ぶっとんだキャラ、フィービー

山田:ベビー・グルート(注:『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』のかわいらしいキャラクター)とは『フレンズ』でいったらフィービーなんです。

東村:(笑)。

久世:(笑)。

山田:わかりました? どういうことか、わかりますか?

乙君:ちょっと全然見てない人が8割なんで、さっきからついてこれない人ばっかり。フィービー、ちょっと言ってください。

山田:どんなに深刻な状況になっても、モニカが、レイチェルがってやってるときにフィービーは猫ちゃんが好き。

(フレンズの曲を歌う)

山田:あれなんです。つまり、そういうことだよ。みんないろんなことがあるんだけど、1人踊ってると。

東村:そうなの、二重構造。

山田:二重構造なんで。

久世:かわいいじゃん。

山田:そこで1回、ご機嫌ラインまで上がるんだよ。俺たちは血みどろの戦いをしなきゃいけないし、最悪の時代を生きてるんだよ。だけど、「フィービーがいれば、もつじゃん」って話。

東村:そうね。

山田:Do you know?

久世:Don't you?

乙君:I don't you know.

山田:おわかり? オーマーイ。

山田・久世:ガー。

乙君:駄目だ、もうやばいぞ。

(会場笑)

乙君:伝わらないぞ、誰にも。

(会場笑)

東村:二重構造。

山田:そう。一番この人がそれを謙虚にやってるんでね。だからフィービーがちょっと、実はフィービーっていうキャラクターなんですが。この人、相当ぶっとんでます。

東村:初代天然宇宙人キャラみたいな。

乙君:そうそうそう。

山田:お父さんは売人で、お母さんは自殺してます。お父さんは刑務所入ってます。双子のお姉さんアーセラっていうのがいて、どうにもならない弟がいます。そして、弟のために子供を生みます、この人っていう。

乙君:第2母、結構ネタバレなっちゃうけど。

山田:そして、後ろについてる人たちの存在についてすごく気がつきます。

乙君:そうそうそう、例のね。

山田:あれは冒頭からだよ。だから、落ち込んで妻がレズだったんだっていって落ち込んでるときに、こいついきなりかかってるから。

久世:そんなんやってた?

東村:そうなんだ。

乙君:めっちゃ見てますやん。

山田:なめんなよ、お前、俺のフレンズ愛を、お前。なめんなよ、何年目だと思ってるんだ。

乙君:先輩。

久世:先輩。

山田:全話見てんだ。

フレンズはキャラが活きている

東村:やっぱりね、漫画描く人とか、小説書く人とかは、やっぱりキャラクターをね、いかに作るかっていうのは、すごい勉強になるし。

乙君:本当それはそう!

山田:めっちゃ勉強になる。

乙君:キャラクターのこと。本当このドラマ見てほしい! キャラクターの活かし方、何なのかって。

山田:実は、みんながよく集まる部屋の向かい側に住んでる独身男2人、これが今しゃべってないですけど。これが、しみちゃんですか。乙君がこっちですか。これ、チャンドラー・ビングですね。この人は…。

東村:乙君だわ。

山田:そう、乙君なんです。

東村:屁理屈ばっか言う。

山田:屁理屈ばっかり言ってます。

東村:そこそこね、ちゃんとした会社に勤めてて、すぐ屁理屈言って、あとすぐ子供のときのトラウマ言ったりとか。

山田:そうそうそう。感謝祭でトラウマでとか言い出したりなんかして。そして、めちゃめちゃ事務職があってて、スペックも高いんだけど、そんな自分じゃ嫌だといいながら、そういう会社にまた戻る。

乙君:そうそうそう。

山田:しかも、それは給料次第だっていう、そういうところが非常にチャンドラー。

東村:結構、おじさんなんだよね、本当に。

山田:そうだね。

東村:ジャケットじゃ、わからんないけど。これはイタリア系のね。

乙君:こっちはジョーイで、これは、もうシーズン進むごとに『フレンズ』はジョーイの話になっていく。

山田:どうしてもジョーイですね。

乙君:どうしてもジョーイなんですよ。これに関して後半で言います、僕は。

山田:まじすかー。

しみちゃん・久世・乙君:(笑)。

乙君:ジョーイ最高だよ!

山田:ジョーイ・トリビアーニ、7人兄弟、お姉さんが6人います。それだけでも…。

乙君:妹じゃん。

山田:妹だっけ? そうだ。

乙君:長男なんだ。

山田:だから男は1人だけ、完全な女系家族で女ばっかりいっぱいいて。

東村:甘党なんよね、この人ね。

山田:そうそうそう。

乙君:チョコ大好きなの。

山田:食べるものが大好きでね。だから、落ちたものでも必ず食べるっていうのがお馴染みジョーイと。

久世:(笑)。

山田:そしてイタリア人で完全にイタリア人気質で。

東村:ジャム好き。

山田:必ず女と見たら、必ず口説かなかったら損をしたような気分になる。

乙君:頭の先から爪の先まで、じーっと見て。

山田:何て言うの? 何て言うの?

