北朝鮮のミサイル発射をうけて

小池百合子氏(以下、小池):みなさまこんにちは。まずはじめに、本日北朝鮮がまたまた弾道ミサイルを発射いたしました。このことについて一言申し上げておきます。

国連安保理で制裁決議がなされたばかりでございますけれども、北朝鮮は今朝、弾道ミサイルの発射を強行いたしました。国際社会の平和的解決への強い意志を踏みにじるという暴挙であります。断じて容認することはできない。断固東京都として抗議をいたします。

なお、北朝鮮の動向は当然注視をいたしまして、そしてまた、政府と緊密に連携をはかって、正確かつ緊密に情報発信をして参ります。そして都民の生命と財産を守るために、万全を尽くしてまいるということは言うまでもございます。

まず冒頭、北朝鮮の弾道ミサイル発射について一言申し上げさせていただきました。

待機児童問題の解消策

今日は5つのポイントでお話を致します。できるだけ簡潔にご紹介をしていきたいと思います。

まず待機児童対策でありますけれども、ご承知のように私が就任してからというもの、最重要課題と位置づけてきたのが、待機児童の解消、その取組であります。3つのお知らせがございます。

まず、待機児童解消に向けた追加対策を行います。国の補正予算、区市町村から寄せられたご要望など、機動的に対応するために、都独自で7つの追加対策を取りまとめたものでございます。

まず、賃借料が高い。駅の周辺は高いわけでありますけれども、そこで整備をする。お母さん方はお子さんを駅のそばで子どもさんを預けて電車に乗っていくということになると、駅のそばの物件というのは高いというのはだいたい想像がつくと思います。

そこで、賃借料が高い駅周辺での整備を促進するために、都独自の賃借料補助を拡充すると。また、整備が進んでおります、今企業主導型の保育というのが大変積極的に始まっております。これも支援いたしまして、都独自の備品購入の支援の規模を拡大する。そしてまた、地域枠の受け入れを進めるために保育士の処遇改善を行って参ります。

企業型の保育施設というのは、会社の福利厚生の場合などは保育士さんに対しての補助というのは難しいわけでありますけれども、地域枠を受け入れていただくことによって、その保育士さんの補助を都としてもバックアップできるということでございまして、これによってより多くの待機児童の解消対策をおこなっていくということであります。

それから区市町村からご要望がでているんですけれども、保育所などの整備にあたりましては、防音壁であるとか人工芝などの費用を、都独自で補助をさせていただきます。それから人材の確保・定着の支援ですが、保育士の業務負担を軽減するというために、ICT化を促進いたしまして、そのための補助金の規模を拡大する。

保育士の復職、再就職、そして保育補助者の雇用を支援するために、貸付事業を拡大してまいります。それから利用者の支援の観点から、児童の安全対策を強化するために、ベビーセンサーなどの導入支援をしていく。これら追加対策、ひっくるめて約35億円になります。これまでの予算の執行状況を踏まえたうえで、既存の予算の範囲で対応してまいりたいと考えております。

今回の追加対策ですけれども、区市町村にできるだけ早くお知らせいたしまして、待機児童解消に向けた区市町村の取り組みを都として支援して参ります。それから現在、都内で約3万8,000世帯の子育て家庭があるんですけれども、その保育人数の実態調査を現在行っているところでありまして、その計画を踏まえて、年度内に「東京都子供・子育て支援総合計画」こういった計画を策定をしてまいります。

保育所整備のために都有地を活用

小池:それから2つ目でありますけれども、保育所等整備の推進に向けた都有地の洗い出しについてのお知らせです。ご存知のように、昨年、緊急対策を行ったその後、継続して保育所等として活用できる、そんな都有地を全庁的に洗い出してまいりました。

今日は、今年の5月に続いて、新たに7件の都有地を追加いたします。それによって、追加をしまして、区市町村に情報提供させていただきました。これまで情報提供しました土地のうち、すでに1件は保育事業者が決定しておりまして、さっそく来年の4月の開設を予定しております。

そして、区市町村から「土地を借りたい」という旨の申し出につきましては、11件承っております。今後も、都有地を活用するという具体的な取り組みを着実に進めていって、待機児童解消という問題について、一つひとつ着実に解を求めていきたいと考えております。

