いま、子供たちに居場所はあるか?
家庭でも学校でもない、”第三の場所”が求められる理由

トークセッション #1/6

リリースイベント
に開催
貧困や虐待の連鎖を予防する仕組みづくりを行うNPO法人PIECESと株式会社CAMPFIREの提供するクラウドファンディングサービス『GoodMorning』が、孤立した子どもたちに安心できるつながりと居場所を提供することを目的に「子どもをひとりぼっちにしない」プロジェクトを開始。それに伴い、2017年3月30日にキックオフイベントを開催し、「孤立した子どもをどう社会に接続するか」をテーマにトークセッションを開催しました。トークセッションには株式会社CAMPFIRE代表取締役社長の家入一真氏、社会活動家の湯浅誠氏、PIECES代表理事の小澤いぶき氏が登壇。それぞれの立場から感じる社会と子供たちの関係性について語ります。

社会から孤立した子供たちを考えるトークセッション

小澤いぶき氏(以下、小澤):ここからは、孤立した子供たちをどうやって社会に接続していくかということを中心にしながら、お二人にいろんなことをおうかがいしたいと思います。

その前に、お二人から自己紹介をしていただいてもいいですか? お願いします。

家入一真氏(以下、家入):はじめまして、家入と申します。CAMPFIREというクラウドファンディングのプラットフォームを運営していまして、今日も、CAMPFIREのGoodMorningというクラウドファンディングサービスをやっているんですけれども、そこで、PIECESさんの活動をサポートさせていただいているというご縁で、来ました。

……なんでいるのってかんじですよね?

湯浅誠氏(以下、湯浅):そんなことないよ(笑)。

家入:湯浅さんとは、数年前に1度、大阪のイベントでご一緒させていただいたり、さらに昔にさかのぼると、僕が都知事選に出たときに……。

湯浅:お話しましたね。

家入:はい。「胡散臭いやつ来た」って、思われたんだろうなって。

湯浅:いや、いや(笑)。そんなふうに思いませんよ。というか、私のことそう思ったんじゃない?(笑)。

家入:いやいや、そんなことないです。だって僕は、湯浅さんの本とか読んでますから。

湯浅:ありがとうございます。

家入:かっこいい人だなぁと。

湯浅:だいぶ雰囲気が変わりましたよね。

家入:え、僕ですか。はい、どんどん昔の引きこもり時代に戻っていって、人と会うのもだんだん苦手になってる。

湯浅:あれ、さっき社長業に専念してるって話だったんだけど。

家入:社長業に専念してるんですけど、僕がいるかどうかは、社員は誰も気づかないです。

(会場笑)

家入:気配が消えてるので。本当に。だから、僕の前で僕のことをしゃべってる。

(会場笑)

湯浅:すごいですねぇ。でも、究極のマネジメントなんじゃないですか? 社長がいなくても会社は回っている。

家入:そうなんです。むしろ僕がいるとよくない方向にいくから、みんなでがんばって支え合うみたいな。いい会社ですね(笑)。

(会場笑)

家入:そんな家入と申します。よろしくお願いします。

(会場拍手)

ひとりぼっちの子供をいかにして社会に接続するか

湯浅:どうも、こんにちは。こんばんはですね。湯浅と言います。ここには、前に……、やっぱりPIECESさん絡みでしたけれど、『さとにきたらええやん』の上映会のときにうかがって、それ以来ということで、3ヶ月ぶりです。

あのとき、大事なこと言うの忘れていて。『さとにきたらええやん』って、大阪のこどもの里という、子供たちが通うなかなかすごいところの映画なんですけど。この4月から、そこに、この間卒業したうちのゼミ生が行くようになりまして。「卒業生がこどもの里で働くようになりました」という話をこの間言い忘れたんで、今言っときます(笑)。よろしくお願いします!

