アートの豆知識
偶像を破壊する「イコノクラスム」が後世に与える影響

Art under Attack: Iconoclasm | Art Terms

宗教上の象徴物、イメージやモニュメント、また政治的なモチーフなどを破壊することを指す「イコノクラスム」。古代エジプトでは彫刻されたファラオ像が後世の人々によって破壊されており、近年では共産主義革命の最中とその後にも偶像破壊が行われています。ではこの「イコノクラスム」は美術史にどのような影響を与えるのでしょうか? 今回のYouTubeのアート系動画チャンネル「Little Art Talks」では、偶像を破壊するという行為とその意味について解説します。

偶像を破壊する「イコノクラスム」とは

カリン・ユエン氏:こんにちは、カリンです。Little Art Talksへようこそ。前回のビデオでは、アニコニズム反偶像主義についてのお話と、その思想がいかにしてイコノクラスム偶像破壊に繋がっていったかをお話しました。今日はまさに、このイコノクラスムについてお話したいと思います。

イコノクラスムとは、文字通りに解釈すると「偶像を壊すこと」を意味し、宗教上の象徴物、イメージやモニュメント、また政治的なモチーフなどを破壊することを指します。イコノクラスムを支持またはそれに従事する人々をイコノクラストと言います。逆に、そういった宗教上の偶像を崇拝し崇める人々を、イコノクラストたちはイコノレーターと呼びました。

歴史上ではたくさんの、本当に多くのイコノクラスムの実例があります。こういった実例は、それぞれ違う宗教の人たちによって行われています。けれどその実、同じ宗教から派生した宗派同士の紛争で起こることが多くあります。

古代エジプトでは、彫刻されたファラオ像は、後世の人々によって破壊されました。キリスト教時代では、イコノクラスムはモーセの十戒を文字通りに解釈した人々によって推奨されてきたと言われています。フランス革命の時も、王の像や象徴物の破壊は行われていました。また、イコノクラスムは、ロシアや中国で、共産主義革命が起きていた最中とその後にも実例が現れています。

では、美術史においては、イコノクラスムはどのような影響を与えてきたのでしょうか?

最初に、破壊によって元の原型がわからなくなってしまうことです。もうおわかりの通り、原型が何か把握できないですし、私たちにとっては、過去について学べる可能性がより限られてしまうことになります。けれど、実はイコノクラスムはそれ以上の影響力があります。神聖なものを破壊する行為は、想像以上に強いメッセージ性を持っているからです。

宗教上の偶像崇拝を禁止し、またそれらを破壊する行為は、大きな権力の介入を意味します。それは正に文字通り、とても象徴的な行為です。古いファラオ像の顔を取り除く行為は、歴史上からその存在を消し去るのに最も効果的です。過去のやり方を拒否し、過去を消し去るために。

これらの行為は、神聖な場所を破壊し、異なる信仰を認める寛容さを失うという非常に暴力的な結果を生み出します。

もしみなさんが今度、ひっかき傷のある顔や、頭部の無い像を目にした時、そこには単純に像が風化してしまったという以上の理由と物語があるはずです。

みなさんがこの動画を楽しんで、また新しい発見があったことを願います。

Little Art Talkslittlearttalks

Karin Yuen(カリン・ユエン)がアートの世界をわかりやすく解説するYouTubeチャンネル。古今東西のアートにまつわる豆知識をお送りします。

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