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トークセッション(全3記事)

2017.07.31

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「仕事がないから故郷に帰れない」を変えたい 岡山県出身の4人が“地元”を選んだワケ

提供:岡山県

働き方改革が求められる昨今、「地方で働くこと」が注目されつつあります。そんな中、東京と岡山を拠点に活躍する“岡山出身の4人”が働き方を語るトークセッション「オカヤマハタラク会議」が行われました。東京と岡山を行き来しつつ、または移住し、マルチワークなどで新たな働き方から見えてきたものとは? 4人4様の働き方から、これからの「ハタラク」を探ります。

地元の小さな会社のほうが、やっていることのレベルが高い?

丸尾宜史氏(以下、丸尾):「ハタラキ型」ということで、おおまかに比率を聞きたいんですけれども。

今日は就職か独立・起業されている方、もしくはマルチワークをしたことがある方、リモートワークなど、いろんな働き方をされている方がいらっしゃっています。そこでまず、普通に就職されている方って、どれぐらいいらっしゃいますか?

(会場挙手)

けっこういらっしゃいますよね。ありがとうございます。経営者とか独立をされている方は、どれぐらいいらっしゃいますか?

(会場挙手)

これも意外といるようですね。あと、リモートワークっていうものをされたことがある方って、どれぐらいいらっしゃいますか? 本社とか会社とはちょっと離れたところで仕事をされている方です。

(会場挙手)

うん、なかなかいますね。あと、マルチワークといって、会社と会社をまたいだパラレルキャリアとか言われたりしますけれども。副業というかたちで、複数の会社に関わられている方はどれぐらいいらっしゃいますか?

(会場挙手)

いい感じですね、今日(笑)。

では、就職ということでお聞きしていきたいと思います。

よく言われるのが「大企業がいいよ」「ベンチャー企業がいいよ」ですけれども。私自身は新卒の時、タリーズコーヒーという会社に入りました。先ほどのセッションでサイボウズさんが言われたように600人もいないんですけど、当時は300〜400名ぐらいの会社で、僕にとってはすごく大企業でした。

「飲食業界で最短で上場した会社」と言われていて、経営者に憧れて入社したんです。東京のそういった何百名の会社で働いていて、かたや僕は長男なので、田舎の津山市のことが気になっていて、「将来、帰ったりするんだろうな」と思いつつ。そして、会社を調べたりすると、やっぱりザラにあるのが30名ぐらいの会社が多いんですね、田舎になると。

東京で働いていると、そういう大きい会社で働いて、そのうちの一部として働いている。なんかけっこう自分にとって正当性があるというか、「ここでやるべきことをやっているな」っていうものはあったんですけど。「ここで帰って小さな会社で働くと、逆に自分の可能性を縮めてしまったりするのではないかな」という懸念があったんですね。

でも、実際に地元へ帰ってみると、30名の会社ですごくいいところがありました。今、レプタイルってまだ12〜13名の会社なんでぜんぜんちっちゃいんですけれども。経営者との近さや自分に任される範囲の広さなど、すごくあると思うんですね。

意外と帰省してから30名の会社で働いていたほうが、やってることのレベルは高かったりします。そして、そういった小さい会社にいて「良かったな」と思った時期もありました。

離職率28パーセント→4パーセントにしたサイボウズ

ちょっとお聞きしたいんですけど、サイボウズさんって大きい会社ですよね? 働き方ってどうなんですか?

松森知里氏(以下、松森):そうですね。大きい会社という意識は……あまりないです。

私が前職でIBMという会社にいて、1万人以上の社員を抱えている会社だったので、転職してきた時は「これで大丈夫か?」みたいな……(笑)。

丸尾:サイボウズが小さい、と。そうなんですか!

松森:(前職と比べて)「少ないな」と思いましたね(笑)。私が転職してきた時は、ここのオフィスじゃなくて水道橋にオフィスがあったんです。今はすごく広くて、大企業っぽいです。オフィスも日本橋にあるし、みたいな。

丸尾:上のフロア、すごかったですね。すごい人数がいらっしゃるし。

松森:すごいオフィスになっちゃったんですけど。水道橋の時はそんな……(笑)。

ビルに何フロアか借りていて、こんなに広くないし、見渡せばみんな見える感じだったんです。「あ、これぐらいかな」っていう感じで、個人的にはそんな大きいとは感じなかったです。

丸尾:そうなんですね。その頃とけっこう変わっているんですか? 人数も変わりつつ、社内の働き方とか風土も、どんどん変わってきてる感じなんですか?

