人の3倍働いたらどうなる?
勉強ができる奴に勝つための「23時間労働」から学んだこと

働き方トリートメント #3/5

働き方トリートメント
に開催
法政大学キャリアデザイン学部の田中研之輔准教授が定期的に開催している「働き方を学ぶ」セッション。今回は、受付嬢から起業家になったディライテッド株式会社CEO橋本真里子氏と、独立までに27職種経験した株式会社クリエイターズマッチ代表取締役呉京樹氏をゲストに迎え、トークを繰り広げました。常識にとらわれない自由なキャリアの築き方について、学生たちを交えて議論を深めました。

自己体験が多い人のほうが説得力がある

田中研之輔氏(以下、田中):何か込み入った話になってきましたので、何でもいいと思いますよ。聞きたいこと。はい、どうぞ。

質問者3:今、素直さが大事っておっしゃっていたんですけども、大学生活を通して素直さという人間性を高めるために、人と会ったりして高めるのか、自分の実績を求めていろんなことをするのか、どっちのほうがいいとかありますか?

呉京樹氏(以下、呉):どういうこと?  もう1回。

質問者3:実績を積むためにインターンとかで営業に行ったりとかそういうことをするのか、いろんな人と話してこういう経験があったとか聞いて、自分の人間性を確立していくというか。

:自己体験が一番いいと思います。

質問者3:自己体験?

:他人から聞く話より。

質問者3:いろんな人に会って話を聞いて知識をつけるか、自分が何かを起こして実績を残したほうがいいのか、どっちのほうを採用として見ますか。

:採用として見るかというよりは、結局話を聞いてて本質かどうかというのは、自己体験からインプットされた情報かというのはすぐわかるから、やっぱり自己体験が多い人のほうが説得力があるよね。だからすごい本を読む人は頭もいいけど、ただ自己体験じゃなかったら、何時間話しても自分の話に聞こえない。

田中:なんか上っ面な語りになっちゃうよね。

:そう。それよりは1つでも自分がやった経験で成功体験を話したほうが、よっぽど面接の中身の価値があるかな。

質問者3:ありがとうございます。

:ちなみに僕は本を一切読みません。

質問者3:ああ、そうなんですか。

田中:僕の本は読んだんだよね?(笑)。

:えっ?  ちなみにタナケンの本はまだ読んでません(笑)。

田中:もう1年ぐらい前だよ(笑)。

:はい。すみません(笑)。

田中:今度は自分が読んだ本を贈ります。どんな関係だって(笑)。

:読まなくてもわかるから。

「自分から仕事を見つけて動ける人」は活躍する

田中:はい、どうですか?  他に。

質問者4:呉さんのところでインターンしてます。会社の社長さんとしていろんな人に会ったりだとか、会社の中にもいろんな人がいると思うのですけど、お2人の目から見て、「この人、質がいいな」とか「活躍しているな」って思う人、あるいはご自身が尊敬している方々などに、共通している能力だったり、考え方とかあったら教えてください。

田中:うーん、おもしろい質問ですね。じゃあ今回は橋本さんからいってみましょうか。

橋本真里子氏(以下、橋本):そうですね。活躍している人は自分から仕事を見つけて動ける人はすごく活躍しているなというのを実感しますね。やっぱりそれで今の会社でも実際に助けられているし、会社の成長にも繋がっていくのを感じてます。

言われたことだけをやっている人よりも、プラスアルファ自分で何ができるか、自分から仕事を見つけて動くことができる人は、どんな業種どんな職種、もちろん受付でもそうですし、活躍します。そうするといろんな人から評価もされているので、会社にとって存在価値が高い人になるんだろうなと思います。

尊敬する人は沢山いるんですけど、共通しているのはみんないい人ですごい愛されているなということです。さっきの話に戻るんですけど、みんなすごく素直です。裏表もないし、困っている人がいたら助けてあげるというのが当たり前にできる人。偉ぶらなくて、どんな大きい会社の社長でも、スタートアップの社長でも、本当に分け隔てなく接してくれるような人かなという印象があります。

田中:その中間のところで変な社長ってたくさんいますからね。

橋本:いますね。はい。

田中:そこに登り詰めた人は素直さと人望とイノベーティブな行動力と。

:実現力があって。

田中:そうでないところのフツフツ感という人も多いけどね。

嫌々仕事をしている人は絶対に伸びない

呉さんのところはどうですか?  この人は伸びるよという人。

:楽しんでいるかどうかというのはあるかなと思うけどね。嫌々仕事をしている人は絶対に伸びない。

田中:やらされているということですね。

:やらされている感という。もう一度ここを突き詰めるとやっぱり深く物事を考えられる人は成功しているなと思います。例えば僕もそうなんですけど、「なんでこの仕事をしているんだろう」となって、仕事を作業と思ってやっている人って一生伸びないですよ。作業と仕事ってぜんぜん違うんですよね。僕ら逆に仕事を提供する側からすると、この仕事がどういう意味があるのかを、マネージャーにちゃんと説明しろと言ってて。

