2024.12.10
“放置系”なのにサイバー攻撃を監視・検知、「統合ログ管理ツール」とは 最先端のログ管理体制を実現する方法
Two New Groundbreaking Cancer Treatments(全1記事)
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ステファン・チン氏:がんについて1つ言えるのは「最悪」ということでしょう。人類はこの病と何年にも渡り戦ってきました。そして毎回突破口が見つかるたびに、私たちはそのより良い治療法に近づくことができてきています。
しかし、過去たった2~3週間の間に人類は全てのがんを治癒できる未来へと続く、2つの大きなステップを踏むことができたのです。
まず、先週FDA(アメリカ食品医薬品局)により、「白血病」のアメリカで初めての遺伝子療法が行われ、大きな成功を収めました。
遺伝子療法は、細胞をプログラミングし直すことにより新しい遺伝子を加えたり、通常通り働いていないものを直したりすることが含まれます。
これは、遺伝による病を治療する上での大きな可能性を持っているので、研究者たちもそれを用いて、様々なタイプのがんに含まれる遺伝子やタンパク質をターゲットにする方法があるのではないかと考えています。そして今人類はその「可能性」を現実に当てはめ出したというわけです。
先週、遺伝子療法は「急性リンパ芽球性白血病」の治療に用いられると正式に許可がなされました。
白血球は私たちの体の免疫システムにとって非常に重要な部分の一部ですが、白血病はその白血球を作り出し、過剰運転させてしまうのです。その細胞は骨髄で作られるのですが、問題となるのはその細胞が完全に形成される前に放出されてしまうという点です。その細胞は未完成なので、何をすれば良いのかわからず、骨髄の中にただ留まり、全てを詰まらせてしまいます。
「急性リンパ芽球性白血病」の患者の血液中の赤血球は非常に少なくなることがあります。なぜなら骨髄の中に赤血球が生産される場所がなくなってしまうからです。
それにほとんど全てのものに対しての免疫がなくなってしまいます。成人でこの対応のがんにかかる人は、そのほかのがんにかかる可能性より低くなります。しかし、幼児にとってこれは一番かかる可能性の高いがんで、アメリカでは毎年3,000の新しいケースが報告されています。そこで「遺伝子治療」が真新しい治療法として出てくるのです。
「CAR-T細胞療法」という治療法は「T細胞」と呼ばれる、患者の白血球を用いる方法です。その細胞は取り出されるとすぐに研究室へ運ばれ、免疫システムを詰まらせているがん細胞を攻撃するように再プログラミングされます。
「T細胞」は人間の体内にいてはならないものを見つけるのに非常に長けています。
「T細胞」はウイルスやバクテリアなどの表面のタンパク質をスキャンすることによりそれを見つけることができます。それらは抗原の記憶バンクのような受容体を用い、免疫システムが脅威と捉えるものを何でも見分けることができるのです。受容体にとって抗原にマッチするものがあれば、「T細胞」が攻撃をします。
「CAR-T」とは、研究者が患者の免疫システムが攻撃するよう騙すために「T細胞」に加える抗原受容体の名前です。本来、「T細胞」の記憶バンクにそのファイルのコピーは存在しないので、人間がそのシステムにアップロードするのです。そうするとそれがとても有効だったのです。
臨床試験では、ほかの治療に反応しなくなった患者の生存率は83パーセントとなりました。ここまで来るには研究が長い間行われなければなりませんでした。
なぜなら細胞を再プログラミングするのは難しく、しかもそれを有効で、患者にとって安全とするにはもっと難しいからです。世界中の遺伝子療法で許可が下りたのはこのほかを合わせても数件しかありません。
しかし研究中の治療法はたくさんあり、この初めてのFDAによる認証はさらなる刺激となることでしょう。
実際、この案により現在、似たタイプの成人のがんや、遺伝性失明の遺伝子療法の見直しが行われています。将来的に、様々な種類のがんやほかの多くの病に対して、遺伝子療法が行われる日が来るかもしれません。これはまだはじめの一歩にすぎません。
さらに、今週行われたがんとの戦いに関するニュースです。
去年もう少しでオリンピックをキャンセルさせそうになった「ジカウイルス」のことを覚えていますか? 火曜日に『The Journal of Experimental Medicine』誌の中で発表された論文によると、科学者たちが、これを有効利用する、つまりそれを用いて脳のがんの治療をする方法を発見したかもしれないのです。
ウイルスを用いてがんを攻撃する試みがなされたのはこれが初めてではありません。医師たちは今までに何年もの間、ヘルペスのウイルスを用いて皮膚がんの治療を行ってきました。
それにほかの治療にも用いることができるかもしれないと、研究者たちは研究をしています。ほとんどの場合、そのようなウイルスはエンジニアリングされるなどして改変されています。しかし、ジカに関しては、ほとんど何もしなくてもいいかもしれません。
ジカウイルスは蚊を媒体としたウイルスで、胎児の発達中の脳を攻撃するので危険とされています。
脳の中でも「神経前駆細胞」と呼ばれる幹細胞を攻撃するのです。これらの細胞は胎児の脳の成長を司るため、脳が正常に発達しない小頭症の原因となり、そうなって生まれてきた赤子はとても小さい頭をしています。
「神経前駆細胞」は「神経膠芽腫幹細胞」と呼ばれる脳のがん細胞ととてもよく似ています。それは脳のがんの中では一番よく見られるタイプのものです。
それにより腫瘍ができ、手術や化学療法でしか治療をするしかありませんが、それですら効果があまりありません。なぜならその原因はその治療後に残されるものにあります。治療に励むほど、「神経膠芽腫幹細胞」を取り除くのが難しくなります。その部分がはじめにがんに成長するように指令を出し、治療から6ヶ月後ほどすると腫瘍はまた復活してしまうのです。
ですから、それらの幹細胞を無くしてしまえば、がんは完全に治癒されるということです。
そこでジカが登場します。研究者は人間のドナーからの神経膠芽腫幹細胞でジカをテストしました。するとそのウイルスは健康的な細胞を残して、がん細胞だけを攻撃し、殺してしまったのです。それに、脳腫瘍を患ったネズミも、ジカに感染するとたった2週間の間に驚くほど腫瘍の大きさが小さくなりました。
すでに重症の病気の患者に危険なウイルスを注入するなんて馬鹿げたアイディアだと思われるかもしれません。しかしジカウイルスに感染することは成人にとっては大ごとではないのです。妊娠していたり、すぐに妊娠する予定がある人にとっては別ですが。
成人の脳は成長していませんから、神経前駆細胞を生み出すことはありません。つまり、ウイルスが攻撃するところがないのです。感染すれば熱が出たり、発疹が出たり、頭痛がするかもしれません。
ほとんどの人は感染したことに気がつくこともありません。念のために、研究者たちは治療のために使われるウイルスを弱くする方法を研究しています。医者が意図的に人々をジカウイルスに感染させ始めるようになるにはまだ遠い道のりですが、いつかは、伝染病を引き起こしたのと同じウイルスが、多くの人の命を救うことになる日が来るかもしれません。
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