パプアニューギニア海産について
小林せかい氏(以下、小林):それでははじめさせていただきます。今日、武藤さんが京都のお土産を持ってきてくださいました。
工場が大阪にありまして、大阪からわざわざこのイベントのために来てくださってるんですよ。なのでまず、武藤さんを拍手で迎えましょう。武藤さん、ようこそ。
(会場拍手)
小林:ありがとうございます。告知では「初の顔合わせ」と書いていたんですけど、本当に初顔合わせです。
武藤北斗氏(以下、武藤):そうですね。本当に最初だったので、イメージ的に、ちょっとこわかったんですよね。こわいというか……「怒られないかな?」っていうのが、1番の心配事だったんですけど。でもいい笑顔で、ありがとうございます。
小林:あらためて、自己紹介をさせていただきます。それでは武藤さんから。
武藤:はい。パプアニューギニア海産という、エビの会社をやっています。
私は2代目で、父がまだ現役で社長をやっているんですが、もう30年、パプアニューギニアのエビ一筋でやっています。
もともとは、現地の人たちを支える……というと言い方がちょっと偉そうな感じはするんですが、対等なかたちで日本で販売していく。そのなかで、オーガニックであることや無添加であるっていうことを考えて販売しています。
東日本大震災があったときは石巻にいたんです。そこで会社が流されて、大事な人が亡くなったり生き残ったりというなかで、いろいろと働き方を真剣に考えるようになりました。
それを4年前にはじめて、いつの間にか本まで出して、こうやって話をさせてもらえるようになってますが、本当に自分が正しいと思うことを、ただコツコツとやっているだけです。今日は2時間、どうぞよろしくお願いいたします。
(会場拍手)
「フリースケジュール」という働き方
小林:ちなみに武藤さんの『生きる職場 小さなエビ工場の人を縛らない働き方』を読んだよっていう方は、どれぐらいいらっしゃいますか?
武藤さんのことを知っている、聞いたことがある方はテレビを通してですかね? けっこう知ってる方が読んでくださっているんですね。でも、まずはなぜ武藤さんがここにいるのか、みたいな。フリースケジュールなどについて話しておいたほうが楽しいかもしれないですね。
武藤:そうですね。僕はこのエビの工場をやってるわけですが、社員が僕を入れて2名。パート従業員が、今は17名です。要するに、その17名がメインでやっている工場で、好きな日に出勤してください、好きな日に休んでください、と。そして、休む場合は一切連絡がいりません。そういうことをはじめたのが、4年前です。
それまでは普通に、何曜日に来て何時から何時まで働いてくださいっていうかたちだったんですが、やり方を変えて。もうぜんぶ自由。朝起きて来たければ来ればいいし、起きて行きたくなければ来なくていいし。
ただ、それをやったら、逆に効率が上がりました。「縛る」かたちが生産性を生むと言われていた今までの食品工場のなかで、逆に自由にすることで生産性が上がったということが、僕も驚きでした。そして、社会のなかで働いてる人たちの驚きにもなって。
そうした「フリースケジュール」というものを、もう4年やっています。
小林:フリースケジュールのお話をすると、よく聞かれる質問があるんですよね?