ユニークな3人

天明麻衣子氏(以下、天明):それではゲストにタレントの堀口ミイナさんを加えてトークセッションを行いたいと思います。では、堀口さんに来ていただきましょうか。みなさん拍手でお迎えください。

(会場拍手)

堀口ミイナ氏(以下、堀口):よろしくお願いします。

天明:よろしくお願いします。

堀口:わざわざ拍手もありがとうございます。

天明:はい、ということで、これからのトークセッションのテーマが「ここが変だよ。日本の就活&転職&働き方改革」ということで。事前に私も含め、3人で日本の就活とか転職とか、「ここが変なんじゃないの?」みたいな疑問をいくつか出しているので、それについて3人で話をしていきたいと思います。実は堀口さんはとてもユニークな経歴をお持ちなんですよね。

三菱商事を辞めてはじめたタレント活動

堀口:ありがとうございます。みなさんユニークだとは思うんですけれども。そうですね、私もご紹介頂けるんでしょうか。

天明:三菱商事に今年の何月まで?

堀口:1月まで。

天明:1月まで正社員で。

堀口:正社員として。いわゆる正社員。

天明:いわゆる正社員でいらして、そのあとタレントとしてお仕事をしていらっしゃると。

堀口:はい。

天明:先ほどから「正社員安泰だ」みたいな感じもちょっとありましたけれど、それを捨ててタレントという不安定なところに飛び込んだきっかけは何なんでしょう?

堀口:たしかに、正社員という安泰を捨ててタレントに飛び込んだっていうイメージに一般的には見えると思うんですけど。正直、私にはそういう景色は全然見えてませんでした。

三菱商事はすごく良い会社でしたし。社会的な福利厚生だとか仕事の内容についても、例えば、単純なことはさせない。その人のやる気が落ちてしまうのでっていう配慮があったり。全体的に見たらすごく良い会社だったとは思うんです。

やってる中で、なんていうんですかね。目の前の仕事をすごく嬉々としてやっている同僚もいるのに、ぜんぜん楽しめない自分がいて。そしてやりたいことが外にあったので。安心信頼だけにしがみついていたら、自分がどんどんつまんない人間になっていって。

本当にやりたいこともできなくなっててしまうんじゃないかっていう、4年間いる中でだんだん自分の心がそういう方向に動いていって。それで、飛び出してみたという。捨てたとかっていうよりも、すばらしい良いものをもらって力を得て、飛び出たみたいな感じですかね。

天明:タレント的な活動は大学の頃はされてたんですか?

堀口:実はそこまでしていなくて。ちょっと機会があって、講談社さんから語学の本を出版したことがあるんですけど。私自身が5ヶ語話せて、日本人だとなかなかそういうのが珍しいので。「どうしたらそうなれたのか」とか、「どういうふうに子育てをしたらそういう子どもが育つのか」というテーマで本を書いたんです。

その本の著者としていろんなメディアに呼んでいただいて話すっていう機会があったぐらいで。ある意味タレントというか、著者としてまさにこういうトークセッションだったりっていうのをさせていただいていました。

高収入のプライドチキンレース

堀口:天明さんの経歴もすごく興味があって。

森井じゅん氏(以下、森井):気になりますよね。

堀口:NHKからJPモルガンにという素晴らしい経歴なのか、なかなかの変更だと思うんですけれど、どのような感じでしたか?

天明:NHKといっても、NHKの仙台で契約キャスターをしていたので。やっぱり、正社員と契約社員じゃないですけれど、やれることとかお給料とかには歴然とした差があるわけなんです。で、仙台で2年ぐらい働いて、やっぱり東京で第二新卒でいけるうちに挑戦したいなと思って探したところ、なかなかやっぱり採ってくれる日本の企業ってないですよね。

それで、第二新卒でポテンシャルで見てくれるところが外資系の金融機関しかなかった、そこしかなかったっていう感じなんですけど。でも、それで働いてみてなんていうんですかね、180度違う世界に入って、あそこはあそこでちょっとしたチキンレースみたいなところがあって。

グローバルで見てもJPモルガンでも同期がもう何百人みたいにいるんですけど、10年も経つと残るのは1人2人みたいな世界なので。

20代のうちに何千万という年収です。でもそこから、じゃあ転職してどこに行くの? っていう。なんというか、みんなすごいプライドを持ってやっているので、そのプライドを捨てていったいどこに行くんだ? みたいな。今さら1000万以下の年収で普通に働けるのか? みたいなところでみんなすごく悶々とするんですよね。

