2024.11.26
セキュリティ担当者への「現状把握」と「積極的諦め」のススメ “サイバーリスク=経営リスク”の時代の処方箋
“手触り感”のある仕事…人を幸せにする形を求めて(全1記事)
提供:株式会社BSジャパン
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ナレーション:五反田にカジュアルな服装で出勤してきた女性。照沼かおりさん。
照沼かおり氏(以下、照沼):おはようございます。
スタッフ:今日は忙しいですか?
照沼:今日はちょっと忙しいですね。月の初めの仕事があって。3月末で1ヶ月の月次を締めて、バタバタするかもしれないです。
ナレーション:彼女が昨年から勤めているのが、設立2012年、株式会社ココナラ。
照沼:おはようございます。今日は早いみたい。
ナレーション:ほかの社員より早く出勤してきた様子。それにはある理由がありました。
スタッフ:これからなにをやるんですか?
照沼:これからヨガのレッスンをします。
ナレーション:会社でヨガ? これは仕事ではなく部活動。会社が始まる前に、有志を募り、月に2回ほどヨガを教えています。
照沼:なんとなく女性の社員さんから、私がヨガを勉強しているのを知っていて「やってよ」みたいな。
ナレーション:この会社は、ヨガ以外にもいろいろな部活動が行われているそうです。
照沼:スポーツ系とか飲みに行くとか、あとは肉の会とか。肉部とかありまして(笑)。社長が「社員一人ひとりなにか自分の得意なことを部活にして、社員の人数だけ部長と部活がある、みたいな組織にしていきたいな」と言っています。
ナレーション:こんな自由な社風のWebサービスのベンチャー企業。ここでの彼女の仕事とは?
照沼:私は経理と財務を担当していますね。いわゆる数字まわりの管理をしています。
ナレーション:照沼さんは経理・財務のプロフェッショナル。あの大手商社の三井物産をはじめ、NPO法人などで一貫してこの道で働いてきました。
人のためになる仕事がしたいと入った大手商社。しかし、なぜ彼女はベンチャーへの道を選んだのか?
照沼:なんかもっとね、近い感じ。手触り感。
ナレーション:そして彼女の言う「手触り感」とは? その仕事に密着します!
この番組は「働くって“だから”おもしろい!」をテーマに、全世代に向け、転職や学生たちの就活など、働き方のおもしろさとその魅力を伝える番組です。
友近氏(以下、友近):はい、『ジョブレボ!』始まりました。司会の友近です。よろしくお願いします。
原田修佑氏(以下、原田):テレビ東京入社2年目の原田です。よろしくお願いします。
原田:これまで企業や求職者のサポートを続けながら、転職や就活をテーマに国内外年間200回以上の講演を行っている、まさに仕事のエキスパート、佐藤裕さんです。お願いします。
原田:ココナラという会社に転職した照沼かおりさん。財務・経理の方だそうですが、毎日数字とにらめっこですよね。
友近:苦手ですねぇ。私、一番避けたいです。そこの部署。
佐藤裕氏(以下、佐藤):間違いがあってはいけないですからね。
友近:すごく責任感がないとダメですよね。
原田:そうですよね。
友近:頭の中で数字というか、やっぱり理数系の方じゃないとそういう財務とか経理ってできないんじゃないのかなって思っちゃいますしね。
原田:経理・財務って具体的にどういう仕事なんですか?
佐藤:簡単に言うと、売上を管理したり、それを数字に取りまとめたり、社長・役員のサポートをしていくという、かなり経営に近いお仕事が実は本質だったりするので、先ほどおっしゃっていたように間違ってはいけないし、業績に直結したレポートをするというお仕事ですね。
友近:また、大手商社の三井物産を経て(ココナラに)来ているということなんですよね。
佐藤:そうですね。
友近:三井物産でも経理やってたんですかね?
佐藤:とおっしゃってましたね。
友近:そっか。すごい大企業ですから、また桁違いですよね。そこもね。
佐藤:桁が違いますね。
ナレーション:大企業からベンチャーまで、経理・財務の仕事に携わってきた。
照沼:私にとって経理は1つの自分の道具。
ナレーション:そんな彼女にとって働くことの意味とは? そして、仕事の先に見ているものとは?
ナレーション:株式会社ココナラ。朝は全員の朝礼から始まります。
社員1:おはようございます。連絡事項ある方、お願いします。
照沼:はい。今日は経費と勤怠の締め切りですので、本日中によろしくお願いします。
ナレーション:社員およそ50名。ココナラとはどのような会社なのか?
