2024.12.10
“放置系”なのにサイバー攻撃を監視・検知、「統合ログ管理ツール」とは 最先端のログ管理体制を実現する方法
提供:トーマツ ベンチャーサポート株式会社
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司会者:これより「世界のスタートアップから学ぶ最先端テクノロジーが拓く未来」と題した講演を行ってまいります。
本セッションのモデレーターは、トーマツベンチャーサポート株式会社、アジア地域統括の西山直隆が務めさせていただきます。それでは西山さん、よろしくお願いいたします。
西山直隆氏(以下、西山):みなさん、おはようございます。
会場:おはようございます。
西山:本セッションでは、最先端のテクノロジーを開発している経営者の方々からお話をいただき、具体的に今後どのような世界が実現されようとしているのか、考察をするプログラムになります。本セッションは私、トーマツベンチャーサポート西山が務めさせていただきます。
本セッションは、インターネット・オブ・シングス、IoTにフォーカスをしてお話をしていきます。急速な技術革新によって、さまざまなデータを取得することが可能になりました。取得されたデータをネットワークを通してクラウドに送信、膨大なビッグデータを人工知能、ディープラーニングを用いて解析。従来まで時間を要していた分析を短縮化、あるいは今まで見つけることができなかった解答を自動的に得られる。そんな世の中になりました。
そして、それらの情報に基づいてアウトプット、手足として動作をするロボットやドローンなどのアプリケーションの幅が広がっています。また、それら全体をサイバー攻撃からいかに守れるか。セキュリティ技術の必要性が増しています。
センシング、デバイス、ネットワーク、クラウド、AI、ロボット、ドローン、そしてサイバーセキュリティ、各分野で新たな技術が日進月歩で開発されています。そして、これらを組み合わせたIoTの技術がさまざまな産業で急速に活用され始めています。
例えば、工場で使用するインダストリアルIoT。日本では経済産業省が「Connected Industries」の概念を提唱しました。あるいは、医療・ヘルスケア、農業・アグリカルチャー、自動車では無人運転をはじめとするコネクテッドカーが注目されています。エネルギーコストの削減や、見守りサービスとしてのスマートフォン、関連する産業は非常に多岐にわたります。
本日は各産業ごとの話ではなく、IoTを構成する各技術レイヤーごとに、どのような新技術が開発されているのか。そういった観点でプレゼンテーションを進めてまいります。
これより、各技術レイヤーごとで活躍する世界中のスタートアップ経営者から、最先端のテクノロジーについて披露していただきます。
まずは1社目です。1社目は、シリコンバレーから来日したFogHorn社です。通常、取得された膨大なデータはクラウドに送信され処理をされる、いわゆるクラウドコンピューティングの時代が主流でした。
ところが、広範囲に分散した物同士がつながるこのIoT時代においては、各IoTデバイスから遠く離れたクラウドに送るということは、コストの面でもレスポンスの早さという面においても、非効率な場合があると考えられるようになってきました。
そこで、より効率的な処理方法のあり方として注目を集めるのが、それぞれのIoTデバイスから、近い場所で処理を行うエッジコンピューティングです。
エッジコンピューティングとは、ネットワーク端末のそばでコンピュータ処理を行うことを示しています。つまり、わざわざ遠隔地にあるクラウドに送信する必要がないため、ネットワークコストがかからない。また、リアルタイムでデータの解析ができるメリットがあります。
また、エッジコンピューティングを導入することで、データセンター負担を大きく減らせます。ビッグデータの一次処理を行うものとして、エッジコンピュータの存在に期待が高まっています。
それでは、さっそくエッジコンピュータで最先端を走る、シリコンバレーのスタートアップからまいりましょう。1社目はFogHorn社です。みなさま、拍手でお迎えください。
(会場拍手)
David King氏(以下、David):西山さん、ありがとうございます。簡単にFogHornについてご紹介いたします。
1年前も日本に来ましたけれども、また戻ってこられて非常にうれしく思います。前回来日後に一連のファンディング資金を受けました。エッジコンピューティングまたはフォグコンピューティングとも呼ばれています。
これはプロセシングをIoTのマシンデータの近いところで処理をすることです。エッジインテリジェンスということになります。
これはどういうことかというと、アナリティクス、マシンラーニング、AIなど、そして、データのストリーミングをエッジで行うということです。
