腕を組んだら左右どちらが上に来る? 「潜在意識」が嫌いな自分を変えるらしい

There to here is just another leap #1/2

Joyce Layman(ジョイス・レイマン)氏は、自分の行動を変えたくても変えられない原因が潜在意識のもつ習慣にあると語ります。自身の苦手を克服してきた経験をもとに、目標に向かって意識的に一歩踏み出すことの大切さを紹介しました。(TEDxUMKCより)

ただの「良い人」から一夜にして変身を遂げた

ジョイス・レイマン氏:数週間前、ビジネスパートナーのブレンダンとランチをしていた時のことです。彼女は私に向かって言いました。

「初めて会った時、あなたは私の中の『良い人』のイメージそのものだったわ。よくいるじゃない、一緒に飲むのは楽しいけれど、仕事上では何も学ぶところのないタイプ。でも今のあなたは、すばらしいコネクションを作る力を持った、時代を動かすオピニオンリーダーになった。あなたがどんな手を使ったのか想像もつかないけれど、どんな方法であれ、それは成功したみたいね」

ブレンダンの言ったことは、まさにその通りでした。私は一夜にして大変身を遂げたのです。ただその道のりは、実際にはこんな感じでした。

(会場笑)

自分自身、想像もできなかったほど遠くまで、自分の限界を押し拡げた様々な経験を通して、私は大きく変わりました。その中で私が学んだのは、「あそこから、ここまで」の大きな変化が、実はそれほど大した飛躍ではないということでした。

友人からのアスレチックへの誘い

私を変えた経験のひとつは、2006年6月、とある土曜日の朝に起こりました。友人のディアナが電話をかけてきて言ったのです。「今日、ネットワーキングの集まりがあるんだけど来ない?」

私は言いました。「ディアナ、私がネットワーキングが苦手なのを知ってるでしょ。知らない人だらけの部屋で、私を壁の花にする気?」

彼女は言いました。「今日の集まりはパーティじゃないのよ。アスレチックコースで綱渡りをして、チーム力を鍛えるエクササイズをするの」。

私は訊きました。「高さはどのくらいなの?」彼女は言いました。「さぁ、知らないわ。来なさいよ。きっと楽しいから」

スタート地点のタワーのふもとに立った瞬間、私は現実に打ちのめされました。

最初のゴールは、45フィート(13メートル)上空にあるプラットフォームでした。私にはちょっとした問題がありました。高いところが大の苦手だったのです。しかし逃げ道もなく、私は登り始めました。ゴールに辿り着く頃には、心臓は胸から飛び出そうにドキドキし、汗びっしょりで、今にも吐きそうな気分でした。

そこで私は過ちを犯しました。下を眺めたのです。プラットフォームにしゃがみこんで、自分に言い聞かせました。「OK、なんとか大丈夫だわ」そこへインストラクターが来て言いました。「今あなたがいるコースは、420フィート(128メートル)向こうにある対岸からしか降りられないからね」。

冷たい水面に入る際の2つの方法

装備は万全のように思えました。私は薄っぺらなハーネスで命綱に繋がれており、私と地面との間には細くて薄いケーブルがあるだけでした。あらゆる最悪の事態が私の頭をよぎりました。吐くかも、気絶するかも、地面にたたきつけられるかも。

なんとか勇気をふりしぼってようやくコースの端に出ようとした時、隣にポールが来ました。彼はずっと、「無理だ、こんなのできない」と言い続けていました。

「ポール、さっき会ったばかりだけど言わせてね。私、自分の頭の中のネガティブな声はもう嫌というくらい聞いたわ。あなたの弱音はたくさんよ。とにかくケーブルの上にしっかり足を乗せて、次のプラットフォームに早くすいすい渡っていけるようにしましょ」。

ポールは言いました。「レストランでビールとバーガーを食べてる自分を想像するよ」。3時間半かかりましたが、私たちはなんとか渡り終えることができました。

泳ぎに行った時に、水の中に足をつけてみたら、思ったより冷たかった経験はありますか? その時にとる方法はふたつありますよね。徐々に水の中に入って身体を慣らしていくか、深呼吸して一気に飛び込むか。

