2024.10.21
お互い疑心暗鬼になりがちな、経営企画と事業部の壁 組織に「分断」が生まれる要因と打開策
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担当者A:私が今回担当させていただいた企画について、ご説明いたします。どうぞよろしくおねがいいたします。
こちらの『東村アキコ完全プロデュース 超速!! 漫画ポーズ集』ですが、全漫画家の卵や、漫画家を目指している人のために人気漫画家・東村アキコが立ち上がった企画であります。
その目的は、とにかく速く、楽しく漫画を書いてほしい。数多くの連載を抱えて、筆が速いことで知られる東村アキコさんが漫画家の卵の大きな悩みに答えるべく、今回の本を発売いたしました。
その漫画家の抱える問題というのが(スライドを指して)こちらになります。「どうして漫画を描くのが楽しくなくて、苦しくなってしまうのか」。その理由は、絵を描く際のあるポイントであると、東村さんは分析しています。
それがこちらです。聞き慣れない言葉かもしれませんが、「『ロボット設計図メソッド』にハマってしまっているから」。
担当者A:それでは、もうひとつ。「ロボット設計図メソッドとはなにか?」ということですね。絵を描く際によくやってしまう、陥りがちなメソッドのことです。
こういった、人体はまず箱形で表現しまして、そのあとに肉付けをしていく。これがロボット設計図メソッドです。
これの弊害というのは、ズバリこういったことになります。「絵が固くなる」。これは東村さんのアシスタントさんの絵なのですが、確かに絵も線も輪郭も固くなってしまっています。
この課程を称して、東村さんはこう言っています。「なぜ、せっかく美味しそうに作ったエビフライを、衣を剥がしてエビに戻すようなことをするの」。この疑問に答えようとして、今回の企画をはじめました。
ということで、「上手いけど時間がかかって固い絵よりも、下手でも速く描けてのびやかな絵を目指そう!」というのが、この本に込められた東村さんのメッセージであります。
そこで「どうして速く描かなくてはいけないのか?」ということが疑問に思われるかもしれません。これに関する答えはこちらです。「速く描かなくちゃ仕事になりません」。
身も蓋もない話なんですけれども、プロになった後は結果がすべてですし、漫画家の卵の方にとっても、大切なことではあります。
というのも、たくさん描かなくちゃ絵のストーリーも上手くならない。とにかくたくさん描いてほしい、というのが、東村さんの、この思いです。
担当者A:では、「どうしたら速く描けるの?」という疑問に関して、今回この本が答えを提供しようと思っています。ここで、東村アキコメソッドというのは登場いたします。
この本を東村さんが出そうと思った理由がありまして。
「1:ロボット設計図より写真を見て描いたほうが速い」「2:でも、いままでのポーズ集は使いにくい」「3:単に私が欲しかった」「4:ポロッとその話を講談社の人に言ったら、本当に出しましょう」と。ということで、まさかの東村アキコ持ち込み企画になっています。
それでは、先ほどの東村アキコメソッドをざっくり説明させていただきます。
この中で紹介されておりますが、まずは先ほどの「設計図方式からの脱却」。
そして次が、「見えない骨格ではなく、見える輪郭で描く」と。これは、イラストというか、東村さんが下絵もなく一発でペンで描いた絵です。輪郭をとらえましょうということですね。
もうひとつはこちら。「写真トレースおおいにけっこう。やっちまいな」と言ってるんですけれども、写真のトレースをしていくことで輪郭をとらえることが上手くなり、これが絵の上達に一番速い、というのが東村メソッドの3つ目です。
担当者A:そしてラストが、「せめてキャラは楽しんで描いてほしい」。
漫画制作においてストーリー、キャラクターデザイン、セリフを考える、下絵、コンテですとか、いろんな作業があるんですけれども。
少なくとも、その中で下絵を描く作業でもっと速く描けるようになってほしい。そうすれば、他の楽しい作業にもっと集中できるから。ということが、東村メソッドの結論になります。
そして、そんなメソッドと今すぐ使えるポーズ集がたくさんつまった本が、この本になっています。
東村さんがこういうふうに本の中で言っています。
「漫画家生活約20年。もう折り返したから私の手の内全部バラしますわ」。ということで、東村アキコの絵を描くことのすべてが入っている本がこちらの本になっております。
本日は東村さんはいらっしゃらなかったんですけれども、ここからは東村さんの動画で、本の使い方をご紹介します。よろしくお願いします。
東村アキコ 氏(以下、東村):みなさんこんにちは。東村アキコです。すみません今日は私ちょっと締め切りが終わらなくて、会場のほうに行けなかったんですけども、ちょっと今仕事場から、このポーズ集を出した経緯とかをご説明させていただきたいと思います。
今回この講談社さんから、『東村アキコ完全プロデュース超速!! 漫画ポーズ集』という本を出させていただきました。
私、前からずっと夢だったんですけれども、漫画家になったらポーズ集を自分で出したいなとずーっと思っていて。なぜかというと、今まであったポーズ集が、やっぱり漫画作りには物足りなかったり、すごく使いにくかったりしたんですね。
