メルカリ社長が振り返る、サラリーマン時代の葛藤「未来を創りたかったから、大企業を辞めた」

QREATOR INTERVIEW! by MEGUMI 「メルカリはなぜうまくいっているのか?」 #5/6

女優業を行いながら、石川県金沢市で「cafe 多聞」をオープンするなど多方面で活躍するMEGUMI氏。そんな彼女がビジネス界のクリエイターにインタビューをする「QREATOR INTERVIEW! by MEGUMI」が行われました。第1回目のゲストは、メルカリ小泉文明氏。なぜメルカリはうまくいっているのか、MEGUMI氏がさまざまな角度から迫りました。本パートでは、メルカリ小泉氏が大企業勤務時代を振り返るとともに、自身が目指す「個人がエンパワーメントされる世界」について語りました。

過去の遺産より、未来を創る仕事がしたい

小泉文明氏(以下、小泉):僕もやっぱり大企業……。一応、最初は大企業に入ったのですよ。それなりの大学を出て大企業に入ったのですが、僕は3年半ぐらいで辞めているのです。でも、やっぱり辞めるときはみんなからすごく反対されて。

MEGUMI氏(以下、MEGUMI):うん、そうなんですよ。あれ、なんであんなに反対するんですかね?

小泉:余計なお世話なんですよね(笑)。

MEGUMI:私も本当にそう思います。

小泉:マジ、余計なお世話だなと思って(笑)。

MEGUMI:めちゃくちゃ怒っているんですよね。なんかね、「すごく怒っているわ」みたいなのよくありますね。

小泉:僕、しかも最後に大型案件をやっていたのですよ。もう「お前は10年間出世コースに乗せてやった」ぐらいの感じなのですよね。

MEGUMI:なるほどね。「安泰だ」みたいな。

小泉:僕はちょっと10年間を……大きい案件は基本モルモットのような感じなのですよ。やるの別に僕じゃなくてもいい。でも、毎日忙しいからずっとモルモットのようにグーッと走っているんですよね。これを10年やるのは超しんどいなと思って。社会はなにも変わらないし。

ですから、僕はそのとき、ミクシィを立ち上げる時期からコンサルとしてずっと関与していたので、こっちは同じ世代が社会を変えたいと思ってやっている。もう片方はサラリーマンのみんなが必死に10年かけて、誰がやってもそんなに将来は大きくならないであろう案件をなんとかしようと思っている。10年かけて。

僕は未来を創りたいなと思った。それで大企業を辞めたという感じですね。

MEGUMI:でも、すごい決断ですよね。ところどころでものすごい決断をされて。

小泉:そうですね。親には1年弱ぐらい言っていなかったですね。

MEGUMI:やっぱりね。私もわかります。身内に言えない(笑)。

小泉:なんか「え、辞めたの?」と言われましたからね(笑)。驚かれて終わり。

MEGUMI:でも、せっかくこうやって感度の高い方が来ていらっしゃいますから、みなさんはどんどんチャレンジをしていただきたいと思いますが。

人間の処理能力を超えた文字から映像へ

今後のことは考えているのですか? 今はもう時代がすごく早く流れている感じは私なんかでもわかっていて。メルカリのシステムも今はすごくいいのだけど、もしかしたらこれから変わっていくかもしれないということは考えているのですか?

小泉:変わると思いますね。テクノロジーのライフサイクルでいうと、おそらく次は、身近なところでいうとかなり音声になってくるのですよ、いろんなものが。

たぶん日本ではまだ発売されていませんが、AmazonのAlexaなど、いわゆる筒状の端末がリビングなどいろんなところにあって、話しかけると自然に返ってくるような。今まで指でやっていた検索じゃなくて、もう声ベースになっていったり。

MEGUMI:すごすぎます。

小泉:そのあとVR・ARのように、どちらかというと映像と画像系に移ってくるのですが、やっぱりその……。

MEGUMI:どうしてそんなことがわかるんですか? そうなっていくような言い方をしていますが、まだなっていないのになんでそういうこと?

