創業以来10年連続で増収増益を達成したじげん
平尾丈氏(以下、平尾):みなさん、こんにちは。次元を超える事業家集団じげんの、愛情・友情・IVS DOJO、平尾丈です。
(会場拍手)
はい。決まりましたね。今日、(このフリを終えたことで)半分の仕事が終わりました。
今日は「次元を超える経営学」というかたちで、私からお話をしたいなと思うんですが。まずIVSのみなさん、10周年、本当におめでとうございます。10年と言えば、ということですが。じげんは創業以来10年連続で増収増益を果たしました。拍手をいただきたいと思います。
(会場拍手)
ありがとうございます。なんとか生き延びております(笑)
10年というのは、ニトリさんが30年、ドン・キホーテさんが28年とかありますが。IT業界ではヤフーさんが19年、エムスリーさんが15年、エス・エム・エスさんが13年、カカクコムさんが11年とあるように、本当に一握りの会社が実現できている実績かなと思います。
Amazonのジェフ・ベゾスさんは「利益を残さない経営」をしているなど、いろんな手法論があります。なので、なにが答えかわかりません。
私たちなりの経営スタイルとしてやっています。そこで、よくご質問いただくのが「どうやって経営しているのか?」ということです。いろんな先輩方から「利益を残しているのではないか?」と言われることもあります。
でも、そんなことはまったくなくて。毎年もう最後の一滴まで絞り切った雑巾のようにフルスロットルでございます。今日はこのへんを、私なりに紐解いていけたらなと思っております。
小学生時代から補助線を考えるのが大好きだった
原体験としては、幼少期。(スライドを見て)今日、たぶん一番かわいいですよね。ほかの登壇者さんたちもお子さん時代の写真を出してきましたが。
これはたぶん、3〜4歳の平尾丈くんです(笑)。
このあと1つ、試練が待っています。小学校受験に失敗するんです。そして、公立の小学校に6年間行くんです。これが非常に退屈だったんです。どういうことかというと…。
(スライドを指して)次のページです。
公立の小学校の定番で100点が当たり前と言われるカラー印刷のテストです。これ、なにが苦しいかというと。問題はだいたい5分で解き終わってしまうんです。このあとの時間、なにしていいかわからないですよね。これはみなさん、ご経験、共感する方も多いんじゃないかなと思います。
唯一の救いは、算数でした。算数は問題の答えは出るんです。(スライドを指して)こんな感じでひたらすら補助線を引く・引く・引く。みんながこっちから引くんだったら、俺はこっちから引くぞという感じで。今の自分の生き方そのものかもしれませんが、補助線を考えるのが大好きでした。
補助線は、実際には与えられた図形にありません。でも、その線を引くことで、問題解決の助けになる線のことを一般的に言っていると思っています。
自分、平尾丈の補助線の定義はもう少し広い意味でこういう意味です。問題解決のために既存の解法を超えて編み出した独自のメソッドのことですね。
中学生時代はゲームセンターの「鉄拳」で128連勝
(スライドを指して)さて、中学生になると私はこんな感じにYouTuberならぬプロゲーマーに転身します。鉄拳ですね。ゲームセンターにある鉄拳で128連勝しまして。これはどういうことかというと、50円入れたら4時間座りっぱなし。
(会場笑)
ちょっとエコノミー症候群になりながら、最後には勝つんですけど。お尻が痛くなって席を立つ。こんな感じで最後(席を)どきました。
もう1つがモンスターファーム。CDからモンスターが生まれますよってゲームなんですけれども。
私は中学生時代にこれで、例えば高校球児が甲子園を目指すように、私はモンスター甲子園を目指していました。そして第1回モンスター甲子園準優勝というカタチで、東京ゲームショウにバーンと打ち上げられながら出たのを覚えています。
鉄拳でいうと、私もゲームがうまいのでロケテストとかに呼んでいただくんです。その時、本当に情報化社会を目の当たりにしました。攻略本もありましたし、インターネットも出てきていた。私がロケテストで三島一八で風神拳で浮かせて、左パンチ、左パンチ、ワンツー、風神拳というのをやるわけですよ。
(会場笑)
そうすると、実際にゲームが出るとインターネット上で……当時は「JOE」という名前で活動していたので「JOEがこんなコンボをやっていたぞ」とすぐに広がっちゃう。ゲームが出たら、自分のコピーとずっと戦っていく感じだったんですね。これはまさに苦痛でした。ゲームをやめようかなと思いました。
ただ当時、私には特技がありました。特技がなにかというと、これですね。はい、動体視力。これを活かして、もう1回、補助線を引いてみたらどうにかなるんじゃないかと考えてやったのが次のページです。
(スライドを指して)すべての技の発生フレームと硬直フレームを見て、全部で12フレーム以上あれば、自分の動体視力で対応可能であるということになる。ストロングスタイルのキャラはまったく使わず、最弱キャラを好んで使い、その中で自分なりの美学で戦っていく。こんなカタチで、これまた数十連勝をやってみました。
これは小耳に挟んだんですけれど。2022年、アジアオリンピック評議会で「e-Sports」が正式種目になるとのこと。おめでとうございます。これは僕関係ないですが、おそらく経営者になっていなかったら、日の丸を背負ってオリンピック選手になっているんじゃないかと思います。
Five Hirao Joe is jojo
このあと、経営に出会っているんですよね。やっぱり自由度が高くて複雑な世界に挑んでいくときに、すごく経営がおもしろいなと思っていました。そして、じげんに行ったんですが……。
(会場笑)
これ本当にあの……。これは平尾丈ですよ。今日、ここで一番笑っていただきたい。5人の平尾丈がいれば上場できる。Five Hirao Joe is jojo.
