顧客資産が失われた場合の保証規定

記者1:ブルームバーグのナカムラです。仮想通貨交換業者の登録なんですけれども、9月末までにしないと営業ができないという理解なんですけれども、御社は9月以降もずっと営業してきているんですけれども、9月以降営業ができた、登録にならなくても営業ができた背景。例えば金融庁と特別な話し合いがあったのか、そのへんをちょっと教えていただけますでしょうか?

堀天子(以下、堀):法律のことなので私が申し上げますが、資金決済法上、経過措置の適応を受ける施行前に事業を行っていた事業者につきましては、9月末までに本申請をすれば事業を継続できるという規定がございます。

したがいまして、当社としては本申請は9月末までに完了しており、その後、審査が完了した段階で登録が済めば、これは事業を継続できるというのが法律の定めでございます。それに則って、適切な審査を行っていただいておりました。

記者2:今、残っているお客さんのウォレットにはマルチシグ(マルチ・シグネチャ)はかかってないっていうことなんでしょうか? NEMのところは盗られましたけど、まだ残っている他の仮想通貨のウォレットにはマルチシグはかかってない?

和田:はい、一部の通貨にはかかっております。

記者2:なんの通貨ですか?

和田晃一良氏(以下、和田):ちょっと今すぐには確認はできないんですけれども、なるべく通貨としてマルチシグに対応しているものは、基本的に対応するようにしております。

記者2:じゃあ、かかっているものとかかっていないものがあるんですか?

和田:かかっていないものも、通貨の性質上ございます。

記者2:あとすいません、もう1回だけ。この顧客資産がなくなった場合に、コインチェックさんがどのように保証するかという規定は、取引所の規定を見ればわかるわけなんですが、その規定そのものが今ないんですか? それともどこかに規定は書いてあるんでしょうか?

:今回の原因等を究明して、その責任の有無、そして範囲、それから方法については会社の方で検討をしているところでございます。

記者2:規定そのものはあるんですか? 一般的に顧客資産がなくなった場合に、コインチェックはどのように対応します、という規定はあるんでしょうか?

:利用規約上の条項というのはございますけれども、本件の事態に即してこういう対応をします、という条項はございません。

記者2:じゃあケースバイケースですか?

:そうですね……ケースバイケースというか、お客様の資産の保護を第一に検討していくという所存でございますので、規定もそうでございますけれども、会社としての方針を今後協議して、決定して出していくということでございます。

記者2:ありがとうございます。

記者3:(仮想)通貨をいくつか扱っていると思うんですが、その中でなぜNEMが狙われたんですか? 技術的な話なのか、セキュリティの話なのか、そのへんも少しおうかがいできればと思います。

大塚雄介氏(以下、大塚):なぜ狙われたかというのは、正直わからないです。

渋谷本社前には多くの利用者が駆けつけた

記者4:日経のシマダです。ちょっと繰り返しっぽいところがあるんですけれども、580億円という金額を保証するということですけれども、「取り返してお返しします」という以外に、全額保証する手段は持ち合わせているんですか? 

大塚:それで言いますと、保証なども含めて現在検討中でございまして、そうですね、そこも含めて検討中というかたちでございます。

記者5:読売新聞のサカモトと申します。夜から渋谷の会社の前にたくさんの利用者の方が集まっていて、その方々もまず日本円、「キャッシュだけでも出してもらえないのか」というお話をされている方も複数いましたけれども、日本円も他の仮想通貨と一緒にロックされている理由はなんなんでしょうか? 先に日本円だけでも引き出せるようにする可能性というのはあるんでしょうか?

大塚:そこも含めて、どのような対応が一番お客様にとって最適なのかというのを検討している状況になっております。

記者5:どのようなことを最優先で(対処するのか)? お客さまは不安だと思うので、キャッシュだけでも引き出せるようにすることが、お客さまにとって一番の安心だと思うのですけれども。なぜ、それすら叶わないのでしょうか?