うちはアシスタントさんもいっぱいいるんですけれども、アシスタントさんもみんな新人漫画家だったり、漫画家の卵だったり、あとはまだ漫画家になっていない漫画志望者だったりするんですけど。
みんな、今までのポーズ集は「使いにくい使いにくい」って言っていて、なので私が完全にプロデュースして出しました。
この本の中は写真のポーズ集なんですけれど、全部のポーズで、私がこういうふうに、「男の人はこうやって手を上げて」とか「女の人はこうやって」とか言って。
全部撮影に立ち会って、全部私がつけました。ヘアメイクまでして、衣装も私が家から持ってきたやつでやっています。
東村:ただ、ただの写真のポーズ集だとみなさん使い方がわからないと思うので、このポーズ集を有効活用できるように、私が最初に「速く楽しく漫画を描くイラストのメソッド大公開」っていうカラーページの漫画を、オマケというか、描き下ろしで13ページほど描きました。
あと、いままでの漫画の描き方というのは、ちょっとおかしいんじゃないかと思っていて。雑だけど速い私のテクニックをここで伝授しようと思って描きました。
このポーズ集を、実際どうやって使うかっていうと、まあ見て描くのは普通ですよね。この写真を資料として見て描いてもいいんですけど、漫画の中で時々、もう「難しいポーズはトレースしちゃいな」って言ってるんです。
漫画業界には「フリース」っていうのがあるんですね。それはけっこうタブーなんですけど。写真を写してるわけだから。「ズルじゃん」って思われがちなんですけど。
私はもう、「トレースバラしちゃえ」って思って。トレースやっていいじゃんって思ってるほうなので、ちょっと今、この本を使ってるウチのアシスタントにフリースをやらせてるので、トレースというがどういうことかというのをそれで見ていただきましょう。
この本の写真を白黒コピーでコピーして、下から光があたってるトレース台に置いて、輪郭を描いちゃうんですね。こうやってトレースして使うと。
この本の中にいっぱいポーズがあります。こうやって写して描くと、上手に描けるやつが448ポーズも入ってるんですよ。普通だったら420くらいしか入ってないところを、448です!
(会場笑)
448枚きれいな絵が描けるっていうね。いろんな立ちポーズ、座りポーズから、男女の絡みポーズからいろいろ入ってるんですけれど。
東村:私はギャグ漫画家なので、最後にオマケでギャグポーズ集というのも入れさせていただきました。モデルさんにはこんなポーズがやらせてしまって本当に申し訳なかったんですけど、おもしろい本になってますので。絵を描かない人は別に買わなくていいと思います。
絵を描きたい人、漫画を描きたい人、漫画家になりたい人、そういう人に向けて作った本です。だから、漫画を描かない人には勧めようとは思ってないです。
なので、みなさんの周りに「漫画家になりたいんだよね」とか、「漫画家になりたいけど絵が上手く描けないんだよね」とか、「時間がかかるんだよね」という人がいたら、そういう人に勧めていきたいなというふうに私は思っております。
どうぞこの『東村アキコ超速!! 漫画ポーズ集』。みなさんどうぞよろしくお願いします。東村でした。
担当者A:ということで、先ほどの、東村さんからのメッセージが今のビデオの動画です。これで、先ほどの動画の中にもありましたが、この本のモデルのキャスティング、ヘアメイク、スタイリング、ポーズというのはすべて東村先生が自ら行っているという。まさに完全プロデュースという名にふさわしいものなんですけれども。
ということで、日本一筆が速い漫画家『東村アキコ完全プロデュース超速!! 漫画ポーズ集』現在発売中です。どうぞよろしくお願いいたします。
そして、もうひとつあります。東村アキコ関連ニュースとして、もうひとつご紹介させてください。
担当者B:Kiss編集部で『海月姫』を担当しています。本日は東村先生がいらっしゃらなくて、たいへん申し訳ありませんでした。弊社の締め切りはしっかりと終わっていたのですが、ちょっと別の会社の締め切りだったようで申し訳ありません。
『海月姫』、約8年間に及んだ東村先生の最長連載が最終回を迎えて、それと同時に1月期からフジテレビさんからもリリースありましたが、芳根京子さん主演で月9ドラマとなります。
最後にドラマ化というかたちで、大きな花火を上げたいと思っておりますので、ぜひご覧になりつつ、漫画のほうもよろしくお願いします。
また、オマケ漫画のほうにも描いてあるのですが、今、北米のほうで『海月姫』が非常に人気でして、漫画のアカデミー賞といわれる「アイズナー賞」にノミネートされたり、ニューヨークパブリック・ライブラリーの「2016年10代に薦めたい漫画」に選ばれたりしております。
こちら日本ですと、東村アキコという名前や、少女漫画だっていう印章が強いのですが、アメリカのほうではダイバーシティ、多様性を非常に評価されてのノミネートとなっておりますので、そちらのほうもご注目いただければと思います。では、ありがとうございました。
(会場拍手)
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