松森:うーんと……そうですね。加速している感じはあるかもしれないですね。

サイボウズ自体は10年ぐらい前から働き方に手を加えて、評価制度を見直してみたり、トライしている会社なんですね。経緯を言うと、2000……何年ですかね、28パーセントの離職率ぐらいを誇っています。

丸尾:高いですね。

松森:そうですね。4人に1人が辞めていく。1年間経ったら、4人に1人がいなくなる状態でした。それをなんとかしようと、いろんなことにトライをしたんです。

今だと、たぶん4パーセントぐらいの離職率になっています。なかなかみんなが辞めない会社になっていったんですね。ただ(会社が今こういう状態にいれるのは)大企業だからベンチャー企業だからとかにはあまり関係ない感じがします。課題があったから「なにか見直さなきゃ」と、トライ&エラーを繰り返して今の状態になっている感じがします。

丸尾:なるほど。ありがとうございます。

責任があるもののほうが楽しい

ちょっと会場のほうに聞いてみようかなと思うんですけれども。「我こそはでっかい会社で働いたことがある」と言われて手を挙げる人なんてたぶんいないと思うんですけど。

(会場に向かって)犬養さん、どうですか?(笑)。

犬養拓氏(以下、犬養):僕は、大きな会社というところで言うと、電通という広告代理店で働いてまして。大学を出てから10年ちょっと働いていました。

今、僕はなんでこういう会にも来てるかというと。僕は東京と岡山……倉敷市で半々、いわゆる2拠点生活的なことをやっているんです。

倉敷の株式会社有鄰っていうところなんですけれど。美観地区の中で「有鄰庵」っていうゲストハウスとカフェをやったり、「美観堂」というショップをやったり、また別の宿をやったりしてる会社です。言ってみれば、ベンチャー企業の代表取締役をやっています。

うちは、先ほどのお話にあった通り、従業員が30人ちょっとぐらいの会社です。各々の違いというか……。

丸尾:働いてみてどう感じられるか、っていうのを教えていただきたいです。

犬養:はい。ちょっと参考になるかわかんないんですけれど、僕は電通にいた時は、まったくもって働かないリーマンだったんです。いかに働かないで給料だけもらうか、っていうことばかり考えていたもので(笑)。僕、そういう時に組織とか人を見るのが大好きで、「この人にこう思われてたら、自分のところには仕事がふってこないな」とか。

(会場笑)

例えば、「上司に嫌われたり怖がられたりしてると、仕事って来ないんだな」っていうのを徐々に学んでいった人なんです。でも、もともと最初から「大きな企業はいつか辞めるだろうな」と思ってたので、辞めてからのほうが……。

マルチワーク的なところで言うと、東京でも自分の会社を今もちょっとだけやってたりはするんです。そうやって自分で会社をやってるほうが、僕は圧倒的に楽しくて。なんかこう、責任を自分でとるのがすごく楽しいタイプなんです。

……なんでしょうね、大きな会社で自分が、例えば広告のキャンペーンやって、うまくいっても失敗しても、給料はあまり変わらないし、クビになるわけでもない。でも、今やっているベンチャーとか、あるいは自分が代表という立場でやっているものには、責任感があるわけです。それが僕はすごい楽しい。

丸尾:ありがとうございました。思ったよりガッツリしゃべっていただいて、良かったです(笑)。

(会場笑)

犬養:意外と人としゃべるの大好きなので(笑)。

(会場笑)

丸尾:ありがとうございました(笑)。

(会場拍手)

働き方の幅が広がれば、多くの人が幸せになる

もう1つ大きめの会社で言うと、最近知り合いになりました……(会場に向かって)角本さん、いらっしゃいますか?

