2024.12.10
“放置系”なのにサイバー攻撃を監視・検知、「統合ログ管理ツール」とは 最先端のログ管理体制を実現する方法
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(注:全編英語の会見を翻訳書き起こししています)
森暢平氏(以下、森):天皇家と民間とを分ける、というのは皇族の尊厳を保ちます。長きに渡って民間として過ごされてきた皇族の方を天皇家へ引き戻す、というのはとうてい日本国民の理解を得られるものではないと思うのです。私は、これらの方々が天皇家へ戻ってくる、というのは不可能であると思っております。
女性宮家を設立するとして考えた時に、考えられるのは愛子さま、眞子さま、佳子さまの、3人の方々です。他の4人の女性は現在の天皇陛下の血脈からは離れておられますので考えられません。
3人の女性の方々は男性の系譜による天皇とのつながりがありますので、お三方が天皇家に残られることに関しては保守層からも受け入れられるでしょう。
これは2012年の野田政権下において考えられたことです。しかし、その年の終わりに首相に就任した安部首相がその計画に待ったをかけました。安部首相がその計画を好ましく思っていないのは明らかです。
2012年に女性宮家の設立に向けての計画のなかで言われていたのは、宮内庁の説明ではありますが、ご結婚後に女性が皇室に残って公務を行うというのは多忙を極める、ということです。
私はそれはあくまでも表向きの理由だと思っております。真意は別のところにあるに違いない、と。本当の理由は女性継承問題を先送りにしたいということなのでしょう。すでに言及しましたとおり、彼に皇位相続できる子息がおられなかったら、2025年には男性皇族は悠仁さまたった1人になってしまいます。
逆に、女性継承問題を先送りにしていると、愛子さまや眞子さま、佳子さまにご子息がお産まれになっても、皇位継承にはいたらないでしょう。しかし、悠仁さまにお子さまがいらっしゃらなかったら、話は別でしょう。日本国民はこのことについて考えなければいけないのです。
今年の6月に国会で特例法案が閣議決定されました。この法案には女性皇族がご成婚後も皇室に残り続けることができるのかという皇位継承策も盛りこまれています。
民主党は年内にこの問題を採決すべきだとしていますが、しかし自民党は真っ向から対立していて、この問題をうやむやにしています。採決までの期間、自民党は知らぬ存ぜぬを決めこむつもりなのでしょう。
保守層は女性継承はその後も女性継承を促すことになると考えていて、それは彼らにとっては容認しがたいことなのです。
安部首相は保守層の支持を受けているのですから、支持者の怒りを買うこととなる、女性継承を容認することは容易ではないのでしょう。安倍首相にとっては、憲法改正の方が重要なのでしょうし。
私は、女性継承を容認するためには首相に強い牽引力が必要だと思っております。次の首相が誰になるか、女性であるか男性であるか、そんなことは分かりませんが、この問題を解決してくれるでしょう。しかし、首相交代の時期は、おそらくそんなに早くは来ないでしょう。
ともかく、眞子さまが来年天皇家を離脱されるのですから、皇室に残られるようにするには遅すぎるでしょう。となれば、皇室に残られるのは愛子さまと佳子さまだけになってしまいます。
女性継承問題を掘り下げれば掘り下げるほど、保守層の矛盾が生じてきます。保守層が男性継承にこだわればこだわるほど、天皇家の相続危機問題に陥ってしまうのですから。
一方で、リベラリストは現状を変えたいとは思っていません。彼らはもっと楽観的です。つまり時間が過ぎるだけで、なにも変わらないのです。この時代に、天皇陛下だけが制度によって制限された自身のリーダーシップを発揮できる人物なのです。
まとめると、退位は「総理大臣対皇族」の構図のように見えます。そして日本のジャーナリストたちは天皇と宮内庁を批判してはいません。女性宮家については近い将来には実現しないでしょう。それはジレンマではなく、保守派の矛盾なのです。以上です。ありがとうございました。なにかご質問はありますか?
では、質問が出てくるのを待っている間に、私から質問させてください。天皇が退位を考えているというニュースをNHKが発表したとき、もしくは、内閣府も交えてこの話し合いが行われると発表されたとき、どんな驚きがありましたか? また、長い間、皇族に従ってきた人々はその発表を聞いたときにどんなふうに驚いていましたか?
森:天皇はいかなるパワーも権力も持っていないわけです。政治に関する発言はしてはいけないわけです。退位も政治に関する問題ですから、天皇自身がこの問題について発言するというのは、非常におかしなこと。これは私の意見ですけれども、そう思っています。
これも一般の国民が、退位を支持したということもあるんですけれども、天皇がこういう発言をするにはおかしいのではないかという声もまた日本の新聞にはほとんど見られなかったと思います。
司会者:ではまた別の質問をさせていただきます。あなたは何度も日本の人々について言及されていました。もちろん彼らが皇族のみなさんを愛しているのは知っています。
森教授が今お話しされたことに関して、一般的な日本人と宮内庁とでは、どちらが保守的だと考えますか? 日本の人々は本当に気にしていると思いますか? 彼らは単に天皇が平和に過ごしている姿を見たいだけではないでしょうか?
