カーブボールはなぜ曲がる?
変化球のカギを握る「マグヌス効果」を解説

How Do Curveballs Change Direction in Midair?

野球の醍醐味の1つと言えば、ピッチャーの投げるキレのいい変化球。ボールを投げる際に強いスピンをかけることで軌道を変化させるわけですが、なぜ回転するボールは曲がったり落ちたりするのでしょうか? 今回のYouTubeのサイエンス系動画チャンネル「SciShow」では、カーブボールが曲がるしくみと、そのカギを握る「マグヌス効果」について解説します。

カーブボールはなぜ曲がるのか

ステファン・チン氏:平均的な人間が、見たものに反応するのに4分の1秒を必要とします。これは、目から脳へ信号が移動し、そして筋肉に戻るのにかかる時間を示しています。4分の1秒はそれほど長くありませんが、しかしながらこの時間の誤差は、実際には野球の打撃のように複雑です。

プロフェッショナルの水準では、ピッチャーマウンドからホームベースまで投球が届くのに、2分の1秒しかかかりません。つまりボールを打つには、ホームベースに届く途中ですぐにバットを振り始めなくてはなりません。脳が、ボールがどこに行くのか予見することにより、ボールが届く前にそれを可能ならしめるのです。

つまり、バッターが予期する場所より、数センチメートル離れたところに投げることのできるピッチャーは大変有利なのです。このような投球は変化球といいます。さまざまな種類の変化球があります。最も有名なものは、カーブボールで、通常よりも投球が速く下に落ちます。

変化球は、マグヌス効果(一様流中に置かれた回転する円柱または球に、一様流に対して垂直方向の力がはたらく現象)として知られるものを応用したもので、ボールの回転は、方向を変えるように周囲の空気の干渉を受けます。以下はその仕組みです。

ある物体が空中を動くとき、空気の分子は、境界層と呼ばれる厚い層として物体に粘性をもって張り付きます。そして、ボールの表面を少々引っ張りながら、それから分離します。この分離が起こる地点というのは、カーブボールが想定するよりも速く落下するための重要な部分なのです。

カーブボールを投げるとき、投球する方向に向かって、ボールの上辺が投球者から離れ、ボールの下辺が投球者の方へ近づくように、トップスピン、つまり順回転をかけます。一方、空気は、ボールの上辺と下辺の両方を覆うように流れます。ボールの底部は、通り過ぎて流れる空気によって回転し、境界層はより長くボールに張り付き、ボールの背後に向けて回り込み曲がります。

一方でボールの上辺は、通り過ぎて流れる空気に対抗するように回転し、ボールの背後で曲がる前に境界層はより早く分離します。全体的な効果として、回転する方向にボールの背後の空気を歪ませながら、ボールがその周囲の空気を引きずるのです。

カーブボールがトップスピンをもつときは、ボールの背後の空気は上へ向かって歪みます。そして、空気を上方に押し上げながら、飛行経路を変え、ボールを反対方向に向かわせます。これがマグヌス効果です。才能あるピッチャーは、マグヌス効果を有効活用しさまざまな方向にボールを回転させることができます。

ボールにトップスピンを与えることで、突如として落下するカーブボールを仕掛けることができます。しかし、バックスピンを与えれば、重力に逆らいより直線的な経路をとる原因になります。このために、積極的に物理的な回転をボールに与えるのです。

ご質問ありがとうございます。スポーツの科学についてもっと知りたければ、なぜゴルフボールに窪みがあるか、という私たちの動画をチェックしてください。ゴルフボールの窪みにどれだけの考えが込められているか、みなさんはきっと驚くことでしょう。

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