おならの臭いの原因は

マイケル・アランダ氏:「食べ物の近くで裸のままおならをしてはならない」というのは、2001年にオーストラリアの数人の科学者がおならについて研究を行って出した、冗談交じりの結論となっています。

病院の手術室で働く看護師は、無菌室の中でおならをすると感染症の問題が出るのではないか、という問いを投げかけており、おかしな質問ではあるものの、あながち的を射ているのかもしれません。

そんなこともあり、おならはもともと有害であるのか、もしくは単なる悪臭を放つガスの雲であるのかについて、調査のメスを入れることになりました。そしておならはなにでできているのか分析することが、1つの研究の対象となりました。

医学雑誌が示すところの腸内ガスは、日常生活で吸い込む空気が一部に混ざっているとのことです。しかしおなら成分の多くは、膨大な腸内細菌が炭水化物を消化してガスとして放出している副産物であるということです。

人は1日のうちに20回かそれ以上はおならをしますが、そのほとんどは窒素、酸素、二酸化炭素、そして水素のように無臭です。しかし少量ですが、なかには悪臭を放つものもあります。

その犯人はメタンかと思われますが、実は違います。メタンは燃えやすい性質を持っており、温暖化ガスですが、臭いはありません。言うまでもありませんが、そもそも全ての人がメタンを発する腸内細菌を持っているとは限りません。 臭いの成分になっているのは、硫黄を含む少量の混合物なのです。その混合物というのが硫化水素、メタンチオール、そして硫化ジメチルです。

硫化水素は無色のガスで、腐った卵のような臭いがします。燃えやすく、大量の有毒物質を含んでいます。他の毒素のように硫化水素は、エネルギー生成に関わる細胞内ミトコンドリアのえさとなる酵素吸収の邪魔をします。

幸運にも私たちがするおならには、ほんの少量しか含まれていません。なのでたとえ臭いを嗅いだとしても、大変危険であるとは言えません。

メタンチオールはもう1つの硫黄貨物で、野菜が腐ったような臭いがします。口臭やチーズの臭いにも含まれる細菌が発しているものと同じです。かなり高濃度になると、硫化水素なみに有毒となり得る物質となります。

しかし先ほども言ったように、おならとしては臭いますが、決して危険になるほどの量が含まれているわけではありません。

そして硫化ジメチルです。これは甘い臭いがすると言われていますが、決して良い意味ではありません。例えるならキャベツのような臭いと想像してください。

今あげた3つの化学物質の量は、食べたものによって決まります。キャベツやブロッコリ、または卵のような硫黄をたくさん含む食品をつまむと、腸内細菌は硫黄を含むガスを多く出してしまいます。そんなものを出してしまったら、周りの人は部屋から出て行きたくなりますよね。

幸いにも2001年のおならの感染力の研究では、服を着ている状態でおならをしていれば細菌は広がることはないことを発見しており、手術中だった医者にとっても問題はなかったようです。

だからおならの臭いは、会社で一緒に働く同僚にとっては迷惑以外のなにものでもないですが、害はないので安心はできそうですね。