ワクワクしないものを作ったら犯罪!?
町工場から世界へ、電動バイク“zecOO(ゼクー)”の誕生秘話

ワクワクを世界につなげよう #1/2

トヨタを辞め、子どもの頃からの夢であった電動バイク「zecOO(ゼクー)」を作った根津孝太氏。その制作過程を紹介するなかで、自分のワクワクを仲間とシェアしながらものづくりを進めていくことの重要性について語りました。(TEDxSeeds 2012より)

ワクワクする「もの」を世の中へ

根津孝太氏:みなさん、こんにちは。ツナグデザインの根津孝太です。まず私のお話を始める前に、皆さんにご紹介したいものがあります。電動バイクの「zecOO(ゼクー)」です。

そして、それを作ってくれたオートスタッフ末広の中村さん(中村正樹氏)です。

それでは私のお話を始めたいと思います。今日は皆さんに、ワクワクをつなごうという事で話をさせていただきたいと思います。朝も実はワークショップをやらせていただいてワクワクっていうのをテーマにお話をさせていただきました。

「ワクワクしないものを作ったら犯罪!?」これは当然言いすぎなんですけど、僕らものづくりをやっていて、自分がワクワクしないようなものを世の中に送り出しちゃうのはどうかなと思ってます。

私はプロダクトデザイナーということでやってるんですけども、工業製品のデザインをするお仕事なんですね。これはスケッチですね。

実はこういうスケッチが、こういうようなものになります。

で、これはさらに世代を重ねて第2世代でこういう、みなさんに買っていただくことができる……これは別に買ってくださいって言っているわけではないんですけど、買ってください(笑)。

こんなものが世の中に出ています。

「クリエイティブコミュニケーター」と自称するワケ

それから最近は「クリエイティブコミュニケーター」という風に自分を呼んでいまして。それは何かってですね「会議を楽しくする仕事」というふうに定義をしてるんですね。本当は会議ってすごい楽しい時間なのに、会議イコールつまんないって、頭の中でそういう方程式がありますよね。

そうじゃない。せっかくいろんな人がいるんだから、1番いい、クリエイティブの場になるはずだということで、いろいろ活動しています。「アイデアは相手の中にある」ということで、よくこういう気持ち悪い絵を書くんですけれども、お互いのアイデアを発掘しあうっていうんですかね。

そういうところを非常に大事にしていて、僕もみんなのアイデアを発掘しますし、みんなが僕のアイデアを発掘してくれる。そんなようなことをやっています。チームの力を最大化するということなんですね。

アフタヌーンティーという会社のお仕事をさせていただいたときに、僕は会議のあいだに、皆が言ったこと、あるいは自分が思ったことを、わーっと書いたようなメモです。

これはあのそのあと事務所に帰ってCGでつくって、これが実物ですね。

僕、もともとトヨタに勤めてたんですけど、そんな話をするつもりはなかったんですけど、これも是非話せというので、話そうかと思います。トヨタ時代の僕で、思いっきり金髪ですけど、辞めてからこうなったわけではなくて、辞める前からこういう感じでした。

トヨタを退職した理由とは

これは愛地球博というのに出た「i-unit」というトヨタが出したものなんですけど、これをいろいろ一生懸命やったりしてました。

「人生のアウトプットを最大化する」っていうふうに思ったんですね。もちろん会社にいても一生懸命アウトプットは出せると思うんですけど、辞めた方がもっと大きくなるのかなと思ったんです。今はちょっとまた違う考えなんですけど。

(会場笑)

結局その答えがこれで、「面白い人と自由につながれる、そしたら自分のアウトプットも増えるでしょう」そういうふうに思ったんですね。じゃあ、面白い人とつながって何をするのかということなんですけど、子供の頃からのワクワクを実現したいなと思って「ワクワク電気バイクを作る!」っていう。

小学生か! でも本当にもう「中2病、中2病」とよく言ってるんですけど、最近中2でもないんじゃないかと思ってる。これがトヨタをやめて、すぐ後に作ったCGなんですね。2005年。

当時の僕はこれを一緒に作る仲間も、作る力もなかったんですね。で、CGで終わってたわけです。ワクワクはもう1人では実現できないなと、ワクワクチームを結成しようと。

「ワクワク、ワクワクうるせーよ」って思うかもしれないですけど、まだまだ言いますので。「願えば出会う」ということで、先ほどご登場いただいた中村さんなんですけれども「電気バイクを作りたいんですよ」って話をしたら、中村さんが「分かった。でもその前に俺がやりたいことあるんだよね」って話になりまして。