「これやっといて」は作業にしかならないので。こういう上司にこれからいっぱい会っていくんですよ。これやっといて、あれやっといてって言われたときに、なんでこれをやらないといけないのかを考えられる人は伸びますね。これってものすごい難しいですけど、どんな仕事でも一緒ですよね。

例えば、僕が餅屋さんで働いていたとき、「この餅を100グラム量って丸めてここに置いて」って言われたら、もうそれは作業になってしまうんですけど、「じゃあ人より美味しい餅を作ってやろう」という思考になる人は、ただ単に作業で餅を作っている人とはたぶん1年後にぜんぜん違う人になっているというのがあって。

今自分がやっていることを、どういうふうに仕事にするかという思考を持てる人は成功者が多いかな。そういう人は、結局何でも仕事にできる人になるので。そうすると一個一個でもこっちは仕事を頼んだけど、出てくる仕事の質がぜんぜん変わってきて、「こいつにはもっとおもしろいことがあるよ」っていうふうになっていくから。本当にこれって小さい話でもあるんですよ。

例えば、「プリントアウトしておいて。営業に持っていくから」ってなったときに、ホッチキス止まってない子もいれば、プリントアウトして「ドン!」と机の上に置かれて「いやいや、これホッチキスで止めないと持っていけないじゃん」みたいな。人によってはホッチキスで止めて「これ呉さんが今日指示した資料です」って付箋が付いてクリアファイルの中に入って置いてあるとか。

田中:その差がものすごいあるよね。

:オーダーの仕方は1つですけど、「営業資料をプリントアウトしておいて」というこのお題に対して出て来るアウトプットが100人いたら100通りある。それを見た時に、もうここで伸びしろがわかるんですよね。

社会に出ると本当に理不尽な仕事がいっぱいあるんです。「こんな大学出てこんな仕事をやらされているのか」と思うか、それには絶対意味があるって、ちゃんとなんでこの仕事が自分に与えられたかを考えて、ここにいる誰よりも最高のアウトプットを出そうと思うか。この思考の繰り返し。仕事ってもうこれ以外に何もない。

田中:今このクラスからも1年掛けてインターンに行くんですよ。そのインターンの場所や内容はいろいろなんだけど。雇う側、会社側からすると、やっぱり学生だしね、まだ経験ないから、でも何かさせてあげたいから、「じゃあExcel入力しておいて」というパスがくる。そのときに、たぶんやったことがない人は今の話でいうと、「インターンとして働こうと思ったのに、なんで単純なExcel入力なんですか?」って思っちゃうと思うの。

それは違うっていうのは早く気付いてほしいよね。そこにも実は意味があって、入力を速く、きれいに、何かこうプラスアルファの価値を付けて、デジタルな作業なんだけど、何か温かみを付けて返したら、「インターンは終わると思うんだけどさ、ちょっと来週からも来ない?」っていうのも人間の関係性というか。だから単なる作業に終わらないで、今呉さんが言ったように仕事にしていけるかどうかはけっこうポイントだと思う。

人の3倍働いてみる

質問者5:呉さんが27職種も仕事してきてトップになれたのは、呉さんがどんな素質を持っていたからだと思いますか?

:僕は正直本当に何もないですよ。なんにも技術がない。とにかく映画が好きだったというのはあるんですけど、それ以外はないかなと。あとはもう学力もない。僕は本当に勉強できないので。逆にそれがよかったのかなというふうに今は思ってますけどね。常に下にいれたっていう。あまり人を上からっていうふうに見るってことは人生で1回もなくて、常にハンデキャップだと思っているので。

人の2倍、3倍がんばろうって素直に思えたのが今僕がここにいる理由かなと思ってます。そう思えたきっかけは、20年前くらい、「あの時のあの先輩の言葉だな」みたいなのがあって。一番猛烈に働こうと思ったときに、その先輩の言葉が腑に落ちた。

僕は勉強できなかったけど、その先輩も勉強できなかったし、その先輩も学校はほとんど来てなかったんです。でも今はもうすごい億万長者で大成功していて、会社の会長になっている。毎日パチンコ打ってた先輩なんだけど。