岡山県真庭市に本社のある会社なんですけれども。岡山の県北、上半分を代表するグローバル企業の経営者の方なので、よかったらちょっと、どのような感じで今働かれているのか。経営者になって組織を運営されて感じられることとかありますか?

角本康司氏(以下、角本):めちゃくちゃ長いですけどいいですか?

(会場笑)

丸尾:いい感じで、じゃあ(笑)。

角本:オーティス株式会社の角本と申します。6年前から転職してから今の会社で働いています。それまではぼちぼち大きい会社のところで働いていたんですけど。

働き方は……。私ちょっと今日参加させてもらったのが、ふだんお会いすることがない方なんで、自分のいろいろ働き方の幅をもっと広げたら、少しでも多くの人が幸せになるかなっていうので。

みんなそれぞれ幸せ基準があると思います。その基準をみんなお持ちだと思うんですけど、少しでも多くの人にそういう幸せを、岡山県の真庭なんですけども、発信できたらなと思ってます。今日も2人、海外のほうにもね、韓国、中国……。

丸尾:今日、帰ってこられたばっかりなんですよね?

角本:はい。タイとマレーシアと、今は香港帰りとシンガポール帰りで。岡山なんですけども、そういうかたちで海外の方とサッカーをしに行ったり、サッカーチームを作って、最後ワールドカップを目指して今トレーニングをしたり。

丸尾:ワールドカップですか?

角本:はい。

丸尾:すごいですね。

角本:常に遊びも仕事も真剣にやるということで、なんとかやってます。私の意見ってほとんど参考にならないです。どこの国に行っても言われます。「お前の意見は参考にならない」と。

(会場笑)

でも、参考にならないとわかったことが重要なので、今日ぜひみんなと一緒に学んでいければと思います。

丸尾:ありがとうございます。

(会場拍手)

辞める人、辞めない人、両方の気持ちがわかる

丸尾:では、山田さんはアカツキですよね。アカツキって今、上場してすごく大きく、そして勢いのある会社ですけど。入られた頃はどうでしたか?

山田邦明氏(以下、山田):そうですね。僕が入った時は20人ぐらいでしたね。

丸尾:今とぜんぜん違う感じですね。

山田:今は300人ぐらいいるんで、そこはずっと見ていましたね。辞めた時はもうちょっと少なかったですけどね。190……200人弱ぐらいでしたけど。

丸尾:スタートアップと言えばいいのか、ベンチャー企業と言えばいいのかあれですけど。成長段階の何十人ぐらいからグッといく前段階というか、その最中のところで働かれていたんですよね?

山田:そうですね、はい。

丸尾:その頃に感じられたこととか、自分の成長とかっていうのは、どういったものなんですか?

山田:そういう意味で言うと、大企業をあまり知らないっていうのが前提としてありました。弁護士事務所もすごく小さいところで、4人とかそういう……。そもそも弁護士事務所ってそんなもんなんですけど、大きくないところは。

普通に自分がその時に感じていたことをお話すると、とりあえずめっちゃくちゃ働いてたんですよ。そこが良さでもあり悪さでもあり。自分が常に一度もやったことがない状態でずっと走り続ける、みたいな。毎年新しいこと、毎月新しいこと、毎日新しいことになっている。そのすべての解答を自分たちで作っていくというのを、ずっとやってましたね。

だから、ある意味で上場して人数も増えて、売上も増えていく時に、若干2周目感が出てきた。その時に「ちょっと辞めようかな」があったんです。たぶん、そういう環境自体が好きなんだと思いますね。

丸尾:すごい変化が激しい時期ですよね? 人の入れ替わりとかも激しいんですか?

山田:入れ替わりも、タイミングによっては大量に辞めるような時期もありました。辞めるほうにも辞めるほうのロジックと感情がしっかりあって、残るほうにも残るロジックや感情があった。

そこはすごくつらいというか。なんて言うんですかね、「いや、わかるよ」みたいな。どちらの視点も別に間違ってないんですけど、はっきりとした「一緒にやれない」があった。そのへんを考えると、限りなく今でも辛い気持ちになってるんですけど。