堀口:それは消耗戦ですよね。どこまで頑張れるってかいうか。

天明:本当に崖っぷちまでのチキンレースになって、精神的に病んでしまう人とかいっぱいいるので。そういうのを見て、私はちょっとこのレースには乗れないなという感じで、今すごく好きなことをやらせてもらっている。

軌道修正ができない新卒就活

堀口:なんていうか、やってみないと自分がそれが好きかどうかって分からないじゃないですか。

森井:そうですね。

天明:ねー。

堀口:やってみたからこそ、こうやってまたフリーキャスターの仕事をされている天明さんがいたりすると思うので。だから難しいですよね。やってみないとわからないですものね。

天明:ただ、日本の就活って、どうしてもまだ新卒で入って転職を前提としていない状況です。そうすると、一度決められたところで、「あ、なんか違うかも」と思ってもなかなかそこから踏みだしづらい。

森井:軌道修正がなかなか効かない社会になってますよね。

堀口:本当はね、なにか違うと思ったらアクションした方が絶対に人生にはいいと思うんですよね。

森井:そうですよね。

天明:これ難しいですよね。

森井:先ほどの話をさせて頂いて、やはりストックがないと行動を起こしにくいというのがあるので。バックにお金もない何もないなかで、行動をというのがなかなかいきにくいというのがあるんですよね。

そのなかで私はできる限り、今いるポジションで得られる武器を全て得て。そこから次へ、先ほど堀口さんがおっしゃっていたように、三菱でいろんなものを得たと。それを使って今後羽ばたいていくっていうような形ができれば、そういった働き方ばかりではないですけれども、そういった形がやはりベストな形なんだろなとは思いますね。

「ここが変だよ」日本の就活

天明:まず就活に関しての「ここが変だよ」にいきたいと思うんですけれども。就活期間が長すぎる。これはどなたの疑問?

森井:私からです。

天明:森井さんですね。

森井:はい。就活期間、私は日本で就活をしていないんです。ですが、日本の周りの人たちを見ると、大学のほとんどの時間を就活に使っている気がするんですよね。

経団連が決めた「この日解禁です」っていう内定の期間だったりとか、そういうものに合わせて世の中が動いていて。就活の期間っていうのが長すぎるなっていうのが、正直なところ私の感想です。どうですか?就活されましたか?

堀口:私、思いっきり就活しているんですよね。早稲田生だったので、早稲田の他の学生とまったく同じ条件で。合同説明会みたいなところに行くとか、自分がいざES書くときにどんな内容を書くか準備して書くとか。そういうことを一つひとつやってきたんですけれど。確かに長かったです。私はしかも大学2年生から始めたので。

森井:ですよね。本当にそういう方多いので。

堀口:でも、長くて悪かったなとは思っていないです。やっぱりそのときに1年なり1年半かけたからこそ、最初に思い込んでたいろいろな会社とか業界に対する考えとかがどんどん変わっていくじゃないですか。それで、変わっていって、「あ、こっちの方が良いかも」と思えたり。そういう考える時間があることが良かったですし、その間に自分に足りないものがあったら補っていける。

資格取ったりとか、WEBテストの勉強してみたりとか。1ヶ月あるのと半年あるのとではだいぶ変わってくるじゃないですか。だから、確かに長くて、そればっかりやっていたら辛いんですけれど、ある程度楽しんだりとかインターンしてみたりとか。そういうことをしていけば。

あとは本当の意味で、自分を見つめなおす期間にしてみれば、それくらいあってもいいのかな。ただ、勉強をおざなりにし過ぎない方がいいとも思います。

森井:そうなんですよね。結局、問題点としては、日本の大学ってどういう位置づけなんだろうっていう話になってくるんですよね。大学を全部無償化するなんて話もちらほら出ますけれど。じゃ、就活の準備のために大学に行かせて、そこに国がお金を払うんですか? そういうことにもなってくると思うんですよ。

結局、最終的にはみんなうまく就活就職できたらいいと思うんですが。やはり期間をこれだけ長くして、ひとつの最初に骨をうずめる場所を決めるみたいな。この風潮がちょっとどうかな? と私は思っています。