乙君:「カモンベイベー」って言うんです。

東村:違うよ、違うよね。

乙君:そうだって! そうだって! 言ってもん!

東村:違うよねー。「ハーイ」。何だ。

山田:「ハーイ」。

乙君:あ、そっちね。

東村:何だっけ?

山田:「How you doing?」だけど、日本語訳がいいよね。「元気か~い」(笑)。 溜めて、「元気か~い」誰も言わないそんなこと。

(会場笑)

山田:絶対落ちない、そんなんじゃっていうのを、もう臆面もなくやってくれるのが最高なのがジョーイっていう。でも、この人実を言うと毎回、本気で女を愛してしまうところがたまんなくて。

乙君・東村:あ~。

山田:だからフィービーの双子のお姉さんの、ちょっとクールビューティのほうのアーセラと付き合うときも本当にこの人、本気でアーセラのこと好きになってしまうっていう、あのくだりで一番第1シーズンの名シーンだろうね。

久世:あれは名シーンでしたね。

フレンズ、どこまで見た?

乙君:俺、今シーズン4の17話ですね。なので…。アッコ先生どこまでいったの?

東村:私は、こんだけ呼ばれてあれだけど、最後まで見てないのよ、実は。シーズン10と。

山田:そうなんだよー。

東村:それは、ママ友のユッコがもう。

山田:待てと。

東村:見るときは一緒に見るから見てくれるなって言って、止められてんのよ。

久世:(笑)。

東村:「一緒に見たいから」って言って、だからシーズン7、8ぐらいで、もう止めてるの、わざと。

山田:わ~。

東村:繰り返し見てるのよ。

山田:そうなんだ。じゃあ、ゆっこストップがかかってる。

東村:ゆっこストップで、シーズン6も許されてないぐらいなんだけど。

山田:まじで?

久世:許されてないんだ。

山田:じゃあ、ちょっとだけ見せていいかな、みたいな感じ。

東村:って言って、もうラストは私一緒に見てほしい。

山田:嘘! 俺はシーズン10を一緒に共感できると思って、その後のジョーイの話しようかなって思ってたのになー。

東村:だってさ、シーズン10のさ、最終回ってさ、アメリカの歴代視聴率の何かベストファイブか何かに入ってるんでしょ?

久世:え!? すごいな。

東村:それぐらい、だから半分ぐらい見たみたいな国民の。

山田:もう国民的な大変な人気で。

乙君:最後、ギャラ1話につき1人100万ドルだよ?

久世:やば!

乙君:1話だぜ。

久世:すごいな。

山田:だから俺、その後の続編のジョーイの話をしようと思ってアッコにこれ、あげようと思って持ってきたらさ。これ、全3枚組のね、2しかなかったっていうね。

(会場笑)

山田:全然、渡せねえやつ持ってきた~! 俺~! 1ならまだしも。

乙君:2?

山田:多分これ、俺持ってきてもDVDだから意味ないっていう、ネットで見れるんで。

東村:え!? ネットで見れるの?

山田:でもよかった、これ、別に見てもらえるんだったら真ん中なんですけど、ジョーイ、こんなことになってるんだよ、おもしろいっすよ。

これはこれで気に入ったら全部見てもらってもいいんですけど。なぜかっていうと、ジョーイ、お姉さんと暮らしますからね。

久世:そうなの?

山田:そう、お姉さんの子供と一緒に。なかなか、これいいです。

東村:は!? お姉さんって、どのお姉さん?

山田:一番ファンキーなお姉さんっていうのが出てくるんで。

東村:この中のね、ジョーイね。

山田:ジョーイのお姉さんの家族の中で、この人がそうなんだけど。

東村:そうなんだ。

山田:そうそうそうそう。

東村:姉、弟ものってこと。

山田:要するにシングルマザーが出てくるんだよ。だからアッコ、多分、好きだと思うんだよ。

東村:見る見る見る。

山田:これ、お姉さんの甥になるんだね。

東村:みんな大丈夫?

登場人物たちは基本、金欠

山田:すいません。そんな感じなんですよ。ちょっと待って。わかりやすくちょっとだけまとめますね(笑)。要するに、『フレンズ』って何かって言うと、現実を見おうとしたアメリカなんだよね。『ER』は…。

東村:みんな結構お金ないしね。

山田:ないんだよ。そうそうそうそう。

東村:ドラマの中で。金欠だし。

山田:そうなんだよ。カードの支払いがどうのとか、家賃どうしようとか、あと結構、失業するんだよね。それをみんなで助け合いながら、こんな仕事っていいながら頑張るっていう。特にジョーイが泣けるんだよ、人のアルパチーノのケツの役から始まる。

