『Let It Go』の歌詞は日英で全く異なる?

上村潤氏(以下、上村):では(アナ雪クイズ)最後の5問目。

西澤ロイ氏(以下、ロイ):5問目。流行語大賞でTOP10に入った「ありのままで」。この主題歌、英語のタイトルはなんでしょう?

上村:これは大丈夫ですか? 最初に持ってくるべきじゃなかったんですか?

ロイ:どうぞ。

上村:『Let it Go』。

ロイ:おーOKです。

上村:あーよかった。

ロイ:ここで一応『レットイットゴー』と言ったら、引っ叩く予定だったんですよ。

上村:そうですね。引っ叩かれるんだろうなと思いましたけど(笑)。

ロイ:(笑)。

上村:絵的にどうだろうと思って(笑)。

ロイ:そうそう。

上村:はい。『Let It Go』ね。流行語大賞にもなりかけましたもんね。この「ありのままで」っていうのは『Let It Go』は、訳すとそうなるんですか? 

ロイ:手放せって感じなんですけど。でも、その訳がけっこう日本語的にしてあるというか、訳を超えた歌詞になっているんですよね。

上村:ほう。

ロイ:例えば、その歌詞の中で「風が心にささやくの、このままじゃダメなんだと」とか、「とまどい傷つき、誰にも打ち明けずに悩んでた」とか、「そうよ変わるのよ。わたし」とか。「これでいいの。自分を好きになって。これでいいの自分を信じて」ってあるんですけど、英語ではそんなこと一言も言ってないんですよ。

上村:へえ。もう日本語の歌詞のほうがみんな耳に馴染んでいるから、そういう歌なんだなって思ってますけど。

ロイ:それは日本バージョンなんです。

上村:そうなんですね。

ロイ:エルサは自分嫌いとかじゃないですよ(笑)。

上村:これは......きましたね。真実はどうなのか。

意外と超訳『ありのままで』

ロイ:元の英語で言うと、エルサは怒っているんですよ。

上村:ほう。

ロイ:「風よ吹け!」みたいに言って、あれは英語だと、「Let the storm rage on.」って言ってるんですね。その「the storm」っていうのは、もともと、もうちょっと前で出てくるんですけど、「自分の心の中に嵐があるんだ」って言ってるんです。

上村:心の中で渦巻いている嵐のことを言っている。

ロイ:そうそう。それが「Let the storm rage on.」Letというのは「〜させる」その嵐を「rage」っていうのは、「吹き荒れる」とか「猛威を振るう」とかっていう意味なんですけど、でも「怒り」っていう意味でもあるんです。「激怒」とか「憤怒」とか、そういうなにか怒りで吹き荒れるみたいなのを、「on」って付いてる。「on」は「続」くってことなんで、「吹き荒れ続けろ」って言ってるんです。「私の心の中の嵐よ、吹き荒れ続けろ」って言ってるんですよ。

上村:はあ、そう聞くと、ぜんぜん違ったイメージの曲に聞こえてきますよね。

ロイ:そう。それをずっとこう抑えてて、人に見せないようにしてて、それを出しなさいと。出そうぜっていう、それが「ありのままで」なんです。

上村:ほお。

ロイ:これが自分らしいんだからっていう。人がなに見てても、なに言っても気にしないみたいな。

上村:けっこう冒頭のシーンにはなるんですけど、エルサとアナが遊んでいる最中に、ちょっとした事故でエルサの魔法が暴走してしまって、アナを傷つけてしまって。そこからエルサは13年間ぐらい引き篭もって生活をするというね。どんどん話しちゃっていいのかな(笑)。

ロイ:大丈夫、大丈夫。そうか、だから13年間だったんだと思って。

上村:そうなんですよ。

ロイ:流石チェックは細かいなって。

上村:エルサはディズニー映画の中では珍しい20歳を超えたヒロインだそうで。

ロイ:ほお。

上村:いないらしいんですよ。20歳超えのヒロインって。エルサだけらしいですよ。エルサ21歳。劇中で21歳のヒロインらしいですよ。

ロイ:ふーん、なるほど。

上村:まあ、そんな話はいいとして(笑)。いやあ、ロイさんに「なるほど」って言われると不思議な気分ですね。

ロイ:映画の話はもう、ジュンジュンにさせたら止まらないので。

上村:そうなんですよ。止まらないからね。

ロイ:コーナージャックされちゃうんで。

上村:ですよね(笑)。

続編の短編映画の原題は?