照沼:個人の得意なことや好きなこととか、知識とスキルをインターネット上で売り買いできる、フリーマーケットのような場を作っている会社です。
ナレーション:Web上でのフリーマーケット「ココナラ」。売買されているものは物だけではなく、知識やスキルなど。
例えば「留学・海外就職相談乗ります」500円。「名字の由来・ルーツ探しのアドバイス」500円。恋愛相談なども売り物になってしまう。手軽に売り買いできることから、照沼さん自身もよく利用している。
照沼:「手書きの地図をデジタルデータにします」というのだったんですけれども、手書きの地図、提出したのがこれでした(笑)。
これをデジタルにしてくださいとお願いした結果が、こちらです。
女の子が好きそうな色合いに仕上げてくれました。これで1,000円だったので、すごく満足しています。
ナレーション:そんな経理・財務を担当する、彼女の今日の仕事とは?
照沼:経費のチェックをしようと思います。ちゃんと領収書がついているかとか。紙で提出してもらっているので、そういうのをこう……。
いっぱいついてます。いっぱいありますね(笑)。
ナレーション:黙々と領収書の整理を行います。ここで、なぜ経理の仕事をするようになったのか、聞いてみた。
照沼:最初に入った会社でたまたま経理に配属になって。そしたらすごくおもしろいなと思って。数字が好きというよりも、思想とか、「どうやったら正しく出来事を記録していけるのか?」みたいなこととか。
調べていくのは好きですね。「この数字、どこから出てきたのかな?」「あった、領収書!」みたいなのとか(笑)。そういうけっこう地道な作業というか。
ナレーション:しかし、なぜ大手商社の経理を辞めてこの会社を選んだのだろうか?
照沼:私にとって、経理は1つの自分の道具みたいなもので、それを使ってなにをやりたいかというほうが大事で。
ナレーション:重要なのは「自分がなにをやっているか」ではなく「自分の会社がなにをやっているか」。その考えにたどり着いたのは大学生の時期。
照沼:貧しい方々とか、差別を受けている方々とか、なにかしら自分ができることがあるんじゃないかなと思って勉強を続けてきたので。ビジネスの力で世界を変えていくことができるんじゃないかと。商社には可能性があるんじゃないかなと思って、自分もその一端を担えればと思って入社を決めました。
ナレーション:「世界を良くし、人のためになる仕事に携わりたい」と大手商社三井物産に入社し、経理・財務の経験を積んだ。しかし、次のステップに踏み出したくなった。
照沼:もうちょっと手触り感があるというか、社会との接点を感じながら仕事をしていきたいというのがあって。
ナレーション:大手の組織の中でいつの間にか実感をなくし始め、求めたのは「手触り感」。
照沼:やっぱりもっと人の成長とか、自信がわいてくる気持ちを応援したいとか、そちらの方向でなにかお仕事ができたらと思っていましたね。
ナレーション:そこで30歳を機に小さなNPOに転職。途上国を救い、人を助けていることをダイレクトに感じることができた。
しかし、それが軌道に乗り安定した時、次のステージにココナラを選んだ。
照沼:もともと知ってたんですよね。今まさに成長段階にあるベンチャーで働いたらきっとワクワクする。新しいことにチャレンジして、いろいろ勉強もできて、なにかできることがあるんじゃないかと思って。
ナレーション:同僚の国原さんは彼女についてこう語る。
国原啓司氏:最初入った時は、バックグラウンドがかなり異例というか、「どういう人なんだろうな?」というのがけっこう疑問だったんですけど、ここ2、3ヶ月かなりうちの会社の状況にコミットしてくれているので、根が熱いというか、けっこう情熱を持った人かなというのが感想ですね。
ナレーション:情熱を持って仕事に取り組む照沼さん。今までの3つの職場にはすべてに共通する点があると言います。
照沼:一人ひとり個人の人生が豊かになっていくことになにかしら自分が関われたらなと。そういうことができるのも、自分の得意なことを活かせたりして、自分も幸せだというのもあるので。
ナレーション:人の人生を豊かにする、人のためになる仕事。それが照沼さんの仕事の本質です。
友近:みなさんの人生が豊かになる仕事に就きたいというね。本当に企業のスケールが大きいと、自分がどれだけ会社に貢献してるかってわかりにくいですよね。
佐藤:そうですね。
友近:この方は、直接肌に触れたいというのはずっと思っていらっしゃったんでしょうね。どれだけ自分がみなさんのためにできているかというのをね。
佐藤:まさに「手触り感」という言葉がすごくフィットするかなと思いますね。
友近:確かにね。
原田:三井物産からNPO。そして現在、ココナラという会社で経理・財務。ココナラの「得意なこと、好きなことを売買する」ってどういうことなんでしょう?
