「人類は200歳まで生きられる」 がん細胞を死滅させ、食糧問題までも解決する“プラズマ”の可能性とは?

プラズマで第四の癌治療を目指す #1/1

「プラズマ」を用いてがん細胞を死滅させる実験など、プラズマの医療分野への応用を研究する名古屋大学教授・堀勝氏。「自分の使命は、プラズマを新たな学問領域として体系化すること」と語る同氏が、その魅力と可能性について分かりやすく紹介します。(TEDxNagoyaUより)

神は、プラズマと私を結びつけた

堀勝氏:皆さんこんにちは。今日は、ここに皆さんと一緒にいられることが本当にうれしいです。また、非常に光栄に思います。このような機会を与えてくれたTEDの若人には、本当に感謝します。私、堀勝と言います。堀というのは土偏の堀で、土を、溝を掘る。そして、勝はWIN。物をほじくって、堀を作って、そしてWINに持っていくのが名前から定められた私の宿命なんです。

この掘るというのが、プラズマと大いに関係がある。まさに私は、名前からプラズマと結びつけられたわけです。また最近分かったんですけど、中学三年生の卒業論文で、私はプラズマサイエンティストになりたいと書いているんですよ。今まで知りませんでした。しかし、神はプラズマと私を結びつけたわけです。

(会場笑)

皆さん方も気を付けたほうが良いです。何かを書くと、そうなっちゃう。逆に言えば、夢は書けば叶うかもしれない。まさに、このプラズマプロフェッサーが今日、プラズマについて皆さん方と楽しみたいと思います。

人類はプラズマから生まれたと言っても過言ではない

じゃあ、プラズマってなんだろう? 

固体(氷)がありますよね。温度を上げましょう。液体になると、水になります。次は何になりますか? 気体(水蒸気)になりますね。そして3000度に上げると、プラズマが出来る。電子が外れて、プラスとマイナスの状態になっています。電気的に中性なので、上の方(固体・液体・気体)は第三の状態、こちら(プラズマ)は第四の状態と言います。

でも3000度って特殊な状態、プラズマはマイノリティだよね……それは大間違いなんです。宇宙の99.9%は、プラズマなんですよ。138億年前にビックバンで宇宙が出来て、太陽もプラズマのエネルギーで動いている。地球は、そのおかげで栄えている。

皆さん方の周りには、太陽から来たオーロラが降り注いでいる。太古の時には、地上にオーロラがピカピカしていた。そこで新しい化学反応が起きて、人類が生まれた。皆さん方もプラズマから生まれたと言っても、過言ではない。人類はプラズマの申し子、かもしれない。

プラズマをテクノロジーに応用する

次行きましょう。

じゃあ、プラズマって、いつだれが名前を付けたのか? 138億年前に出来たプラズマに名前を付けたのは、なんと1928年です。Langmuir(ラングミュア)が、プラズマは電子、イオン、ラジカル、光の集合体であると、彼は実験していたんです。

こんな容器の中で、人工的にプラズマを作った。ガラス管を大きく曲げると、プラズマはガラス管と同じように進みます。彼はそれを見て、「これは新しい状態だ、名前を付けなくちゃいけない」とこう言った。形を変えるとそれと同じように動くのは血液……血管に血液は流れますよね。プラズマはそれに似てるな。彼はその時に、その名前をパクってしまった。血漿、血液のプラズマを見て、プラズマとつけてしまった。

しかしながら、今日お話しします、血液にプラズマを当てるということが、今起きているのです。どっちがプラズマですか? プラズマにプラズマを当てる。大混乱!

(会場笑)

ラングミュアもびっくりしているでしょう。こんなことが起きるとは。そんな面白い世界が、これから起こります。それをお伝えしたい。

まさにプラズマとは人工のオーロラです。真空の中にガスを入れて、電界をつけるプラズマを作る。プラズマから生まれた人類は、これを今、テクノロジーに使っています。蛍光灯、ネオン管、ここの照明……これ全部プラズマなんです。光をプラズマから得る。

さらに皆さんが使っている携帯、コンピュータはどうやって作っているか知っていますか? プラズマの中の粒子をぶつけて、穴を掘って、微細な堀を作って、そして皆様方、WINを持っているんです。その言葉、何処かで聞きませんでした? 

(会場笑)

穴を掘って、掘って、WINを作っている。まさに私。だから、私とプラズマはすごく関係がある。皆さん方を幸せにすることが出来る。すなわち、ほとんどすべての産業はプラズマを使って、皆さんを幸せにしているんです。プラズマが無かったら、石器時代、青銅器時代、鉄器時代……鉄まで戻っちゃうんです。

名古屋大学が開発した常温常圧のプラズマの可能性

こんなに素晴らしい技術、そしてこのようなオーロラの状態……プラズマサイエンティストにとって、我々はプラズマから生まれたのならば、我々にプラズマを当ててみたいと思うじゃないですか。しかし、真空の中でのプラズマ。この真空の中にカエルを入れたら、どうなりますか? はじけてしまう。じゃあ地上でプラズマを作れませんか? ろうそくの先っちょがプラズマ。生命はそこに作れません、燃えてしまいます。

ところが、恐ろしいことが起こってしまう。常温常圧のプラズマが出来ちゃったんですよ。プラズマを人体や生体に当てられる時代になってしまった。まさにスターウォーズのアークのようなもの、これを手に当てられるようになっちゃんたんですよ。

今、むちゃくちゃ面白い産業の革新が起きている。その素晴らしい世界を、今日皆さんにご紹介したい。プラズマを生物に当てる、今までは出来なかったことが出来るようになった。じゃあ、名古屋大学が発明した常温常圧のプラズマを、皆さんで見ていきましょう。

世界一密度の高い、室温の、この場で出来るプラズマです。オーロラをこの大気圧で作っている。綺麗ですよね。生命の神秘がここから宿ったと思うと、この不思議な現象をどこに使いたいか、皆さんわくわくしませんか?