「なるほど、それは聞いておかないとこの先がないな」と思ったもんですから、こんな前2輪、後ろ1輪の「リバーストライク」って言ったりするんですけど、こういう乗り物なんですね。

で、これを中村さんと一緒に作りまして、本当に小っちゃな工場だけで作っているんですが、こんなものを最初に作ったです。

これはトミカにもなっています。

会場で絶賛発売中です。さっきから買ってくればっかりですけど。買っていただいた方で僕見つけていただけたら、もれなくサインしますので。

デザインはコミュニケーションを円滑にするためのツール

ここからがいよいよ僕のワクワクなんです。ゼクーというこの電気バイクなんですけれども、まずは自分からワクワクを始めようということですね。自分がワクワクしないとほかの人をワクワクさせられないでしょうっていうことなんですけど。

今回このスケッチを書いてですね、すごいワクワクしちゃって、これやばいと思って、すぐに作ろうと。

例えば、トヨタとかだったらもっとちゃんとした絵を書かないと、なかなか納得していただけなかったりするわけなんですけども。「これだ」というので、中村さんに相談だ、ということで中村さんのところに行って、その場で書いたんですけ。

えらい汚い、「こんなもんTEDに出すなよ」というレベルの絵ですけど、でもこういうところでクリエーションって生まれていくんですよね。

「だいたいこんなサイズ感じゃないの?」みたいな話をしながらやっていくわけですけど、もうちょっとまじめに検討しはじめてですね。ワクワクをつなぐためにってことなんですけど、言葉も絵も全部駆使します。

みなさんも持てる力を全部使えるば絶対ワクワクって伝わると思うんですね。どうでもいいところから作り始めたりするんですけど、自分のテンションを上げるためにですね。こんな形でのバイクのフレームを作っているんです。

このぐらいになってくるとうれしくなってきちゃってですね、デザインスキルっていうのもすべてそのためだと思う。僕はコミュニケーションが1番で、デザインというのはそれを円滑に進めるためのツールだというふうに定義してます。

いっぱい思いをぶつけた跡が残るんですね、ああいうふうに。これが一応このCGとしては完成ですね。

こんな感じのものを作りたい。ちょっとこんな、なんちゃってシステム図みたいなものを書いてですね、見る人が見るとツッコミどころ満載なんですけど。

お互いのワクワクがつながると細かい説明がいらなくなる

「根津さん、かっこいい!」これは、僕がかっこいいって意味じゃないんですね。

さっき送った絵がかっこいいって意味なんですけど。ここ笑ってくれないとすごく寒いので。

(会場笑)

「未来を感じますね、やる気がもっと出ました。頑張りましょう。寸法はあとで教えてください」これ大事ですよね。この空気感。取り急ぎと。ありがとうございます。これこそワクワクがつながった瞬間なんですね。

もう本当にうれしかったです。ワクワクがつながっちゃうと、細かい説明なんかいらないんですよね。後でこのバイクも展示しますのでゆっくり見ていただきたいんですけども、これ本当に旋盤で作ってるとこです。

板を削って、切って、溶接して。

これはどんどんできていく様なんですけども、例えば僕はこういうところをデザインしました。

だけど、気が付いたらこんなちっちゃいネジまで全部頭が綺麗に削ってあるんです。そんなこと僕は1回も言ったことがない。なんですけどワクワクが伝わっていればそういうことって起こるんですよね。

本当にこういう工場で作っているんですね。ちょっと雑然として見えると思うんですけども。

この写真を見た中村さんが「きれいに撮れてるね」って言って。

(会場笑)

ディテールにも宿るワクワクっていうのが今ちょっとお話ししたことなんですけども、いろんなところで皆が熱を込めて作るもんですから、いろんなところにこもるわけですよね。この写真を撮った時に僕はもう本当に、失神しそうなぐらい嬉しい感じになっている。

ちょっと顔が切れちゃってすみませんね。たぶん、わざとだと思います。

(会場笑)

ワクワクの結晶ということで、忘れもしない、昨年のデザイナーズウィークに出したんですけど、その日の朝にできて、その日の朝に撮ったっていう。

これはプロの方にとっていただいた写真ですね。やっぱり奇麗ですね、プロの方ね。切削した跡が残ってたりとか、こだわりポイントを話しだすと18分にはとてもおさまらないので、後でまたお話したいと思います。

