2024.12.10
“放置系”なのにサイバー攻撃を監視・検知、「統合ログ管理ツール」とは 最先端のログ管理体制を実現する方法
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司会者:みなさま、お待たせいたせました。ただいまより、「羽生善治竜王・井山裕太七冠 国民栄誉賞受賞記者会見」を行います。まずはじめに、囲碁将棋記者会を代表いたしまして、共同通信社様よりご質問をお願いいたします。
記者1:記者会の幹事をしております、共同通信のイケマツです。羽生さん、井山さん、このたびはおめでとうございます。
さっそくですが、私のほうからお2人に同じ質問をさせていただきます。羽生さん、井山様さんの順でお答えください。それでは、先ほど官邸で授与式が行われました。あらためまして、受賞のお気持ちをお聞かせください。
羽生善治氏(以下、羽生):本日、賞状、楯、記念品をいただいて、あらためて、たいへん名誉ある、栄誉ある賞をいただいたんだなということを実感しております。これを大きな励みとして、引き続き棋士として前向きに進んでいかなくてはいけないなという決意を新たにしました。
井山裕太氏(以下、井山):本日、国民栄誉賞を授与させていただきましたけれども、本当に自分にとっては身に余る光栄で、いまだに実感という意味ではまだちょっと湧かない部分もあるんですけれども。
棋士としてまだまだこれからですので、この受賞を今後に非常に期待していただいているというふうに解釈しているんですけれども、少しでも成長していけるように、棋士としても、1人の人間としても、努力していかなければいけないなというところです。
記者1:今回、将棋・囲碁界では初めての受賞となったのですが、そこについてはどのようにお考えでしょうか?
羽生:将棋の世界、囲碁の世界も同様に、長い歴史と伝統を有している。その背景も含めて評価をしていただけたのではないかなというふうに思っています。そういった意味でも、個人のということではなくて、1つの世界としての大きなかたちをいただいたというふうに認識しています。
井山:羽生先生と重なる部分も多いですけれども、囲碁界も将棋界も本当に長い歴史があって、今までこの世界を支えてきてくださった方々、そしていろいろな方々にとっても、私たち今現役の棋士にとっても、本当に光栄なことだというふうに思っております。
記者1:お2人の活躍がありまして、最近、将棋と囲碁というのはたいへん注目されておりまして。今後どのような世界にしていきたいのか、なっていくのか? そこのへんについてのお考えをお聞かせください。
羽生:将棋も囲碁も、小さいお子さんから年配の方まで、幅広い人が気楽に気軽に楽しめるものだというふうに思っています。日々の生活の中のちょっとしたコミュニケーションであるとか、あるいは潤いであるとか、気分転換であるとか、そういうものとしてこれから先もきちんとしたかたちで継続していってほしいなということを願っています。
井山:囲碁の世界は世界的にもどんどん普及しておりまして、世界にも愛好家が非常に多いんですけれども、やはり国境であったりそういうものを超えた、そういう国と国とのつながりであったり、そういうところに少しでも囲碁がお役に立てれば非常にうれしく思いますので、そういう意味でも囲碁界全体として今後も努力していかなければいけないなというところです。
記者1:これまで数々の快挙を成し遂げられたお2人なんですけれども、棋士として、今後の目標をお聞かせください。
羽生:まぁ、なんていうんでしょうかね。将棋の世界というのは非常に幅広い年代の人がいますので、自分自身はもうすでに現役棋士になって30年以上の月日は流れていますけれども、年代が上がっていっても残せるものとか、指せる将棋というのもあるではないかなというふうに思っていますので、自分なりのできうるかぎりの限界というものに挑戦していけたらいいなというふうに思っています。
井山:私は囲碁を打っていても、まだまだ本当に囲碁のことをわかっていないと思うことが非常に多くて、その分まだまだ自分自身伸びしろもあるというふうに思っているので、少しずつでも前進していけたらなというのがありますし。
あと、やはり囲碁には世界戦がありまして、そこでなかなか、ここ長い間、日本としてもいい結果が残せていない状況が続いていますので、そういうところで少しでもいい戦いができるように、もう一度日本の囲碁を復活といいますか、結果という意味で「日本の囲碁もやれるんだ」というところを示せるように今後もがんばっていきたいなと思います。
記者1:ありがとうございました。私のほうからは以上です。
司会者:ありがとうございます。それでは、ここからみなさまの質疑応答とさせていただきます。
記者1:読売新聞のカワムラと申します。受賞おめでとうございます。安倍総理と表彰式後にしばらく懇談があったと思うんですけれども、どういう声をかけられて、逆にどういうお返事を返されたというような話をもし教えていただければ。
羽生善治氏(以下、羽生):「国民栄誉賞の受賞、大変おめでとうございます」というお言葉をいただきました。私も「大変栄誉ある賞をいただいて光栄です」という返事をいたしました。
井山裕太氏(以下、井山):私もそのように(笑)。
司会者:ほかにございますでしょうか。
記者2:東京新聞のヒグチと申します。今日はおめでとうございました。
記念品についてお伺いしたいんですけれども、今回硯、硯箱、筆、そして墨ということで、お二人が揮毫(きごう)されることが多いということで選ばれたかと思うんですけれども、まずこの品はお二人からのご希望のようなことがあったのかというところと、お受け取りになられて物を見た感想について伺ってよろしいでしょうか。