ここでのエッジとは、スケーリングのエッジではなく、IoTのネットワークのエッジです。データをセンサーから集めて、そしてコントロールシステムやIoTのゲートウェイ、またはサーバーやセンサーなど、そういったものも含まれます。
そういったインテリジェンスで、1年前に一連のシリーズAを行いました。例えば北米だとGE。GEというのは、インダストリな分野で石油やガス、または機関車、ジェットエンジンといったところでのリーダーです。
それから、ドイツのBOSCHのインダストリー4.0のリーダーです。また、車のエレクトロニクスのNo.1のプロバイダーとなっています。昨年、非常にうれしかったのは横河(電機)からも資金をいただきました。
インダストリーシステム、石油・ガスなど、そういったところに提供しています。
また、非常にシリコンバレーとしてはめずらしく、インダストリアルの分野に集中しています。私たちのテクノロジーパートナーには、こういったところも含まれています。
Saudi Aramco(サウジアラムコ)なども入っています。こちらもガス会社であります。それからインキュベーターのパロアルトの会社など、こういったさまざまな支援をいただいております。
1年前ですけれども、私たちは「非常にディスラプティブな会社だ」と各紙、各機関から評価をいただきました。クラウドコンピューティング、またアナリティクス、マシンラーニング、AI、ディープラーニング、すべてをクラウドで行うわけでしたから。
エッジのほうからどのように情報を得るか、知識を得るか。私たちはクラウド・ダウンではなくエッジ・アップと考えたわけです。つまり、高速の処理を小さなプロットで行い、理想的なかたちでインダストリアルな世界でやろうとしたわけです。
ということで私たちは、例えばAmazonやMicrosoftなど、Googleよりも高いランキングをこのようにAppcessoriesでもらっています。
私たちが力を入れているのは、インダストリアルの分野です。ウェアラブルとか、ホームオートメーションとか、スマホのアプリケーションではなく、製造やエネルギー、輸送、スマートシティ、または鉱山といったところです。
つまり、たくさんのセンサーデータがあり、継続的に情報が入ってくる。例えば、ビデオやオーディオセンサー、その他に物理的な温度、圧力、バイブレーション、またはテレメトリー。そういったセンサーもあるわけです。
そういったものが、500億のデバイスから入ってくるわけです。こういったデータをクラウドに送るとなると、あまりにも多い。そして間違ったデータも入っているので、リアルタイムのレスポンスを得ることができない。また、リアルタイムのリアクションを得られない。
ということで、FogHornが作ったのは3レイヤーのソフトウェア・スタックです。それによって、インジェスチョン・レイヤーということで、数ミリ秒でこの情報をインジェスチョンできるわけです。そして、それを取り込むことができます。
(スライドを指して)真ん中のオレンジのところ、ここが私たちのIPです。ここでデータをエンリッチすることができます。また、CEPアナリティクスもここでできます。これをミリ秒でできることになります。
それから、マシンラーニングの能力もここにプラスするということになります。リアルタイムのルール実行ということだけでなく、トレーニングもできるのですね。エッジでマシンラーニングができることについて、これまでは不可能だと考えられていました。
マシンラーニング・アナリティクスを、いろいろなユースケース、業界でやっています。中でもコンディション・モニタリングやプレディクティブ・メンテナンス、アセットパフォーマンス・オプティマイゼーションなどが、主要な例です。さまざまな環境で使うことができます。
ということで、OEMパートナー、GE、Bosch、横河などが私たちを支援してくれています。また、Soudi Aramcoなど、そういった製造メーカーも私たちのカスタマーです。ご清聴ありがとうございました。
(会場拍手)
西山:1社目はデバイス側での処理、エッジコンピューティングの世界についてお話しいただきました。エッジコンピューティングは今後、自動運転をはじめとするリアルタイムで処理が求められるアプリケーションにおいて、非常に重要なテクノロジーになります。
今後、このテクノロジーをより普及させていくために、もっとも重要になるのが、この脳みそ部分である半導体チップになります。現在も、たくさんの半導体チップが存在します。ただ、パフォーマンスはまだ十分とは言えません。
そして、重要になるのが消費電力です。いかにバッテリー寿命を長く持たせることができるか。バッテリー寿命を非常に食う半導体チップでは、実用化面で課題が残ります。
続いて紹介するベンチャー企業は、ThinCIというアメリカとインドを拠点に、独自で最先端の半導体チップを設計・開発するベンチャー企業になります。実はこの会社、世界の名だたる大企業のエグゼクティブたちが、個人投資家として名を連ねるユニークな企業でもあります。