親子でワクワクできる小さい車

ちょっと話題をかえて「わかった。そういうのは小さい会社だからできるんだろう」そうかもしれない。本当に大きな会社でワクワクできないのか。僕はそうは思ってない。

トヨタを辞めてトヨタとつながるということなんですけど、親子でワクワクできる小さい車を共同開発しました。こんな車なんですね。

これは僕のイラストで、本物ですね。

嬉しいですね、そのリアクション……おもちゃショーに出したんですね、モーターショーではなくて。

その辺もちょっと新しいトライだったんですけれども。でも子どもも運転できてですね、この写真も「これのために生きてます」っていう感じで。

やや大きいお友達もいたりするんですけれども。

(会場笑)

だいぶ大きかったですね。「でも喜んでいるんだからいいか」ということですね。

結局トヨタをやめても、やめたほうがいいとは敢えて言わないんですけど、やっぱりトヨタの面白い人とつながればいいんですよね。トヨタの方との出会いがなかったらこの車もできなかったんですけど。

副社長を脅して、観光させたという噂ですけど。これはうちのスタッフですね。

ドアに落書きしてますけど。普通、大きな会社だったらこういう雰囲気にならないと思うんですけど。すごいゲリラ的なチームで本当に楽しくやってたんで、こういうこともちょっと語るかなと思って、この写真を使ってます。

自分のワクワクをどれだけシェアできるかが重要

トヨタじゃないワクワクの人とつながるということだったんですけども、今回すごい時間の短い中で、僕のベストメンバーを動員したんです。

これはTGBデザインの方と、内装の方ですね。例えば展示会のブースの設営なんかをやってる方ですね。公私混同って悪い言葉のようにいますけど、全然僕はいいと思ってますね。楽しく、いいチームでやりました。

でも結局は会社じゃなくて人ですよと。みんな言ってんじゃんということなんですけど、本当にそう思います。おもしろい人とつながればワクワクでしょう、ということで自分のワクワクをどれくらいの面白い人と一緒にシェアできるか。

これも良い写真だなと思ってます。

話をゼクーに戻しますね。製品化のハードルってすごい高いんですね。プロトタイプまでも大変だけど、なんとかいくんですけど、お客様のもとに届けることは本当にハードルが高い。

今、一生懸命それをやってるんですけども、テレビ局の方に撮っていただいた写真ですね。

乗って、感動したんです。走った瞬間、1番最初ですね。本当死んでも良いと思って。今は死んだら嫌だなと思ってますけど。このときはホントにそう思いました。中村さんさすがですということでですね、ナンバーもとれたんです。

今もちゃんとついているので、見ていただきたいんですけど。いったいどんな手を使ったのやら、こんな勝手な乗り物が、公道を走れる。本当にこれはもう中村さんに本当に感謝しているんですね。

電気バイクの製品化に向けて、中村さんはガソリン系は詳しくても電気系はできないよ、みたいなことで、電気系の人を新たに招き入れたり。左下の2人は僕がはいているこのブーツですね。

ゼクーに合わせて作ったブーツなんですけども。これを一緒に作ってくださった方ですね。これ小っちゃいプロジェクトなんですけど、大きな会社の人が意外と興味を持ってくれて、それもおもしろいなって言ってくれるんです。

「町工場から世界へ」のスローガンのもとドバイにチャレンジ

小っちゃい会社が大きな会社をちょっと巻き込んでやっていくみたいなことですね。そんなこともこれからどんどん起こってもいいんじゃないかなと思ってます。それではワクワクをですね、じゃあどうするんだっていうことで、「町工場から世界へ」というスローガンをかかげてるんですけど、まずはドバイです。

まずドバイかって話なんですけど。これ会場です。

引きました、ちょっと。でもしょうがない、行ってくるしかないので、ここに来年の1月にいきます。ドバイ用スペシャルバージョンで勝負します。

スライドの調子が悪くてボケちゃってるんですけど、申し訳ないですね。本当はピントがあっていたと思うんですけど。これを持っていきたいと思います。もうホント時間がないんで、明日から準備に入りたいと思っております。

スライドは以上なんですけれども、TEDxシリーズのこの場はですね、みなさんのワクワクを始める日だと思っているんですね。ここに来ている人たちって本当にすごい人たちばかりだと思います。わざわざ来ないですよね。

はっきり言って変な人たちばかりだと思うんですね。だからどんどんつながって、自分のワクワクをシェアして、ひょっとしたらここで、ビジネススタートがするかもしれないです。敢えて言います。ビジネスです。そういうスピード感とか、ワクワク感っていうのを是非今日シェアしてスタートする、そんな場にしていただきたいと思います。

<続きは近日公開>

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