「数値化は難しい、けれど…」熱量の高いファンを巻き込んだビジネスはどんな効果を生み出すのか

取り組み紹介1 #4/4

アンバサダーサミット2017
に開催

80以上のアンバサダープログラムや活動に注力するアジャイルメディア・ネットワークが主催する「アンバサダーサミット2017」が行われました。その取り組み紹介として、カプコンやベンキュージャパン 、トリドールホールディングスの登壇者らが登壇。本パートでは“熱量の高いファン”を巻き込んだアンバサダープログラムに参加したことでなにが変わったのか。また、数値化しにくい部分をどうクリアし、社内での承認を得たのか。各社が語りました。

人集めの敷居を高くしすぎない

出口潤氏(以下、出口):なるほど、ありがとうございます。大洞さんはいかがですか?

大洞マキ氏(以下、大洞):1つの商品にわりとフォーカスした内容で試食会をやっているんですが。それを取材した記事を見てみると、お店そのものだったり「こんなに大変なんです、丸亀さん!」など、商品じゃない内容のボリュームが意外に多くなっている試食会が何回かありました。

そこってわざわざ情報を出してないんですけれども、自らもっと知りたいと思って、見つけてきてなにか書いていただけるのは、すごく意外な反応でした。

出口:なるほど、ありがとうございます。ちょうどですね、今このみなさまとお話をし始めたころに、ハッシュタグでご質問などが上がってきておりまして。

「ファンの方はどのように集めましたか? なにか資格や条件を設けましたか?」というご質問をいただいてます。いかがでしょうか?

中谷洋氏(以下、中谷氏):うちは、それはぜんぜんなくて。さっきお話したように、「6月13日の『E3』ショウで『バイオ7』出ますよ。アンバサダープログラム始めますよ。みんなで盛り上がりましょうよ」って、本当に応募フォームを作ったそれだけなので、とくにそこに制限はないです。

出口:はい。いかがですか? 洞口さん。「表向き設けてないけども、裏ではこういう人たちを、ある意味ちゃんとより見てます」みたいなのもあれば、おうかがいできればと思いますけども。

洞口寛氏(以下、洞口):選定にあたって、いろいろプラットフォーム上でキーワード選定があると思うんですけれども。あまり細かくしてしまうと、人はちょっと集まりにくい印象は受けていました。

あまり敷居を高くしすぎず、写真家なら写真家ですとか、アマチュアですとか、そんな感じで人を集めましたね。そこまで苦労したのはなかったですね。逆に、敷居を高くしすぎず、もう少しライトなところでやっていけばというかたちですね。

次の課題は「海外展開に使えるかどうか」

出口:ありがとうございます。大洞さん、どうですか?

大洞:1回目の試食会の、たぶん2週間ぐらい前だったと思うんですが、わりと自社のオウンドメディアを使って大々的に「試食部っていうのが始まるので、どうですか?」みたいなかたちで応募しています。2週間でたぶん……、わりと思っているよりもたくさん集まっていただいて。

ただ、実際に試食会にいらっしゃる方がどうしても都内で、かつその日が空いていて、という制限が出てしまう。

そこの中ではわりとアジャイルさんが出していただくレーティングですとか。あとは、基本的に丸亀製麺へ、ここ1ヶ月以内に絶対来ている方。質問項目で付けさせていただいてるんですが、ふだんをよく知っていただいているという方にこそ召し上がっていただきたいというのがあります。そこはわりとチェックとしては見ていますね。

出口:なるほどですね、ありがとうございます。じゃあ逆に今、課題に感じられていることなどあれば、おうかがいできればと思いますが、なにかあったりされますか?

