プラスチックの恐竜のおもちゃ、ルーツをたどると…

オリビア・ゴードン氏:インターネット上で見られるおもしろい話があります。プラスチックは石油から作られていて、その石油は恐竜でできている、という関係性についてです。

つまり、プラスチックでできたおもちゃの恐竜で遊んでいるとき、基本的には太古の恐竜の残り物で遊んでいると解釈できるわけです。そう考えると楽しいですが、実際はそんな単純な話ではありません。

第一に、私たちが地下から引き上げている石油や天然ガスは、恐竜の化学的な残り物ではありません。これらは非常にたくさんの小さい太古の生物の残骸によって作られています。

ネットでは、みなさんに石油は恐竜の残骸からできていると思わせたいのかもしれませんが、実際に私たちが使用しているプラスチックの石油は、恐竜がいるわけもない太古の海底からのものなのです。

しかし、この海の水は驚くべきことに、昔も今も大量の微生物、植物、そして動物たちをサポートしているのです。そしてこれらの生物資源は、すべてが大きな生物たちに食べられたわけではありません。

あるいくつかは死んで海に流れ落ち、マリン・スノーとよばれ、有機物の雨として海底に果てしなく積もります。

この有機物が、腐敗する前に積もっていくと、海底に有機物の軟泥の層ができ上がります。

しばらくすると、有機物は砂や他の沈殿物へ埋まっていき、時間、圧力、熱が有機物の層を石油や天然ガスへと変えていくのです。

海水位の変化と地殻の動きは、時に古い海底を表面に押し上げます。これがある石油や天然ガスが乾いた土地で見つかる理由です。

しかし、メキシコ湾のように海底にある石油や天然ガスもあります。ここで「プラスチックを作るための石油は恐竜と同じなのか」というもう1つの問いが出てきます。

石油は恐竜から作られているだけではなく、プラスチックも常に石油から作られているわけではありません。かなりの頻度で、プラスチックは天然ガスから作られています。

プラスチックになる前の物体は石油精製物の副産物で、天然ガス液と呼ばれるものです。

天然ガス液は、冷やすことで天然ガスが液体化される、相対的に軽い炭素の化合物からできています。これらの化合物は、私たちが使用するプラスチックの化学反応に使われています。ですから、アメリカ合衆国では、プラスチックを作る資源が多くあるわけなのです。

したがって、石油と天然ガスは同じものに由来していますが、それは恐竜の墓ではないのです。数えられないほど多くの微生物、植物、動物がある太古の海底から来ているんですね。だからこそ、あなたの子どもたちはプラスチックの恐竜で遊べているというわけです。

この事実を子どもたちに伝えるかどうかは、あなた次第ですけどね。