それから3つ目でありますけれども、長時間の預かり保育を行う私立の幼稚園についてであります。こちらは「TOKYO子育て応援幼稚園」という名称にしておりまして、こちらを広く知っていただくためのシンボルマークを作りました。

このシンボルマークですけれども、かわいいでしょ? 私立幼稚園に通う園児の愛らしい、……強要しました? 今。すいません(笑)。愛らしいイラストをもとに作成をして、親と子供と幼稚園の3者が寄りそって子育てを行うということで、「みなさん笑顔になってね」という思いを表現した、そんなシンボルマークになっております。来年度、園児の募集は11月にだいたい始まりますけれども、このシンボルマークを活用したPRを行ってまいります。

待機児童の解消につけては、引き続きそれぞれの局が緊密に連携して、都庁として全力で取り組んでまいります。これが待機児童の課題でございます。

都職員や都民からの事業提案

次が、これは実はとても画期的な新しい都の取り組みであります。これは「都民と都の職員によって、事業を提案してちょうだい」と、都民のみなさんから「こんな事業をやってほしい」、都の職員から「今、自分がいるのは別の局だけれども、こういう事業だったらどうだ?」というような、提案型を受け入れていくというものであります。

今ちょうど平成30年度の予算編成に向けて取り組んでいるわけですけれども、まさしく東京大改革を加速させるための新しい予算編成の仕組みということであります。昨年度は、第1弾として、いわゆる政党復活予算を廃止しましたよね。それから、査定状況を公表しました。

こういうまさしく都民ファーストの都政を実現するため、さまざまな予算編成プロセスの見直しを行ってきたわけでありますけれども、平成30年度でも改革の取り組みをさらに加速させるという意味で、今回は第2弾、予算編成過程に一人ひとりの都民のみなさん、そして職員のみなさんの声を直接反映させる、都民による事業提案制度、職員による事業提案制度という2つの取り組みをですね、試行的に実施するというものであります。

実はこれはですね、小池知事が出したアイデアっていうとそうではなくて、実は職員目安箱から拾ってきたアイデアであります。拾ってきたっていうか、こんないろんなアイデアが今、職員のみなさんから寄せられていまして、その中で、「これを一度やってみる価値があるね」ということで、今回、この新しい予算編成、都民のみなさんから声をいただく、職員のみなさんからいただくというものであります。

都民のみなさんからの事業提案制度ではありますけれども、これはまさしく都民が第1ということを、都民ファーストの観点から都政の喫緊の課題を解決する、都民が提案して、都民が選ぶ仕組みを構築するというものでありまして。

都民の声を直接施策に反映させて、これまでの行政では出てこなかったような新たな発想を活用したり、都民の都政への参画を目指していくというものであります。

1事業あたり上限は2億円

対象の分野でありますけれども、都政の喫緊の課題として、子育て支援、高齢化対策、働き方改革、防災対策、空き家の活用、それから環境対策。この6つの分野にいたします。

提案にあたっては、IoTとかAI、FinTechなどの最先端の技術の活用であるとか、ボランティアや地域コミュニティの活用、ゼロエミッションなど、新たな発想にもとづいた企画・提案を期待をしているところであります。

都民お一人様1件まで提案を可能といたしまして、1事業あたりの上限額は2億円。これ、けっこうすごいですよ。ぜひ記者のみなさんも都民として「こういうことやったらどうだ」というのをお寄せいただきたいと思います。

2つ目は、職員による事業提案制度であります。これは若手からベテランまで職員の改革マインドを高めて、すべての職員が垣根を超えて都政運営に参画する仕組みを構築するというものでありまして。

職員の意見を積極的に施策の形成に反映していくということで、これまで職員のみなさんがいろんな部署で携わった経験であるとか知識を活かして、実効性の高い施策を立案してもらおうというものであります。

環境大臣の時に実は職員からいろいろと、今、自分が所属している局であるとか部であるとか課であるとか、「それを超えたアイデアを出してきてください」ということをいたしましたら……。

いろんな課に移ったりすると、「あの時、ああいうことをやっていれば、今やってるのと親和性があってもっとうまくいく」とか、いろんなアイデアというのはそのあとで出てくるものなんですね。

