声がうわずってしまう理由

マイケル・アランダ氏:たくさんいる聴衆の面前で何かを発表するとき、勢いのある出だしを切ることができたのはいいですが、途中で声の調子を崩すことがあります。そしてこの決まりが悪くも輝かしい栄光の中にいる状況で、全く声の調子がとれず震え出すことがあります。

気休めにもなりませんが、これはいついかなるときも誰にだって起こり得るのです。そして大体の場合、それは思春期、ストレス、病気が原因だったりします。

声は主に喉頭、もしくは発声器から作り出されます。

喉頭粘膜の中には左右に分かれる2つの弁がありますが、それが声帯と言われるものになります。

声帯は息をするときに開いて空気を通し、発声のときには閉じます。肺から空気が押し出され、閉じた声帯のひだが震えることによって、話したり歌ったり、叫んだりするときに音となって出てくるのです。

声帯はまたその位置によって声の高低がかわりますが、その位置はおよそ170も存在すると言われています。子どもの声帯は大人の声帯よりも短い分声が高いですが、思春期に入ると声帯は長く厚くなり、太く低い大人っぽい声になるのです。

ギターで言うところ、弦が長ければその分低い音を奏でるといった具合です。

突然の発声器の成長は、声帯に安定した振動を与えることができず、声は一時的な段階においてよくしゃがれたりうわずったりします。

声帯は幼い頃の高い声を覚えている?

そして声がおかしくなってしまうもう1つの理由に、マッスルメモリーが関係しています。

声帯は自動的に以前普通に出せていた声の高低を記憶しており、一時的であるにしろ高音が出ていた頃に戻ってしまうことで甲高い声が出ることもあります。

男性の思春期は女性の思春期に比べ多く喉頭の発達を伴っているため、その過程の中で声が変化していきます。では、思春期に訪れるはずのホルモンの変化を経験することのない大人はどうでしょうか。

大人が声の調子を取り乱してしまう多くの場合は、ストレスと病気が原因としてあげられます。不安なときあなたの声帯は緊張で硬くなり、抑えることができなくなります。

またストレスの多い場面で、ついつい深呼吸を忘れてしまいがちな場合もそうです。呼吸が浅いと、十分に声帯を撼わせるだけの力が働かなくなり、声が小さくなりがちになります。さらに口や喉が渇いていると、震え声の出来上がりとなるわけです。

急に叫んだり悲鳴をあげることによって声帯にストレスがかかると、喉が腫れて声がおかしくなってしまうこともあります。

極端な例ではありますが、声を張りすぎ続けると声帯に硬いタコのような結節ができることがあり、それがだんだん大きく硬くなることがあります。炎症や結節は空気の流れを止め、深刻になってしまうこともあります。

風邪をこじらせてしまうと咳やくしゃみで声帯が刺激され、結果しゃがれてしまうこともあります。

さらに体の自然治癒力が声組織を正常時より厚く太くしてしまい、声が枯れてしまうこともあり、風邪が治ってもしばらくそれが続いてしまうこともあります。

つまり発声器は何らかの理由で傷ついてしまうことによって、スクービー・ドゥーに登場するシャギーのような、うわずったようなしゃがれ声になっていることがあるということです。