2024.10.10
将来は卵1パックの価格が2倍に? 多くの日本人が知らない世界の新潮流、「動物福祉」とは
Why Can't You Bring Mercury Thermometers on Planes?(全1記事)
リンクをコピー
記事をブックマーク
ステファン・チン氏:あなたはおそらく、一度も水銀温度計や水銀気圧計を飛行機に持ち込もうとしたことはないでしょう。実際に持ち込みたかったとしても、米国政府の気象機関で勤務していない限り、米国では持ち込むことはできません。
おかしなことのように思えますが、そこには重要な理由があります。この少量の液体金属は魅力的ですが、実はとても危険なのです。
水銀は、常温で液体状になる唯一の金属のため、映画X-menのヒーローの名称ではなく、古い英語で「生きている銀」という意味のquicksilver (クイックシルバー)とも呼ばれます。
この金属は、熱膨張の程度を測定する水銀温度計にはとくに有用です。温度を少し上げると膨張するため、高い熱膨張係数を誇ると評価されています。
(水銀温度計は変化が良く見えるので、)今日はセーターを着る必要かどうかを温度計でチェックするのに、虫眼鏡で見る必要がありません。
また、水銀はその他多くの金属と簡単に化合物や合金を形成します。水銀との合金はアマルガム(水銀合金)と呼ばれ、さまざまな事に役立ちます。たとえば、歯医者で銀の詰め物をしたことがある場合、それは水銀、銀、銅のような無害な金属で作られたアマルガムです。しかし、いくつかのアマルガムはそれほど無害ではありません。
たとえば、水銀が純粋なアルミニウムと接触した場合、大変な事になります。そしてそれを歯に詰めたいとは絶対に思わないでしょう。
私たちは、アルミニウムから飛行機をはじめとして多くのものを作り出します。アルミニウムはとても丈夫だからです。多くの金属は、酸素に触れると錆びて時と共に劣化します。しかしアルミニウムが酸素に反応すると、内部の純粋な金属部分を保護する、非反応性の酸化アルミニウムが表面に形成されます。水銀が関わっていなければ、とても素晴らしい素材です。
ですが、もし、飛行機の傷などから水銀が純粋なアルミニウム部分に接触してしまった場合、それはすぐに反応を起こし、金属に浸透し、アマルガムを形成します。
その(水銀とアルミニウムとの)アマルガムが空気に触ると、やはり酸化アルミニウムになりますが、この時は例外です。なぜなら水銀が含まれているため、化学反応が止まらないのです。
酸化アルミニウムは、飛行機からまるでサイバーパンク風の植物のように育ちはじめます。この反応のあいだに水銀は使用されておらず、アルミニウムと反応し続けます。この反応は、水銀が蒸発するかアルミニウムがなくなるまで続きます。
ですから、古いタイプの水銀温度計を飛行機のそばに近づけたくはないのです。(水銀温度計の分の)量がそれだけあれば、水銀は徐々に飛行機を破壊します。少量の水銀であればおそらく致命的なダメージを与えませんが、水銀の流出が飛行機にダメージを与え、離陸できなかった過去があります。
飛行機上で簡単に温度を測りたい場合、最近は水銀温度計は使われていません。体に入れば毒になるものでもあるからです。時と共にいくつかの航空法が変わるかもしれませんが、それでもおそらく、水銀温度計を搭乗の際に持ち込むことはしばらくないでしょう。
関連タグ:
2024.10.29
5〜10万円の低単価案件の受注をやめたら労働生産性が劇的に向上 相見積もり案件には提案書を出さないことで見えた“意外な効果”
2024.10.24
パワポ資料の「手戻り」が多すぎる問題の解消法 資料作成のプロが語る、修正の無限ループから抜け出す4つのコツ
2024.10.28
スキル重視の採用を続けた結果、早期離職が増え社員が1人に… 下半期の退職者ゼロを達成した「関係の質」向上の取り組み
2024.10.22
気づかぬうちに評価を下げる「ダメな口癖」3選 デキる人はやっている、上司の指摘に対する上手な返し方
2024.10.24
リスクを取らない人が多い日本は、むしろ稼ぐチャンス? 日本のGDP4位転落の今、個人に必要なマインドとは
2024.10.23
「初任給40万円時代」が、比較的早いうちにやってくる? これから淘汰される会社・生き残る会社の分かれ目
2024.10.23
「どうしてもあなたから買いたい」と言われる営業になるには 『無敗営業』著者が教える、納得感を高める商談の進め方
2024.10.28
“力を抜くこと”がリーダーにとって重要な理由 「人間の達人」タモリさんから学んだ自然体の大切さ
2024.10.29
「テスラの何がすごいのか」がわからない学生たち 起業率2年連続日本一の大学で「Appleのフレームワーク」を教えるわけ
2024.10.30
職場にいる「困った部下」への対処法 上司・部下間で生まれる“常識のズレ”を解消するには