実際に非常に意欲のある職員の提案を採用して。環境省の時は、確かそれを提案した人にポストまで準備して、一生懸命がんばったという例も記憶しているところで。

やっぱり職員の力をこれからもっと引き出していきたいと私も思っておりますので、こういうことで、都民のみなさんから、それから職員のみなさんから。あ、「管理職除く」なんですけれども、職員のみなさんからどんどん提案してもらう。

いずれも9月29日に募集を開始します。締め切りが11月7日。

そして都民の提案型につきましては、その提案の中から事業案を構築した上で、都民のみなさんによるインターネット投票を行います。それによって最終的に選ばれた事業を、平成30年度予算案に反映をさせていくということでございまして。

まさしく都民民主主義といいましょうか、タックスペイヤーから使いみちをより自分たちに近い分野で、「こういうふうにやってください」という新しいアイデア、都民のみなさんとともに進めていくということで、ぜひ新しい方法として進めていきたいと考えております。

多摩地域の振興策について

次でありますが、多摩の振興プランについてのご紹介であります。ご承知のように、多摩地域は東京の3分の1に相当する400万人の人口を有して、そしてかつ、広大な面積で自然や地域の特産物、きらりと光る宝物がザクザクと詰まっているわけであります。

また、たいへん高い技術力を持つ中小企業であるとか、大学・研究機関が集積をしているわけであります。ですから、東京にとりましても、この多摩地域の発展というのは活力ある東京に欠かすことができないということになります。

このプランの策定にあたりましては、市町村との意見交換であったり、パブコメを取ったり、それから多摩で地域活動に実際に取り組んでおられるNPO、事業者、自治会のみなさんなどなど、みなさんに議論に参加していただいてワークショップを開催しました。その成果も取り入れております。

ワークショップはICUのキャンパスで行われましたけれども、私自身もそこに参加をして大変熱心なご議論に触れることもできました。

このプランですけれども2020年に向けた実行プラン、そして都市づくりのグランドデザインを踏まえまして、今後の多摩振興の道筋を示すというものになります。素案のほうでもお示しいたしましたけれども、2020年の先を目指すべき地域像として、ご覧の通りの5つを掲げているところでございます。

例えばサステイナブルなまちづくりで、多摩ニュータウンをはじめとする大規模団地の改修・建て替え。これを促進していく。高齢者と若い世代両方が魅力を感じる街にしていく。

2つ目は、東京の緑を総量としてこれ以上減らさない。これけっこう大きな話です。決意しなければどんどん減っていきますから。そこで、これを大原則にして里山や木々の樹林地など自然環境を保全をしていくということであります。それから生産緑地地区。これも2022年が区切りを迎えるわけですけれども。指定の拡大などでどうやって緑を守っていくか。

それから4つ目が、さまざまな空き、空き家とか空き地とかいろいろですけれども、これを活用していく。そのために必要な方法は何かということでありますけれども、これも1つの大きなテーマになっているわけであります。

ということで、多摩の振興プラン。「たまらんにゃ〜」(注:多摩の魅力発信プロジェクトのマスコットキャラクター)でありますけれども。ぜひ多摩という東京にとりましても宝物の地域をもっと活かしていくということであります。

あ、ごめんなさい。ICUじゃなくて東京外大でのワークショップでした。失礼いたしました。最近ICUが非常によく出てくるので間違えました。

敬老の日にはスポーツイベントを開催

9月18日敬老の日でありますけれども、東京国際フォーラムで開催する2つのスポーツ関連イベントについてお知らせでございます。

1つ目が、障害のある人もない人もみんなでスポーツにチャレンジするイベントで『チャレスポ! TOKYO』。こちらは会場でボッチャであるとかブラインドサッカーなどパラの競技をはじめとしたスポーツを体験してもらうというものでありまして。

ゲストには吉田沙保里さん、山本篤さんなどの人気のアスリートのみなさんにお越しいただいてトークショーを行ったりいたします。それからふなっしーが障害者スポーツクイズなどを展開してくれるそうでございまして、ふなっしーの追っかけのみなさんもぜひお越しいただきたいと思います。

それから私もトークショーに出たり車椅子バドミントンとかウィルチェアーラグビーとかですね、体験をすることといたしております。

2つ目がラグビーワールドカップ2019。ちょうど2年後になりますけれども。ラグビーの魅力を伝えるというイベントの開催でございまして。会場では日本代表のジェイミー・ジョセフヘッドコーチ、立川理道選手、松橋周平選手を迎えましてのトークイベントを行います。大会の優勝トロフィーもその場で見ていただけることになっております。9月18日東京国際フォーラムとなっております。