小泉:大きなトレンドの中でいうと、人間はやっぱり軽いほう軽いほうにいく。コミュニケーションの歴史で捉えるとわかりやすいのですが。

最初はみなさんやっぱり手紙みたいなものですね。これが電話やFAXのような時代で、いわゆる有線の上に乗っていったような。それが今度はメールになるわけですよ。いわゆるインターネットのメールですね。その後にSNSになるわけです。

それが今度はLINEのようにチャットなど、もっと軽くなっていったり。今で言うと、例えばSnapchat、あとInstagram Storiesもそうなのですが、どんどん消えていったり短くなっていったりする。

それから、あとは文字と映像ですね。文字と映像では10倍ぐらい映像のほうが脳の処理能力が高いのですよ。映像のほうが人間は一瞬でいろんな情報を得られるのですね。

今、みなさんが日々どのぐらいか、ちょっとわかりませんが、一般的な人が見ている文字量というのは、もう人間の処理量を超えているのですよ。

MEGUMI:そうでしょうね。増えましたよね。

みんな文字が辛くなり、映像や画像を見るようになる

小泉:SNSなどを見ていても半分は読めていないのですよ、みなさん。もう脳の処理量を超えているので。

そうなると「いいね!」ボタンはなにかというと、「MEGUMIさんがあげてるから『いいね!』ボタンを押しておこう」など、書いてある内容よりも誰が書いているかのほうが大事になってきて、どんどんそっち側にみんな反応していっているのですね。

それで徐々に文字が辛くなっていって、今はインスタのように映像や画像になっていっているわけですよ。どんどんそのように軽いほう軽いほうへ人間というのはいくわけですね。軽くて情報量が多いほうに。

そうした中でいうと、手で打って文字というのは、たぶん遅いとなってきていて。

MEGUMI:えー、そうなっちゃうんですね。

小泉:それは口で話したほうがいいとか、もっと目で直感なほうがいいなど。文字で読むより立ち上がってくれたほうがいいよねと。いろんなことの中で、そっち側にもっと移っていくんじゃないかと。

ただ、それがどのパラダイムシフトなのかはわからないのですが、大きな流れとしては、たぶんそっちにいくだろうなと思っていて。

MEGUMI:じゃあメルカリも、写真はもちろん載せるでしょうが、あとはもう音声で売買できるようなことになるかもしれないという。

小泉:そうですね。僕らでいうとやっぱりモノを売るので、物を売る系は音声というよりはどちらかというと映像です。いわゆる動画コマースっぽい方向は、一部、今メルカリチャンネルというタブをひとつ作ってテスト的に始めたのですが、動画などはそっち側にいくだろうと思っています。

ただ、一般的な検索などのもろもろは、音声のほうにサポートしていくのではないかと思っていますね。

リアル店舗での買い物は「ショールーミング」の時代へ

MEGUMI:今後、なにかメルカリ以外でやろうと思っていることはあるんですか?

小泉:いやぁ、やりたいことはたくさんあるんですよね。

MEGUMI:ああ、そうですか。すごいですね。

小泉:僕はいわゆるエンジェル投資という個人で投資家もやっていて、おそらく20社ぐらいにもう投資をしているのですが、個人的に熱いのはリアルですね。

MEGUMI:リアル?

小泉:ネットとリアルの境目がなくなってきているのですよ。今まで「インターネットはインターネットの中のもの。リアルとは交わりません」といった感じだったと思うのですが、これからはどんどんその境目がなくなってきていて。

いわゆる物の買い物でいうと、ショールーミングと言われている、物を買いに行くのだけど、その場で見てネットで注文するといった感じです。むしろ今、中国はその店舗ばかりなのですよ。ほとんど。中国は最近在庫がない店がすごく多くて。もう在庫を置いておくのは無駄だから、ショールーミングしちゃう。

MEGUMI:サンプルだけ?

小泉:うん。その場で頼んでもらって、あとは配送するといった。

MEGUMI:へえ、すごい。

小泉:たぶんどんどんその境目はなくなっていくのですね。あと5年、10年のスパンでいうと、「えっ、そのネットやリアルといったその議論はなんですか?」という議論になっていくと思うんですよね。「前時代的な議論をしてます」みたいな。

MEGUMI:想像できない。そうですか。そんな風になっちゃいます?

