企業の成長を阻む要因とは

関口和一氏(以下、関口):一方でですね、成長したいと思っていてもできない時とか、苦しいときって多分あると思う。さっきも、2007年の話を熊谷さんがされていたと思うんですけれども。

ですから、成長を阻む要因として、こういうことは気を付けなければいけないのじゃないか。それは内的な要因もありますし、外的な要因もありますし、あるいは自分自身の中にもあると思うんですよね。そういう皆さんの体験を踏まえていうと、これはやっぱりまずいよねというのがあったら、あえてご紹介いただきたい。

それと、それをどうやって自分は乗り越えたか、という観点でいうと、さっきの2007年の話が出ましたけども、成長を阻む要因としてはどういうものがあり得るのか。大企業で言えば大企業病みたいなものがありますけれども。

どういったものが成長を阻む問題として、熊谷さんはとらえられていらっしゃるのか。それをどうしたら克服できるのかなど、いかがですか?

熊谷正寿氏(以下、熊谷):ひと言で言うと、成長を阻む要因は、失敗したときに認めないこと。失敗はそれこそ諦めなければ最大の成功なんだけど……。失敗して諦めちゃう、あるいは失敗したことを認めないことですね。

VCの投資の案件に私も出席して、審査したりすることもあるのですけれど、うまくいってないんですよ。うまくいってないのだけど、それをやっぱり認めてないから。もう明らかに間違っていることにずっとこだわっちゃっているみたいなところもあったりとか。それって成長しないですよね。やはり成長は、いかに自らが知らざるかを知ることで。

余裕のないチャレンジは失敗しやすい

熊谷:失敗をポジティブに認めたときにこそ、成功、成長のきっかけがつかめるわけじゃないですか。だから、やっぱりそこってすごく大事だと思いますね。あとは小学生みたいですけれども、「なぜ?なぜ?」って。

子どもは、「なぜ? パパどうして?」って言うじゃないですか。あれも実は経営にすごく重要な要素で、「なぜ?」って絶えず思っていたりしないと問題点に気づかないんですよね。

組織というのは、実は問題の巣なんですね。組織は問題の巣である。問題がないとすると、組織に目標がないか、管理者そのものが問題か、どっちかなんですね。だから、必ずなぜなぜ病というのがすごく重要で、それを忘れたときに成長は止まりますよね。以上です。

関口:森川さんはどうでしょうか? 成長を阻む要因って、なんですかね?

森川亮氏(以下、森川):大きく上って成長してきて、そのときに僕たちの会社は、プラットフォームを作ってきたんですけれども、プラットフォームを作るときっていうのは、すごくリスクもあって、それを考えるとあまり誰もやっていなくて。

ただこれから伸びそうで、かつ伸びたら大きいものに投資してきたのかなと思います。ただ、それってタイミングがすごく難しくて、失敗すると大きなリスクになるんですよね。

ちょっとお話を戻すと、まず重要なことは余裕がないとダメだと思うんです。余裕がなくてチャレンジすると、長期的にコミットできないと僕たちのチャレンジってうまくいかないので……。

そうすると途中で失敗するというのがあるので、まずは余裕がひとつ。あとは、ある程度いけると思わないものはあえて待ったほうがいいのかなと。ある程度見えたときに、どんと階段を上るような、そういう目指す方向とタイミングが結構重要かなと思います。

成長を阻むのも人間、例えば役員とか(笑)

関口:次、松本さんにお聞きしたいのですけれども。このあとに会場の皆さんから何でも結構ですので、ご質問をいただきたいと思います。それを踏まえて、今度またこっちに戻して、あとの議論を続けたいと思うのですが、じゃあ、松本さんのほうはいかがですか? 成長を阻む要因というのは、会社の経営にとってどんなことが言えるのでしょうか?

松本大氏(以下、松本):成長のドライバーというのは、やっぱり人間なんだと思うんですよね、経営者とか。だから、成長を阻むのも、成長を阻むような人材。役員とか(笑)。それは取り除かなければいけない。

それから自分の中に弱気になるとか、そういうことがあったらそれは、無くさなければいけない。無くせないなら辞めなければいけない。

成長を取りにいくというのはリスクを伴うことなので、経営陣を考えたときに全くリスク感覚がない人ばかりで経営しているのも、いかがなものかと思うのですけれども。やっぱりそういう成長に対する意欲、リスクを取る意欲が減らないように整理をしていかなければいけないんだと思いますけれどもね。

仕事に対する好奇心をなくしたら、ビジネスは負ける

関口:ご自身としてはどうですか? そのボルテージは今も変わってないですかね? リスクを取ろうという意識。ある程度500億円くらいの会社のトップになっていると、「俺もここまで来たからもうそろそろいいかなぁ」という気持ちも、どっかで芽生えてきても不自然ではないと思うのですけれども……。

松本:いや、僕は変わってないです。というか、自分のやっている仕事に対する好奇心がもし落ちたら、絶対ビジネスは負けるというふうに自分に言い聞かせてきていて。

言ったからといって好奇心の高さを変えられるわけではないのですけれども、幽体離脱みたいにして自分を見たときに、自分のビジネスに対する好奇心は10年前、15年前、創業時と変わってないだろうかと。下がっていたら勝てるわけがないと、他の会社に比べて。と思うようにしていて。

リスクに対してもそうですね、成長に対するリスクを取る気があるか。取れなくなっているなら、もう成長しないよというふうに自分には言っていて。そうするとストップウォッチがなければ速く走る練習ができないように、自分自身の好奇心とか、リスクに対する気持ちというものをちゃんと測るように自分の中で努力していれば、案外維持できるとは思っていますけどね。

好奇心がなくなったら辞職を覚悟

関口:それは自分に対してどうやって言い聞かせるんですか? 毎朝、鏡に向かったときに、「お前ちゃんとやっているか」とか、何でもいいんですけれども。そういう自分のテンションを下げないためには、どんなことをされているのですか?

松本:ちゃんとやっているか? とは言わないんですよ、自分に。そうではなくて、要するに好奇心が下がっているとか、弱気になったら必ず負けるんだよ、というふうに思っているだけ。……わかります?(笑)

思っていると、私の場合は怖くて下げられないんですよ。好奇心を下げることができない。ただそういうふうに思っていると。「ちょっと下がってきているな」とか、「ちょっとリスクに対する気持ちが取れなくなってきたな」というふうに、どこかで自覚したら、とっとと辞めなければいけないというふうに思っていますけどね。

関口:熊谷さんはそういう意識というのは、どうやって自分で意識づけをしているんですか?

熊谷:自分でモチベーションを上げるしかないですよね。もう意識の問題で、俺やるぞーって思っているしかないと。あとはテクニカルには運動することですかね。

関口:運動?

熊谷:はい。スクワットとかしていると、アドレナリンがブワーッと出てきて(笑)。

関口:健康は大事ですよね。

熊谷:はい。健康はすごい大事です。僕は最近、仕事よりも運動を優先にしていますから、50歳になって。50歳までは仕事を優先にしていたんですね。50になってから、いろいろ人生見直そうと思ってひとつ決めたことは、運動を優先するという。

今ベンチプレス100キロ挙げるんですけれども、アドレナリン出まくりですよ。俺は絶対挙げてやる、ドーンって(笑)。運動はいいと思います。