観光ボランティアの新ユニフォームを披露

さて、カメラのスタンバイもよろしいようで(笑)。

(会場笑)

小池:観光ボランティアの新しいユニフォームを決定いたしましたので、みなさま方にご披露させていただきます。

新たなユニフォームのデザインでありますけれども、海外発信に向けたアイコンと、それからキャッチフレーズの「Tokyo Tokyo Old meets New」との一体感を踏まえまして、伝統と革新を表現しております。

真ん中、ポロシャツですね。そして、その他、ブルゾンと、……何て言うんでしょうか、アウター、コートでありますけれども、すべて同じブルーの市松模様で、東京の伝統を表しています。市松模様、東京、江戸ということです。

そこで背中にQRコードが付いているわけですけれども、このQRコードというのは日本発の、株式会社デンソーが最初に作って、けっこうアジア地域では使われております。

このQRコードにかざしますと、「TOKYO GO」……、「GO TOKYO」か、そこのホームページのほうに飛びまして、いろんな言語で東京のいろいろなインフォメーションに、いろんな言語で入り込んでいけるというものであります。

そして、「これは観光ボランティアですよ」とわかるように大きく(「GUIDE」と)書いてありまして、あとインフォメーションマーク、「i」ですね、これをあしらっております。それからボタンとか、それから生地そのものですけれども、植物由来の素材を用いておりまして、環境にも配慮した素材を活用しているということであります。

真ん中に帽子をかぶっておりますけれども、こちらはパタパタとたたんでも、形状記憶じゃないですけれど、ちゃんと元に戻るということで、非常に使いやすいということであります。

やはりこの観光ボランティアの方々、まず目立ってもらわないといけませんので、これですとF1のチェッカーフラッグみたいですので、よく目立つのではないか。

それから、デザインを統一いたしました。シーズンを超えてデザインを統一して、カラーも統一ということで、これは東京の観光ボランティアだということを、露出が増えるにしたがって認知していただけるのではないだろうかと思います。

季節を考えまして、この新しいユニフォームでありますけれども、ブルゾンを皮切りにして、10月の上旬から順次ボランティアのみなさんに着用をしていただく、ということになっております。また、来週23日土曜日に、東京ビッグサイトで世界最大級の旅の祭典「ツーリズムEXPOジャパン」が開かれますので、そこでもお披露目をさせていただくことといたしております。

前の分はそれぞれまた使っていただくなりしてお召いただければと、このように思いますが、だんだんこちらのほうに切り替えと言いましょうか、この新しいボランティアガイドのみなさんにはこれを着けていただく。

そこで、着ていただく方を募集するということで、再来週、500人の観光ボランティアを募集をいたします。これで、目標が3,000人でございますので、ボランティアの確保を目指していきたいと思います。そして、英語以外の外国語ができる方や、日本に現在お住まいの外国人の方も、ボランティアガイドとしてご応募いただきたいと思います。

ということで、いろいろな専門家のみなさま方のご意見も取り入れ、それから伝統と革新というずっとつながっているテーマをベースに、コンセプトにして、今回の観光ユニフォームができあがったということでございます。

小池都知事、試着

(スタッフがマネキンのパーカーを脱がす)

小池:(それでは)私がモデルさんで…。うふふふ(笑)。

会場:着るの? 着るの?

(小池氏、パーカーを着用)

小池:ということで、どうでしょうか?

(記者たちがカメラのシャッターを切る)

記者A:いいですねぇ。

小池:顔見えないほうがいい?

(会場笑)

私でなくともいいみたいね(笑)。

記者A:はい、OKです。

小池:とても着心地いいです。

記者B:知事、すいません。テレビ用に演台の前でお願いできますか?

小池:じゃあ、キャットウォークを(笑)。(演台を前に)あのブルゾン(ちえみ)……。男性2人(注:with B)は(いらない)?

(会場笑)

小池:ちょっとノリすぎでしょうか(笑)。

(小池氏、会場をゆっくりと回り、演台へ)

小池:というわけです! どうぞ。