森:このチャートを作ったんですけれども。
リベラルとコンサバティブという軸があると同時に、ルールを重視するか、あるいは天皇の意思を重視するかという別な軸があるわけです。そうすると、コンサバティブの中にも、ルールが大事だと、天皇が自分で退位するなんてとんでもないと。
天皇とは神様の子で、神様によって決まっているんだから天皇の意思なんてないんだって考える、とても保守的な、極端な保守がいるんだけど、保守というか宮内庁はこのへんにいて、「まぁまぁ、そうは言っても天皇のご遺志もあるよね」っていう言い方ですよね。
一般の人々っていうのは、もともと戦争が終わった後、天皇制っていうのは戦争の反省から、ルールで縛らなければいけないと、だから憲法ではいかなるオーソリティも認めていなかったわけです。
リベラルな人たちは本当はルールが大事だと、天皇の権力は縛られるべきだと考えたんだけど、でも最近はリベラルな人たちも下に降りてきて、「いやいや天皇も人権が大事だよね」と「天皇の気持ちも大事だよね」と変わってきたわけです。
だから対立というのは、あまりなくて、天皇の意思は大事だよねと考える中で、保守的な人たちもリベラルな人たちもいて、こういう人たちは同じ考えというか、天皇のパブリケーションはOKだねと言っているわけなんですけれども。中には極端な、とんでもないという人と、とくに憲法学者なんかはここのディメンションにいるわけです。
記者1:なぜ退位した天皇が同じ数のスタッフを必要とするのでしょうか? 天皇には今80人のスタッフがいますが、退位後は小さい屋敷に移ります。それなのに、なぜ天皇は80人のスタッフを必要とするのでしょうか?
2つ目の質問ですが、将来の天皇が20年程度で亡くなられた場合、秋篠宮文仁親王が次の天皇になるのでしょうか? もしくは彼の息子が天皇になるのでしょうか?
森:最初の質問なんですけれども、80人を維持するというのはまさに常というか、とにかく人は減らしたくないという、本当はそんなに必要ないんだけれども色々理由をつけて、80人必要なんだと言って。
財務省もなかなか宮内庁に対して、お金を削るというのを遠慮する部分があるので、火事場泥棒みたいな言葉があるんですけれども、そういう性質のものもあるかもしれません。
2つ目の質問なんですけれども、さっきも言いましたけれども、25年後にはこの方は81歳で、この人は76歳、5歳の違いしかないわけで、25年後に81歳になr徳仁さまの退位が議論されている可能性は非常に強いです。
その時にこの人も「いやいや、私もやれても5年だから彼に譲る」と言う可能性というのは十分あるわけですね。そうすると問題が起きるわけです。
天皇になるのを断ることができるという前提を作ってしまうと、「僕もやりたくないです」っていう人がいっぱい出てきて、多分非常に問題になると思うので、このへんは微妙ですね。
記者2:質問があるんですけれども、天皇と神道の関係について先生のご意見をうかがいたいと思います。最近は、神道の界隈というべきかわからないですけれども、右傾化が進んでいるという話を聞きます。
天皇の退位についても神道側の意見と今後どうなるかなど、どうなってほしいのか、その中には神道側はどういう立場なのか、というのを聞きたいと思います。
森:この退位を支持するべきか反対するべきか、神道というか右翼の人たちは非常に迷ったと思います。神道の基本的な立場に立つと、やはり認めるべきではないのではないかという考え方はあります。
まだそう言っている人はいるんだけれども、天皇陛下もおっしゃっているし仕方がないというようなことで、今は終焉しているんだと思います。ただ、女性宮家については彼らは非常に強く反対をしているということがあります。
質問には関係ないんですけれども、私が宮内庁担当だったのは90年代なんですけれども、80年代には宮内庁に対する批判とか議論というのがもっとよくできたんですね。ただ、この2000年代に入って以降、宮内庁に対して色々と意見を戦わすというのはこの20年で非常に難しくなっています。
司会者:教授、もうお時間になってしまったようです。日本外国特派員協会とこの部屋にいる参加者は全員、お礼を申し上げたいと思っています。
今日、この場に来ていただき、また考えを共有していただいてありがとうございました。当協会はこれをお渡しいたします。名誉会員証です。今日は本当にありがとうございました。
森:みなさん、ありがとうございました。
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