佐藤:はい。これ今、実は流行っていて。もともとは企業様が物を販売するツールがプラットフォームとしてWebにあったんですが、これが次の段階では、個人が個人に物を販売するプラットフォームができて。今度は、個人が個人に対して、知識や能力を販売する新しいサービスが生まれている。これをまさにされているのがココナラさん。
友近:物じゃなくて、自分の持っている知識も売れるってことなんですか?
佐藤:という時代になってきました。
友近:ええっ? じゃあ私が今、「こういう知識、自分が持っている知識を売りたいわ」ってココナラさんに言ったら、それを売ってくれるんですか?
佐藤:誰かが買いたいと言えば、当然お笑いとか、スベらない方法とかあれば。
原田:ああ、それは知りたいですね。
佐藤:とかですね。もしあれば。
友近:ボケを売ることもできる?
佐藤:できると思いますね。
原田:ココナラのようなCtoCのWebサービスの業界、一言で言うと、どんな業界でしょう?
佐藤:キーワードで言うと「スマートフォン」になります。
原田:スマートフォン?
佐藤:はい。これまでは、例えば写真を自分でデジカメで撮って物を販売。ちょっと手間がかかっていました。ただ今は、自分の携帯で撮ってそれをすぐネットにあげる。買いたい人も、PCじゃなくてすぐ携帯でチェックできるということで、新しいマーケットになっているということが言えると思いますね。
友近:さあ、経理・財務の仕事ということなんですけれども、経理・財務を希望して会社に入ってくる人っているんですかね?
佐藤:はい。いらっしゃいます。経理・財務というのはある意味「特殊な力」ということになりますので、自分が持っている力をどういう会社でそれを成し遂げたいかということでいくと、非常に多い。または、経理の方って会社にそんなにたくさんいらっしゃらないので、希少価値が高い。
友近:ですよね。だって面接のときにも「この人はお金を扱わせて大丈夫か」という見極めも大事ですしね。
佐藤:そうですね。
友近:これ大事な部署ですよ。
ナレーション:Webサービス会社ココナラ。経理・財務を担当する照沼さんの仕事は、数字との格闘だけではない。
照沼:今ちょっとシステムを作っていて。会計システムというやつなんですけど、それに移行していく大事なときで。
ナレーション:午後はそのシステムのための会議。システムのなにが変わるのだろうか?
照沼:収益認識のタイミングが変わりますね。今までは買った時点で売上と認識していたものを、これからはサービスの提供が終わった時点で収益認識します。
ナレーション:そのシステムで使うあるプログラムを彼女自身が書いた。
これは売上のデータを抽出するプログラム。ひと月5万件もある売上データがこのシステムで一瞬に決済できるようになるという。
――今の仕事の楽しさとは?
照沼:一つひとつ新しいことを作っていって、それを1人じゃなくて、いろいろな職種を超えた仲間と作っていくことが楽しさですね。
ベンチャーでまだそんなに大きくない会社だからこそ、それをやらないと。それぐらいやれる人じゃないと、やっぱりなかなか。
ナレーション:3時間以上プログラマーとチェックするがうまく作動しない。
照沼:私もそういうの調べました。でも、解決できなかった。そういうときはやっぱりココナラに聞きたいですね。
社員2:うん、そうですね(笑)。
スタッフ:これはいつまでにというのはあるんですか?
照沼:水曜までです。つまり明日ですね。できたら。
ナレーション:5時間ほど格闘したが成果が出ず、午後8時、退社の時刻を迎えた。
照沼:お疲れ様です。
ナレーション:足早に会社をあとにして彼女が向かった先とは? このあといったいなにが!?
ナレーション:退社後、照沼さんが向かったのは、麻布十番のとあるマンション。そこで行われていたのはダンス教室。なにごとも精力的に活動する彼女、夜の時間も充実している。
照沼:せーの、クルッ。うんうん。大丈夫。ちょっと斜めになってたけど。
ナレーション:よく見ると、照沼がさんが教えている?