綱渡りのエクササイズは私にとって大ジャンプでした。ちなみに、それ以降はネットワーキングがとても簡単に思えるようになりました。

(会場笑)

素晴らしい「失敗」のチャンス

数ヶ月後、カンザス市保健連盟の昼食会に行きました。少し自信がついていた私は、隣に座ったセリアという女性に自己紹介しました。

彼女は尋ねました。「あなたのお仕事は?」私は答えました。「健康と厚生についての講演をしています」「ちょうどよかった! 私は法人向け福利厚生企業で働いているの。クライアント向けに講演をしてくれる人を探していたのよ。あなたの講演のサンプルビデオはあるかしら?」「あります!」

その日遅く、自分の車へ戻りながら、私はこう思いました。なんて素晴らしい「失敗」のチャンスだろう、と。私は講師ではありませんでした。講師をイベントに紹介する人間だったのです。

(会場笑)

マイクを渡されたら、緊張でふるえるような人間でした。もちろんビデオなんてありません!

(会場笑)

ただ、この仕事を2年以上やってきていたので、話の内容は知っていました。そこで、パワーポイントを作成することにしました。スライドを読めばなんとかなるだろうと思ったのです。イベントを予約し、ビデオを撮影し、彼女に送りました。彼女は、私を採用しました。

同じ頃、全国講演者連盟主催のユーモア集中講座があり、コメディアンで講演者でもあるダレン・ラクロワが講師に招かれました。スピーチを面白くしたかったので、私はそれに参加しました。

自己紹介の後、ダレンは私に尋ねました。「君は講演者かい?」私は答えました。「はい!」「ビデオはある?」「はい!」

ビデオを見た後、彼は私に電話をくれました。「ありのままの真実と、オブラートに包んだ真実と、どっちが聞きたい?」私は答えました。「ありのままを言ってちょうだい」彼は言いました。「講演者としちゃ、あんたは最低だ」

侮辱された時にたいていの人がそうするように、私は彼をコーチとして雇いました。そして、もうひとつの大きなステップを踏み出したのです。

考えること、口にすることが自分を形作る

最初にダレンが私にやらせたのは、地元の演説研究会に入ることでした。私には手助けが必要だったのです。次にしなくてはいけなかったのは、国際的な演説コンテストへの出場資格を得ることでした。ダレンはそのコンテストで、2001年に14カ国25000人の中から栄誉を勝ち取っていました。

出場資格を得るためには6種類の異なった演説を準備しなくてはならず、研究会に入った時点で私に残されていた時間は、締め切りまで90日もありませんでした。

困難に直面した際に期限が短いことのメリットは、「でも、だって……」や「もし〜だったら?」や「どうしていいかわからない」が頭の中でグルグル回ることに、いちいち耳を貸している時間がないということです。

私はコンクールの出場資格を得ました。そして、課題はより苛酷になりました。ダレンはスピーチの書き方を指導してくれましたが、それと同じくらい重要だったのは、メンタル面での準備でした。各スピーチの前に、時間があれば私はそれぞれの会場へ行き、それらがどんな場所かチェックするようにしました。

アスリートがパフォーマンスを向上させるためにイメージトレーニングをするように、私は自分の意識を不安や緊張へ慣れさせるようにしました。私は自分の演説をあらゆる角度からイメージしました。どんなふうに舞台上を歩くのか、どんな声で話すのか、どんなふうに観客と関わるのか。

そして次に、イメージしたことをアファメーション(自己実現目標)のように書き出しました。以前の私は、アファメーションは1日にほんの数分だけやるようなことだと思っていました。

しかしこれをやっているうちに、自分が考えること、口にすることすべてが、常に自分を形作っているのだと気付きました。

そこで、それらの目標を自分の家のいたるところに貼り付けました。車のバイザーにまで貼って、自分が考えていること、しゃべっていることに意識を集中できるようにしました。

無意識のうちに自分の心地よい環境を選んでしまっている

スピーチコンテストでは、6段階あったうちのレベル4に終わりました。でも、この過程を通して、それまでに経験したことの意味がわかってきました。

なにか苦手なことにチャレンジした時に、私はそれをなんとか解決し、それが結果的に次のチャレンジを少しだけやりやすくしてきたことに気付いたのです。そこで私は、自分が苦手だと思うものを見つける良い方法を探し始めました。例をあげましょう。みなさん、腕をこんなふうに上にあげてもらえますか? 隣の人を殴らないように気をつけて。

では、胸の前で腕を組んで下さい。そして左右どちらの腕が上に来ているか確認してもらえますか?

