2024.12.10
“放置系”なのにサイバー攻撃を監視・検知、「統合ログ管理ツール」とは 最先端のログ管理体制を実現する方法
Can Vitamin C and Zinc Help Cure Colds?(全1記事)
リンクをコピー
記事をブックマーク
ステファン・チン氏:風邪からくる体の痛みや咳、鼻づまりがうれしい人はいません。そうした症状を緩和するために、アメリカだけで年間30億ドルもの膨大な投資が費やされているのも当然です。
また、風邪予防にはビタミンCが効くので、オレンジジュースをたくさん飲めばいいという話を聞いたこともあるでしょう。亜鉛を鼻から吸引するという話もあります。
ですが、こうした有名な方法が、実際には効果がないとわかりました。ビタミンCを例にとりましょう。
ビタミンCが風邪に効く免疫物質として一躍有名になった理由は、ノーベル賞を受賞した化学者であるライナス・ポーリングが、1970年に出版した書籍のなかでビタミンCの「大量摂取」と名付けた手法を勧めたからです。
科学的裏付けや医学界の賛同は得られなかったにも関わらず、彼が有名だったために、ビタミンCが風邪に効くというアイデアは急速に広まりました。
彼がビタミンCに惹きつけられたのももっともです。遺伝子がどのように影響を受けるかといった、膨大な生物学的な行程に関わっていたからです。
見過ごせないのは、ほとんどの動物はビタミンCを自分で合成できる点です。自分で合成できず食べ物から摂取しなければいけない人間は、(動物のなかでは)少数派なのです。
ビタミンCの不足は特定の感染症への抵抗力を弱め、なかには壊血病のように致死性のものもあります。ですが、不足していない場合、過剰にビタミンCを摂取しても免疫力が増幅するかどうかは疑わしいのです。
1万人以上の参加者を数える29の研究を2013年に調査したところ、ビタミンCの過剰摂取は風邪をひいた人の数にまったく影響がありませんでした。
なかにはビタミンCの過剰摂取によって風邪をひいている期間がわずかに短くなった研究もありましたが、別の研究でその再現はできませんでした。
調査から総合的にわかったのは、マラソンランナーや北極のように寒い地域での軍隊の訓練など、身体的ストレスが極度にかかる場合でもなければ、ビタミンCの摂取は推奨されないということです。
ホス(注:スターウォーズに出てくる極寒の惑星)のような極寒のツンドラを探検する予定があるなら効果があるでしょう。そうでなければ気にする必要はありません。
亜鉛はビタミンCほどの研究はありませんが、それでも多くの議論を呼んでいます。ビタミンCと同じように、亜鉛を摂取するという考えは極度の欠乏状態になった時の反応に基づいています。
DNAの複製や細胞分裂といったすべての細胞内プロセスにおいて、亜鉛は重要な物質です。亜鉛が欠乏状態になった人は重度の免疫障害に陥り、感染症によって亡くなります。亜鉛が極度に不足すると壊滅的な状態になるため、亜鉛をたくさん摂取すればするほど免疫も良くなるという考えはある意味自然な流れです。
ですが、2013年に発表された、引用可能な研究の調査はいまひとつの結果でした。風邪を予防できる証拠はなく、唯一効果があるように感じられたのは、最初に症状が現れてから24時間以内に摂取することで罹患期間が短くなるというものだけでした。しかし、この発見にも安易に飛びつくべきではない理由が多くあります。
1つには、基準となる投与方法や投与量がないため、科学的手法で研究を比較するのがとても難しい点です。
2007年に行われた研究が引用され、2015年にもう一度研究されたようですが、それまでに行われた研究から結論を引き出すのはとても難しい作業です。仮にうまくいったとしても、深刻な副作用があります。
多くの研究によれば、効果が認められるためには毎日75ミリグラム以上の亜鉛を摂取する必要がありますが、米国医学研究所によれば許容できる上限は1日あたり40ミリグラムなのです。それほどの量になれば、大抵の人は不味さやむかつきを感じるでしょう。
さらに、鼻から吸引するタイプでは、100以上の嗅覚障害、つまり匂いを感じなくなる症状と関係があります。
風邪の予防や治療をうたうハーブのサプリや強壮薬、お茶は数え切れないほどありますが、幅広く研究されたものはほとんどありません。
長年にわたって風邪やインフルエンザに効果的な武器だと考えられてきたエキナセアでさえも、2014年に行われた研究ではそうした効果はないと結論付けられました。
こうしたサプリメントには、宣伝目的の成分も含まれているようです。ニューヨーク司法長官の事務所が行ったハーブサプリメントの調査では、5つの製品のうち4つには記載されていた成分が含まれていませんでした。
こうした話を聞くと、風邪を予防したり、ひいたとしても早く治す方法はないのかと思うでしょう。残念ながら……ありません。大したものはないのです。
鼻づまりの薬も咳止めも抗ヒスタミン薬も、風邪のひどい期間を短くする効果はありません。単にそうしたつらい症状を緩和するだけです。
一番の治療法は、よく寝て水分補給をして、細菌を友人や同僚にうつさないようにすることです。
休んでいる間も研究者たちが、一般的な風邪に効果がある薬やワクチンを開発し続けていることを思い出して慰めにしてください。まだ見つかってはいませんが、彼らも挑戦し続けているのです。
関連タグ:
2024.12.10
メールのラリー回数でわかる「評価されない人」の特徴 職場での評価を下げる行動5選
2024.12.09
10点満点中7点の部下に言うべきこと 部下を育成できない上司の特徴トップ5
2024.12.09
国内の有名ホテルでは、マグロ丼がなんと1杯「24,000円」 「良いものをより安く」を追いすぎた日本にとって値上げが重要な理由
2023.03.21
民間宇宙開発で高まる「飛行機とロケットの衝突」の危機...どうやって回避する?
2024.12.10
職場であえて「不機嫌」を出したほうがいいタイプ NOと言えない人のための人間関係をラクにするヒント
2024.12.12
会議で発言しやすくなる「心理的安全性」を高めるには ファシリテーションがうまい人の3つの条件
2024.12.06
嫌いな相手の行動が気になって仕方ない… 臨床心理士が教える、人間関係のストレスを軽くする知恵
PR | 2024.11.26
なぜ電話営業はなくならない?その要因は「属人化」 通話内容をデータ化するZoomのクラウドサービス活用術
2024.12.11
大企業への転職前に感じた、「なんか違うかも」の違和感の正体 「親が喜ぶ」「モテそう」ではない、自分の判断基準を持つカギ
PR | 2024.11.22
「闇雲なAI導入」から脱却せよ Zoom・パーソル・THE GUILD幹部が語る、従業員と顧客体験を高めるAI戦略の要諦