山にこもって執筆に集中

のぶみ氏(以下、のぶみ):2ヶ月の間に何かありました?

西野亮廣氏(以下、西野):僕はね。大きくは、何だろうね。山にこもっていたので、ずっと。

のぶみ:山はどこの山にこもっていたんですか。

西野:長野県の山になんですけど。僕はずっとそこにこもって。

のぶみ:長野県!

西野:そこで作業です。

のぶみ:まだ涼しいのかな?

西野:もう朝とかは、2度とか。

山口トンボ氏(以下、トンボ):寒いですね。

西野:朝2度とか、5度とかですね。だから朝むちゃくちゃです。

のぶみ:寒いんだ。

トンボ:むちゃくちゃ寒いですね。

西野:だから暖房つけてました、朝は。

のぶみ:そこ、やめときゃよかったのに。

西野:そうなんです。

のぶみ:そこで何やったんですか、山こもって。

西野:山こもって、脚本書いたりとか、やらなきゃいけない。

のぶみ:まとめて集中しようと。

西野:むっちゃ、いいですよ。

のぶみ、トンボ:うんうん。

西野:あのー。仕事全部やめちゃって、その10日間がっつりやったんですけど、執筆を。むちゃくちゃいいですよ。いろんな仕事をかけ持ってやるより、1つのことをずーっとやるって、むちゃくちゃ効率がいいですよ。

トンボ:なるほど。

のぶみ:だから缶詰みたいなことを昔から作家が言ったことだよね。

トンボ:作家さんはよく聞きますよね。

のぶみ:出版社と缶詰とか。

西野:僕なんか移動中に仕事をやったほうが効率がいいと思ったんですよ。つまり東京から大阪行くまでの新幹線の合間に、本書いたほうが効率がいいと思ってたんですけど。

のぶみ:俺は無理だなー、あれは。

西野:そうなんですよ、やっぱりね。1回1回電源切らなきゃいけないから。

トンボ:そうなんですよ。

西野:起動までに時間がかかっちゃう。

トンボ:たしかに、たしかに。

西野:そこの時間、立ち上げの時間をばっさりカットできるっていうので、僕は結果、すごいよかったです。

トンボ:はかどったっていうことですよね。

西野:むちゃくちゃ、はかどった。10日間とっていたんですけど、もう半分くらいで、5日間くらいで終わったんで、早めに。

不誠実なインタビュー記事に対する怒り

あと途中、吉本にちょっとムカついて。

トンボ:なんでムカついた。

西野:吉本の本社に怒鳴り込みにいってやろうと。

トンボ:山から怒鳴りにって、鬼。

(一同笑)

トンボ:やってることが、鬼と一緒ですよね。山から下りてきて。

西野:鬼。

のぶみ:それ、何にムカついたんですか。

西野:なんかムカついたんですよ。ちょっと、なんだっけな。

トンボ:僕の知りうる情報では、インタビューとかの記事の。

西野:あぁ、そう!

トンボ:そのことで怒られていたような。

のぶみ:インタビューの記事?

西野:はい。あの、『サイゾー』ってあるじゃないですか。

のぶみ:はいはい。

西野:アホじゃないですか、あいつら。

のぶみ:(笑)。

西野:サイゾーってアホだと思うんです。アホだから、なんていうんですか、悪口でしか稼げないじゃないですか。PVも。

トンボ:なるほど。

西野:アホだから。でも、サイゾーはいいんだけれど、そのサイゾーのなかでもアホなやつと、ちゃんと話してわかるヤツといると思うんですね。

トンボ:はいはい。

西野:で、取材のときは、話してわかる人だったんです。で、サイゾーの勝手に記事おこしているヤツは、アホな記事にしかしないんで、いいんです。どんだけアホなこと書いても。コイツはいいんだけど。取材をしてきっちり話をして、ちゃんと膝突き合わせて話した人が、僕がしゃべったことをアホなふうにするんですよ。要は、言ってもいないことを。

トンボ:創作しちゃうってことですよね。

西野:そうそう。そんなことしちゃうと、まず、俺はお前と二度と仕事しなくなるし、お前この1回のためにいろんなものを失っちゃうよ、と。

「僕の取材において、言ってないことを文字にするのはやめろ」

それでやっぱり、アホだなって思って。これに関してはいいんですよ、サイゾーはアホだから。犬が「ワン!」って吠えるようなもんで、仕方ないじゃないですか。サイゾーが悪口を書いちゃうのは。ありもしないことを書いちゃうのは、それはサイゾーだからいいんですよ。それはいいとして。吉本興業は違うじゃないですか。

トンボ:はい。

西野:吉本興業に関しては広報がきちんとある。広報の部署に言ったんですよ。それは前から言っていて、ネットニュースのやつとかって本当に文章能力がないから、とにかく……なんだろうな、攻撃的な言葉に変換して、PV数を稼ぎにくる。アイツらは技術がないから、それしかできないんだから。

だけど、現場で言ってないことを変換されてしまうと……例えば僕、前にあったのは、なんとかっていう媒体で、タイトルに「みんな、俺のこと妬んでるんでしょ!」みたいな。

のぶみ・トンボ:あー。

西野:タイトルが僕のセリフで。

のぶみ:なるほど。

トンボ:カギカッコ。

西野:もちろん、キングコング西野「みんな、俺のこと妬んでるんでしょ!」って、タイトルつけてあって。

のぶみ:(笑)。

西野:もちろんだけど、現場でそんなこと一言も言ってないですから。

トンボ:言ってないですか?

