総理大臣候補は誰なのか?

小池百合子氏(以下、小池):では。

司会者:続いてぶら下がり取材を行います。各社どうぞ。

(会場挙手)

記者8:日本テレビのクノムラですけれども。

知事は今回の選挙で……、あ、知事じゃない、すいません(笑)。代表は今回の選挙で、「政権交代を目指す政権選択選挙だ」とおっしゃっていますが、その場合ですと、やはり希望の党としての総理大臣候補というのを明確に示さなければわかりにくいんじゃないか、という指摘が出ているんですけども、あらためて総理候補をどなたにされるか、いつまでに示されるかということと、選挙前なのか選挙後なのか、その理由も併せてお願いします。

小池:それについては、今、整理をしつつあるところでございます。それについては整理がつき次第、公表させていただきます。

記者8:では、昨日は「選挙後にも」というようなご発言もあったかと思うんですが、選挙前に示されることもあるということですか?

小池:その点も含めて、はい、判断したいと思います。

希望の党の原発ゼロの方針について

記者9:ニコニコのナナオです。よろしくお願いします。小泉元総理が高く評価されている、希望の党の原発ゼロについておうかがいします。

これにつきましては、一部保守層が警戒する一方で、一部のリベラル層は本気の程を注目しております。選挙後の勢力分野によっては、さまざまなパターンの連立などで、希望の党が与党になることは十分考えられるわけなんですけれども、連立する相手の党が原発ゼロを掲げていなくても、希望としては原発ゼロを連立条件とするなどして実現していくという、そこまでやるお考えはあるんでしょうか?

小池:随分先の話まで(笑)。

記者9:(笑)。

小池:いろいろとお考えいただきありがとうございます。今、言い方は違っても、「脱原発」とか、「原発ゼロ」とか、「原発依存を縮減」とか、いろんなのが出てきているかと思います。

あらためて私は、この国のエネルギーの根幹ということを考えると同時にですね、環境大臣の頃からもいつも風力発電の1基建てるのに、電力のですね、変圧が起こることによってのいろんなコストがかかったりして。まあ、系統につなげるかつなげないかの問題だと思うんですけれども。

やはりエネルギーそのものというのをあらためてね、3.11の後の、今この福島の現状を見ながら、今後の在り方を考えるには、この選挙というのは極めて重要ではないか、と思っております。

よって、私はこの原発については真剣に取り組むべきだし、多くの政党が、ただ言葉だけでなくて、しっかりと取り組むということを見極めていきたいと思っております。そこに連立だどうだっていうのは、とにかく選挙をしていくことだし、それから希望の党としては、公約としてそれをしっかり掲げていくということであります。

まあ、いろんな、これからしっかりと工程表を作りながら、三本柱で脱原発の方向性と、省エネと、再エネと、この3本の柱で考えていきたいと思います。それから廃炉ということについても、これはもう40年ルールにの対象になるものがこれからも出てくるわけですから。

これはむしろ原子力の技術として極めて重要なものになり、問題は脱原発といっても、やはりそれに関連した産業があり、そしてまた、廃炉というこれまでの……、オンカロ(注:フィンランドのオルキルオト島にある放射性廃棄物の最終処分場)、私もまいりましたけれども、今後どうするのかという世界的な課題の中において、日本が果たす役割も実は極めて大きいと思いますし、原子力発電の技術者というのも、日本はなくしてはいけないと思っておりますので。

ですから、そういったことも総合的に考えながら、だけど方向性は見出していくという、そういう流れをですね、ぜひ作っていきたいと考えております。

森友・加計学園問題に切り込むのか?

記者10:朝日新聞のイシイと申します。希望の党の政策集について、何点か教えてください。

まず1点目、希望の党のこの政策集で、「隠ぺいゼロの断行」といった、森友・家計学園問題に関しての情報公開を進めるという文言があります。選挙後に関係者、安倍昭恵夫人とか家計氏とか、そういう関係者の国会招致の実現を求めていくお考えがあるのかどうか、まず教えてください。

小池:国会招致というのは、結局、与野党の中での議論になるかと思いますけれども、私は特区というのがそもそも東京にとりましても、国際金融都市東京をすすめるにあたっても、やはり特区というのは極めて重要な手段でございますが、残念ながら、この特区に対してのネガティブな印象がついているということは、否めない事実だと思います。

そこを明らかにするためには、さまざまな情報公開であったり、それから、国会に必要な方を呼んでくるというのも、特区という制度をきっちりと動かしていくという、その流れにおいて必要なことになると思います。それはこれから国会……というか、選挙後、どういうかたちになるかも含めて、可能かどうかはかるものだと思っております。

