ルール無しでも人は動く!
"自由"が売りの人気フェス「タイコクラブ」主催者が語る、"集団"の動かし方

Make a groove #1/2

2006年より長野県木曽郡木祖村のこだまの森で毎年行われている人気音楽フェスティバル「TAICOCLUB(タイコクラブ)」。他のフェスと比べてルールが緩いことが特徴ですが、それでも会場は毎年、一体感に包まれます。集団をドライブさせる秘訣と、その本当の狙いとは? 主催者の安澤太郎氏が語りました。(TEDxTokyo yz より/この動画は2014年に公開されたものです)

いつもの行動にひと工夫を

安澤太郎氏:小学校低学年の時、僕はいつもこんなようなことをして給食を食べていました。

なぜ、こんなことをしているのか、分かりますか? これは誰よりも早く給食を食べて、おかわりをもらいたかったんです。

(会場笑)

ただ、この方法には問題があって、全然おいしくないんです。

(会場笑)

「今±(プラスマイナス)1」。これが、僕がとても大切にしていることです。(さっきの)小さい時の原体験から来ているんですが、こういう、ひとつ工夫をしたりだとか、自分で何か楽しくするというルールを勝手に決めていく、ということ。これが皆さんにとっても重要なのではないかな、と思っています。今、僕は、本当に話そうと思っていることをもう全て変えて、ここからアドリブで話していこうかと思っています。

(会場笑)

「今±(プラスマイナス)1」とは?

「今±1」といっているのは、例えば人々が何かをする時に、どこかに軸があったとしても、その軸にプラスしていく、どんどん積み重ねていくということだけではなくて、何か失敗したりとか、そうではない方向へいってしまったりしても、自分が行きたいどこかにいつかたどり着くために、それを常に繰り返していくということ(をいいます)。

繰り返していくことで、自分が成長していき、いつかそこにたどり着けるということを、皆さんはもっとやっていくべきだなと思っています。このことは、僕がやっているフェスティバルの中でもいろんなとこに生きていて。

結構、皆さん普通に来られる方もいらっしゃると思うんですけど、この野外フェスティバルというのは、なんかただ遊んでいるだけでしょ? とか、そんなの行ってもね、とか思う人も結構多いと思うんです。ただ、このフェスティバルというのは、意外といろんな環境の中からいろんな人が集まってきたり、地元にいるおばあちゃんだったり外人の人だったり、多種多様な人々が集まって、勝手にコミュニケーションが取れる場所としてすごく魅力的な場所だなと思っています。

僕がやってる「TAICOCLUB」というのは、長野県の木祖村という人口3,000人しかいないとても小さな村でやっています。今年で9回目になるんですが、そこに1万人の人が訪れてきます。3,000人しかいない村に1万人が訪れることで、村の人はすごく楽しいお祭りとしてだんだん参加するようになってきました。最初の頃は、僕らが行っても、「誰だよ、お前たち」という感じで全然相手をしてくれなかったんですが、回数を重ねていくうちに、逆にこの祭りをとても楽しみにしてくれるようになってきました。

その一例として、今こんな感じでフェスをやっているんですけども、山の中にあるステージはこういう木に囲まれていて、みんながゆったりと音楽を楽しめる場所になっています。

それから、皆さんほぼ100%テントなんです。(宿泊できる)施設が全然ないので、みんな来る人は全員テントで寝泊りしています。でも、普段自分の家にいても、隣の家の人がどういう人か知らなかったりすることがあると思うんですけども、このテントを作るっていうところから、みんなで共同作業をしたりとか、隣の人と仲良くなったりとか、全然知らない人とその日限りだけじゃなく、ここで仲良くなってまた遊びに行くようになったりとか、そういうコミュニケーションができる場所になっています。

それから、僕が一番嬉しいのは、これ、(スクリーンを指さして)地元のおばちゃんなんですけど、毎年Tシャツをあげると、次の年にそのTシャツを着て僕らのことを迎えてくれるんです。このおばちゃん達は普段そんなに若い子と接することが少なかったりとか、外人に会ってしゃべるなんてことはほとんどなかったりするんですけども、僕らのフェスティバルでは外国人のアーティストをたくさん呼んでいるんですね。

