幸せな人の共通点は「セミナーとかに参加しないこと」--ポジティブ心理学の生みの親がセミナー会場でぶっちゃける

マーティン・セリグマンのポジティブ心理学 #1/1

ポジティブ心理学の生みの親の1人である心理学者・Martin Seligman(マーティン・セリグマン)氏は、過去60年にわたり心理学が発展してきた一方で現代的な課題も生じているという。心の時代と言われる現代、「ポジティブ心理学」の使命とは? スピーチの最後には幸せな人の共通点として「セミナーとかに参加しないこと」だとぶっちゃけました。(TEDより)

CNNの番組でのエピソード

マーティン・セリグマン氏:私がアメリカ心理学会の会長だった時に、メディアに出演することになりました。このエピソードは、これからお話しすることを端的に表しています。

「オプティミスト (楽観主義者) となるべき11番目の理由」についてのCNNの番組でした。ディスカバー誌の編集長が10番目まで話し、私が11番目を説明することになっていました。CNNのスタッフが来て、私に聞きました。

「セリグマン教授、心理学の現状についてお話いただけますでしょうか? インタビューします」。

私は答えました。

「喜んで」。

スタッフが言いました。

「でもCNNですから、数秒間で話していただきます」。

私は尋ねました。

「どれくらい喋れますか?」

「1語ですね」

カメラが回り、撮影が始まりました。

「セリグマン教授、心理学の現状はいかがでしょうか?」

「グッド」

(会場笑)

「カット! カット! それではわかりませんね。それではもう少し長くしましょう」

「では今度はどれくらい喋れますか?」

「えぇ、2語ですかね……。セリグマン教授、心理学の現状はいかがでしょうか?」

「ノット グッド」

(会場笑)

「あの、セリグマン教授、どうもこれではやりづらいようですので、もう少しちゃんとした長さの時間を割り当てます。次は3語、喋っていただいて結構です。セリグマン教授、心理学の現状はいかがでしょうか?」

「ノット グッド イナフ(十分に良いとは言えません)」

それがここでお話ししたいことです。

心理学と精神医学は過去60年間進歩を続けてきた

心理学が良かったのはなぜか、良くなかったのはなぜか。そして次の10年間にどのようにもっと良くなるか。並行してテクノロジーとエンターテインメントとデザインについても、同じことをお話しします。どれも問題はすごく似ているからです。

では、なぜ心理学の現状が「グッド」なのでしょうか? 60年以上にわたり、心理学は病理モデルを基本としてきました。10年前は、飛行機で隣り合わせた人に自己紹介して、私がどういう仕事をしているのか話すと、皆さん私から距離を置きたがりました。

心理学は人の問題を見つけるもの、頭のおかしな人を特定するものだ、と彼らは思っていたのでしょう。しかし今は、私が何をしているのか話すと、誰もが身を乗り出します。

これまでの心理学で「グッド」だったこと、つまり国立精神衛生研究所が投資した300億ドルと、病理モデルに基づいた研究と、「心理学」という言葉の使われ方、それらの良い点について述べます。

60年前にはどのような疾患も手当てできませんでした。治療法の見当もつきませんでした。今では14もの疾患を手当てできて、そのうちの2つは実際に治せます。

それに加えて、精神疾患についての科学的手法も発展しました。

うつやアルコール中毒などの曖昧な事例に対して、明確な基準で検査ができることがわかってきました。その他の精神疾患の分類も作ることができましたし、因果関係を理解することもできました。

例えば、遺伝的に統合失調症になりやすい人など、同じ人を長期間観察し続けることで、どの遺伝的特徴が寄与するのかを調べたり、精神疾患を扱った実験をして変異的要素を分離したりすることができました。

とりわけ過去50年の間に、薬物治療や心理学的治療を開発して、ランダムな偽薬の投与や厳密な検証を重ね、効果のない治療は止め、有効な治療だけを残すことができました。

過去60年の心理学と精神医学の結論として言えるのは、精神に不調をきたしている人々の苦しみを軽減することができると、確かに主張できることです。これはすごいことです。誇りに思います。

現代心理学における3つの問題点

しかしこれらの結果として、3つの良くないことが発生しました。

1つ目は、行動規範についてです。心理学者と精神科医は、被害者行動の研究者か病理学者になってしまい、困難は外的なもので、どうにもできないのだと捉えてしまいました。人が選択と決定をすることを忘れ、責任をとることを忘れてしまったわけです。

2つ目の代償は、普通の人々について考えなくなってしまったことです。普通の人生をさらに良くすることを忘れてしまいました。あまり困っていない人々を、より幸せでより充実してより生産的にすることを忘れてしまいました。

そして病理モデルの第3の問題は、困難を抱えた人々に対して何とかしなくてはいけないという性急さ、不調を治療しなければという切迫感です。私たちがそういう姿勢だったので、人々をより幸せにするポジティブなお手伝いの方法は発展しませんでした。

これらが良くなかった点です。これが、エトコフやギルバートやチクセントミハイや私が、ポジティブ心理学と呼ばれる分野の研究をするようになった理由です。

ポジティブ心理学の「3つの目標」

ポジティブ心理学には3つの目標があります。

まず心理学は、短所と同じように長所にも関心を向けるべきであるということ。心の傷を回復することと同じように、長所を伸ばすことにも関心を向けるべきです。人生で最も素晴らしいことに対して、そして普通の人々の人生をより充実させることと、天賦の才や高い才能の養育にも関心を持つべきです。

こうしてこの10年の間に、人生の生きがいについての科学であるポジティブ心理学が幕を開けました。今後もさらに続いていくことでしょう。異なった種類の幸せを測定できることが発見されました。

どなたでもこのサイト(Authentic Happiness)にアクセスして、幸せのテストを一通り受けることができます。あなたがどうやってポジティブな感情や意味、フローに達するのか、文字通り数万人と比較することができます。

精神障害とは正反対の診断表を作りました。強みと長所の分類表です。性別ごとの割合、どのようにその項目が定義されているか、どのように診断するか、何がそれを伸ばし、何がそれを阻害するかがわかります。

ポジティブな状態が起こる原因、つまり脳の左半分と右半分の活動がどのように幸せに影響するのかが解き明かせるとわかりました。生きづらさに苦しんでいる人々を相手に仕事をしてきて、この人たちと普通の人たちとは何が違うのか、疑問に思いました。

幸せな人の共通点は「社交的」

6年前からは、非常に幸せな人々に対して、彼らは他の人々と何が違うのだろうか? と問いかけ始めました。そうしてある理由が判明しました。

彼らは特に信仰心が強いわけでもなく、体型が良いわけでもなく、お金がたくさんあるわけでも、見た目が良いわけでも、良い出来事が多いわけでも、悪い出来事が少ないわけでもありませんでした。

違うことはただ1つです。彼らはものすごく社交的です。土曜の朝にセミナーに出席したりしません 。

(会場笑)

1人で時間を過ごすことはありません。良い恋愛関係を持っていて、いろんなタイプの友人がいます。

※続きはこちら! 「ポジティブなだけの人は幸せになれない」 人生の幸福を最大化する、3つの生き方

<続きは近日公開>

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