羽生:やはり筆を使って書く機会が多いということで、とても素晴らしい賞に関する一式をいただきました。ただ記念の品であるので、なんかちょっともったいなくて使えるような感じはないかなとは思っています。
井山:私もやはり非常に書く機会が多いので、これを機にもう少し書のほうも勉強しようかなと思っています。
記者3:中日新聞のオカムラと申します。本日はおめでとうございます。
羽生さんに伺いたいんですけれども、先ほど井山さんがご挨拶されたように囲碁というのは国際的なゲームになりまして、井山さんも子供の頃から世界を意識して戦ってこられたわけですけれども、そういう井山さんを見てどういう印象をお持ちなのか。
あと囲碁というゲームが今後世界にもどんどん広まって欲しいという思いがおありだと思うんですけれど、その世界への羽生さんご自身の思いですとか、ありましたらお答えいただけますでしょうか。
羽生:将棋の世界から見ると囲碁の世界というのは本当に国際普及の面で、二歩も三歩も先に行っているという点で、非常に羨ましいなと思っています。
井山さんは本当に今は韓国・中国、若くて強い人がたくさんいる中で、これから先も存在感ある棋士として活躍して欲しいということを願っています。
記者4:NHKのクニエダと言います。受賞おめでとうございます。羽生さんに質問させてください。
先ほどのお話の中にもあったように、若手の活躍というのが目立っておりますが、今週末、藤井五段との対局を控えておりますけれども、その心境、意気込みをあらためてお聞かせください。
羽生:なんて言うんでしょうか、以前からなんとなく今日の日が終わったら、ちょっと一息つけるんじゃないかと思ってたんですけれども、まったくそういう感じがなくなってしまって、ただ藤井さんとは公式戦では初顔合わせということでもありますし、お客さんの前で指す公開対局ということでもありますので、私自身も張り切って土曜日の対局を心待ちにしているというところです。
記者5:デイリースポーツのフクシマと申します。よろしくお願いします。
羽生先生、井山先生お二人にお伺いしたいんですが、先ほど受賞したということが個人と言うよりも伝統を踏まえてとおっしゃられましたが、あえてその中で唯一無二の記録を残されて、それぞれの世界のある意味頂点に立たれた上での象徴というかたちにもなったかと思うんですが、そういった思いでの喜びというか、思いというのはお有りでしょうか
羽生:井山さんは、七冠の全冠制覇を2回されて、今も維持しているということで、現在進行形で囲碁の歴史を作られている人だと認識しています。
その方と同じタイミングでこういった名誉ある賞をいただけて、非常に嬉しいとも思っておりますし、これから先引き続きどんな記録や記憶を作っていっていただけるのかと、いちファンとして非常に楽しみにしているというところもあります。
井山:羽生先生は私がちょうど囲碁を初めたときぐらいに七冠になられて、そのときのことは今でも覚えています。
やはり本当に将棋界を超えて広くみなさんに、本当に希望であったり夢であったり、そういったものを与えられたそういう方ですし、そこから年月が経った今もトップ棋士としてずっと勝ち続けておられるというところは、本当に同じ棋士として尊敬という言葉では言い表せないぐらいです。
やはり、自分がこれからどういう棋士になれるかわからないんですけれども、やはりこういうふうに、先を行ってくださっているそういう先生がいらっしゃるので、自分自身もすごくそういう意味でも、心強いと言いますか、そういうふうに自分もあれたらいいなと今は思っています。
記者6:毎日新聞のモガミと申します。井山さんにお伺いします。
先ほど自分の中で、まだまだ伸び代があると思っているとおっしゃられましたけれども、こういう大きな賞を受賞して、なお自分が成長していくという部分で、とくにどういう部分についてまだまだ自分は足りないし、あるいはまた、こういう部分で伸びていくんだという、何か感じているところがあったら教えていただけたらと思います。
あと、囲碁の普及ということで、やはり井山さんにかかる期待は大きいと思うんですけれども、その普及ということに関して、ご自身がこれから果たされていくことについての決意みたいなものがあったら教えていただけますでしょうか。
井山:本当に今の将棋界もそうかもしれませんけれども、囲碁の世界もAIの登場もあって、どんどん囲碁の内容的にも変わってきている、そういう時期かなと思っています。
今まで自分たちが正しいと思ってやってきたことがどうなのかっていう、そういう時期にも差し掛かってきていると思うんですけれども、自分自身のことで言うと、本当に先ほども言いましたけど、碁を打ってて絶対に正解だと思って打てる手はほとんどなくて、ですので、本当にいろんな面でもう少しでも成長していきたいというか、わかるようになりたいと言う思いは非常に強いです。
とくに世界のトップ棋士たちと戦っていると、やはりなかなか自分にないものを持っているなとか、そう感じる部分も多いので、自分は自分で自分の良いところと言いますか、そういったところを伸ばしていけるように少しでも努力したいなと言うところ。
囲碁普及という面においても、やはり自分がまずはもう少し良い戦いを。とくに世界ですることが、そういうことにつながれば、そういうことになれば良いなと思っています。
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