起業する仲間を集めるときの注意点

佐俣アンリ氏(以下、佐俣):では、次の質問。

質問者:皆さんが起業するときは、楽しい仲間や気が合う仲間と始めると思うんですけど、そのうちにいろんな人をリクルートして、人材を集めることになると思います。中には気が合わない人もいると思うんですけど、そういうときは企業としてどうやって仕事を続けていくんですか?

佐俣:仲間集めの質問なんで、じゃあ仲さん。プロですからね。

仲暁子氏(以下、仲):仲間を集めて、その中に微妙な人がいたらどうするかって話ですか? それは、その人が出て行くほうがお互いにハッピーなんじゃないですかね(笑)。結構シンプルな解なんじゃないかと。

これはアメリカでは主流で、恋愛も一緒ですけど、お互いに我慢してたら結婚してても付き合っててもお互いに不幸じゃないですか。辞めて違う会社に行ったら、その人もハッピーかもしれないし、会社もハッピーかもしれないし。なので、ずっとその会社に居続けるっていうのは全然なくて、普通に出て行くのが一番シンプルな解じゃないかなって思います。

石田言行氏(以下、石田):試用期間がだいたいどの会社にもありまして、その期間内であればどうにかするっていうのが、雇用者も僕ら側(雇用主)も判断することかなと思いますね。仲さんがおっしゃっていたように、お互い嫌いな状態でやっててもしかたがない。ちなみに僕は一人で始めたんですけど、今日は朝5人くらいでフットサルしてきて、いい会社だなって思いました(笑)。

佐俣:自慢ですね(笑)。

石田:(笑)。なので、3ヶ月の試用期間っていうのが結構大事ですね。

苦しいときに一緒に乗り越えてくれる人かどうか

溝口勇児氏(以下、溝口):まずビジョンがあって、ひとつのゴールがあるわけじゃないですか。それに対してロジックでぶつかってるんだったら、いいと思うんですよ。そこで議論になるのはいいと思っていて。

それよりも「合う、合わない」で重要なことは、苦しいときに一緒に乗り越えてくれる人かどうかっていうのが、仲間を集めるときにポイントだと思ってます。

プロセスにおいてバチバチにぶつかるっていうのは悪いことじゃないと思うんですね、いくつか前提条件がある中で。仲間を集めるときに大事なのは、絶対ここですね。初期の段階では、苦しいときに一緒に乗り越えてくれる人以外は、最初の仲間に迎え入れちゃダメですね。

安部敏樹氏(以下、安部):先日、私は職員になるはずだったバリキャリ系の女性で、「できそうな人だな、一緒にやりましょう!」っていう感じだったんですけど、2ヶ月くらい一緒にやった結果、「あなた無礼よ!」って言われて、そのまま辞めていってしまったんですよね(笑)。

(会場笑)

まぁ無礼なのはそうなんだけど、みたいな(笑)。確かに年上の女性でしたし。でも、人間的に合わないっていうのはあるのかなと思います。それは、もう無理だなと。溝口さんがおっしゃるように、議論ができたらいいんですよね。

それとは別に、僕が最初に作ったときに10人くらいの「安部と何かしたいやつら」と一緒にやったんですけど、そのときのやつらは誰も僕の理念に共感しなかったんですよね(笑)。3ヶ月くらいやって思ったのは、こいつらとは無理だなと。「お前ら理念に興味ない?」って聞いたら「ない」って言うんで、全員に辞めてもらいました。

理念に共感してもらえるかって部分と、議論になるかどうかって部分。「無礼よ」って言われても議論のしようがないんで(笑)。そういう人はもうサヨナラです。

残りはなんとかディスカッションしながら一緒にやろうよ、楽しくガッツリやろうよってなるんですけど。ダメな人はもうダメです。以上!

質問者:ありがとうございます。

ミッションやビジョンの重要性

佐俣:じゃあ、質問は最後の1個にしようかと思います。

質問者:最近周りを見てみると、起業しようとする学生が心の底から出てくるミッションじゃなくて、「こうやらなきゃいけないんだ」みたいな感じでミッションを作り上げて起業してるように思えるんです。

自分はくだらない理由で起業するっていうのが好きで、そういうのに共感するんですけど、いつ頃からか「世界を変える」みたいなミッションをやらなきゃいけない感じが出てくるように見えます。

そういうのが出てくるときって、どういう気持ちなのかなっていうのと、出てくるとしたらいつ頃までに出さないといけないかというのがあったら、ぜひ聞かせてください。

佐俣:言行、どう?