中谷:そうですね。先ほどから日本の事例をたくさん見ていただいていると思うんですけども。全世界的にやっているとはいうものの、我々の場合、それぞれ海外に販社(販売会社)がありまして、そこにプロモーションのスタッフがいます。

彼らに同じようなことをどうやってやってもらうか、もしくは、彼らにこれ(アンバサダープログラム)の重要性だったりっていうのを、どうやってわかってもらうかっていうところで。もう少し「プログラムをこういうふうに使えますよ」というサンプル事例を販社にも見せなきゃいけないし。

プラットフォームの機能をもう少し海外寄りというか、海外の事例にも使える、例えば、測定できるSNSを増やすとか、そういう部分をやっていかないと難しいのかな、っていうのはあります。

どこにKPIを置くか、参加者にニーズにどこまで応えるか

出口:はい、ありがとうございます。洞口さん、いかがですか?

洞口:1つ目は、実際にプログラムを通してどう売上につながるのか。それはKPIの部分にもつながってくると思うんですけれども、そこがプラットフォーム越しでわかるような施策などあればいいと思ってるのが1つですね。

2つ目は、液晶もピンキリなんですけれども、物によっては10万弱ぐらいのものがあります。なので、イベントをするといった時、自分たちの製品を簿外品にするって簡単ではないので。

そこでけっこう営業と衝突したり、ファイナンスに了承をとったりで、もっと上に了承を取ったりがあるかなとは思いますね。

幸いなことに、私の部署としては、私で判断ができるのでいいんですけれども。管轄外のみなさんのところでは、そういうことで課題が発生するんじゃないかな、とは思ったりしますね。

出口:なるほど、ありがとうございます。大洞さん、いかがでしょう?

大洞:今、本当にスモールスタートで始めているんですが、ここを拡大をするべきか否かというところで。おそらく今後の、それこそKPIをどこに置くかというところで変わってくるんだろうなと考えています。まさに、来期どっちを向いていくかが大きいというのが1つと。

あと、先ほどから申しているように、商品を固定してお話をしています。でも、意外と参加される方のニーズとして「もっと根幹のお話を聞きたいと思っている」なんてアンケートなど、けっこうたくさん今いただいているんですね。

それをやることはぜんぜん問題がないんですが、やった結果、販売ってものすごく数値を取りにくいところになる。そこをどうやって実現していくかっていうのが、わりと今、テーマになりますね。

ゲームでは「プレイと発言がイコールじゃない場合もある」

出口:なるほど、ありがとうございます。じゃあ、やっぱり導入前と導入してみて、そして今後では、見ていくべきKPIとか効果の部分も変わってくるのかな、っていうところですよね、おそらくね。

今後、チャレンジしてみたい施策だとか、「こんなことがやれたらいいな」みたいなものって、なにか今思い浮かべたりされますか?

中谷:実は「バイオハザード アンバサダープログラム」の登録の時に、ログインするアカウントに、1つ「カプコンアカウント」っていうものを設けてます。これはなにかといいますと……。

出口:(スライドを指して)こちらですね?

中谷:そうですね、一番下のやつですね。実際、「バイオ7」の例で言うと、「バイオ7」をプレイした人が、Web上で自分のプレイデータや、世界で今どれぐらい、順位がどうだろうとか、そういうのが見られる機能だったりするんですね。

これを、この(アンバサダープログラム)登録の時にアカウントログインしていただくと、アンバサダープラットフォームと、そのカプコンアカウントが連動します。

実際にゲームをプレイして、どれぐらい進んだ・クリアした・どういう武器を持ってクリアした・どこで何回死んだ、みたいなデータと、このアンバサダープラットフォーム上で取れる発言が連動してきます。

じゃあ、どんなお客さんが「バイオ7」を買って、どんな発言して、その人はどんなプレイをしているんだ、みたいなことが全部つながっていく。そこから得られるこれからの施策の考え方だったり、情報発信の方法だったりが、もっともっといろいろできていけるんじゃないかと考えています。

出口:なるほど。そうですね、実際こちらを見ていただいている画面にもある通り、弊社のご提供させていただいているアンバサダープラットフォームというのは、ソーシャルメディアの連携が通常ですと、Twitter、Facebook、Instagram、LINEの4つなんですけども。

カプコンさんの場合には自社でカプコンアカウントというのをお持ちでしたので、いわゆるAPIを公開していただいていた状態でしたので、我々で追加開発をさせていただいて、アンバサダープラットフォームに連携を組み込んだ、っていう状態ですね。