外国人への地方参政権について

記者10:もう1点だけお願いします。これも政策集というか、政策協定書のほうで外国人への地方参政権付与に反対という文言があったと思います。ただ、政策集のほうだと外国人の参政権に関する文言が見当たらないんですが、要は、公約に盛り込まない理由がもしあったら教えてください。

小池:うーんと、そこのところはですね、盛り込んでいないものもほかにもあるかと思います。私はこの問題はとくに排除するという……また「排除」使いました? ではないんですけれども。

例えば与那国島の例を出しております。外国人参政権を地方参政権で出すということになりますと、「納税してるんだから」とかいろいろと出てきますが。反対意見が。

一方で、島の少ない人数のところで一定の意図を持った人たちによる勢力が大きくなったときにどうやってこの国を守っていくのか、という観点からのアプローチでございます。

この点については、私、何度も国会のほうで質疑をさせていただいてるということで、この地方参政権といえども、やはりそういった「国を守る」という観点からの判断は必要ではないかと。この点を明確にしていただいたということでございます。

記者10:そうすると政策集には盛り込まないんですか?

小池:これからもいろいろと深化するものが多々ございます。政策におきましても。

記者10:今後盛り込む可能性はあるんですか?

小池:これからも考えていきたいと思います。

三都物語の各知事との関係について

記者11:共同通信のカワムラと申します。愛知県の大村知事をめぐる人事の関係でいくつかおうかがいしたいんですけれども。昨日、希望の党のほうで「いったん党顧問に」というお話が発表されたんですけれども、それが取り消しとなりました。1点目はこの理由というのをもしわかれば教えていただきたいのと。

あと、明日初めて街頭演説に立たれると思うんですが、その弁士を見た時に、三都物語の方々でやられるのかなと思ったら、愛知県の大村知事が出られないで河村たかし名古屋市長が出られると。三都物語の会見の時は3人でまた行うとおっしゃってたんですけど、これはちょっとなんか大村氏と仲違いがあったのかなともちょっと思ってしまったんですけれども。

小池:(笑)。

記者11:どういう理由で大村知事じゃなくて河村市長を呼ばれたのかというところと、あと三都物語で共通政策を掲げたと思うんですけど、こちらに関しては今後も変わらないのかというところ、続けていかれるのかというのをお聞かせください。

小池:一番最後のご質問からお答えいたしますと、三都物語というのは、東京、そして愛知、大阪、経済規模も人口規模も極めて大きい、ここの連携というのはこれからも続けてまいります。

希望の党の顧問ということについては、大村知事から「なにか肩書きがあったほうがいいのではないか」ということがございまして、その準備をしている時に、まだファイナルになっていないのを事務局が先に出してしまったという単純ミスでございます。

それから明日のメンバーでありますけれども、松井大阪知事、そして私東京都知事ということと、あと河村名古屋市長は減税日本という、それぞれ党を持っている3人でございます。そしてそれぞれが選挙協力を行っているということでございますので、ここは大村知事は参加されないという、そういうことでございます。

記者11:そうしますと、また三都物語の知事との応援演説とか3人でこれから選挙戦の間に立たれていくことがありうるのかというのと、党顧問ではなくてなにかまた別の肩書きで大村知事が希望の党に関わるというかたちになるのでしょうか?

小池:そうですね、もう選挙戦もまもなくスタートをするわけでございますので、そういった肩書きどうするというような状況はもう超えているのかというふうに思います。

それから三都物語については、これは先ほど申し上げましたように、3つの府・県・都の知事が連携して、地方の分権であるとか成長戦略。例えば愛知ですとさまざまなものづくりがございます。東京については金融。そしてまた大阪におきましても、第2の商都ということでたいへんなポテンシャルがある。

ここが連携することが日本経済の大きな活性化ということにつながるのではないかと思いますので、これは選挙あるなしにかかわらず、この3人、改革派知事として進めていくということにはなんら変わりがございません。

大村知事も、この三都物語は今後とも進めていくということでなんら問題はないかと思います。

記者11:とくにじゃあ仲違いをしたというわけではなくて?