西野:言ってないです。言ってない、一言も言ってない。で、こういうことが出回ってしまうと、これがこの記事で終わってるんだったらいいけど、これが出回ってしまうと、次に(TVの)『バイキング』でいじられたりとか。

トンボ:そうですね。

西野:『スッキリ』でいじられたりとか。なんか、『めちゃイケ』とかでいじられたりのときに、「西野、これどういうことなの?」って言われたとき。何もおもしろいことにならないんです。

のぶみ:そうだよね。

西野:「これは言ってないことを勝手に媒体の人がやったんです」って言ったら、「あぁ」で終わる。地獄みたいな空気が。

のぶみ:「う~ん」ってなる。もう「言った」としか言うしかない。

西野:言うしかない。「いや、これ違うんですよー」って、ここで僕、嘘つくのもようわからんし。

で、そういうことになっちゃうから、そのときに吉本の広報の一番偉いやつ呼んで「お前いい加減にしろ!」って言って。言ってないことを記事にしたときの、その後始末っていうか、「この1回のPV数を上げるために失うものがどれだけデカいと思ってる」「なんでおまえらは、そこまで考えがいかないんだ!」って、バッチリ言って。「金輪際、僕の取材において、言ってないことを文字にするのはやめろ」と。

トンボ:なるほど。

西野:っていうことを、サイゾーみたいなアホな媒体はやりたがるけれど、間に入る吉本がきっちりチェックしろと。

のぶみ:砦だからねー。

西野:お前らは契約もしてないくせに、アホ集団がお金持っていってるわけじゃないですか。「僕らはお金をあげているんだから、それくらいはやれ」と。

広報の偉い人を呼び出して鬼のような理詰め

で、言ったんだけど、また今回のサイゾーの件で、なんか酷いのがあがってきて。(視聴者に向かって)すいません長くなっちゃって。

で、「インタビューの原稿チェックをお願いします」って。原稿チェックレベルの話じゃないです。全部ごっそり変わってるから。

のぶみ:(笑)。

西野:原稿チェックして、「ここおかしい」「ここおかしい」ってやってたら、俺が書いたほうが早いから。山ごもりしている時だったんですよ。山ごもりして。

トンボ:つくってるとき。そういう話になってきますね。

西野:『えんとつ町のプペル』をやっていたときに、朝から晩まで、えんとつ町、えんとつ町でいたんですよ。それで、ずっとやってたんですけど。原稿チェックで4回も5回も来るもんだから、これはもう許さんぞと。

「山おりる!」って言って、マネージャーのアユカワ氏に電話して、「とにかく今日の夜までに広報の一番偉い奴が俺んちに来るか、俺が新宿に着くから新宿にいるか、どっちかに来させろ」と。それで臨戦態勢で言ってやりました。

のぶみ:(笑)。相手どうなったんですか? 「すいませんでした!」的なことになったんですか。

西野:どうなったんだっけな。僕、ブチ切れてたんで。でも大声は出さないですよ。

のぶみ:あ、怖いやつだ。

トンボ:冷静に。

西野:冷静に。でも覚えてます。うっすらと覚えているんですけど。えーと、まず広報の一番偉いオッサンと会いました。

のぶみ:偉い人、出てくるんだ。

西野:開口一番、「僕、キングコング西野、吉本興業所属の芸人ではないですよね? “はい”か“いいえ”で答えてください。はいどうぞ」。

のぶみ:(笑)。

西野:そんでごちゃごちゃ言いだしたんです。「いや違います。“はい”か“いいえ”で」。

「厳密には違います」「そうですよね、ここで契約なんかしてませんもんね、吉本興業の芸人じゃないですよね」ってところからスタートして、そこからは理詰めです。鬼のような理詰めです。

(マネージャーに向かって)アユカワちゃん、あれ5分くらいで終わったよね? 5分くらいで終わったの。

トンボ:早かったですね。

西野:早かったです。

のぶみ:(笑)。

西野:たぶん、僕がいくまでに対策ができてたんです。

トンボ:西野が山からおりてくるぞ。

のぶみ:「あいつ、とんでもないこと言ってくるぞ!」って思ったのか。そうか。

西野:それで山からおりてきた。

トンボ:よほどムカついたんですね。

のぶみ:俺、2ヶ月の間、それこそ『ワイドナショー』でも(西野氏を)見たし。『ワイドナショー』でディレクターに切れて帰ったっていうのを。

西野:2ヶ月の間ですか。

のぶみ:そうです。あれ、テレビで見ました。西野さんが、なにか。

トンボ:すごいですね。

のぶみ:みんな、「それ当然じゃない」って。

西野:あれは、そうなんです。僕に限らず、山口さんもご存知なんですが。

トンボ:はいはい。

西野:けっこう芸人はあの目にあってるんですよ。あの憂き目に。おもしろくもないディレクターに無茶ブリされて、このフリが悪いもんだから、芸人がこたえられなかったときに、「すべってますね!」みたいな。こういうの、いるんです。

トンボ:地獄な。

西野:地獄なような。

のぶみ:頑張らないといけない、っていうような。

西野:はいはい。だから、芸人さんなら、あれはわかってくださる。

のぶみ:そうなんだ。

西野:。あれは、あります。あれが、そうか、2ヶ月の間でした? であれば、濃かったですよ。非常に。

のぶみ:(笑)。

西野:切れて帰ったのも、2ヶ月の間だったから。

トンボ:いろいろ大暴れですね。