丸尾:そうなんですか。

山田:でも、そういうことも経験できて、いろんな会社でそういうことが起こってるのも、実感としてすごくよくわかりました。それは良かったかなと思っていますね。

丸尾:人が入れ替わる時というは、会社自体もすごく変わっている時です。そこにいられる層っていうのはやっぱり……そこより前に進んでる人も辞めていくでしょうし、ついていけない人も辞めていくでしょうし。いろんな状況が変わるからなんでしょうね。

山田:そうですね。僕が弁護士っていう観点でしゃべると、20人の時の弁護士って僕でぜんぜんいいんです。でも、200人の時の弁護士ってたぶん僕じゃダメなんですよね。8年目ぐらいの人が必要なんですよね。

上場したらまたそれはそれで、もう何年も上場会社を見てたような弁護士さんが必要です。そういった能力ギャップは当然あって、その時にリプレースはどんどん起こっていくのはありますね。

一方で……まあ、結局は選択してるんですが。「そっちに向かう」となった時に、「そっちに向かわない」というメンバーは当然います。それは「そっちで元気にやってくれたらいいな」と思いながら辞めてもらう。卒業っていうポジティブに辞められた人もいる感じですね。

丸尾:卒業っていいですね、なんかそういう感じ。わかりました。

「就職するとかしなくていい日が来るんじゃないかな」

ちなみに中原さん、就職しようとは思わなかったんですね?

中原寛法氏(以下、中原):そうですね。僕は、ちょっと思わなかったです。僕の場合は、今思うとかなり……まあ、ボケてたんだと思うんですけど。あまり就職するっていう感覚がぜんぜんなくて。

というのも、僕の大学の先輩で音楽をやっているとか、演劇をやっている人がけっこう多くて。そういう人って、就職しなくても死んでない人がいっぱいいた。たぶん「就職しない=ごはん食べれない」とは思ってなくて。「まあ、なんとかなるんじゃない」みたいな感じでしたね。

あと、僕の場合は出身が田舎なので、大企業に入っている人とか見たことないということもありました。象徴的だったのは、僕が大学2年生ぐらいの時に、山一證券っていう大きな証券会社が潰れちゃったんです。それを見て「大きい会社でも潰れることってあるんだな」というのを初めてその時に知ったんです。

そう考えた時に、僕はあまり集団行動とか得意じゃなくて……苦手なんですね。となると、あまり無理して大きな会社に入るよりも、もう少し違う方法があるのかなと思ったんです。

大学1年生の時に、今は『WIRED』という雑誌があると思うんですけど、あの前の前が『Hot WIRED』っていうWebマガジンがありました。そこで当時、リモートワーク……リモートっていう表現はなかったですけど、そういった働き方をしているイギリス人の記事が載っていたんです。

「会社に行かずに、片田舎にいてインターネットで仕事してます」という記事が載ってて。「あ、これは今後、絶対に来るな」「ということは、就職するとかしなくていい日が来るんじゃないかな」と。今思うとちょっと大げさですけど。「だったら先生、僕は就活しないんで、なんとか見逃してください」みたいな感じでした。

そのままやっていたら、僕の論文の審査をお願いしていた先生が当時の就活担当で、「中原くんって来年どうすんの?」と3月ぐらいに呼び出されたんです。

「僕は就職しないんで」と言うと、「円グラフのどこに入れたらいいの?」と言われたんです「あ、ぜんぜん『その他』に入れて大丈夫ですよ」って言ってたら、「いや、『その他』だとちょっと困る」と。学校的に、「その他」が少ないっていうのがすごく重要らしいんですね。

丸尾:「決まってる」というのが。

中原:そうです。僕も大人なんで、「あ、先生わかりました」という話をしていました。そうすると先生が「『フリーランスデザイナー』ってどう?」って言って、「あ、それめっちゃかっこいいじゃないですか」と話して。

(会場笑)

「じゃあ、僕、それでお願いします」で、「その他」から「フリーランスデザイナー」になり、それから始まったんですね。

(会場笑)

丸尾:なるほど。ありがとうございました。

「仕事がおもしろくない」「じゃあ、会社を作るしかないね」

就職には、それぞれかたちがあると思います。今日は起業や独立の話も進めていきたいので、もう一度聞きます。

この中で、経営者や「これから起業したい」と思っている方はどれくらいいらっしゃいますか? 

