「アベノミクス」の良いところ、悪いところ

橋下徹氏:皆さん! いよいよ選挙が始まりました。今日はですね、今のこのアベノミクス、非常に大きな問題点がありますので、皆さんにご理解いただきたいと思っています。

まずね、僕はアベノミクスについて全否定していません。他の野党はとにかく自民党を批判しようと思って、今のアベノミクスを全部悪い全部悪いって言うんですね。でも、やっぱり株価がここまで上がった以上は、それはいっぺん評価しないとアンフェアですね。

安倍政権が大胆な金融緩和をやった。まあ、簡単に言えば日本銀行にお金を刷らせたんです。これをやることによって、株価が上がったのは間違いないんです。僕はここまでは認めます。

ただ皆さんにご理解いただきたいのは、ここから先の問題なんです。まずアベノミクスの問題点ひとつ、これはなかなかメディアも伝えていないんですけども、重要な問題点があります。

アベノミクスは第1の矢、第2の矢で物価を上げることを目標としてます。今まで「デフレ」といってね、物価が下がってきたんです。この十何年ずーっと、物価が下がってきた。だからお給料も伸びない。景気もよくならない。ですから物価を強制的に上げにかかったんです。これは、年率2%の物価上昇です。

2%の物価上昇。今もアベノミクスによって物価を強制的に上げていってますから……新聞でいろいろ出てますよね? マヨネーズの値段が上がるとか、それから牛乳も上がるんですか。5円上がるんですってね。当然これは石油も上がってくるし、燃料も上がってくるし、電気代とか公共料金も上がってくる。こうなると、なかなか生活が苦しくなってくる。

まあ、一時はそういうとこるも越えないといけないんですけども、ただ、物価を今わざと上げてるのがアベノミクスだということを、まず押さえてください。

その物価の上昇率は、年に2%が基本なんです。ここまで押さえてください。ところが何が問題かといいますとね、なんと安倍首相は「物価上昇率2%はお金を刷って物価を上げる」、これを2%の目標としたわけです。

他にも、いろんな物価の上がり方はあります。ひとつは「消費税の増税」。実は消費税を増税することによっても物価って上がるんです。日銀は2%の物価上昇と言ってますけども、増税とかその他の要因はまったく考えていない。こんな国はありませんよ。普通はね、物価を何%上げるなんて重大問題です。皆さんの生活に直撃しますよ、簡単に言えば。増税することでも物価上昇はあるんです。

足し算したらおわかりのとおり、2+2だったら4%上がる。2+3だったら5%上がる。このことについてきちんと説明をしていないアベノミクスは、大変危険であるということ。この点をご理解ください。

お金を刷って2%の物価上昇はいい。だけれども、増税による物価上昇はどうなのか。トータル何%の物価上昇を目指すのか。そこを決めるのが政府であり、日銀なんです。

我々は、物価上昇は2%で安定させる。年2%ずつ上げていく。それくらいだったら家計に影響はないだろう。そして名目の成長率、経済の成長率は3%以上。この大枠の中でお金を刷る量とか増税だとか、そういうことを考えようというのが、わが日本維新の会。もう一度、日本維新の会に力を与えてください! とことんやりますので、よろしくお願いします!