小池:いえいえ。そんなことありません。ぜんぜん違います。

内部留保への課税について

記者12:フジテレビのオガワです。今朝発表なさった政策集の中で1つ教えてください。内部留保課税なんですけれど、300兆円の大企業の内部留保に課税する、となってるんですが、知事もよくご存知のように現預金部分と株式で持っていたり工場とかに投資している部分とあると思うんですが。

この政策集を見ると、現預金部分に課税をすることを目的としているように読み取れるんですが、どういったかたちで内部留保課税を進めていこうと思われているのかということと、ただ内部留保課税についてはこれまでも経済界からのすごく強い反発があったのでなかなか実際に進めていくのは難しいと思われるんですが、その経済界からの予想される反発などについてはどのようにお考えでしょうか?

小池:この内部留保の扱いにつきましては、これまでもいろいろと議論のあるところです。今日も政策、公約発表の際にも申し上げましたけれども、二重課税になるという批判はビジネス界からは必ず出てまいります。

一方でこの300兆円にも上る内部留保については、各国ですでに行なっている、アメリカなども行なっています、accumulated earningsなんとか(注:おそらくaccumulated earnings tax:利益余剰金に課せられる税金のこと)って言うんですけれども(笑)。これを行なっているということもございます。

あと課税というよりは配当または給料のいずれかを上げていくということなどによるインセンティブを差し上げるということによって、課税……税というか、一種のコーポレートガバナンスコードというものがございますけれども、これに則ったかたちであるとか、いろいろ方法はあろうかと思います。

ここの300兆円、400兆円になんなりとするここを企業としてもいろんな意味で動かしていただくことが社会的にも価値ある動かし方につながっていくのではないかと思っておりますので、そこはいろんなアプローチの仕方はある。

ただしこの内部留保課税というのはこれまでもずっと積み上がってきているというのも現実でございます。そうしたことを安定財源の1つとして、うまく進めば減っていくんですよ。でもそれってある種ずっと動かないお金が動き始めたという意味につながってまいりますので、そこは1つのやり方であると。

いずれにしましても内部留保という点について着目することによって、コーポレートガバナンスと同時に社会への還元という、まさしくCSRの部分を企業のみなさま方にも担っていただければという考え方でございます。

記者12:ただ今日の午前中の会見の中では、消費税の凍結の穴埋め分の財源にも使うというお話だったんですが、そうするとミニマムで4兆円以上必要になってくると思うんですけれど、規模感というのはとくに今あるのでしょうか?

小池:そうですね。ですから課税か否かは別にしても、仮に課税だとして2パーセントということになると、それだけで6兆円出てくるという話になります。ですからそこはやり方であって、これが例えば今回1パーセント分を教育費にあてる云々のことが出ておりますけれども、それも規模感によって1パーセント全部使うのかどうかいろいろな考え方だと思いますけれども。そういったことで言うならば、具体的にはそういう数字も1つ考え方としてあるのかなと思っております。

じゃあ最後の質問にさせてください。

憲法9条の改正について

記者13:東京新聞のオオノと申します。今日、公約で発表された憲法改正の部分で2点お尋ねいたします。小池代表はこれまでの会見論議は9条ばかりに議論が集中して思考停止になってきたとおっしゃってこられたと思いますが、今日発表の公約で9条とはっきり書かれたということは、現行の9条になんらかの改善すべき余地があるとお考えだと思うので、どういう改正、どんな条文があり得るとお考えか聞かせてくださいというのが1点。

2点目が、政策集の中で自衛隊を位置づけるかどうかは国民の理解が得られるかどうかを見極めると書いてらっしゃったと思うのですが、これは具体的にどうやって見極めるということを想定されているのでしょうか? 以上2点お願いします。

小池:9条だけではないという意味で、広く議論をしましょうということを申し上げる意味で9条と書かせていただきました。もちろん9条の議論というのは当然出てくると思いますが、これまでのメディアの取り上げ方1つを取りましても、そこのところにいつも集約していると議論が広がらないのではないかという心配でございます。まさしく国民的に議論をすべきではないかということでございます。

自衛隊はこれまでも活躍をし、また国際的な平和活動などにも活動をし、その評価というのは大変国民の間でも高いものがあるというふうに考えております。そういったことを踏まえて、今後の自衛隊の在り方というのも憲法問題とともに考えていくということではないかと考えております。

9条のみならずという点で、東京新聞さんもとくにご興味のあるところだとは思いますけれども、そこだけではないということを再三申し上げているわけでございます。

それでは、これで終わらせていただきます。ありがとうございました。

記者14:小泉元総理は原発再稼働反対ですよ。公約詐欺じゃないですか! 規制委員会の規制じゃ不十分……。

司会者:終了です。

(小池氏退場)