実は、ベリーダンスの先生として週に2~3回クラスを持っている。
照沼:踊りとは、私にとってもそうだったんですけど、自分の個性を認めたり、自分の美しさに気づいたり。それを生徒さんにも伝えていきたいし。
ココナラも、「一人ひとりのストーリーを生きる世界を作る」ということを掲げてやっているので。踊りも同じかなと思っていて、その子にとっての幸せとか美しさとか、それをすくすくと育ててもらえたらなと思っています。
ナレーション:人のためになりたい。ダンスも照沼さんの本質の1つのかたち。
照沼:ここでいろいろな経験を積めば、もっともっと会社を経営していくということを肌感覚で経験して、将来、社長の横でいろいろなことを進言できるぐらいの経営管理人材になれたらなと思っています。
友近:照沼さん、ものすごいエネルギッシュな方ですね。
佐藤:はい。伝わってきますね。
友近:伝わりますね。めちゃくちゃ輝いてるなと。もちろん自分のやりたいこともあるし、人とのためにやってる人でもあるやろうし、一度きりの人生をすごく楽しんでる方だなと思いました。
佐藤:そうですね。
原田:ココナラの社長、南章行さんにお越しいただきました。よろしくお願いします。
南章行氏(以下、南):よろしくお願いします。
友近:よろしくお願いします。すごいですね、照沼さん。
南:会社でも生き生きしてがんばって仕事していただいているので、本当に僕らも刺激になりますね。
友近:ですね。
原田:ココナラの採用スタイルってどういうかたちなんですか?
南:来ていただきたい方は、ビジョンに共感していて自走できる方。「ビジョンに共感していて」というのは、頭の中だけではなくて、その人の生き方そのものが「自分らしくある」ということに対して常にがんばれる人。そういった価値観を持っている人じゃないと、やっぱりそういう世界観を作りたいサービスを作れないと思っているので、まずビジョンに共感されている。
あとは、自分で考えて「これをやったらいいんじゃないか」「あれをやったらいいんじゃないか」という、指示を待つのではなくて自分で決められる、自走できる方が、我々が欲しい人材だと思って採用基準にしています。
友近:そっか。照沼さんは社長の右腕になりたいとおっしゃってました。
原田:そうですね。
友近:ねえ。でも、なれる方なんじゃないですか?
南:なっていただかないと困りますね。
友近:さあ、じゃあ照沼さんに今後期待するのはどういうことでしょうかね?
南:僕らの会社もまだまだ発展途上で、彼女が入った1年前は15人ぐらいだったのが、今はもう40人ぐらいになっていて、それがどんどん大きくなっていきます。
その過程で、やっているところのレベルを上げていただくのもそうなんですけど、会社全体を見渡しながら、「まだ誰もやっていないけれども、やらなきゃいけないこと」みたいなことをいち早く見つけて、どんどん積極的に拾って。
事業だけではなく、会社が大きくなっていくというところに対して、いろいろと支えてもらえるとありがたいなと思っています。
友近:なるほど。でも、やっぱり常にアンテナを張っておかないとダメですね。
南:そうですね。
友近:彼女ならそれができそうな気がしますもんね。
南:はい。
原田:それでは裕さん、今回のジョブポイントをお願いします。
佐藤:「手触り感」という言葉がすごく気に入ってしまったんですが、やっぱり「自分がなにをやっているか」ではなくて、「この仕事がどこに向っているか」「どこに結びつくか」ということを感じながら仕事するということが働くことの意味だったりする、ということを感じさせる方だったなと思います。
ナレーション:学生の頃から思い描く、人を幸せにする仕事。ステージは変わりつつも、それを求め続ける照沼かおりさん。
――今後の夢
照沼:そうですね、自分に関わる人が1人でも幸せでいてくれたら(笑)。それになにか私ができることがあったら。できないことのほうがきっとたくさんあるんですけど。まあ、おせっかいなんですよね。簡単に言うと。
ナレーション:経理・財務という能力を武器に、自分ができることで人を幸せにするかたちを追求する。そして、大切にしている「手触り感」。自分のやっていることが人のためになっているという実感。また、エネルギッシュに新しいことにも挑戦し、自分を磨き続ける。そんな照沼さんにとって仕事とは?
BSジャパン「ジョブレボ!」にて5月5日(金)放送
株式会社BSジャパン
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