日本企業からはデンソーさんもご出資をされている、最先端の半導体チップのベンチャー企業になります。
それでは、さっそくまいりましょう。2社目はThinCIになります。どうぞみなさま、拍手でお迎えください。
(会場拍手)
Dinakar Munagala氏(以下、Dinakar):西山さん、ありがとうございます。みなさま、おはようございます。このような機会をいただきまして、ありがとうございます。私は共同設立者、そしてCEOです。
コンピュータビジョン、機械学習、そしてプロセッサーの会社です。そういうワークロードにフォーカスをしています。
プロセッシングをAI、ディープラーニング、マシンラーニング用のワークロードに対して行っていくというものです。市場は大きいと言えます。2020年が150億ドル、そしてどんどん1,520億ドルになっていくと考えられていて、エキサイティングだと思っています。
新しい種類の処理、プロセッシングです。CPU、GPUが解決できないこと、それがグラフコンピューティングと呼んでおります、新しいコンピューティングの考え方になります。
主要なターゲットアプリケーションはニューラルネットワーク、マシンラーニング、そしてエッジプロセシング、インファレンスエンジンのようなものです。
そして、アプリケーションとしましては、自動走行車のようなものに活用できます。
デンソーさん、Magnaさんと大きなパートナーシップを持っております。そして、収益も成長しつつあります。
まず、エッジデバイスから始まりました。それを拡大し、異なる業種、そしてクラウドへと展開してまいりました。グラフコンピューティングとはなんでしょうか? 日常の現実の例ということで、自動車を例にとりたいと思います。
自動車ですけれども、48本の異なるセンサーがあります。ライダー、レーダー、カメラ、そして、その背後にあるセンサーに対して使う処理は、通常の典型的なパイプラインではないんです。
これにはいろいろなステージがございます。そして、異なるデータフローがそこに流れてまいります。そこでグラフコンピューティングが役割を果たします。
ライダーの処理、3Dモデル、そしてカメラのプロセスだと画像処理をしていきますし、車の前になにが物体としてあるのか、そしてフリースペースを理解していくことが必要になります。
3Dの世界、ライダー、レーダー、そしてカメラから出てきたものを融合させていきます。さらに左に行くのか、右に行くのか。そういったことを考えていくので、複雑な処理になります。それを合理性を持って、対応できるようなものが必要です。
アルゴリズムをカメラ、またいろいろなプロセシングに適用していきます。
他社製品と比較して、どれくらいいいものかという、定量に示したのがこちらの資料です。
GoogleNetやいろいろな業界標準の比較になりますが、Nvidia P4と比較しますと45倍高い効率性を私どもは持っております。
自動走行車の科学は大変迅速に進捗しています。これから2年の間には、すべての問題が解決されると言われています。しかしながら、エンジニアリングの問題は、これからさらに解決していかなければなりません。そのために、パイロットプロジェクトを設けております。
左側を見ていただきますと、スーパーコンピュータが車のトランクの中に入っています。1万6,000ワットになります。なので、小さなノートパッド的にこれを展開できるようにすれば、商用展開は可能になります。
これは私たちのラボで、機械学習のアルゴリズムを使ってフリースペースの識別、そして、車を運転するためのビデオです。
車というのは出発点です。リテールや物流、金融、そしてヘルスケアという、いろいろな業種にチャンスは広がっていると思います。プログラムチップなど、いろいろな業種に対して適用を効率高く行うことができます。
そして、私たちは経験豊富です。Intelでの経験があるチームです。デンソーそれからMagnaさんに、パートナーになっていただいております。
このような機会をいただきまして、ありがとうございました。そして、ご清聴いただきましたこと、お礼を申し上げます。
(会場拍手)
西山:デバイス側でのパフォーマンスについてお話しいただきました。
とはいえIoTの世界では、多くの機器はネットワークを通してクラウドにデータが送られます。そして、インターネットに接続される機器の数、取得できるデータは、年々爆発的に増加しています。
ここで課題になるのが、求められる通信ネットワークです。トラフィック量が急激に増加することで、通信ネットワークのさらなる高速化・大容量化が課題になります。既存のネットワーク機器を増設して高速化・大容量化を進めた場合、ネットワーク全体の消費電力が著しく増加することが予想されます。
では、世の中に存在するすべてのネットワークを、我々はうまく活用できているのでしょうか? 実はまだ有効活用できていないネットワークがあるのではないか?
