業界ネタをやりたがる東村アキコ

山田玲司氏(以下、山田):アッコ(東村アキコ)はね、『きせかえユカちゃん』の時から業界ものをやりたがる傾向があったのよ。

きせかえユカちゃん 1 (りぼんマスコットコミックスDIGITAL)

東村アキコ氏(以下、東村):そう(笑)。

山田:昔、『りぼん』で描いてる時から。

東村:そう、バックステージものに(笑)。

山田:この人、すぐバックステージに行くのよ。

東村:なんでだろう。

山田:フジテレビチルドレンなんじゃないの?

東村:あ、そうかもしんない。あ、そうかも。

山田:だよね。

東村:私、『ひょうきん族』派だったから。

山田:『ひょうきん族』派なんだよね。だから、なんかその、プロデューサーの名前とか言いたくなる、みたいな。

東村:そうそう!

山田:で、業界人ごっこみたいなのをギャグにするのが、だんだん高じて、本人がやり出すという(笑)。

東村:そう、本当にやり始めた。知らない人に説明するけど。東村プロダクションって会社にする時に、法務局に「こういう商売をします」って出す。

山田:定款ってやつだよね。

東村:定款っていうのを出すんですよ。うちは漫画制作プロダクションなんですけど、定款って何個書いてもいいの。

山田:いいんだよね。そうそうそう。

東村:飲食店経営とかなんでも書いていいんだけど、なぜか10年前に芸能プロダクション経営って書いて。

(一同笑)

山田:やりたかったんだよ、絶対(笑)。やりたかったでしょ?

乙君氏(以下、乙君):あー(笑)。

東村:やっぱ深層心理でやりたかったのかも。

山田:そうでしょ。やりたかったんだよね。

乙君:すごい! 十何年前でしょ?

東村:十何年前に。

乙君:すごい!

山田:いや、アッコの漫画は必ず出てくる。どの漫画でもほとんど出てくる、そういう要素が。

東村:そうそうそう。

お祭り女気質が漫画に出る

山田:で、文化祭をやるんだよ、漫画の中で。

東村:うん、そう。私、なんかね、そうなんだよね。

山田:だよね。『ひまわりっ』なんかもそうじゃん。とりあえず、みんなに向かって、なにか見せ物を作って見せるっていうのが、漫画のクライマックスの中に必ず出てくるんだけど。

ひまわりっ ~健一レジェンド~(1) ひまわりっ 健一レジェンド (モーニングコミックス)

東村:そうそうそう。

山田:今回もそうだったね。『海月姫』もそうだったし、なんかそういうのをやりたい。まあ、ここはお祭り女なんだろうね、やっぱね。

海月姫(1) (Kissコミックス)

東村:昔から仲のいい人たちが、いつか売れると思ってた芸人さんたちが、若い時から仲間内(にいっぱいいる)。それでお笑いプロダクションをやろうと思って。

山田:そういう人たちがいっぱいいるから。

東村:なんかみんな売れないから、「私が、じゃあ、お笑いライブを主催するよ」って言って。

山田:「面倒見る」つって(笑)。

東村:「面倒見る」って言って。別にそれはお給料出してるわけじゃないんだけど、ライブ会場を借りたりとか。

あと、私のファンの人が来てくれるから、お笑いライブを最近主催してたりもしつつ、芸能プロダクションもやってて。今、けっこう所属してる人が増えてきて。

山田:え、今何人ぐらいなの?

東村:何人ぐらいいるの? 今。

山田:え、嘘。把握できないぐらい?(笑)。

久世孝臣氏(以下、久世):すごいすごいすごい。

東村:ね。何人ぐらい? 20人ぐらい?

久世:あ、そんなに?

山田:今数えてます。

東村:そんなもんじゃない? 役者とかも入れると。

山田:役者部もあるんだよね?

東村:役者部も。

山田:そうそう、イケメンがね、入ってるんですよ。

東村:ぜんぜん出てますよ、ドラマとか。

山田:アッコのドラマとかにちょっと出るとかね、そんなのやってる。

東村:みんな楽屋付きで出てます。

乙君:おー、そうなんだ。

東村:そうなんです。

山田:ねー。

乙君:へぇー。

東村プロ、驚がくのギャラ取り分

東村:いろんな、他のお笑いの事務所辞めて入ってくる人とかも最近増えてきて、「おっきいとこ辞めて入ってきました」みたいな。

乙君:なんでですかね?

東村:うちの特徴、なんでみんな入ってくるか。ギャラが、(久世氏を指して)芸人とするじゃん、ギャラが(久世氏が)10、(東村氏が)0。

久世:あ、それは入るわ。ないわ(笑)。

山田:要するに、はねないんです(笑)。

東村:はねない。

乙君:えっ、中間マージン取らないの?

山田:ピンハネされないんです。

東村:久世くんがお笑いライブ出るやん。ギャラが5,000円とか3,000円じゃん。10、0です。「私はいらない」っていう。

乙君:えっ!?

久世:それすごいな。

東村:それしかないよ、特徴は。

乙君:特徴っていうより、それだと会社として、だって……、ね?