(会場拍手)

小澤:今日は、ひとりぼっちの子供たちをどういうふうに社会に接続していくかというための、「子供をひとりぼっちにしない」プロジェクトの中のトークセッションなんですけれど。

先ほど、お二人がまだほかの仕事でいらしてなかったときに、PIECESの説明をさせていただきました。私自身は医療の現場で子供たちに関わっていく中で、医療とか行政だけじゃなくて、もっと市民も一緒に、子供たちが孤立していかないような、信頼があるようなコミュニティだったりとか、そこにちゃんとお金が流れていくような仕組みを作っていく必要があるんじゃないかなと思って、その信頼を作る人と、その人たちが子供と一緒に作るプロジェクトみたいなものを作っているんですけど。

今日は……あの、ちょっと待ってください、緊張してる(笑)。

湯浅:大丈夫ですか(笑)。

(会場笑)

小澤:あ、この3つ(笑)。「ひとりぼっちの子供のための居場所の必要性」と、「孤立を防ぐ方法」と、「ここにいる人たちがどんな関わりができるか」ということを話していけたらなと。

参加者のプロフィールは?

湯浅:ここにいる人たちってどういう人たちなんですかね?

小澤:どんな人たち……。ここにいる人にかかわらず、社会のそれぞれの人が、どんな関わりをしていったらいいのか。

湯浅:あぁ、もちろん。ここにいる人たちって、どういう人たちなのか聞いていい?

小澤:聞いてください。

湯浅:ちょっと聞いていいですか? 私、どんな人たちが来てるんだろうってさっきから気になってたんですけど。

家入:たしかに。

湯浅:分野で言うと、教育系とか福祉系とか。まぁ、教育系って言っても、学校の先生からNPOから株式会社から、いろいろあると思うんですけど。あまり細かいこと言い出すとキリがないので、教育系、福祉系、ちょっと聞いてみたいんですが。それ以外の方は、また上げていただきますけど。

教育系の方?

(会場挙手)

湯浅:あ、そんなに多くないね。ありがとうございます。福祉系の方? 広い意味で、自分がそうだと思えばそれでいいです。

(会場挙手)

湯浅:やっぱり少ないのね。ありがとうございます。7割くらいは、それ以外の方?

小澤:それ以外は何をしてる方?

湯浅:それを聞きたい?(笑)。それ以外の方?

(会場挙手)

湯浅:すみません。目の前に座っている、そちら様は?

参加者1:行政。

湯浅:あぁ、行政! 行政の方?

(会場挙手)

湯浅:若干おられるなぁ。ちなみにどちらの行政ですか?

参加者1:板橋区。

湯浅:区役所の職員さん! へぇ~。それ以外は?

(会場挙手)

湯浅:あ、はい。

参加者2:一応、元労働組合関係で。今は一応ジャーナリストなんですけど。実は、家入さんにも湯浅さんにもお会いしたことがあります。

家入:あ、そうだ! ご無沙汰してます。

(会場笑)

参加者2:本論から外れますから簡単に端折りますけども、今は、労働の保障ですね。仕事を失ったときのセーフティネットというのは、雇用保険というのがあるんですが、それが受けられなくなってきているんです。

今度は生活保護というものになってくるんですけど、その中で手を上げられない親御さんがどんどん貧困に落ちる。お子さんが手を挙げられないケースというのを山ほど見ていましたので、手を上げられないお子さんを、いかにして手を上げさせるかということが、なにか見つからないかなと思っています。

湯浅:ありがとうございます。ジャーナリストの方?

(会場挙手)

湯浅:IT関係の方?

(会場挙手)

湯浅:5割くらいしか上がってないね(笑)。すみません、でもこれくらいにしておきましょうか。

孤立と居場所の関係性

小澤:ありがとうございます。じゃあ、どうしましょう(笑)。

家入:(台本を取り出す)。

湯浅:そんな台本見ないの(笑)。

(会場笑)

小澤:そうですね、最後に、じゃあ……。

湯浅:最後!?(笑)。

小澤:違う、そうじゃなくて(笑)。すみません。どんな方が来ているのかというのが、きっと最後に、どんな関わりをするかのテーマに活かせたらいいのかなと思いながら。

最近、私、湯浅さんの居場所の記事を拝見したんです。

湯浅:ありがとうございます!