はい。ありがとうございます。確かに、どれだけゲームをやってる人がいて、どう発言してるか、みたいな。確かにワクワクしますね、見るのがね(笑)。

中谷:変な話ですけど、プレイと発言がイコールじゃないかもしれないわけで(笑)。

出口:あり得ますよね(笑)。いわゆる「いっぱい負けてる人のほうが、実はいっぱい言ってるんじゃないか」みたいなことですよね(笑)。

中谷:はい。逆にそれが、社内の今後のプロモーションにもそうだし、ゲーム開発にもそうだし。いろんなものに社内で活用できるんじゃないかなっていう、そこに可能性はちょっと感じています。

アンバサダーからいろんなサジェスチョンが生まれていく

出口:はい。洞口さん、いかがですか?

洞口:今、ちょっと営業部と話をしているのが、クローズドになるんですけれども。売上に実際につながるような、いわゆるクーポンですとか、そういったところをアンバサダーさん特典、もしくはそこから派生したユーザーさん特典に……。

出口:あー、なるほど。「アンバサダー特別割引」というか。

洞口:そうですね。そういったかたちで、ある一定の期間プロモーションするのは、おもしろいんじゃないかなと話して、興味は持ってもらってますね。

ただ、どうしても製品自体の販売はオープン価格ですので、クローズになってくるかな、とは思っている次第ですね。

出口:じゃあ、そういったことにもチャレンジしていき、売上にどれだけ貢献できるかもチャレンジされようとされてる感じですか?

洞口:そうですね。どうしてもKPIの設定時に、いわゆるマーコムがハンドリングする数値以外に、営業の売上っていうのがどうしてもかかってきて。それを本社に対してレポーティングをして。

それで、「結果どうなんだ? 続けていくのか?」っていうところがどうしてもあったりしますので。本当、セールスにつなげていくようなかたちを取りたいですよね。

出口:なるほど、ありがとうございます。あとはベンキューさんですと、たぶん今月の下旬に、「CP+」って言われるイベントにも出展されると思うんですけど。そこに実はあれですよね、アンバサダーに登壇してもらったりとか、ブースのレポーターとかスタッフやってもらったり、みたいなかたちで、ご協力いただくみたいな企画も今やられてますよね?

洞口:快く受けてくださいましたので(笑)。助かります。

出口:たぶんアンバサダーはすごく盛り上がるんじゃないかな、と思っているので、ぜひちょっと楽しみですね。そういうところだと思います。

洞口:アンバサダーさんを通して、うちとしてはだいたい20名ぐらいの体制でやってますので。いわゆる製品の質問ですとか、かなりコアなユーザーさんもいらっしゃるので。

そういった質問ですとかフィードバックですとか、うちがやるよりもアンバサダーさんでやっていただくようなケースで、いろんなサジェスチョンがそこで生まれていくと助かりますよね。

出口:そうですね。

洞口:実際にそういうケースも今出てるかと思うんですけれども。そういったところを増やしていきたいですね。

参加者におもしろいと笑ってもらえるように

出口:なるほど、ありがとうございます。大洞さん、いかがでしょう?

大洞:試食会にみなさん、やっぱり参加されたいんだと思うんです。

出口:大阪の方からも、「やってほしい」みたいなご要望が来てましたよね(笑)。

大洞:そうなんです(笑)。「地方で参加できないんです」というお叱りの声もいただいてますので。ただ、それも全国ツアーのようにいろんな地方でやったらいいのかというのも1つ、予算的なこともありますので。なんとかそれを、この楽しい試食会の感じを、全国でツアーじゃなく……。

出口:伝えられる方法はないか、みたいな。

大洞:そうなんです。いろいろ今、ネットワークがありますので、なにかやり方がないかなと思って。一般的にサービス業でこういう活動をされているところのやり方は、いくつかもう例が出てきているんですが。

まだどこもやったことがないような、でも参加者がちょっとおもしろくて笑ってしまうような、なにかができないかな。それをちょっと来期にかけてチャレンジをしたいなと思っています。

お客さんとの貴重な接触機会

出口:ありがとうございます。間もなく時間になってしまうところなんですが、最後に、本日ご来場いただいているみなさまの中で、「これから始めてみようかな」とお考えの方々に、なにかもし始める時のコツ……。社内でなにか承認を取っていくうえでのやり方、みたいなアドバイスがあれば、ぜひお願いしたいなと思うんですが、いかがでしょうか?