プラズマでがん細胞を死滅させる

じゃあ、何に使えるか? 血にプラズマを当てると、すぐに血が止まる。潰瘍にプラズマを当てると、潰瘍がすぐ無くなる。もっと朗報がある。しわにプラズマ当てると、しわ無くなっちゃう。不思議ですよね。でも、私がやりたいのは、ガンを殺せないか。がん細胞にプラズマを当ててみた。この中にガンがいっぱいいるんですよ、殺したいですよね、憎きガン。

これは素晴らしい結果です。(左上)これはガン、卵巣がんです。なかなか治らない。(左下)普通の細胞。プラズマを当てた後を見ましょう。(右上)小さくなってガンが死んじゃってる。(右下)普通の細胞、全く死なない。しかもガンは、アポトーシスというので死んでいる。アポトーシスってなんやろう? 例えば堀を抹殺したいと、英国政府が思った。何をしますか? 「007」を呼ぶんですよ。「007」を呼んで、私にナイフでブスッ……。出血して死にますよね。しかし、プラズマプロフェッサーはそう簡単に死なない。「007」にやられるような人間は、名古屋大学の教授になっちゃいかん。

(会場笑)

どうやって殺すか? アポトーシスで殺すんです。ささやくんですよ。「浜口総長怒ってるよ」。堀に伝わる。堀は「浜口総長怒ってる、浜口総長怒ってる……いない方が良いよね?」自分で勝手に死んでいく。

(会場笑)

2日後には、堀はいなくなっている。これがアポトーシスです。「007」も真っ青のがん細胞の殺人鬼、それがプラズマなんです。今までプラズマサイエンティストは、ガンに対して何もできなかった、ガンの患者を救うことは全くできなかった。お医者さんに祈るだけで。しかし、今はお医者さんとプラズマサイエンティストが一緒になって、ガンを殺す、そんな研究が出来るようになった。

プラズマが人類を救う

そして、プラズマから何が出ているか。重要ですよね。今まで誰も量ることが出来なかった。名古屋大学は素晴らしい。プラズマから何が出ているのかを、手のひらサイズで量れるようにしてしまった。これを見て、今何がガンを殺しているか、わかるようになった。素晴らしい技術が、今ここから生まれようとしている。

今は山中さんのiPS細胞で、ガンになったところを取り換えられるようになった。人類は何歳まで生きられるか。私は200歳まで生きられるんじゃないかと。脳以外は、壊れたところを取り換えればいいんですよ。皆長いこと生きられるな、ベリーハッピー。しかし、そうは問屋が降ろさない。人口が70億から100億になったとしても、食い物がない。

1番怖いのは食べ物と、鳥インフルエンザ感染者。このふたつが、次の人類の敵になる。じゃあ、プラズマはどうしますか? ガンを治せるようになったら、次のプラズマの使命は何ですか? プラズマは素晴らしいんですよ。みかん、カビが生えますよね。プラズマを当てたみかんは、カビが生えない。ここにいるアオカビなどを殺菌、全部殺すことが出来る。食料を食べる前にプラズマをシュッとかければ、O157や鳥インフルエンザにはならない。そして、食料はいつも新鮮である。素晴らしいです、プラズマはまた人類を救うでしょう。

液体の中でもプラズマが使えるようになった

最近、もっと素晴らしいことが起きた。地上のオーロラってすごいですよね。しかし、液体の中で、オーロラが作れるようになっちゃった。最近は液体の中でプラズマが発生する。こんな世界、想像できますか? 空ですよ、オーロラは。しかし、それが水中の中でオーロラが出来るんですよ。皆さんに今度見せてあげます。プラズマのセンターに来てください。ウェルカムです。でも、これ何に使うんだろう?

金魚。プラズマ水で作った金魚。

(会場笑)

2センチの金魚が、1年間で30センチになるんです。これ私が写真で撮ったんです。今の皆さん方の食料、死んじゃったらいけない感染したらいけないと、お魚さんは養殖する時に、安全かどうかわからない抗生物質をいっぱい使う。しかし、この綺麗なプラズマを炊いて魚を育てれば、1年間で30センチになる。食糧難はプラズマで救うことが出来る。素晴らしい。

プラズマを学問領域として体系化するのが私の使命

最後です。皆さんプラズマの世界、楽しんでもらえましたでしょうか? プラズマから生まれた人類は今、プラズマを使いながら皆さん方を幸せにしようとしている。私はこのプラズマ研究に、人間は何処からきて、そしてどこに行くのか、これがわかる科学が、プラズマじゃないかと思っている。

しかし、「金魚が大きくなってすげえな」、そこにもうひとつ重要なのは、科学者の使命であるサイエンスにすることです。そのためには……皆さん、プラズマというのは、いろんな学問の融合です。今でも最先端の科学技術を作りながら、そして科学までも作れる学問、プラズマしかないです。

これから必要なのは、サイエンスにする、これをすべて統括するのが私の使命。ひとつひとつ、なぜだ、なぜだと……。そして皆さん方に伝えて行くのが、私の使命だと思っています。しかしながら、医学の先生、科学の先生、言葉が違うんですよ。なぜかというと、ここにはギャップがある。

今日の主題を知ってますか? 若人たちが作った主題。「Brudge the Gap」。私はプラズマを用いて「Brudge the Gap of Size」、これを作っていきたいと思います。皆さん方、これからプラズマから何が出てくるのか、非常に楽しんでください。また、応援をしてください。自分の人生をかけて貢献したいと思います。以上です、どうもありがとうございました。

<続きは近日公開>

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