高校を中退して突然ニュージーランドへ

西澤ロイ氏(以下、ロイ):惣士郎さん、フィリピンにお住まいで、英語はどうやって身につけられたんですか?

惣士郎氏(以下、惣士郎):もともと、高校時代、ニュージーランドに3年間留学をしてたんですね。

ロイ:うんうん。

惣士郎:飛び出すように、いつも直感で行動するんですが、高校1年生で突然学校退学しまして、どうしても海外に生活しなくてはならないと。

ロイ:退学ですか?

惣士郎:そうなんです。

上村潤氏(以下、上村):思いきりましたねぇ。

惣士郎:ええ。転出というかたちを取って、復学予定だったんですが、すぐにニュージーランドから退学届を出しまして。もうニュージーランドに入った瞬間に、「ここだ!」と、「僕はこの緑の中で、英語で生活していくんだ」というのがピンときてしまって、そのままニュージーランドで卒業しました。もう本当に、「How are you ?」って聞かれて、「Yes」って答えてたぐらい。

ロイ:(笑)。

惣士郎:はじめは、まったく英語がわからないまま留学をしたので。そこから体当たりで学習していった、という感じですね。

ロイ:じゃあ、そこもその五感を使って、学んでいったような感じですか?

惣士郎:そうですね。スポーツに助けてもらった、という感じですね。

ロイ:うんうん。

発音は毎日繰り返し練習

惣士郎:やはり友達をつくる方法として、言葉が苦手だったので、スポーツや遊びを通して、友達と会話をしながら学んだっていうのが多かったです。ただ、日々の日常で、どうしても発音を良くしたいということがありましたので、辞書から適当な単語を引っ張っては……。苦手な発音ありますよね? 日本人にとって。それをひたすら繰り返し練習すると。

ロイ:あー、それ大事ですよね。

惣士郎:ええ。毎日、「F、F、F、F……」ってですね(笑)。THやFやVや、そういう発音の練習を毎日繰り返しながら。でも、あとはもう友達と体当たりを、繰り返してた感じですね。

ロイ:いや、本当、発音って、めちゃめちゃ大事な土台なので、じゅんじゅんももっとやったほうがいいですよ。

上村:はい。

ロイ:(笑)。

上村:でも、ロイさんの目が真剣だったので、気を引き締め直します。

(一同笑)

上村:でも、やっぱり、友達っていう関係性だからこそ、この体当たりになれる部分って、けっこうあったんですかね? 気軽に言い合える、っていうんですかね。

惣士郎:そうですね。あとはやはり動いていたり、なにかを一緒にやっていると、考えるよりも「とにかく伝えよう」ということ、気持ちが先行していきますよね。だから、そのシチュエーションがあったことは、すごく大きかったなと思いますね。

ロイ:やっぱ英語を学ぶ時って、つい文章とかで学んでしまって、状況と一緒にならない人ってけっこう多いんですよね。でも、そこで、例えば友達と一緒に、僕も留学中に一緒にビリヤードをやりながら、「あ、こういう時、こう言うんだ」とか、そういう学びってすごく生きた学びで。体験とくっついてるから、忘れないんですよね。

タイミングよく質問すると「君は英語がうまいな」

惣士郎:そうですね。その当時、活用できたものであり、現代もまさに進行形で、今、島の中で20ヶ国以上の外国人の友人がいるんです。なので、毎日、基本的に英語ですべて生活をしてるんですけれども。

非常に活きているのは、コーチングやカウンセリングって、質問をして相手の話を引き出すというのがベースにありまして、それを10年以上やってましたので、質問英語がやっぱり上手になってですね(笑)。

ロイ:あー、なるほど。

惣士郎:ズラズラベラベラと、例えば話せなかったとしても、「Why?」「How?」「When?」って、質問をタイミング良くかけると、相手は気持ち良く話せるので。とてもコミュニケーションがうまくいって、「君は英語がうまいな」と言われるんですね(笑)。

ロイ:(笑)。

上村:おーー。

ロイ:まあ、聞き取れることが大前提ですよね。

惣士郎:そうですね、そうですね。

ロイ:そこで「Pardon?」「Pardon?」ってなっちゃうと、ちょっと成り立たないので。

惣士郎:そうですね。

上村:でも、質問英語っていいですね、確かに。話しかけるきっかけってなんか、頭の中だけで勉強してると、なかなかこう、自分をしゃべるっていうのはできますけど、人に聞くっていうのがおろそかになってしまったり、とかしそうなんですけどね。さすがでございますね。

惣士郎:やっぱり聞き出し英語みたいなのが、おもしろいかもしれないですね。

単語をどれだけかっこよく発音できるか

上村:はい。そんな、生きた英語を身につけていらっしゃる惣士郎さんなんですが。僕もそうなんですけど、今まさに英語を学んでいる日本人に対して、お伝えしたいことっていうのは?

惣士郎:そうですね。大きくは、やはりボキャブラリーを中心として頭で覚えていく英語、これは後で必ず感性とセットになるので、やっておくと、日本人の英語はよく「ダメだ」とも言われますけど、やっぱり単語と語彙、語彙数と文法を増やしておくっていうのは、必ず生きてくるとは思うんですね。

その感性という点では、やはり発音や表現が楽しくなってきた時に、英語はやはり興味深さとともに上達していくと思うんですね。それはもう毎日歩きながら、THやFやVの発音をするところから始めて、気に入った単語があれば、その単語をひたすらどれだけかっこ良く発音できるかという(笑)。

ロイ:うんうん。

惣士郎:かっこ良さとか楽しさとか、やっぱり英語というものを感性で楽しみだしたところから、日本語英語としての文法や語彙っていうものと結びついていったので。

私の場合であれば、心の専門性とマインドフルネスということと英語を結びつけた時に、自分の中に知識・情報と大切にしてることがありますので、英語も意外とスムーズに出てくるんですよね。なので、自分の大好きなことと英語を結びつけて、学んだり実践してもらうっていうのが、一番効果的じゃないかなという気がします。