東村:だって、漫画で稼いでるもん、別に出てかないよ。お笑いライブなんて儲けもないけどトントンなんだから。だってそんなのゴルフやるより安いでしょ。(普通は)みんな漫画家さん、ゴルフやってる。

山田:いや、本当そう。(普通は)ゴルフやったり、ポルシェ買ったりするんだけど、そうしないでお笑いライブやる(笑)。

東村:だって、なんにも興味ないんだもん。バックとかも今興味ないしさ。

山田:(笑)。

断捨離をはじめました

山田:断捨離すごかったらしいじゃん。

東村:断捨離すごいです。

山田:もうモノいらなくなっちゃったの?

東村:断捨離の本を買ったの。

山田:うん、うん。流行ってるもんね、断捨離。

東村:そう、流行ってるから。本買ってさ、もう家に持って帰って。着いたら、(本を)開きもせずに断捨離始めたから。

(一同笑)

山田:もう心で決まってたんだ(笑)。

乙君:なんで買ったの?(笑)。

東村:読んでないから。

山田:読んでない(笑)。

久世:決まってたんですね。

東村:見返しの著者紹介ぐらいは読んだかな。「よしっ」つって。

久世:「こういう人書いてんだな」つって。

乙君:え、その本も断捨離したんですか?

東村:そんなこと、そんなどうでもいいオチつけないよ。

(一同笑)

乙君:厳しい(笑)。今日厳しいなあ(笑)。

東村:おい、今日はフリートーク回だからな!

(一同笑)

山田:そこは大事なところ(笑)。

東村:フリートーク回だから、緊張感持って来てんだよ、こっちは!

(一同笑)

東村:勝負なんだろ? 今日。

久世:サムライだ、サムライ。

山田:勝負。そう。そんな。

東村:戦いに来てんだ。

山田:そう。

『東京タラレバ娘』最終回の裏話

乙君:ちょっと待って。玲司さん、『タラレバ』の最終回の話を聞かせてくださいよ。

東京タラレバ娘(1) (Kissコミックス)

山田:『海月姫』の(鯉渊)蔵之介が、いわゆるアッコの分身として出てくるんだけど。『タラレバ』になるとKEYくんにアッコが乗っかってるんだよね。

東村:そうですね。

山田:だから、社会派だし、現実主義者で「夢なんか見てんじゃねーよ」っていう、乙女をねじ伏せて子どもを1人で育ててきた女のリアリストな部分を、全部KEYくんが持ってって。

東村:そうです。

山田:で、「そんな彼を救ってあげられるような女じゃなきゃダメだ」ってメッセージを、直接こう言わせてるんで。

乙君:あーーー!

山田:俺としては、まったく同じ意見。「その通りだよ」って。

東村:うん。私と玲司くんは、考え方すごいね、一緒やからね。

山田:同じ。一緒だね。

東村:そうそう。

山田:そう。ものすごい共感して読める。本当にああだったら幸せになれると思って、女の子は読んでる。

東村:ぜひお願いします。

山田:いいですよ、本当に。

乙君:ほうーーー、なるほどね。

山田:そうそうそうそう。でも、なんか、脅かしすぎたっていうのもおもしろかったね(笑)。

久世:(笑)。

東村:脅かしすぎた。

山田:恐怖漫画、恐怖漫画って言われてたからね。

東村:「やべー」って思って。

山田:アラサーの恐怖漫画って言われてたけど、そこは「そんな怖がらせてごめん」って言ってて(笑)。

東村:うん、そう。

山田:そうそうそう(笑)。

乙君:『タラレバ』連載中に読者の意見とかを、編集者と含めて、なんかいろいろ話して変えていくんですかね?

東村:はい、素人の質問。

(一同笑)

山田:はいはいはーい。(卓上ベルを鳴らして)チリンチリンチリーン。

久世:今日はつえーーぞ!(笑)。

乙君:素人の質問で何が悪いんですか!(笑)。

東村:はい、絶対素人が言うやつー。

山田:言うやつー、はいはいはーい。

乙君:素人代表して来てますから、私!

(一同笑)

乙君:なんのプロフェッショナルでもない! 素人のプロフェッショナルですから! 聞かしてもらおうやないか!

(一同笑)

東村:そんなの決まってる。取り入れる時もあれば、取り入れない時もあるよ。

乙君:そらそうですけど。

東村:その時の気分だよ。

乙君:その時の気分!

東村:その時の気分だよ。その時の気分だよ。

山田:そうだね。その通りです。そうそうそう。

久世:もうプロレスじゃなくて、真剣抜いてますからね。

山田:適当なこと言ったら、バレっからね(笑)。

東村:もうね、(居合い切りのモーションで)ダンってやったから。

(一同笑)

久世:おまえ、斬られたぞ、今!

乙君:(笑)。

久世:ガチャッとかって。

東村:もう、こう、ダンって。

久世:斬られてないつもりかもしれないけど、(刀を鞘に収めて)ガチンってやった時には、乙君がバランって(笑)。

乙君:(笑)。

山田:そういうやつだわ(笑)。

久世:体真っ2つだぞ、おまえ(笑)。

乙君:いやー、今日はちょっと本気出さんとあかんね、これ。じゃあ、我々も。

久世:今日はプロレスじゃないんやで。

乙君:今日はプロレスちゃうな!