大塚:そこも、どういう対処をしたほうがいいのか検討したうえで、対応させていただきたいと思っておりまして……検討している最中でございます。

記者5:それは、キャッシュを下せない? キャッシュを下す作業にあたって、また何かリスクがあるんですか? 今おっしゃったのは。

大塚:そういうわけではなく……。全体としてどういう対応をさせていただくのが、一番お客さまにとっての資産保護となるかたちなのかということを、検討している段階でございます。

記者5:ちょっとすみません、NEMの取引については、今調査中とのことでしたけれども。他の取引所のみなさんも、登録者数は公表されていると思うのですけれども。その登録者の数字だけでも、教えていただけますでしょうか?

大塚:そちらを公表するかどうかも含めて、株主も含めて、協議が必要となってきましたので、今の段階では、ちょっと申し上げられない状態になっております。

記者5:……なんでですか?

大塚:株主も含めて……それを伝えさせていただくかどうかも含めて、協議しているかたちになりますので、ちょっと今の段階ではお答えできないかたちになっております。

記者5:登録者数を公表することで、何か変わることがあるんでしょうか?

大塚:私たちの一存では決められないところもありまして、ちょっと株主を含めて、そこを……どういう情報を出していくかということを含めて、今確認をしておりまして、検討しているところでございます。

記者5:こちらも【聞き取り不明】の話が出ておりましたけれども、SIMはいつの段階で停止するのでしょうか? それとも、継続するのでしょうか?

大塚:SIMに関しては、気づいた時点でいったん停止しております。

優先順位は「テレビCM>セキュリティ?」

記者6:時事通信のイシダと申しますけれども。金融庁に登録申請をされて、だいたい登録処理日数というのは2ヶ月程度と言われていますが、御社の場合は倍かかっています。それに対して何の疑問も抱かなかったのか? あれだけCMをガンガン打っている状況というのは、ちょっと良識が欠けているんじゃないかと思うのですけれども。登録申請の段階で、まだまだ体制が整っていないということですか? なぜこんなにガンガンCMを打って、突き進んでしまったのか、ご自身たちはどうお考えですか?

大塚:まず、登録申請ないしセキュリティに関しては、経営上最優先でやっておりました。まずそこを最優先でやっていたうえで、さらにお客さまにも使っていただきたいというところで、同時並行で……優先順位としては2番目ですけれども、お客さま向けのCMもやらせていただいたかたちになっております。

記者6:なんとなく、この状況は続いている……登録申請日数も2倍になるような状況でお客さまをどんどん呼び込むというのは、もしかしたら「登録はだめだ」と言われるリスクもあるかもしれないし、慎重に検討すべきだったんじゃないかなと思うのですが。そのあたりは?

大塚:先ほどの回答と重複になってしまうのですが、私たちとしては申請するという見込みでございました。

残された手元資金、破産手続きの可能性は…

記者7:ナカムラと申します。今後、事業そのものを継続できますか? 破綻の手続きなども考えられますか?

大塚:基本的には継続するかたちで、今は検討しているかたちでございます。

記者7:今、手元の資金……自分たちで使える現預金の、手元の流動性はどれぐらいでしょうか?

大塚:そこの数字も……重複しますけれども、具体的な数字を今確認中でございます。

記者7:580億円を仮に日本円で返すとなったときに、手元にその分はありますか?

大塚:その方法も含めて、今検討しております。

記者7:今、手元に600億円ぐらいあるんですか?

大塚:その具体的な数字というのは、私たちだけで決めることでは……株主も含めて、どこを公表するかも含めて、今確認中でございます。

コインチェックの株主構成

記者8:御社の株主構成を教えてください。

大塚:代表取締役の和田晃一良、私、大塚雄介、ベンチャーキャピタルのインキュベートファンドANRI、投資ファンドのWiL Fund。以上でございます。

記者8:おそらくお二人(和田氏・大塚氏)は、相当の分をお持ちじゃないかと思うんですけれども。いかがでしょうか? 株主と言っていますけれども。しかも、代表とCOOですよね? お二人、相当お持ちになってますよね? お二人、筆頭株主で相当持たれていますよね? 「株主と相談する」と言ってましたけど、本当に相談するんですか?

大塚:それは、ちょっと公表する話ではないと思っておりまして。ただ、我々で決める話と、株主を含めてちゃんと協議しなければならない話でございますので。我々も含めて、ちゃんと株主と確認しながら、伝えられることは伝えていこうと思っております。