そうすると、このおばちゃんたちは、そのアーティストが誰かなんてことはまったく分かってないんですけども、「サインちょうだい! サインちょうだい!」って分からない英語を使って一生懸命しゃべっていくんです。でも、それは僕にとってはすごく嬉しいことで、そういうコミュニケーションを取ることで、このおばちゃんたちも多分新しい発見があるんじゃないかなと思っています。

自分で言うのもなんですが、この「TAICOCLUB」っていうフェスティバルは、他と比べて、お客さんに対して僕らの方がとても自由を与えています。普通のフェスティバルですと、主催者側がお客さんをコントロールしやすいように運営ルールを決めていくものなんですが、元々僕らは単純に来場者として遊びに行っているうちに、「こんなんできるでしょ!」と言ってフェスティバルを始めてきました。

そういう側面があるので、より来場者に近い目線で、来場者のことを考えてルールを決めていっています。なので、僕らとしてはあまり来場者に苦しいルールは作りたくないなって思ってます。そのへんが、今国内にある他のフェスティバルと違って自由な雰囲気が出ている。そんな状況になっているんだと思います。

成功しても失敗しても、今いる場所から少しでも動けばいい

そして、この「グルーヴ感」っていうのは多分普段あんま使うこともないだろうし、音楽を聴いたりする人がちょっと思うようなことだったりするかもしれないんですども、みんなが人のために自分で何かを率先してやっていくっていうことで、(自分が)人に何かを与えてもらうんじゃなくて、自分が人のために動いてあげるっていうことを自然にできることなんですね。そんな集団ができたときに全員が自然に進んでいく、勝手に動いていくというか、みんなが一気にまとまっていく感じというのが出てきます。

そういう時が「グルーヴ感」が出るっていうイメージなんですが、これがすごく重要で、集団でなにかをする時に、「アイツ、何もやってないから、俺もやるのやめた!」っていうのはすごくよくないことで、「アイツがやってないなら、俺がやってあげよう」ってそういう思いをみんなが持つと、その思いっていうのはだんだん伝播していって、その集団がすごいドライブする瞬間が出てくるんですね。そのドライブする感覚っていうのが「グルーヴ感」というもので、これは小さな集団でも大きな集団でも、人のことを考えて動いてあげることでどんどん出てくると思います。

そういったことをやっていくにあたって、「今±500」っていきなり大きなことをボン! ってやるのはなかなか難しいと思うんですよね。でも、「今±500」ってことをやらなくても、この「±500」でなく、「±1」というホントに小さなことから、みんなが毎日コツコツと少しずつ始めていくと、そこから何か自分の中で変化が生まれてきます。

「±1」っていうのは何かをプラスするっていうことだけじゃなくって、先ほど言ったように、成功したり失敗したり、人と別れたり止めてしまったりだとか、いろんなことがあると思うんですけども、そういうものを含めて「±1」という表現をしています。この「±1」というのは、今自分がいる場所から少しでも動いていけば、その中でまた新しいことが見えてくるだろう、(つまり)自分の(周りの)景色をどんどん変えていこうよ、ということです。

そういうことで、また新しい自分を発見することもできますし、チャレンジをどんどん続けていくことができると思っています。……ごめんなさい、ちょっと話が脱線してしまったんですけど、こういう形で、僕は今、フェスティバルというものをもっといろんな人に知ってもらいたいと思っています。

やっぱり、音楽をただ聞く場所ではなくて、知らない人と知り合うことで新たなコミュニティがとにかくいっぱい作られていって、新しい文化が出てきたりします。その中で、僕達のフェスティバルは、もっと外人を呼んだり、外人と日本人のコミュニティを作ってあげたりとか、全然知らない人同士がもっとコミュニケーションを取りやすい環境をどんどん作っていかなきゃと思っています。

ちょっと話が雑になってしまったんですけども、本当に今インプロビゼーション(即興)で話しているのでなかなか伝わらないところもあると思うんですが、皆さんが僕らのフェスティバルをもっと文化として見ていただければと思います。ありがとうございました。

<続きは近日公開>

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2 近日公開予定

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