小泉:たぶんeコマース的に見てもそうですね。日本のeコマース比率って5パーセントなんですよ。95パーセントはリアルなんですね。アメリカも、あんなにインターネットインターネットといってもまだ10パーセントなんですよ。90パーセントはリアルなんです。アメリカも。

これからは「食×IT︎」が熱い

小泉:Amazonが最近はホールフーズ・マーケットという。

MEGUMI:オーガニックスーパー。

小泉:オーガニックスーパー、あそこを買収したのですね。リアルとネットはこれからどんどんつながっていくので、Amazonはそれをわかっていてやっていますが。

僕自身もかなり、ネットとリアルがどんどん融合していき境目がなくなっていく、あとはリアルのほうにネットが入っていくことで一番注目しているのは農業なのです。農業×IT。2年後ぐらいにはGPSの精度が1センチ単位ぐらいになるのですよ。

ですから、もうどんどん農機具などいろんなものが本当に1センチ単位で扱えるようになったりすることであるとか。

MEGUMI:すごいですね。

小泉:生産も変わりますし、農業がインターネットの力でもっと工業っぽくなるんですよね。1平米当たりの生産量や収穫量を最大化させるといったところとのITの相性はすごくいいので。

MEGUMI:でも今、みんなすごく食に興味がありますよね。

小泉:結局、人間はどんどん……まあ物をですね、物を扱ってる会社が言っちゃダメなのですが、物を買わなくなっていっている。

MEGUMI:本当に買わないと思います。「どうしちゃったんだろう?」というぐらい。

小泉:要は、耐久性もあるし、別にそんなに無理してまで買う必要もないよねと。そうしたところで、結局は衣食住でいうと、食のところだけは普遍的に残ります。こことITはこれからすごく関係性が強くなってくるのではないかと思いますね。

MEGUMI:でも、やっぱりアメリカやヨーロッパに行くと、圧倒的に日本の食材のクオリティの低さ、オーガニックスーパーやホールフーズ・マーケットもないし、やっぱりそのあたりが意外とまだまだだなという感じはしますよね。

小泉:意外とまだですね。これ、日本で普通に住んでいるみなさんは気づきませんが、海外によく行っていたりすると、かなり日本のオーガニックスーパーの少なさにはビビりますよね。

MEGUMI:ビビります。うん、異常に高かったり、品揃えが少なかったり。そのあたりをもうちょっとぜひチャレンジというか、やっていただきたいなと。

小泉:それは本当にちょっといくつか考えていることの1つですね。

MEGUMI:ああ、そうですか、ぜひやっていただきたいですが。

小泉氏のエンジェル投資の基準

これは時間はどんな感じ?

佐藤詳悟氏(以下、佐藤):もうちょっと。

MEGUMI:では質問など。せっかくなのでなにか質問がある方がいらっしゃったら。だいたいこういうのはちょっとね、あれなのですけど。

小泉:(笑)。

MEGUMI:じゃあ、どうぞどうぞ。

質問者1:今日はありがとうございます。よろしくお願いします。やりたいことがさまざまあるとおっしゃっていましたが、その中で挑戦するときに、決める優先順位の基準はどういったものなのでしょうか?

小泉:優先順位の基準ですか?

質問者1:そうです。投資に関しても、技術に関しても。

小泉:投資に関しては、僕自身はよくエンジェル投資の基準を聞かれるのですが、明確に1つだけでして。「自分がこういう未来になってほしいかどうか」ですね。自分が本当はやりたいんですよ。ただ、自分の体は1個しかないので、お金は渡すという、極めてわかりやすいパターンですね。

あとは、この経営者、社長がなんか嘘つかなさそうなど(笑)。まあ大丈夫そうだなというのはあるのですが、基本的には自分がこうなってほしいかどうか。

ですから、すごく先進的なお仕事をやっているのですが、「あまり僕は興味ないなあ」といったものもやっぱりあるのですよ。そこはあまりやらないですね。それはたぶん興味のある人にやってもらえればいいかなと思っていまして。

MEGUMI:やっぱり興味がないとエネルギーを注げませんよね。

小泉:そうですね。「未来がこうなってほしい」という熱い思いを持てないので。

MEGUMI:基本的に自分が絶対的にいいと思うものというのは、いつも考えているんですね。

小泉:そうですね。ですから、僕自身はさっき言った個人がエンパワーメントされるもの。個人をエンパワーメントしたいというのは基本的に人生のテーマ的なものでもあるので、そういうものは積極的にやっていますね。

MEGUMI:大丈夫でしょうか?

質問者1:はい。ありがとうございます。

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