野菜や果物にどんな意味が込められている?
食べ物をテーマにしたアーティストたち

FOOD | 5 Artists in 5 Minutes

人間が生きていく上で必要不可欠なものの1つが食べ物。生まれてからこれまで、ほとんど毎日なにかしらの食べ物を摂取してきたと思いますが、その身近さからかアートのなかには食べ物をテーマにしたものも多く存在します。今回のYouTubeのアート系動画チャンネル「Little Art Talks」では、そんな食べ物をテーマにした芸術家たちを紹介します。

食べ物とアートの関係

カリン・ユエン氏:みなさん日曜をいかがお過ごしでしょうか? 今週の「5 Artist in 5 Minutes」は、世界で最も私の好きなもの、そう、食べ物についてです。さあ、それでは始めましょう。

静物画の長い歴史を語ることなく、食べ物と芸術の関係を述べるのは大変難しいです。

静物画に特別な関心を示した画家のひとりに、イタリア人画家のジュゼッペ・アルチンボルドがいます。彼は不思議な魅力的を持つ、全体が物体で構成された頭部のある肖像画で知られています。それらの物品は、単に形態から選ばれたわけではなく、物の意味から選ばれています。

「ウェルトゥムヌスに扮するルドルフ2世(Vertumnus)」(1590~91)は有名なアルチンボルドの作品で、神聖ローマ皇帝ルドルフ2世の肖像を、多様な果物や花々などを使用し四季の神の寓意として描いたものです。ご覧のように彼は顔を、梨やブドウ、桃などで構成しました。野菜や果物は皇帝治世の黄金時代の繁栄の象徴なのです。

ウィン・ティボード(Wayne Thiebaud 1920~)は、アメリカの画家で、お菓子やケーキ、パイやキャンディーなどの絵を描きました。

彼は、リップスティックやペイント缶、アイスクリームコーン、ホットドッグなど平凡はオブジェを用い、それによって彼はポップ・アート運動の一員と分類されることもありますが、50年代の日常文物の領域で制作を始めたとき、より古典的なアメリカのポップ・アーティストに先駆けていたので、彼はポップ・アーティストでないという議論もあります。

アンディ・ウォーホルによるクールなスープ缶と比較すれば、ティボードのケーキは暖かくそしてどこかノスタルジーを感じさせます。鮮やかな青、ピンク、黄色など分厚いインパスト(絵の具の厚塗り)によって、文字通りケーキが完全に美味しそうな表皮で覆われているのです。

チョコレートの塊で胸像を製作

ディエター・ロース(Dieter Roth 1930~1998)はスイスのアーティストです。彼の作品は腐敗した食べ物に関わっています。「P.O.TH.A.A.VFB(若い芸術家の肖像)」(1968年)は、60年代にチョコレートの塊で制作したマルティプルのアーティスト自身の肖像です。題名はジェームズ・ジョイスの小説からとられ、そこでは芸術家は若い男として表現されています。

しかしながら、ロスはこの胸像において感傷的なイメージを排し、自分自身の肖像を、チョコレートと鳥のエサを混合した、年老いた男の像として表現しました。屋外に取り付けられると、鳥によって消費され何も残らなくなります。大理石で彫られた伝統的な胸像と違い、この彫刻は完全に破壊され、老化の必然性や身体の衰退を示しています。

アントニオ・ロバート・ガルシア(Antonio López Garcia 1936~)はスペインの静物画を極端なリアリズムで描いたアーティストです。ガルシアは、画家や彫刻家からなるマドリッドのリアリストのグループの主導者でもありました。彼らは直接の観察による制作に従事します。スペインの静物画は黄金時代からの強い伝統がありますが、だからといって今でも時代遅れでもありません。

「皮をむいたウサギ」は描写通り、調理の準備のために皮をむいたウサギなのですが、ウサギは頭を左にした胎児のような配置で、装飾された縁のあるガラスのさらに置かれています。そのウサギの肉の衝撃的なリアリズムはしばしば、不快なほど幼児時代の姿と対比され、死は閉じた目がミルクの様な液体で覆われていることで暴かれ、明るいグレーの壁は、静謐な感情をこの暴力的な静物の冷たさに付加しています。

フォーレン・フルート(Fallen Fruit 2004~)ロサンゼルスを拠点にコラボレーションを行ったアーティストで、元々はデイヴィド・バーンズ(David Burns)、マティアス・ヴィエグナー(Matias Viegner)、オースティン・ヤング(Austin Young)のコラボレーションによって開始され、協働による仕事はバーンズとヤングに引き継がれました。

『The Journal of Aesthetics and Protest』への反応から始まったこのプロジェクトは、その解決方法を提案しながら社会的、政治的な問題を扱うことに向けられています。

彼らは、シルバーレイクやロサンゼルスの地区に増えつつある公的な所有地の果樹園において「Public Fruit Map」を作成しました。その地図には、知らない人に会ったら声をかけること、食べ物を共有すること、友人を自分の足で連れて行くこと、が記されています。

名前に見られるように彼らは、果物に関心があり、果物は何らかの手法で彼らの作品の中で機能しています。彼らが果物に注目するのは、果物は歴史を超越し、あらゆる階層や年代、そして民族集団を横断するメディアであるからだと述べています。果物は、象徴性や美学的な性質により、非常になじみ深い共通の食べ物の主題となり、善や温情やそして寛容さといったものを象徴しているのです。

さて今週の「5 Artist in 5 Minutes」でした。5人のアーティストの作品は食べ物と関わっています。みなさんが、それを興味深く思い、そして楽しんで頂くことを望んでいます。

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Karin Yuen(カリン・ユエン)がアートの世界をわかりやすく解説するYouTubeチャンネル。古今東西のアートにまつわる豆知識をお送りします。

・公式チャンネル

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