確認しましたか? では、腕をほどいて。次に、さっきとは逆の腕を上にして腕を組んで下さい。どんな感じですか? しっくりくる? 変な感じ? 落ち着かない? 腕をほどいて下さい。

最初腕を組んだ時は、潜在意識の習慣でやったと思います。どちらを上にするか考えもしなかったでしょう。でも2度目に組んだ時は、意識して上にくる腕を決めましたよね。ただ実際は、潜在意識が95%の割合で優先します。

それが何かを変えようとする時に落ち着かない理由です。そして私たちは無意識のうちに、自分が心地よいと思える環境に馴れ親しんでしまっています。では、どうやったら自分の苦手を知ることができるのでしょう?

私が怖れていたのは身動きがとれなくなること

もう少し簡単な例を挙げましょう。Facebookで、とても非科学的なアンケート調査を行いました。画面にあるような写真とともに、2つの質問をしたのです。

「トイレに入った時に、トイレットペーパーが逆向きにセットされていた経験がありますか? その時、どうしても気になって正しい向きにセットしなおしましたか?」

まず最初に、そもそもどちらが正しい向きなのかというところから議論を始めなくてはいけませんでした。そして、正しい向きに直した、という人も確かにいたのです。苦手なものはいろいろありますが、私の場合はトイレットペーパーの向きもそのひとつというわけです。

しかし、今回の講演の原稿を書いている時に、自分でも今まで気付かなかった発見に驚きました。実は、今回講演の招待を頂いた時に、びびってしまうのではないかと真剣に悩みました。でも「待てよ、これは私がやりたいと目標にしていたことのひとつだから、いいことなんだ」と思い直しました。

私はTED人間です。すでにたくさんのTED動画を見まくっていましたが、今回これで「リサーチ」をする口実が出来たわけです。私は何時間も動画を見ました。でも動画を見れば見るほど、それらの素晴らしいストーリーと自分とを比べてしまうようになりました。

「こういうことを言わなくちゃいけないよね?」と思い込み、何度も何度も原稿を書き直しました。昨夜9時半まで書き直していました。でも、そこでふと思ったのです。

私は「あの舞台に立つだけのどんな価値が私にあるのだろう?」と思いました。その時、私は自分が最も苦手とするものが、実は高さではなかったことに気付いたのです。私が怖れていたのは、身動きがとれなくなってしまうことでした。

強い動機があれば、苦手さえ克服できる

20年前、私は恋人から言葉の暴力を受けていました。私が壁の花になってしまったのはそれが原因だったのです。彼の言葉は私を傷つけるものでした。さらに悪いことに、私は自分がその言葉通りの人間だと思い込んでしまったのです。

5年間、ずっとそんな状態で身動きがとれませんでした。でも「もうこれ以上、我慢できない」と決心し、彼の脅しにも負けず、勇気を出して彼と別れました。でも自分の夢を追いかけるだけの自信は当時まだありませんでした。

私の好きな言葉です。「彼女は何も怖れずに飛び降り、落ちて行きながらその羽を生やした」ジャンプする先が、ただのプールであることもあります。でも、山のふもとまで飛び降りなければいけない場合もあります。

人々を踏みとどまらせるのは、「あそこから、ここまで」自分を変えるための細かく具体的なやり方が分からないからだと思います。でも実際のところ、それはそんなに大きな問題ではありません。

方法はなんとでもなります。何かを達成したいと思う強い動機があれば、自分が最も苦手とすることでさえ克服できます。

最後に、これを覚えておいてください。何かを達成して「ここ」へ到達できたら、あなたはきっと次の「あそこ」へ行きたいと思うようになるでしょう。なので、みなさんを挑発しておきます……思い切って、飛び込んで下さい。

ありがとうございました。

<続きは近日公開>

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