2024.12.10
“放置系”なのにサイバー攻撃を監視・検知、「統合ログ管理ツール」とは 最先端のログ管理体制を実現する方法
How a Storm Triggered a City-Wide Asthma Attack(全1記事)
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ハンク・グリーン氏:2016年11月のある暑い日、オーストラリアのメルボルンの街に雷雨が起こりました。
すると突然、何千人もの人たちが息苦しさを感じました。台風による、奇妙な喘息発作が生じたのです。
たった5時間の間に2,000件近くも救急車の緊急要請がされました。最終的には9人が命を落とし、病院は8,500人もの患者の手当てに追われました。一体何が起きたと言うのでしょうか?
ありがたいことに、このような出来事は珍しいケースです。しかしこの現象は以前にも起こったことがあるのです。
これは「雷雨喘息」と呼ばれます。このほかのケースではアメリカ、カナダ、イギリス、イタリアでも、この「雷雨喘息」が生じたことが記録されています。
今お話しした一番最近のケースは、我々が知る限りでも最悪のものです。それまでは、「雷雨喘息」で亡くなった人は1人だけで、一番大きなケースでも、発症したのは数百人にすぎませんでした。
科学者たちも、正確に何が「雷雨喘息」を引き起こすのかをわかっていません。しかし最も可能性がある理由は、嵐が花粉などのアレルギー物質を巻き上げ、その濃度を上げるため、人々はそれを大量に短期間に吸い込んでしまうから、というものです。
そのようなものにアレルギーを持っている人は、花粉やカビを吸い込むことにより、免疫反応が起こり、気道が閉じてしまうため、それにより喘息発作が起こるというわけです。
しかし問題はたくさんのアレルギー物質が巻き上がるということだけではありません。通常、ほとんどの花粉は人の肺に入り込むには大きすぎます。もし万が一、顔面に花粉を浴びてしまったとしても同じことです。
しかし、嵐はそれを変えることができるのです。上昇気流は花粉を巻き上げ、雲の中まで持っていきます。すると雲の中で花粉は水と反応します。すると花粉は広がり、そこから放出される粒子のそれぞれが何百もの微粒子を放出します。
強い風となった下降気流はそれらの微小な花粉の破片を地上に戻し、それを人々が吸い込むことになりますが、さらに細かくなった花粉は肺の奥に入り込んでしまうのです。同様のプロセスは嵐により舞い上がる、極小の真菌の胞子にも起こります。
この現象は「雷雨喘息」と呼ばれますが、喘息持ちの人だけにその危害があるわけではありません。メルボルンの被害者を対象にした最近のアンケートでは、「雷雨喘息」を発症した人のうち40パーセントは、それ以前に喘息を発症したことがなかったのです。
そのかわり、重要な原因となるのは、その時に嵐が巻き上げた特定の種類のカビや花粉にあなたがアレルギー反応を示すがどうかということです。つまり、花粉症など季節の花粉に対するアレルギーを持っているなら、誰でも「雷雨喘息」にかかってしまう危険があるのです。
メルボルンのケースがなぜそれほど大規模になったかという理由の1つについて、科学者たちは、原因となった牧草の一種であるライグラスの花粉に対してアレルギーを持っている人が多かったことと、その時ちょうどその花粉が大量であったということをあげています。
世界中の約20パーセントもの人が何らかの草木の花粉に対して敏感ですので、単純に雷雨喘息の危険は、大勢の人が同時に治療を必要とすることになるということなのです。
メルボルンでのほとんどのケースがそうであったように、全ての患者の元に素早く救急車が駆けつけることができないかもしれません。さらに複雑なことに、この発作は喘息持ちではない、予期していない人の身に生じるのです。
喘息持ちでない花粉症の人たちは通常鼻水が出たり目が痒くなったりするということはあるかもしれませんが、息苦しくなることはありません。ですから吸入器などの薬を手元に持ってはいません。
このような出来事は珍しいので、毎日このことを心配して過ごす人はいないかもしれませんが、専門家たちの中には、気候変動によりこのようなことが今までより頻繁に生じる可能性があると言っている人もいます。
世界の多くの場所で、より暑い気候により、嵐の数と強さが増えると予想されています。そして大気中の多くの二酸化炭素が植物にもっと花粉を作り出すよう、しかも、もっと強力な花粉を作るように拍車をかけるのです。
ですからあなたの住む所へ嵐が向かって来ること、そして花粉の量が多いことが分かったなら、吸入器が手元にあるかどうかを確認した方が良いかもしれません。念のためです。
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