ロイ:なので、『アナ雪』英語テストのおまけの6問目いきたいと思います。

上村:4問目外したのにいいんですか?

ロイ:はい、いっちゃいましょう。

上村:はい。

ロイ:続編ありますよね。『アナ雪』の続編の話、知ってます? 

上村:なにか製作されるのが決まったというのは聞きましたけど。どんな話になるか聞いてないですね。

ロイ:2015年4月公開予定で、短編アニメーションなんですけど。タイトルが『アナと雪の女王/エルサのサプライズ』って日本語では言うんです。

上村:ほう。

ロイ:では、英語ではどんなタイトルでしょう、というのが問題なんですね。

上村:はなんだろう。サプライズ......エルサのサプライズ。そのままですか?

ロイ:ここでElsa's Surpriseってなるかなって思うかもしれないですけど、でも、もともと日本語だと『アナと雪の女王』と言っておきながら『Frozen』じゃないですか。

上村:『Frozen』ですよね。

ロイ:つまり名前は出してこなさそうじゃないですか。

上村:ですよね。

ロイ:実際のタイトルは。『Frozen Fever』。

上村:Fever? Oh......『Frozen Fever』。

ロイ:『Frozen Fever』。Fの音FrozenとFeverでFが韻を踏んでて、言い易くなってて、おもしろいなと思うのが、Feverって熱なんです。その熱。それが凍ってるんです。凍った熱。すごい気になるじゃないですか。

上村:おー、矛盾してますね。

ロイ:気になるタイトルを、今から公開して。

上村:でもね、オラフは雪だるまなんですけど、暑いのが好きっていうね。なにとも矛盾したキャラクターですからね。それはそれで非常に楽しみな2015年公開。

ロイ:4月公開って書いてましたね。

上村:なるほどね。短編ということなんですね。こちらも、ファンの方はぜひとも楽しみしていただきたいと思います。

隠れミッキーもいる!?

ロイ:こうやって英語っていう切り口で見ると、映画ってすごくいい題材なんですよね。1本の映画で、すごい何度も何度も楽しめる。例えばタイトルだけでも、やっぱり「このタイトルなんだろう」と思うだけで楽しいじゃないですか。

上村:うん。

ロイ:「ああそう言うんだあ」とか。

上村:けっこう邦題と原題が、ぜんぜん違うのっていっぱいあるじゃないですか。なんだろうそういうのを見るだけでも、ぜんぜん楽しいですよね。

ロイ:うん。

上村:「なんでこの邦題にしたんだ?」みたいなのってけっこうありますからね。なるほど、今日はそんな感じで『アナと雪の女王』について語らせていただきましたね。みなさまも、これを機にもう1回見直してみるのもいいかもしれないですね。

ロイ:ぜひ何度も見てみて「あっ、ここでこう言ってるんだ」とか。

上村:僕、1つ発見したんですけど、劇中にミッキーマウスが、隠れミッキーが居るんですよ。

ロイ:へえ、マジですか。

上村:はい。みなさま、ぜひとも家に帰って『アナと雪の女王』を見直して「あっ、ここにミッキー居た!」っていうのを、確認していただきたいと思います。

ロイ:どの辺ですか?

上村:それを言ってしまうとかなり決定的な物になってしまうので。

ロイ:前のほうとか後ろのほうとか。

上村:ああ、かなり前のほうですね。前のほうのさり気ないシーンです。

ロイ:へえ。

上村:本当に一瞬ですけどね。「あっ、ミッキーだ!」っていうのがわかるシーンになってますのでね、ぜひとも確認していただきたいと思います。