中谷:そうですね。やっぱり今いろんなところで、どういう声があふれてるか。Yahoo! なんとかとか、いろいろ見ればわかるんですけど。

アンバサダープラットフォームを用いてプログラムをやっていくと、どういう人が過去になにをしゃべってるかとか、こういう生活をしているから、今自分たちの製品に(ついて)こういうことをしゃべってくれてるんだっていうのが、みんなちゃんとわかる。

こういうプラットフォームってなかなかないと思うので。これを自分たちのビジネスに使う大事さが、もっともっとうまく伝えられたらいいなって思う。

僕らはそれでいろんなお客さんと接してきたし、イベントに来てくださった方が別の体験会に来られた時に、うちのプロデューサーとかに、「こないだの」「あ、どうもどうも」みたいな感じで、接触機会も増えていきます。

そういう目に見える効果が出てくるし、それに関わってるスタッフも、そういうことでやってることの良さとか、すごさを実感してくれると思うので。

そういう体験を僕らも、もっと伝えていくべきだと思うし、そういうのをもっと社内でレポートできるようにしてもらえればいいんじゃないかな、とは思います。

出口:ありがとうございます。洞口さん、いかがでしょうか?

洞口:そうですね。個別の部署で、例えばマーコム……広報という部署があったとすると、なかなかそこだけでは難しいところがあるのかなと思っていて。簡単に営業部に相談するっていうようなかたちを取ったとしても、「じゃあ、セールスにすぐつながるの?」と、いろんな話になってしまうので。

サジェスチョンとしては、プロダクトを管轄しているような、いわゆるプロマネ(プロダクトマネージャー)あたりのところに相談するのがいいんじゃないかなと思いますね。

あとは部署間で、先ほどカスタマーケアっていう話をしたと思うんですけれども、実際にユーザーさんの声の部分にあたるところなので。そこともちょっと連携をしたりして、っていうようなかたちを取ると、もっと違った動きが取れるんじゃないか。自分たちだけで悩まずにできるんじゃないかな、と思うんですけどね。

「まずは小さく始める」が大事

出口:ありがとうございます。最後、大洞さん、ちょっと締めていただいて。よろしくお願いします。

大洞:締めですか?(笑)。

出口:はい、最後になります(笑)。

大洞:やっぱり業種ですとか、カスタマーとの関わりの距離感で、こういうのってなかなか難しい部分があるんだろうなと、今日1日、本当に思っているんですが(笑)。

「なんかきっといいことが起こる」という匂いってみなさんお持ちで。そこの小さな事例をどれだけ集めて、どれだけ見せられるかっていうところが、社内承認的には一番のキーかなと思っています。当然KPIとか数字的なものは大事なんですが。

出口:それも添えるけども、っていうことですよね?

大洞:そうですね。なので、いきなり大仰なというか、大きなシステムをなにかというよりは、小さいそういった事例をたくさん集めて「これをもう少し仕組化したら、こうなります」というような。

わりと、ゴールデンイメージからずいぶん近寄ったところの実験とかトライを、小さめにまずはちょっとやってみるっていうのは1つの手かなと思っております。

出口:なるほど、ありがとうございました。そうですね、はい。3時までの予定が2分ほど過ぎてしまいました。すいません。

先ほど3名の方ともお話させていただいていて、「このプログラムの企業間でコラボとかできたらいいね」みたいなお話も、ちょっと雑談で上がっていたりしました。「ぜひコラボしたいな」と思われる方々がいらっしゃたら、後ほど3人にお声かけいただければと思います。

3名の方、ありがとうございました。拍手をお願いいたします。ありがとうございます。

(会場拍手)

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