当に起きてるわけですからね。だから中国と商売しようと思ったらゴリゴリの政治でルールを作らなきゃ。それできてないですよ。日本は。

最近また簡単に協商という言葉がだんだん出てきてるから、僕は相当危ないと思ってます。