(会場笑)
……ぐらいに思っていました。これは本当に。自分がやってた会社が株式会社営業という会社でしたから、自分は2〜3億円は売れます。あと4人いたら上場できる。これは本当に思ってました。
なので、こんなことが起きてしまいます。自分が営業するときは売れます。売れるんだけど、商材がないなので、信頼残高を毀損して、営業のフォローに時間を取られる。そしてまた営業、だんだんと売上が上がります。
けれども、今度は採用したりとか商品作ったとき、ギザギザ山切りカットでこんな感じで進んでいくわけですよね。こんなことで増収増益できるのか、と思いました。
みなさんの中でも、継続的に売上を伸ばすための補助線というのは、KPIを分解するとか、高単価の商品を売るとか。キーポイントですよね。みなさん、これはすべて正解なんですが、じげんの場合は次のように考えて補助線を引いております。
はい。LTS。「Life Time Sales」ですね。じげんという会社自体は、輪切りで考えた。これ、みなさん(スマホで)撮ってくれてますね。ありがとうございます。これ、広めてください。
Life Time Salesというのは、いわゆる山登ったときの売上高が100億円のときに、それが頂上であるのかどうかを見て考えています。これがベクトルなのか頂上なのか。
じげんではだいたい3〜5年ぐらい契約期間を長く取る機会が多いのですが、PL上には織り込まれないんです。けれども、3〜5年であれば、うちが売上100億円であれば、500億円のベクトルを仕込んだ100億円だと。このように時間軸を織り込んでPLを考えてる。こんな補助線を引いています。
本当は10個ぐらいやりたかったんですけど、プレゼンテーションは10分だけですので。平尾オリジナルのものは他にもたくさんあるんですが、お時間の関係でここまでとさせて……。
参加者:えー!
平尾:ありがとうございます。この声、待ってましたよ(笑)。
(会場笑)
じげんが行なった「圧倒的量質転化」
平尾:「じゃあ、どうやって補助線を引くのか?」というところなんですが、やはりこれは1つだけ答えがあります。なにか?
「圧倒的量質転化」です。たとえば、第4クオーターの3ヶ月、1月から3月までですけど、毎年中期経営計画を全事業部に作ってもらっています。毎年です。
一事業だいたい50枚ぐらい。10事業部あります。私もこの第4クオーター、かなり時間を使って、ひたすら300時間ぐらいかけて、もう積むとこんな感じ(笑)
IT業界、事業計画いらないみたいな話も出てきますが、私は書いたほうがいい派です。「圧倒的に、みなさん、このくらい時間をかけて事業に向き合ってますか?」というところです。これだけ量やってくると、やっぱり線の引き方みたいのがわかってくるわけですよね。
ちょっと暗い話すると、やっぱりカラーテストの時も、みんなが解けて特に差もつかない最初の5分はしんどかったです。鉄拳の時も、量産型強キャラと自分のコピーと戦う、これもしんどかった。
じげんの場合もそうです。最初は商品もなかった。その後、アイデアは出ても、相手方がいますから、データベースがもらえない。自分なりの理論があってもうまくいかない。そして採用市場でも、ソーシャルゲーム業界が人材紹介手数料が年収の100%でなかなか苦戦することも多く、本当に大変でした。
経営者として自分の会社と向き合っているか?
ここで申し上げたいのが、その5分じゃなくて、45分です。残り45分で、どこまでみなさん独自の補助線というのを引けますか?。
私はアーティストでもなんでもないですが……持論としては、経営者という仕事自体、大変複雑で自由度の高いクリエイティブな仕事だと思っていますし、だからこそ経営者という仕事を誇りに思っています。
おそらく経営者、今日みなさん集まっていらっしゃる方っていうのは、クラスの中では絶対に変わり者。そして自分はこの中でも変わり者かもしれませんが、今一度、「その経営は5分で終わってませんか? 残りの45分の経営にちゃんと向き合っていますか?」というところに自問自答していただきたい。そういうふうに思ってまして。
今回、タイトルは「次元を超える経営学」と申し上げさせていただきましたが、これはじげんだからこういう話するんだと思っている方もいらっしゃるかもしれません。でも、そういう話ではございません。
経営者として自分の会社に向き合って、そのなかで自分たちの補助線をしっかり引いていくと、経営は面白くなる。自分たちだけがそれをやっていくんじゃなくて、経営者全員が取り組んでいくことで、経営学自体をみなさんと一緒にアップデートできるんじゃないかなと思っております。
本日、いろんな話がありましたけれども、以上で私のほうからのIVS DOJOのお話にさせていただきたいなと思います。
以上、IVS DOJO、平尾丈でした。どうもありがとうございました。
(会場拍手)