石田:僕の場合はやりたいことが初めから決まっていたので、例外的ですけど。でも社員を雇うときに、お二方がおっしゃったようなビジョン、ミッションがないと、結局求心力がなくなっていっちゃって、たぶん30人、50人となったときに崩壊しかねないと思います。

僕の会社は今20人弱くらいで、旅という領域に絞ったビジネスです。「好きで隔たりのない世界をつくる」がミッションで、「新しい旅行体験を文化にする」というのがビジョンで、旅好きの社員からすると、比較的浸透しやすかったと思っています。

ビジョンやミッションに惹かれて応募してきた人もいました。できるだけ、早い段階であったほうがいいとは思います。そっちのほうが絞って採用活動もできるし、結局は人材が企業にとってのキモになってくるので。

早ければいい、ってのが答えですけど、理念とかがないんだったら安部さんみたいにやるとか(笑)。安部さんって、なんかついていきたくなっちゃうじゃないですか(笑)。

ビジョンが必要なのは、チームができてから

:私は逆に、最初は理念とかないほうがいいと思っていて。ソーシャル・アントレプレナーみたいな人がよく「アフリカの子どもたちを救いたい」って言ってるけど、じゃあ何ができるのってなったとき、その人が1人でアフリカに行って365日働くことしかできないと、世の中にインパクトは与えられないですよね。

最初は、手の届かない壮大な理想を掲げるんじゃなくて、まずは半径2メートルの目の前の人とか、友人とかの不便をなくすみたいなシンプルなところから始めるのがいいと思うんですよ。

さっき言った「どこからビジョンが必要になるのか」。それはチームができたときだと思ってます。チームが3人とか5人のレベルだったらビジョンは必要ないんですけど、10人とかになったときに何が起きるかっていうと、コミュニケーションコストがすごく上がってくるんですよね。

そのときに同じ方向を向いているとチーム全体の意思決定スピードが速くなるので、自分の心にある思いみたいなのを言語化して、共通化して、みんなにわかってもらう。

すると、例えばクライアントから「こういう広告を出したい」って言われたときに、受けるべきなのかどうかをいちいちリーダーに確認しなくても現場で判断できる。そんな感じで、意思決定スピードがチームとして速くなるんですね。

10人、100人、1,000人になったときも、そういう企業のほうがビジョンのない会社よりも速く進む。こういうのが解なのかなと私は思ってます。

佐俣:ありがとうございます。

若手起業家からのメッセージ

佐俣:最後に 1人ずつメッセージをいただければと思います。20代の挑戦のしかたとか、そういうメッセージがあれば。安部さんがオチになるんだから、仲さんから(笑)。

:さっき話した中にもメッセージとして出てきてると思うんですけど、理想を高くぶち上げる必要もないし、起業を目標にする必要もなくて。まずは半径2メートルの、周りの人たちの些細な問題でもいいから解決すること。

例えばFacebookは、最初みんなみたいな学生が「オンライン学生年鑑みたいなのを学校が作ってくれないよね」という不満から始めたんですよね。それが大きくなるときに、世の中をオープンにコネクトしてシェアさせるっていう大義名分をつけました。

Twitterも最初は、会社の中のイチ機能としてノリで作った。それが広まっていって、分離して1個のでっかい会社になって、その後で大きいビジョンを掲げたんですよね。なので、あんまり頭でっかちに考えずに、まずは半径2メートルの問題を解決する。そこは、ラフというか考えすぎずに動いてみるのがいいんじゃないかなと思います。

最後のメッセージなんですけど、ウチの会社でも学生さんのインターンとか募集中なんで(笑)、もし興味があったらぜひウォンテッドリーのサイトを見てみてください。他の会社も募集してると思うんで、それでもいいです(笑)。以上です!

佐俣:ありがとうございます。