その先輩と「俺らどうやったら勝てるかな?」「勉強もできないしお金も持ってないし」っていう話をしてたときに、「俺らより頭が良くって勉強できるやつが例えば1日8時間しか働けなかったら、俺らは1日に24時間働けばいいんじゃないの」みたいな。

「人の3倍働いたら俺ら絶対に勝てるよ」って言われて「なるほど!」って思ったんです。それから23時間労働をずっと続けてきたんですよね。リアルに人の3倍働くというのをやってみたらどうなるかというと、経験値が増えていって、あまり負ける気がしなくなる。自分がそれを続けられたという僕のポテンシャルが、一番自信に繋がった部分かなと思っています。

僕の経験では、23時間労働を1年半続けると倒れます(笑)。僕22歳で帯状疱疹が出てから1回お医者さんに死ぬよって言われたことがあったんです。なので自分のメンタルを気にかけながら働いていました。

人が働く時間をどれだけ超えていけるかを実行できる人は強いです。でも、だんだん生産性を考え出すんです。1日24時間って人が産まれて唯一持つ平等なものじゃないですか。この24時間をどう使うかということになってくる。

最初は8時間働く人を僕は23時間で超えようと思ったんですけど、23時間ずっと働いていると、この23時間で何をやるか考え出してくるんですね。それがだんだん生産性向上に繋がって、今まで23時間で1個の仕事しかできなかったのが、3つできるようになったりとか、4つできるようになったりとかなってくる。そうすると、給料上がりますよね。つまり、自分たちが今後キャリアを考える中で、効率化していくということをやっていかないと。

これぐらいの給料をもらっていきたいって思ったときに、給料ってイコール時間的な価値なので、それを企業側にちゃんと見せられるようになれば成長していけるなとは思いますね。学校側からそういうことを教えてはくれないですけど、基礎地は必要なので、ちゃんと学校で勉強の素地はあったほうがもっと伸びると思う。僕は今考えると大学に行きたかったなって、大学行ってたらどうなったかなって思うんですけど。

みなさんがこういう環境にあるんだったら、それを上手く活かして、ただ謙虚に。やっぱり人よりどれだけ働けるかというのをやっていくこと。だいたい僕は単細胞なのでそれができたからよかっただけです。それ以外特殊な能力は何も持ってないです。

でも23時間働ける人ってそんなにいないなっていうのが今になってわかりましたよ。当時はそんなこと考えてなかったので。

能力をどこまで伸ばせるかは、時間の使い方次第

田中:よく考えるんですけど、我々大学だと90分1コマで動いていくんですよ。90分が15回あるんですよ。結局90分をどう受けるかというのが能力をどこまで伸ばすかっていう話じゃないですか。そうすると我々教える側は同じようにやっておけばいいけど、90分の受け方はみんなそれぞれで。例えば300人いるとして、前回の90分よりどう伸ばしていくか。どう伸ばすというか、どう濃くしていくか。本人たちが。

よく話題になってたんですけど、例えば100メートル走の秒数を先週よりも速くしろというアジェンダは明確で、結果が出るから。だけど働き方もそうだと思うんですけど、例えば勉強なんかだと、どれぐらい頭を使っているのかが、先週の自分の対比でわかりにくいんですよね。だからそういう工夫をなにかしたほうがいいと思うの。

例えば僕の授業では、パソコン開いていいし、携帯触っていいからって言ってて。僕のレクチャーを聞きながら片方で関連文献の英語を読んで、ソーシャルでそれに関連するものを調べながら自分の考えをまとめていけとかね。そうすると3つ、4つのタスクを同時にやってる90分と、ただノート書いて頷いている90分じゃ違うじゃないですか。

当然、前者のほうが伸びるわけで、その時間の使い方を早めに気付けば、大学時代もかなり伸びるかなという気はする。

働くことと大学にいることって、大きな仕組みの違いはないと思うんですよね。大学でもやれることはあると絶対に思う。でも、その負荷の掛け方が甘いほうに人間は流れちゃう。だから、もし可能だったら誰かがインターンに入ったほうがいい。

そうしたらこのインターン先の速度感、今伸びているベンチャーの社長の近くで何が今必要なのかっていうのがわかる。それがインターンのすごく大事なメリットの部分で、みんな間違えちゃうのは、インターンに行ったら頭の中がインターンのみになっちゃうわけ。勉強を軽視しちゃう。

それは違っていて、インターンに行って戻ってきて、その加速化した脳と経験で授業を聞いて「この先生こんなこと言っててつまらないな」とか「おもしろいな」とかいう判断をしながら、またインターンに行って鍛えられてというこのサイクルを確立したいんだよ。

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