しみちゃん・久世:(笑)。

乙君:そう、それ、めちゃくちゃ笑ったんだよ。駄目だしされるのはさ。

山田:それでも役者のプライドがあって、怒りを表現するケツをやるからね、この人ね。

乙君:そうそう(笑)。

しみちゃん:(笑)。

山田:「そういうのはいらないから」って言われる…。

乙君:普通のやつでいいからみたいな。

山田:それくらいの何かがあるみたいな。それで現実はこうだけど。これ、実はね、もう1個あるんですけど。さっき歌ってた曲の。

乙君:『I'll Be There for You』。

山田:レンブランツっていうバンド、誰だよっていう。The Rembrandtsでお馴染みの曲なんですが、『I'll Be There for You』。

あの曲、散々かかるじゃん? 俺、ドラと一緒に『フレンズ』見ながら仕事してるじゃん。

「ドラー、これ、何て歌ってるの?」って、訳詞を俺聞いてて。そんときに感動したわけ。どんな歌か、内容知ってる? あれ。

乙君:知らない。

東村:私、和訳いつも見てるから知ってる。

乙君:まじ?

山田:そうなの。これね、「自分の人生こうなるなんて、そんなの聞いてなかったよ」って。「こんな人生なんて思わなかったよ」って、「お前そう言うんだろ」って。「やってる仕事もつまんねえし、金もなけりゃ、相手もいない、恋愛なんて終わってるんだ」って。

フレンズの感動的な挿入歌

「実力見せてやろうと思ってもギアが2速にスタックしたまんま」上に行かねえぞみたいな。それで、そんな気分になってて、何もうまくいかないと。「長い間くすぶってるけど、いつでもそばについててやるぜ」って。「I'll Be There for You」。

「お前のとこ行ってやるぜ」って。何でかって、その後コーラスで「きっと傍についててやるぞ」の後に、「だってそうしてくれたから」っていうのが入るの。

久世:いいですねー。

山田:お前の歌じゃん? これ。

久世:それは、みんなの歌だな。

東村:あれ、セカンドギア。

山田:「セカンギー」それがセカンドギアまで。

東村:セカンギー。

久世:呪いみたいな音しました?

(会場笑)

東村:セカンドギアでずっと走ってるみたい。セカンギー。

久世:(笑)。

東村:セカンギーです。

山田:「セカンギー」なんですけど。そうなんです。「I'll Be There for You」っていうね、いいじゃないですか、本当に。

ちなみにですよ(笑)。乙君さん!? 乙君さ、番組ね、もうすぐ原点に入るときにしんみりしないでください(笑)。

久世:本気で泣くのやめてくれませんか(笑)。

乙君:めちゃくちゃ刺さった(笑)。

山田:めちゃくちゃ刺さるだろ?(笑)。

東村:この訳もいいよ。私のオススメのの訳、これ。

乙君:訳いろいろあるんだ。

久世:すごいな、お前。ここ家か!(笑)。

東村:「なんつうか、セカンドギアで走ってるみたい」っていう訳。

山田:訳ね。

乙君:「意味なんかないよ、この1週間、いや、この1カ月か、いや1年か」

(会場笑)

東村:しんみりなって。

乙君:「でも君の傍いてあげるよ、土砂降りのときでもね」

東村:友情の歌でもあるよね。

乙君:「君の傍にいてあげるよ、毎日一緒にいたようにね」やばいよ、これ。

東村:そうやろ? あとでLINEに貼ってあげるわ。思い出して、何かあったとき。

乙君:思い出す。

恋人がいないほうがリア充

東村:『フレンズ』見てて私がすごい思ったのは、『フレンズ』見てると、恋人とか旦那とか結婚してたりとかがダサいんじゃないかっていうね、感じになるっていうかね。

山田:なるほど。

東村:思わん?

乙君:思う。

東村:恋人いるやつがダセーっていう空気じゃん、このドラマずっと。恋人ができたんだって連れてくると、ダッサみたいな感じじゃん。

山田:あ~(笑)。

東村:結婚なんかしたら、もうちょうダサじゃん。だからさ、何か友達でみんなでルームシェアじゃないけど、ワイワイしてるほうがイケてて、何か普通に彼氏とかがいるほうがイケてないんじゃないかって気すらなるぐらい何かね、そうですよね。

だから、彼氏とか彼女がいなくて寂しい人も『フレンズ』見たら、いないほうがめっちゃありだなって感じになる。いないほうがリア充っていうドラマじゃん? あれって。

乙君:そうなんですよ。わかりますか。

山田:わかりまよね、見てるから。落語なんだよ、これ。八っつぁん、熊さんなんだよ。長屋出る話なんだよ、これって。それで、どいつもこいつも、ろくでもねえなっていって、名前もねえし有名でもねえし、しょうがねえなっていって。

その日その日を楽しく生きていくっていうものなのね。だから、向こうの落語だと思えば見やすいだろうなと思うと。

乙君:必死にみんな仕事もそうだし恋愛もそうだし、いろんなことを夢中で追いかけてはいるんだけど、何か集まれる場所の居心地のよさに溺れてるんですよ。それをみんなどっかで自覚してるんだけど、やめられないっていうようなことを一切言わない。

なんというか、もう。