続いての登壇者は、Super Wi-Fiと呼ばれる、言わばネットワークのシェアリングエコノミーをやっている会社です。Super Wi-Fiという言葉、お聞きになられたことはありますでしょうか?
続いての登壇者は、この技術の第1人者であるシンガポール科学研究機関からスピンアウトしたベンチャー企業になります。
それでは、ご紹介しましょう。3社目はWhitzspace社です。どうぞみなさま、拍手でお迎えください。
(会場拍手)
Ser Wah Oh氏(以下、Ser):ありがとうございます。みなさん、おはようございます。Ser Wahと申します。シンガポールからまいりました。Whitzspaceの代表です。今日は私たちの技術ということで、TV White Space、Super Wi-Fiについてご紹介いたします。
この技術は、シンガポールの政府の研究機関で開発しました。イギリスのBBCからも、この技術についての取材が来ました。また、インドのテレビニュースでも、この技術について紹介されました。そのほかにもありますが、省略したいと思います。
なぜこういった技術を私たちがやっているか。まずはIoTのバリューチェーンを見てみます。センサーからコネクティビティ、そしてサイバーセキュリティ、アナリティクス、ビジュアライゼーションなどがあります。
なぜこれが速くないかというと、このコネクティビティというものがボトルネックになっているんですね。
もう少し細かく見ていくと、IoTのネットワークの中にはセンサーがあり、そして、データをアグリゲーターに送る。つまり、クラウドに送る前にアグリゲーターにいくわけです。
このようなアーキテクチャーになっています。多くのセンサーとなると、かなりの帯域幅がないといけない。または、カバレッジがないといけないわけです。
(スライドを指して)右側を見ていただきますと、IoTのコネクティビティのオプションがあります。これを見ていただきますと、十分なカバレッジがないということがわかります。
例えば、ベースステーションをもっと増やすことになるとコストが上がるわけです。こういったさまざまな技術でカバレッジがあるものに関しても、現状では、スペクトルが限定的だという問題があります。ということで、スペクトルが十分にない。このように、IoTのデプロイができていないのは、ここに理由があるわけです。
ということで、私たちはこういったIoTネットワークのスペクトルのレベルを上げようとやってきたわけです。
もう少しくわしくワイヤレス・コネクティビティについてお話します。
ワイヤレスのためには、基本的なこういったスペクトルが必要です。ライセンスのある帯域幅、これはだいたい通信事業会社が持っている。これを利用すると、コストがかかるわけです。
多くの組織の場合には、独自のネットワークを所有することがあります。そうすると、高周波数かまたは低周波数か。高周波数ということになると、カバレッジが少ない。その結果、たくさんのベースステーションを作らなければいけない。コストが上がります。
一方で、低い周波数帯の場合ではTV White Spaceという技術を使うことができます。ここでは、テレビバンドのところで通信には使っていない部分がある。そこを使おうというわけです。それによって、100~200メガのスペクトルを、コネクティビティ用に使えるようになります。
こちらがTV White Spaceです。使われていない周波数帯ということで、これを2つのレベルで実現することができます。
まず1つ目ですが、どういったスペクトルが空いているかを明らかにして、これによっていわゆる従来型の電子事業会社を保護する。そして、どういったスペクトルを使うことができるのか、それを通信用に使えるのかを明らかにします。
このメリットは、かなり長距離で利用することができる。1つのベースステーションで数キロをカバーすることができることです。
こういった技術によって、いくつかの製品を私たちは設計しています。左側の10キロ以上のものを1つのボックス設定するものから、右側を見ていただきますと、IoTデバイス、非常に小型のデバイスでバッテリーで使える。そういったものまで出しています。
(スライドを指して)こちらがアプリケーションの可能性ということになります。まずブロードバンド、IoTのアプリケーション、こういった実際のデプロイの写真を載せています。
ありがとうございました。
(会場拍手)
トーマツ ベンチャーサポート株式会社
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