下剤が果たす役割

オリビア・ゴードン氏:生きていれば誰でもウンチをします。平均では、1週間に3回する人もいれば、1日に3回する人もいます。ですから、大人になるまでに人は排便の達人となっているのです。

しかし時には、正しい食事と運動をしていても便秘になることがあります。その時に助けになるのが下剤です。

便秘は珍しいことではなく、20~30パーセントの人が人生の中で便秘になると言われています。便秘の原因としては、運動不足、多くの薬物摂取、または特定の食習慣などが挙げられます。その場合は生活習慣を変えれば便秘は治るかもしれませんが、もしそれでもだめなら、排便の快感を取り戻せる下剤がたくさんあります。

一番よく使われているタイプの下剤はバルク形成剤と呼ばれるもので、基本的には食物繊維の濃縮物です。食物繊維は私たちが食べる植物の一部を指す幅広い用語ですが、それは人体が消化することができないもので、全粒小麦のパンや、野菜の中に含まれています。

食物繊維には2種類あります。その1つの水溶性食物繊維は、水に溶けるとゼリー状に変化する繊維で、もう1つの不溶性食物繊維は、水には溶けません。バルク形成剤の下剤は人間の腸内に水溶性食物繊維を加えるので、それにより便が柔らかく、ふにゃふにゃの繊維のゼリー状になるのです。

すると便が大きく、重くなると同時にやわらくなるので、腸内を移動しやすくなります。このタイプの下剤は長期的に摂取しても一番安全なので、人気があります。

しかし繊維ゼリータイプが好みでない場合、他にも選択肢があります。もう1つの種類は、浸透圧性下剤と言って、特別な塩や砂糖の濃縮物により腸内環境の塩分や糖分を腸の外側より高くすることにより効果が出ます。

濃縮物を外側の濃度と同等にし、元どおりに戻すため、体内の水分が腸に集まります。その水分が大腸の中にあるものをウォータースライダーのように押し出すのです。

シュガーフリーのグミを食べた後トイレに行きたくなったとしたら、これが原因です。シュガーフリーのグミの中にはマルチトールといった糖アルコールにより甘味が加えられていて、それが強力な浸透圧性下剤の役割をするのです。

その他にも刺激性下剤という下剤もあり、それは腸壁の収縮をコントロールしている神経を刺激することにより、その収縮回数を増やします。腸の収縮は便が消化管を早く移動する原因となりますので、このタイプの下剤は一番効果が出るのが早いです。

ほとんどの下剤は便秘解消に役立つことで知られていますが、他のことにも役に立ちます。例えば、あなたが手術を受けた直後で、トイレで力んではいけない場合などがそうです。楽に排便するため、潤滑性下剤というものもあります。それは鉱油のようなもので、腸壁をコーティングして滑りやすくする下剤です。

他には軟便化剤という、便を柔らかくする下剤もあります。そのタイプの下剤は、脂肪分を多く含んだ便の表面摩擦を減少させるので、便が水分を吸収できるようになり、柔らかくなります。ちょうど、手を洗う時、石鹸や洗剤が水と油を混ぜるのと同じ働きをします。

ですから、あなたの便の状態がどうであれ、それにあった下剤が存在するのです。

結果的に言えば、健康的な食習慣と運動があなたの体が長期的にうまく機能できる助けとなります。しかし、膨満感があり、ウンチの妖精の助けが必要だと感じる場合には、助けとなるオプションはいくつかあるというわけです。だからといってグミを一袋食べたりはしないでくださいね。