「夢が砕け散った瞬間でした」金メダリストが乗り越えた人生史上最大の困難

卒業式スピーチ Allyson Felix(アリソン・フェリックス)

ロンドンオリンピックで金メダルを獲得した短距離ランナー、Allyson Felix(アリソン・フェリックス)氏が、母校の南カルフォルニア大学で卒業式スピーチを行いました。教職の身だった両親から学んだものや、母校での思い出などを述懐。オリンピックを目指す途中で起きた「人生史上最大の困難」にも触れました。

五輪メダリストが卒業式に登場

今日、みなさんの前に立っているということを光栄に思います。ガードナー学部長、すばらしい紹介をありがとうございました。

私はアスリートなので、これから話すいくつかのエピソードをスポーツに例えながら話しますが、それがみなさんにとって満足のいくになるよう願っています。

初めに、お祝いの言葉から始めさせてください。みなさんは、完ぺきにトレーニングを終えました。しかし、このトレーニングの目的は、あるレースの準備をするためです。みなさんが必要な道具を得るためには、トレーニングをこなし、効果を作りだす必要があります。トレーニングは自信をもたらします。きっとできるという確信が持てるようになります。

これから、どんなことが起ころうとも、自分を軌道修正できます。そして、卒業生のみなさんは、今最もすばらしく困難なトレーニングを終えたのです。

みなさんは新たなトレーニングをする準備がしっかりとできました。たいがい、みなさんのトレーニングは、歩き出す前から始まっていますね。よくわかります。

私は教育者の娘です。教育の重要性は、幼いころから教わっています。知らず知らずのうちに、両親が与えてくれた本当の意味での価値を理解しているように思います。それは両親が学生たちに影響を与えているということです。

両親のことで、私がいつも誇らしい気持ちになる瞬間があります。両親の教え子に会うとき、教え子たちが両親を大好きな教師であると聞かせてくれた瞬間です。そんな両親の生き方を通して、これから取りかかろうとする仕事への影響や重要性について私は学びました。

みなさんはそれぞれ作りだすものが違います。みなさんはしっかりとトレーニングをする準備ができました。この大学を卒業するために歩んできた時間は、今後決して忘れることができないものでした。

オリンピックが目標を示してくれた

私の大学時代の思い出は、キャンパス内の32番通りを歩いて、若い学生を見ることでした。学業に専念する、喜びいっぱいの彼らを見ることでした。私がやってきた以上に多くのことを学生生活で得ることができました。若き彼らの姿は、私の価値観を固めるのに本当に助けてくれました。これらの教訓を私はずっと忘れません。

この大学は、私に規律を教えてくれました。心から情熱を注いでいることをやり抜くことを教えてくれました。自分のキャリアが、ただ単に給料に左右されるものではなく、人々の人生に影響を与えるための機会なんだということを教えてくれました。

彼らにいい影響を与えるということは、彼らの成長を促すことになるのです。みなさんは、良いトレーニングをしていく準備をしました。私はここから、みなさんがスムーズに未来を進んでいくことを祈っています。

しかし、困難な状況に直面することがあるでしょう。

去年、私は2016年のオリンピックのためにトレーニングしていました。自分の目標をとても高いところに掲げたかったのです。2004年に初めてオリンピックに出場したとき、私はまだここの学生でした。そしてメダルを1つとりました。2回目のオリンピックでは2つ、3回目のオリンピックでは3つ。そして自然に、4回目のオリンピックでは、4つのメダルを取るという目標を持ち、自分を鼓舞していました。

しかし、トレーニングは順調でしたが、この課題は難しいと知っていました。歴史を作るような目標を成し遂げるというのは、今まで以上に大変なことになるだろうとわかっていました。

ときに人生において、目標を達成することがあります。そのとき、最も大変なことは目標を達成するということではありません。誰もが理解できないこと、また誰もが不可能だと思っていることに対し、人生を捧げる決断することです。力強く夢をみてください。歴史を作るという義務や責任といったことを恐れないでください。

夢が砕け散った瞬間

オリンピックのトレーニング中、人生史上最大の困難に直面してしまいました。その日、私はジムにいました。それはもう今までに1000回以上も行っていることです。しかし、その日は違いました。懸垂棒から落ちたとき、足首が壊れました。このとき、今シーズンは絶望的だと思いました。4回目のオリンピックへ行くという夢は砕け散りました。

床に横になり、足首が腫れあがる間、私は泣きました。これが大きな困難でした。その瞬間、どんなに自分がダメだったか、自分がどう目標に取り組むのかを決めなければなりませんでした。そのあと起き上がりたかったのですが、1人では立ち上がれませんでした。

私のコーチは医師へ連れていってくれ、家族がそこに会いにきて、涙が流れ落ちている間にも、すぐにリハビリを始めるよう手伝ってくれました。1人でそれをやったわけではりません。しかし、その日に起き上がって夢に向かうための次のステップに動き出したのです。

私は未だに、どうやってオリンピックにたどり着いたのかわかりません。しかし、不可能だと思われることを克服するため、ただ痛みを伴う一歩を踏み出したのでした。私は計画やプロセスを信じました。そして神様のご加護によってオリンピックに帰ってくることができたのです。

4つのメダルを取るという目標は果たせませんでした。しかし、私は3つのメダルを勝ち取りました。最も困難な障害を克服できる能力があるということを学びました。これが最も重要なのです。私が一歩をそのとき踏み出し、支えがある限り。

私はみなさんに夢を大きく持つということを求めます。不可能に見えることを恐れないください。もちろん時に失敗もあるでしょう。

しかし、立ち直るという勇気があるということを知ってください。一歩ずつ踏み出してください。大粒の涙を流すことがあるかもしれません。しかし目標に向かって進んでいってください。本気になるのです。みなさんの将来は素晴らしく、輝かしいものになります。そして私は、みなさんが出会う人の人生に素晴らしい影響を与えることを確信しています。

みなさんは十分なトレーニングをする準備ができています。みなさんの成功を祈っています。

がんばってください!

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