(会場挙手)

丸尾:けっこういらっしゃいますね。わかりました。

私はもともとサラリーマンだったんですけれど、会社を作ってみてすごく思うことがあります。弊社の創業者は2人で、副社長に白石という女性がいます。前職では、隣の席に座っていました。

当時、僕は白石に「仕事、最近おもんないわ」と言っていたんです。「ぜんぜん仕事がおもしろくなくなっていて」と話したら、白石が「ラジコンヘリを買ったらいいんじゃないかな」と提案してくれて。「いや、ラジコンヘリとかじゃないなぁ」みたいな。

「じゃあ、オートバイとか買ったらいいんじゃない?」「いや、オートバイはけっこう乗っているけど、飽きてる」みたいな話をしていて、「じゃあ、会社を作るしかないね」と言われたんです。「それ以上に、たぶんおもしろいことはないで」と言われて、「じゃあ、会社を作ったら白石は来てくれる?」と聞いたんです。そうすると「軌道に乗ったら行くけど」と言われてですね。

(会場笑)

僕、本当に辞表を出して辞めたんですね。「会社作ります」と。そして白石にもう1回連絡して、「会社本当に作るんですけど、来てくれますか?」と言ったら、「うん。じゃあ、行きます」と言っていただいて。そして、2人で立ち上げたんです。きっと丸尾の可能性を見出してくれて、順調に……。(登壇者に向かって)みなさん、お世話になっております。

(会場笑)

そして、本当に起業しました。

「仕事がないから地元に戻れない」が悔しい

これは裏側の理由です。でも、表向きの理由もあるんです。会社を作った理由には、僕の地元である岡山県津山市に、同級生たちが戻ってこないんです。その理由は「仕事がない」。帰りたいけど仕事がない、だから帰ってこない。それがすごく悔しくて。

(津山市には)すごくおもしろい経営者がたくさんいらっしゃるんですよ。そういったところを、東京で働いている人たちは知らない。そして「地元には仕事がない」と言っている現状がすごく悔しい。「じゃあ、それを見える化して、仕事を創り出す仕事をしよう」ということで会社を立ち上げました。

これが、ちょっとかっこいいほうの理由です。ラジコンヘリじゃなかったっていうのが、本当の理由なんですけど。

丸尾:じゃあ、この中で会社をされている方で、ダンクソフトの渡辺さん。すごくたくさん事業を立ち上げられてる方なので、ちょっとお話を聞ければと思うんですけど。僕はあまり聞いたことないんですけど、ダンクソフトという会社の副社長の渡辺さん、その前はなにをされてたんですか?

渡辺トオル氏(以下、渡辺):イトーキっていう家具の会社に就職をしました。僕、ギリギリまで就職活動してなかったんで、ちょっと親父のツテもあったりして、イトーキっていう会社に入ったんです。

その後、やっぱりサラリーマンが性に合ってないと感じ始めて、いつも公園でサボっては……(笑)。期の初めにできるだけ大きい商談をとって、終わらせて、あとはずっとぶらぶらしているパターンで過ごしてたんです。

ちょっと辞めようと思った時に、時系列わかんないんですけど、ニュービジネス協議会というのが当時、通産省の外郭団体がありました。「僕、辞めます」と言ったら……。僕、入社時にトップ入社だったらしくて、「辞めんな」「いいところがあるから」って行ったのがそこだったんですね。

その時になにを発見したかというと、今で言うと、それこそ孫(正義)さんとか、カルチュア・コンビニエンス・クラブの増田(宗昭)さんとか。僕から言うと一回り上の先輩たちとお会いすることがあったんです。

その時に、同世代が日本でMBAを作るという話があったんです。グロービスっていう会社なんですけど。そこには日本語のテキストがないということで、「おまえ、書けるだろ」って言われて(笑)。いろんな経営者にインタビューしていくという経緯がありました。

結局、「先輩経営者、すごいな」と思いつつも、「俺でもできるじゃん」という感じを強く思ってですね。そして会社をやったりとか、作ったりを繰り返し、あまり儲かってない会社がたくさんあるという状況に至っております(笑)。

丸尾:ありがとうございます。

(会場拍手)

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