小澤:ひとりぼっちの、孤立した子供だけに限らないと思うんですけど、居場所がどう必要なのか。あと、湯浅さんは「溜め」という言葉を生み出された方だと思いますが、そのへんの重要性とかもおうかがいできたら。孤立と居場所の関係性。

湯浅:居場所とは何かというのを、おとといだったかな、ちょっとここで言うのも申し訳ないですが、ヤフーニュースに出してもらってですね。それで書いたんです。

居場所って、ずいぶん前から言われるようになってきたとは思うんですけど、それって何か、みたいな話ってそういえばあんまり聞いたことないなと思って。それで、改めて考えたものを書いたんです。

居場所の4つの機能

居場所の機能は4つあるということを書きました。1つは、例えば先ほどから出てる、こども食堂とか、あるいは学習支援とか。子供の貧困の関係でいうと、そういうものが有名ですけど。

そういうことで言うと、栄養とか知識ですね。だけどそれ自体は、別に食堂でも栄養は取れるし、塾に行けば知識は教えてもらえるし。もちろん無料とか、定額でやってること以外は、提供されているもの自体は、別にそれ以外の塾と変わらない。

あと何があるだろうな、ということで考えたときに、1つはいろんな体験。これも特別な体験だけじゃなくて、「物こぼしても怒らない大人がいるんだ」みたいな、それ自体がものすごい驚きになったりする子がいますので。そういう体験とか。

あるいは、時間。時間というのは、自分にかまってくれる人がいる、自分と向き合ってくれる人がいるという、その時間ですね。かまってもらえる時間。

あと、4つ目が、裏メニューとしての生活支援。子供に限らず高齢者でもいいんですが、彼らが出すサインに気づいたときに、「それだったらこういうものにつなげられる」とか、「専門の支援につなげられる」とか。あるいは「専門のサービスにつなげられる」とか、そういう生活支援のメニューを持っている。

これは、あまり「こういうことやりますよ」ってバーンと看板掲げると、かえって来づらかったりするので。「そういうところに行く人は、そういうことを求めている人だ」みたいなかんじで。なので、裏メニューとして持っていることが大事なのかなと思ったりします。

その4つくらいが、居場所として機能するときに提供されているものだろうと書きました。それで、中でも一番大事なのは、時間の提供じゃないか、ということを書いて、それが本人の溜めを作る。溜めというのは、自己肯定感とか、自己優良感とか、いろんな言い方ができますけどね。というようなことを書きました。

子供の中に「溜め」を作るということ

小澤:ありがとうございます。時間って、けっこう見えなかったりとか、かまってもらうみたいな見えないことを、社会の効率化の中で、私たちは忘れていってるなぁ、みたいなことを、記事を読みながら(感じました)。

コミュニティユースワーカーもそういった時間をどう作っていくか、溜めをどう作るかみたいなことを大事にしていきたいなと、あの記事を読んで、すごく考えていました。なので、やっぱり、孤立した子というか、ひとりぼっちの子に、ちゃんとかまってもらえる時間みたいなものがあると、なにか少し変化があるんですかね?

湯浅:そうですね。埼玉県で学習支援をやっている白鳥さんという方の言葉を聞いたんですけど、彼はこう言ったんですよね。「学習支援ではマンツーマンにこだわっている」ってね。でも、マンツーマンを売りにしている民間の塾もいっぱいありますよね? それはもちろん教えやすいですよね。マンツーマンのほうが。

だけど、「教えやすいからだけじゃなんだ」って、彼は言うんですよ。何かというと、その人が自分と向き合って、1時間半とか2時間とか過ごしてくれることで、自分の意見に耳を傾けてくれるとか、自分にだけ質問を投げてくれるとか、そういうことが、彼の言い方だと、「子供たちの中に、なにかを溜めていくんだ」って言うんですよね。

「なんだかわからないけど、なにかが溜まっていくんだよ。あれで」みたいな。それで、「いつかわからないし、本人にもわからない、こっちにもわからないんだけど、あるとき、コップの水が溢れるように、溢れるんだ」と。

そうすると、なにか言い出すんだよね。「高校へ行きたい」とか、「勉強したい」とか、「あれになりたい」、「これになりたい」とか、あるいは、「これがやりたい」とか。

なんか、そういうのが、人間の成長には必要だということが、なにが溜まってるのかとか、いついっぱいになるのかとか言われるとわかんないんだけど。「それが人間の成長に必要だということは、わかる!」って言ってますね。たしかになってかんじですね。

小澤:うん、大事……あ、ありがとうございます(笑)。すみません、大事だなぁと思って(笑)。子供にかかわらず、私たちも待ってもらったりとか、誰かとの関係性の中で、ある日なにかができるみたいなことは起こるなぁって。

湯浅:まったく子供に限らないと思いますよね。

小澤:本当に、そういうふうに思いました。ありがとうございます。

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